ES(エントリーシート)
エントリーシートの自己PRの書き方|文章作成のポイントと例文
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目次
書類選考をクリアできるエントリーシートとは
エントリーシートを作成するにあたり、自己PRの書き方に悩む就活生は少なくありません。そもそも「自分のアピールポイントが分からない」と思う人がほとんどです。書類選考は選考の序盤におこなわれるため、エントリーシートが書けないと面接に進むことができません。
書類選考を通過するには、エントリーシートや履歴書の自己PRで採用担当者の心を掴む必要があります。特別な経験やスキルがなくとも、書き方次第でアピールすることは可能です。
本記事では、自己PRの書き方のコツを例文と併せて紹介します。記事を読むことで、自分自身の強みがわからなくとも、アピールできるエントリーシートの書き方がわかるようになります。しっかり読み、魅力的なエントリーシートを完成させましょう。
自己PRに書ける長所の見つけ方
自己PRと一言で言っても、何を書けばいいかわからない場合が多いです。自分の短所は見つけられても、長所を見つけることは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。
まず、自分の長所を見つけるためには「自己分析」「他己分析」「企業が求めるスキルを把握すること」が大切です。自分でもわかる自分のこと、他人から見た自分、企業が求めるスキルを身につけているかを逆算すると、エントリーシートに書ける自己PRを考えられるようになります。
いずれも自分を客観的に分析し、強みを探り出すことが重要です。やり方によって見えてくる自分の強みも異なる場合もあるため、一通り試してみてください。
自己分析をする
自分の長所を発見する方法の1つ目は「自己分析」です。過去の経験や行動について深掘りしていくことで、自分の性格や特徴が見えてきます。その中から、自分の長所だと思える部分をピックアップしましょう。
自己分析の方法として、ひとつの行動に対して「なぜ?」という問いを繰り返すものがあります。たとえば「国際ボランティアに参加した」というエピソードであれば、「なぜ、国際ボランティアに参加しようと思ったのか?」と自分自身に問いかけ、ボランティアに参加した行動の理由を考えます。
「人のためになりたいと思ったから」という答えが出たとすれば、社会貢献への意欲や行動力があることが長所として挙げられるはずです。
自己分析の具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
他己分析をしてもらう
自分の長所を発見する方法の2つ目は「他己分析」です。自己分析は自分でおこなうため、気づきには限界があります。自分のことをよく知っている人に尋ね、多角的な視点から自分を深掘りしましょう。
他己分析をしてもらうと、自分では気づかなかった長所を見つけられる可能性があります。また、自分では短所だと思っていた部分が、別の視点から見ると長所にもなることもあります。これらの考えをまとめたものを「ジョハリの窓」と言います。
自己分析と他己分析で洗い出された自分の特徴を、上記画像のように整理しましょう。そうすると、より自分について理解を深めることができます。
他己分析のやり方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
企業が求めるスキルを把握する
自己PRはどれだけ自分をアピールしても、それが企業に評価されるものでなければ意味はありません。業界や企業によって求められるスキルは異なります。そのため、能力があってもその職場で発揮できるものでなければ評価されません。
企業研究を行い、企業が求める人材に必要なスキルを把握しましょう。
それから逆算すれば、自分のスキルを活かせる職場ではアピールポイントになることがわかります。
例として、プログラマーであれば「地道な作業をコツコツと続けられるスキル」が求められます。自分にはそれを活かせる特徴があるのか振り返ってみると、自分に向いてる職業が見えてきます。
自己分析をしてもアピールすべき能力が見つからない場合は、企業に求められる能力から題材を探していきましょう。
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自己PRを書く時のポイント5つ
エントリーシートを書くためのコツはさまざまです。本記事では「①結論を最初に書く」「②過去の経験を洗い出す」「③具体的なエピソードを交える」「④印象に残るキャッチフレーズを考える」「⑤仕事での活かし方を伝える」という方法を紹介します。
採用担当者は多くのエントリーシートを目に通しているので、読んだ時に印象に残る自己PRを書けるようになりましょう。就活に限らず、自分の伝えたいことを上手く伝える方法にもつながりますので、参考にしてみてください。
①結論を最初に書く
自己PRを書く際は、結論を先に書きましょう。そうすると、自己PRで伝えたいことが明確になります。
書類選考では、採用担当者は短い時間で多くのエントリーシートに目を通すことになります。その際、伝えたいことが分かりにくいエントリーシートは読んでも印象に残りにくくなります。自身が一番伝えたいことは、最初に結論として提示しましょう。
そのためにも、まずは自己PRで一番伝えたいことを決めましょう。それをアピールの軸とすれば、理由付けなども考えやすくなります。自分の伝えたいことを採用担当者にも理解してもらえるエントリーシートにするためにも、結論ファーストで伝える意識を心がけましょう。
◆OK例文:結論を最初に述べることで、伝えたいことがわかる
専攻している金融の知識を活かして働きたいと思い、貴社を志望しました。3年生でのゼミで日本の金融市場を学んだことがきっかけで、興味を持つようになりました。
◆NG例文:伝えたいことがわかりいくい
私は3年生でのゼミで日本の金融市場について勉強しました。それがきっかけで金融に興味を持ち、専門分野を活かせる仕事に就きたいと考えるようになりました。
②過去の経験を洗い出す
自己PRに書くエピソードを見つけるためには、過去の経験を洗い出しましょう。私生活、学校行事、部活、アルバイトなど何でも良いので、記憶に残っている経験を振り返ってみてください。
たとえば「今までで1番達成感を感じたとき」であれば、「自分が何をどのように頑張ったから達成感を得られたのか」をストーリーとして洗い出すことができます。その際、「5W2H」で考えると深掘りしやすくなります。
③具体的なエピソードを交える
自己PRを作り上げる過程において、過去の自分の経験を洗い出す作業は非常に効果的です。今の自分の糧となっているものは、これまでの経験から学んだことがほとんどです。過去を顧みることで、自分の強みが何かわかってきます。
「②過去の経験を洗い出す」にもつながりますが、過去のエピソードを交えることで自己PRの根拠になります。当時のシチュエーションを他人でもイメージできるように具体化することで、より説得力のある自己PRにすることができます。
できることには、できるようになるまでの過程が必ずあります。自己PRの内容について悩んでいる人は、これまでの自分の経験を振り返ることから始めてみてください。
④印象に残るキャッチフレーズを考える
自己PRに独自性を持たせるために、「印象に残るキャッチフレーズ」を考えましょう。そうすることで、エントリーシートを見る採用担当者の記憶に残りやすくなります。
キャッチフレーズは自分を象徴するような内容であることが望ましいです。考え方として、自己PRを通じて自分が一番伝えたいことを決めましょう。それを軸とすることで、自分らしさを表現しやすくなります。
- キャッチフレーズの作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
⑤仕事での活かし方を伝える
自分の長所がわかったら、「長所を入社後にどのように活かせるか」を伝えましょう。例えば事務職を希望している人であれば、「几帳面さを活かして正確な処理ができる」という自己PRがアピールできます。
ここで大切なのは、「志望する職種や業界が求めている人物像」と「自分の強み」を結びつけることです。企業が求めるスキルを把握し、「自分の性格はどういう場面で活かせるか」を考えましょう。その強みをアピールできれば、企業にとっても必要な人材だと思ってもらうことができます。
読んだ人を惹きつける自己PRの作り方
自己PRには相手の印象に残るインパクトが必要です。どんなに素晴らしい能力や人柄があったとしても、それを十分にアピールできなければ他の就活生に埋もれてしまいます。書類選考を通過するためには、読んだ人を惹きつける内容にしましょう。
採用担当者に「入社しても活躍してくれそう」と思ってもらうには、自分の良さが伝わる自己PRを作成する必要があります。書き方のコツは「自分の言葉で書く」「自分のキャラを出す」の2点です。
以下より、それぞれについて紹介していきます。これらを意識しながら、独自性のあるエントリーシートを作成しましょう。
自分の言葉で書く
エントリーシートの内容に独自を持たせるためにも、自己PRは自分の言葉で書くようにしましょう。自分の言葉で書くというのは、得た情報を頭の中で整理し、自分が一番しっくりくる表現で書くことです。
読んだ人に「入社しても活躍してくれそう」と思ってもらうには、教科書通りのアピールでは響きません。ありきたりな文章は他の就活生のエントリーシートに埋もれてしまいます。独自性を出すためにも、自分で解釈した上で表現しましょう。
拙い文章でも構いませんので、必ず自分の言葉で書くようにしましょう。そうすると、自分らしさを表現ことができます。自己PRはただ上手に書けばいいものではなく、心に響く内容にすることが大切です。
自分のキャラを出す
過去に経験したエピソードに独自性を持たせるためには、「自分が集団の中で担ってきた役割」を伝えることが有効です。
たとえば学生時代のサークル活動であれば、「自分が話題の中心になって盛り上げることが多く、ムードメーカー的な存在でした」といった説明ができます。集団における自分のポジションや役割を理解していることは、社会に出ても自分の立場や仕事を理解するのにつながります。
自分のキャラをアピールすることで、読んだ人に興味や好感を持ってもらえる可能性が高まります。面接で「話してみたいな」と思わせられるように、自分の良いところを踏まえたキャラを自己PRに盛り込みましょう。
自己分析ツールを活用して、受かる履歴書を完成させよう
履歴書はあなた自身を売り込む文章。採用担当に響く履歴書を書くには、自己分析を通じて、「あなた自身」を深く理解しておく必要があります。
そこで便利なのが、無料の自己分析ツール「My analytics」です。36の質問に答えるだけで、あなたの強み・弱み→それに基づく適職をサクッと診断できます。
My analyticsを活用して、自己分析をサクッと終わらせ、人事の心に刺さる履歴書を完成させましょう。
書類選考を通過するための自己PR例文
これまで紹介した書き方を踏まえ、書類選考を通過するための自己PR例文を紹介します。書類選考を通過するには、読んだ人の印象に残る自己PRを書くことが大切です。例文を読むと、「実際にどのように書くと伝わりやすいのか」を体感できます。
また、採用担当者は「もし、この子がうちに入社したら活躍できるのか?」という観点で読みます。そのため、相手目線に立って自分という人間をアピールすることが大切です。読む人の目にとまるように意識して自己PRを作成し、書類選考を通過しましょう。
例文①:行動力があることをアピールする
私にはチャンスを逃がさない行動力があります。その理由は、野球部での経験からです。最後の大会で1点ビハインドの9回に、私はツーベースヒットで塁に出ることができました。
私は走力に自信があり「ここで3塁に進めばチャンスになる」と思い、盗塁を試みたのです。結果、盗塁を成功させツーアウト3塁となり、次の打者がサヨナラヒットを打ち勝利することができました。
私は行動力を活かして貴社でも活躍し、大きなチャンスを引き寄せたいと思います。
自己PRの例文では行動力が、アピールの題材として挙げられています。単に行動力をアピールするだけではなく、チャンスを逃さない行動力とキャッチフレーズをつけることで印象深いアピールになってします。
また、結論から語ることでアピールする内容を明確にし、内容を印象付けることができているのもポイントです。結論の次にそれを裏付けるものとして、部活のエピソードが語られており文章構成にも問題ありません。
エピソードの中でポイントとなるのは走力に自信があり、チャンスになると思い盗塁したところです。監督の指示ではなく、自分の意見や主観で語られており独自性がアピールできています。締めの文章でも自身の能力を活かして活躍したいとすることで、向上心の高さもアピールできています。
例文②:自分らしさをアピールする
私は「相手の気持ちを察することで、優しさを表現することができる」人間です。その根拠となるエピソードは、学生時代にチャレンジした「四国八十八ヶ所の歩きお遍路」です。
2ヶ月間お寺を歩き、そこで色々な人との出会いがありました。その経験で学んだことは、「人の優しさに触れ、人間は支え合って生きている」ということです。見ず知らずの人にはお寺の頂上から車で送ってくださったり、ホテル経営をしている人には無料で旅館に泊まらせて頂けたりしました。
この経験から「相手の気持ちを察することで、優しさを表現することの大切さ」を学び、意識して行動するようになりました。この経験を糧に、貴社に入社して活かすことができると思い志望しました。
上記の自己PRでは、大きく分けて二つの強みをアピールすることができています。
一つ目のポイントは、その経験から学んだことを自分の強みとしている点です。「相手の気持ちを察することで、優しさを表現することができる」という文言は、お遍路を通じて出会った人達との交流で得られた経験です。「その経験があったから今の自分がいる」ということが伝わりやすい例文になっています。
二つ目のポイントは、「好奇心旺盛でチャレンジ精神がある」ということです。四国八十八箇所のお遍路を経験した人が多くありません。このような変わった経験を交えると、読んだ人に「面白い」「話してみたい」など興味を持たせることができるでしょう。
また、自己PRで伝えたいことはできるだけ絞り、明確にするように心がけてください。アピールしたいことが複数あっても、上記例文のように間接的に「好奇心旺盛である」と読み取ってもらえる可能性もあります。
例文③:複数の経験から学んだことをアピールする
私は「チャンスを掴むためには感性を磨くことが大切」と考えています。学生時代に建築家の人とお話しした際に「一流大学、一流企業に行っていない人が多い中で、その人達にもチャンスがある時代です。そのチャンスを掴むためには感性を磨け」と言われました。それから学生時代では、感性を磨くために色々なことにチャレンジしました。
たとえば「カナダへの語学留学」「IT企業へのインターンシップ」「個人で稼ぐ力を養うためのメディア運営」「ゼミのリーダー」「東京マラソンへの出場」「クラブDJ」「浅草での人力車」など、多種多様な経験をしてきました。
その経験で学んだことは「感性を磨くことで好奇心がわく」ということです。好奇心が強いと、さまざまな挑戦ができるチャンスを得られやすくなりました。
そうすることで一歩二歩先を見越した活動ができ、チャンスの幅が広がることがわかりました。この経験を活かすためにも、貴社に入社しチャンスを掴みたいと思い志望しました。
学生時代に出会った建築家の言葉を信じ、多くの行動につなげた点は、企業から見て大きなポイントになります。吸収力や行動力などを活かし、自分の成長につながる行動をしてきたことがアピールできています。
上記の自己PRは、ひとつのエピソードに絞るのではなく、色々な経験をしてきたことから学んだことを伝えています。そのような自己PRであれば、面接の際にそれぞれの経験を深掘りされる可能性もあります。いずれのエピソードもしっかり話せる準備をしておきましょう。
例文④:成長の過程を踏まえてアピールする
私は「負けず嫌い」な人間です。常に「自分のライバルは昨日の自分」と考え、毎日何かひとつでも成長しようと意識して過ごしています。
大学1年の時に始めたテーマパークでのアルバイトでは、接客が苦手で悔しい思いをしました。そこで、自宅で笑顔のトレーニングと接客時の雑談力を鍛えるために、毎日勉強しました。また、よりよい接客を目指して「ベストカード」というお客様から接客のよい従業員に渡していただくカードを提案、作成しました。
努力を重ねた結果、今はチーフに昇格し、新人育成やメニュー提案もさせてもらえるようになりました。何でも少しずつ成長することで、必ずできるようになるという信念を持っています。この強みを活かして、貴社でもどんな仕事にも前向きに取り組み、貢献していきたいと思います。
この例文では「上昇志向があり、現状に満足することなく成長していきたい」という姿勢が出ているところがポイントです。この部分は、企業側は特に重要視しています。どこの企業でもそうですが、上昇志向や成長意欲や素直さがある人間を好みます。
成長意欲がなく「勉強は学生時代で終わり」「安心や安泰が一番いい」と思っている人は、どこの企業からも評価されません。上記の例文で、努力の過程から結果として示せている点も、企業側が興味を持つきっかけにつながります。
上記の例文を参考にして、自分の今までの経験で得た強みを織り交ぜて自己PRを作成してみて下さい。
例文⑤:目標達成のエピソードを交えてアピールする
私は「問題解決能力がある」人間です。大学のゼミで、大学ラグビー部の集客しており、様々な大会で活動しました。
ゼミでは代替わりすると、一年の目標を新しく設定することになっています。私が3年生になった時は「学内全体を巻き込むこと」を目標にしました。そのために、私たちは大学の購買に協力してもらい、応援団の活動紹介のチラシを貼らせてもらいました。
また、各研究室に案内を回して大会の観戦を勧めたり、大学のホームページにゼミの活動を特集記事として掲載してもらいました。成果はすぐに出ませんでしたが、各部活で活躍している人にインタービューした内容を、各媒体に載せるなど工夫を取り入れました。その結果、観戦人数を以前の3倍にすることができました。
この経験で培った「問題解決能力」を活かせる仕事に就きたいと思い、貴社を志望しました。
この自己PRでは目標を立て、仲間と共に戦略を考えた上で活動したことが書かれています。そのため、具体的にどのような試行錯誤をして、成果に結びついたのかが具体的に伝わる内容です。
目標から逆算して「今は何をしなければいけないのか」を把握し、 仮説検証を回して行動したことが分かります。具体的なエピソードを書けていることも評価されますが、計画を立てて行動できる人間であることもアピールできています。自分がどんな人間であるかは、当時の行動からも分かるように気をつけて書くと良いでしょう。
例文⑥:課題解決のための創意工夫をアピールする
私は「調整力と交渉力がある」人間です。大学1年生の時から、ファストフードのアルバイトをしています。
ある時期に、お客様から「接客のスピードが遅い」というクレームを連続で受けました。店舗の業務を見直してみると、忙しい時間帯に接客担当が一人しかいないことに気がつきました。
そこで、私はシフト管理に課題があると感じました。接客スピードを上げるために、アルバイトスタッフの管理を担当スタッフから引き受けて検討することにしました。他店のシフト管理の方法などを調査したり、他のスタッフと相談を重ねることで、お客様の多い時間帯に必ず2人の接客担当がいる様にシフトを再考しました。結果として、クレームの減少につながりました。
その経験があったからこそ、私は調整力や交渉力を身に付けることができました。この経験を活かして貴社に貢献したい考え、志望しました。
この例文では、現況の課題を把握し、改善に向けた行動と成果がわかるようになっています。課題解決に向けた対策が具体的であり、前向きに取り組んでいた姿勢が伝わります。このような自己PRは、企業にとっても「会社に入社しても、一生懸命頑張ってもらえる」といったイメージを抱いてもらいやすくなります。
また、「接客のスピードが遅い」という課題から、「クレームの減少につなげ、調整力や交渉力を身に付けることができた」といった結果を導いています。問題を解決して、自分が成長しているエピソードは、問題解決能力があると判断されます。
自己PRのNG例文
続いて、自己PRの悪い例文を紹介します。自己PRは自分の長所を伝え、企業側に自分を評価してもらうことが目的です。ですので、併せて「長所が会社でどう発揮できるか」を考えて伝えることも重要です。
採用担当者は「就活生がどのような人なのか」「入社後に活躍してくれそうか」といった視点で考えています。企業によって業務内容は異なるので、それぞれの会社に合ったアピールをするように心がけましょう。
NG例文と自分の作成した自己PRを見比べ、どこに改善の余地があるのか確認してください。
NG例文①:長所をどう活かせるのか分からない
私の長所は、誰に対しても人見知りしないことです。大学ではテニスサークルに所属していました。他のサークルとの対外試合を頻繁におこなうため、試合日程の調整などを率先して取り組んでいました。
他のサークルの人はほとんどが初対面でしたが、気負いすることなく日程調整を進めることができました。これにより、私の長所は人見知りしないことだと思いました。人見知りをしないのは、これからの社会生活において大いに役立つことだと考えています。
この例文の悪い点は、「自分の長所を会社でどのように活かすことができるか」が書かれていないところです。コミュニケーション能力が高いという強みがあるのであれば、「連携して業務を進める貴社において、他の部署との調整が必要な場面で長所を発揮できます」といった会社で活かせることを加味して文章を考えましょう。
例文②:アピールしたいことが分かりにくい
私は大学4年間を通して、喫茶店のホールのアルバイトをしてきました。アルバイトを始めたばかりのときは店の商品名を覚えるのがやっとで、何度もオーダーの取り間違えをしていました。
しかし、2年目にもなるとうまく仕事がこなせるようになり、新人の指導係にも抜擢された実績があります。この経験は、仕事の専門性が高い御社でも活かせると思います。私の長所は努力家で仕事を効率的にこなせることです。この長所を活かして業務に生かしていこうと考えています。
この例文の良くないところは、結論が最後に来ていることです。文章の半分以上が前置きになっていて、最後まで読まないと結論がわかりません。何を伝えたいのか明確にするためにも、結論は最初に書くことが重要です。最初に「私の長所は努力家です」と言い切り、理由を後述するようにしましょう。
自分のアピールポイントを理解しよう
エントリーシートの作成は最初からできるほど簡単ではありません。本記事を参考に、注意点を意識しながら何度も書いて練習してください。繰り返し書くことで、ブラッシュアップすることができます。
アピールできる強みがないと悩む人は多いですが、誰にでも強みはあります。強みを見つけることができない場合は、さまざまな方法を試すようにしましょう。アピールできる題材を見つけ、それをどのように伝えれば良いかを考えていきましょう。
企業によって求められる能力は違異なります。企業研究をしっかり行い、その企業で活かせる強みをアピールしてください。そうすることで、書類選考を突破できる可能性は高まります。