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就職で役立つ資格と役立たない資格がある?
資格を持っていることでプラスに働くことが多いのは事実ですが、ただ単に資格を持っていればいいという問題でもありません。就職で本当に有利になる資格というのは実に少なく、今持っている資格が志望する職種と全く関係のないものであれば当然役に立ちません。
しかし、基本的に採用担当者は、たとえ職種にマッチしていない資格でもなんらかの資格を取得していることに対してはポジティブに捉えます。極端にかけ離れた畑違いの資格でも努力は認められるものです。役に立つ資格を取得するのに越したことはありませんが、例え役に立たないと判断される資格でもそれほどネガティブになる必要はありません。
企業研究をして就職に有利な資格を取得する
業界やその企業によって、求められる資格や持っていると有利な資格は違ってきます。たとえば、商社などの企業の場合には将来的には海外勤務なども視野に入るために英語関連の資格(TOEICや英検など)が事実上必須になります。
どのような企業でも経理部門を担当する場合、公認会計士の資格や税理士の資格、またはマイクロソフト関連の資格が役立ちます。企業研究を綿密に行い、その業界や企業で働いている人が持っている資格を調べることが、最初の一歩です。
資格をどう活かすのかを明確にする
せっかく習得した資格であっても、それをどう活用するかを明確に採用担当者にアピールできなければ宝の持ち腐れになってしまいます。あなたが応募しようとしている業界や企業における職務において、あなたの持っている資格がどう活かせるかをアピールする必要があります。
英語の資格は、商社において外国に赴任した際に現地の人コミュニケーションを図るために役立ちます、といった簡素な内容でもいいので、資格が実際の仕事にどのように活用できるかを考え、把握することが大切です。これらを把握して、的確にアピールすることによって採用担当者の興味をひくことができ、次の採用ステップに進める可能性が高まります。
自分の適性とやりたいこととのマッチングが大事!
資格を取得するために努力することは、何事も結果が出るまで取り組める姿勢があると捉えられ、就活への熱意をアピールすることができます。また自身のモチベーションを保つ上でも何か1つ資格を持っておくというのは無意味なことではありません。
ですが、いくら面接官が資格に対してポジティブであっても、やはり職種にマッチした資格である方が好ましいのは事実です。よって就職活動の際は、自分の適正とやりたいことのマッチングということが重要で、それによって取得する資格も格段に取りやすくなります。
汎用性の高いおすすめ資格
資格には大きく分けて「国家資格」「公的資格」「民間資格」の3つがあります。国家資格は文字どおり国が法律に基づいて認定を行なっている資格で、公的資格は主に所轄省庁や大臣が認定した審査基準に基づいて民間団体が行うもので国家資格のように法律で規制されたものではありません。
そして民間資格とは民間団体や企業が独自の審査基準を設けて任意で認定する資格です。就活に有利なのはやはり国家資格や公的資格ですが、民間資格でも汎用性が高いものといえば「TOEIC(Test Of English International Communication)」「MOS(Microsoft Office Specialist)」。この2つは、どの職種でも概ね有利に働く可能性が高い資格といえます。
就活生に人気のTOEIC
現在多くの企業では英検よりもTOEICでの英語力を判断しています。英検は正式名称を「実用英語検定」といい、一般的にはTOEICよりも難易度の高い資格として認識されている場合が多いのですが、ビジネス向きなのはTOEICです。
外資の企業であれば特にTOEICの点数は重要になってくるでしょう。履歴書に書くことで有利になる点数は、明確な基準があるわけではないのですが、600点以上あればかなりの理解力は認められます。ですが英語を多用する職種であれば750~800点は欲しいところです。
英検とTOEICの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
MOSも就活に有利
ITスキルを証明する資格として有利なのが「MOS」というマイクロソフト社が認定するMicrosoft Officeのスペシャリスト。ワードやエクセルなどの熟練した操作が求められ、パソコンの浸透率が高い現代においては必要不可欠とも言える資格のうちのひとつです。取引先との契約書・見積書や複雑なグラフの作成まで、基本的な操作ができることは社会人としての基礎とも言える資格です。
就活生におすすめの資格
実際に就職活動をするにあたり、ある程度複数の仕事で使うことのできる汎用性が高い資格はいくつかあるものです。TOEICやMOSだけでなく、こういった資格も就職を目指す業界や職種に合わせて取得しておくとより採用率が上がることになります。
ここからは、そういった応用の効くおすすめの資格について、いくつか解説していきたいと思います。状況に応じてこれらの資格を取得することで、就職の幅もより広がることでしょう。
日商簿記検定
簿記の資格については、人によっては「就活には有利にならない」という人もいるようです。ですが実際のところ、簿記はどの職種に就職する場合でも勉強しておいて損はしない知識です。経営や経済の仕組みを理解するための知識が簿記ですので、企業にとっては取得しておいてほしい資格でもあるのが事実です。このため、選考段階でも意識の高さをアピールすることのできる資格でもあるといえるでしょう。
簿記に関わる資格の中でもメジャーなのが、日商簿記検定です。1~4級の4段階で取得する資格ですが、就職に活用するのであれば2級までの資格取得で問題ないようです。2級なら約200時間程度の勉強時間で取得できるといわれており、時間を作って勉強をしていくことで確実に取得できる資格であることも魅力です。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は不動産に関わる国家資格であり、不動産業において顧客が知っておくべき重要事項を説明するのが主な仕事です。その業務内容を踏まえると、不動産取引に関わる職種で活用できる資格といえるでしょう。不動産業だけでなく、不動産売買に関わる建設会社や金融機関への就職にも有利な資格です。
どちらかといえば、転職よりは新卒のほうが使える資格ともいわれています。特に上記に上げた業界への就職を目指しているのであれば、持っておくと有利になることでしょう。
宅地建物取引士は、合格率自体はそこまで高くはないと言われています。ですが、不動産関連への就職を目指すのであれば、取得しておいて損しない資格です。
基本情報技術者
基本情報技術者は、ITに関わる基本的な知識と技術を求められる資格です。ITに関する資格としては他にもITパスポートが挙げられますが、ITパスポートはITの幅広い知識を有していることをアピールできるのに対し、基本情報技術者はそれらの知識を技術として活用できるという資格内容なのです。
知識面だけでなく技術面をアピールできることもあり、IT系職種に就くのであれば基本的に取得しておきたい資格でもあります。またそれだけでなく、ITに関する基本的な知識があることから、一般的な職種であっても活用する機会のある資格です。近年はITに関わる一般企業も多くなっているため、その点を踏まえても活躍の幅がありそうな資格といえるでしょう。
登録販売者
登録販売者は、主にドラッグストアや薬局など、薬を取り扱うことになる職種で役に立つ資格です。比較的取得もしやすく、転職などに使える資格でもあります。
登録販売者は一般的な風邪薬や鎮痛剤などの市販薬を販売できる、医療系の国家資格です。薬剤師と違うのは、主に副作用の低い一般医薬品の販売に関わる資格であることです。ですが、薬剤師が必要になる第1類医薬品は副作用のリスクも高く、また薬剤師不足であることもあり、基本的に取り扱いの量は少ないことが多いです。
その点を考えれば、比較的ポピュラーな医薬品を扱えるようになる登録販売者がいる方が、小売店やホームセンターなどにとっては都合がいいことも多いのです。
医療事務なども含めた、医療や薬剤に関わる業務全般において、登録販売者の資格は持っておくとよいでしょう。
難易度の高い資格
資格の難易度は様々で、わずか1週間足らずの勉強で取得できるものもあれば、1年や2年勉強したくらいでは到底取得できないような資格もあります。資格の難易度は偏差値で表され、いちばん高いのは77で司法試験・公認会計士。次いで76司法書士、75税理士となっています。では以下に難関クラスといわれる難易度の高い資格4つを詳しくご紹介します。
弁理士
弁理士とは、特許権・実用新案権・意匠権・商標権などの知的財産権を取得したい人のために代理で特許庁への手続きなどを行うための資格です。要するに知的財産のスペシャリストで、極めて高い専門性が求められます。電化製品などの特徴的なデザイン(意匠)や会社のマーク(商標)・著作権など、さら菓子製品であればレシピに至るまで全てが特許に含まれます。
弁理士はこれらの特許を出願して終わりではなく、その後も責任を持って審査通過のための意見書や補正書の提出などに尽力したりすることも業務の一環となります。難関度を表す偏差値は75で上位から6番目、医師よりも難しい資格となっています。ちなみに、弁護士と比較されることが多い弁理士には、弁護士資格を持っている場合、無試験で弁理士になることができます。
建築士
建築士は、様々な建造物の設計図を作ることを主な仕事とする資格です。建物の外観や内装のデザイン・間取りなど意匠的な部分だけでなく、法律的な構造や防災面などあらゆる要素を考慮して設計をしなければいけません。どれか一つでも不具合があれば、安全性に問題のある違法建築となってしまいます。
そのため規定以上の建造物に関しての設計は、国家資格を有する建築士のみが設計業務を行うことができるとされています。建築士の資格は、建築士法に定められ、1級・2級・木造など設計できる建築物の範囲が決められています。例えば、病院・映画館・百貨店・競技場など人が多く集まる公共建造物などは1級建築士以外設計することはできません。難易度偏差値は66です。
オラクルマスター
この資格はIT従事者ならば当然知っているという、全世界に通用する認定資格です。オラクル社というアメリカのソフトウェア会社が提供する民間の資格制度で、オラクルデータベースシリーズを扱うための技術力を認定するためのベンダー資格です。
難易度はブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの4段階に分けられており、いちばん難易度の低い「ブロンズ」はデータベース管理者としての基礎知識、そして高難易度の「プラチナ」ではデータベースの構築・運用管理・トラブルシューティングに至るまで全てを網羅して身につけているかどうかを問われます。
しかしIT関連の技術は日々進化するため取得から一定期間が経過すると終了日となり、さらに1年を経過するとせっかく取得した資格の効力はなくなってしまうという特徴があります。効力を持続するためには終了日から1年以内にアップグレードを行う必要があります。
情報セキュリティスペシャリスト
情報セキュリティの技術的な専門性を認定する国家試験であったこの資格試験は、2016年10月に一旦廃止され2017年4月より再び新たに創設された国家資格です。情報セキュリティスペシャリストは、情報処理安全確保支援士(RISS)の有資格者となり情報セキュリティの専門家として、情報セキュリティマネジメントの実践力を求められます。
情報システムの開発プロジェクトや運用プロセスでの技術面の支援・暗号化技術やサイバー攻撃対策といった情報セキュリティの一般知識からセキュアプログラミング・ネットワークなどの技術も問われます。通称「登録セキスペ」と呼ばれ、毎年の講習を受講することで情報セキュリティに関する最新知識や実践的な能力を維持することができます。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、主にお金の扱い方におけるさまざまな内容を扱うことができるスペシャリストです。家計管理や老後の生活設計などを相談することができるほか、各種資金の設計や運用の仕方、税制や保険制度、医療費や相続・贈与に関することまで様々なお金のことに対する知識をもっている専門家です。3級から1級まで検定の種類があり、
2級は合格するとAFP資格と呼ばれる基本的なお金に関する知識を備えていると見なされ、さらに1級に合格すると、北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアなどの世界24カ国で認められた、世界水準のファイナンシャルサービスを提供できることを証明する資格がもらえます。所有していると、お金に関することに対して広範な知識を持っていることの証明になりますので、採用担当者からも歓迎される資格です。
オススメの業界について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
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女性におすすめ!就職で使える資格
女性の場合、就職・転職に有利な資格と人気のある資格とでは全然意味合いが違います。本採用の決め手となる、自身のの能力やスキルを証明するような役立つ資格を持っていることは企業側への大きなアピール要素となります。そのためにはどのような資格を取得するのがいいのか、自分のライフスタイルから考察してみることも手立てのひとつです。
例えば、結婚や出産を機に会社を辞めた女性が再び社会復帰を望んだ時、どうしてもブランクや年齢がネックになってなかなか就職できないという問題が起きます。そんな時に資格や実務経験があれば即戦力として採用に有利なことは明白です。
秘書検定
正式名称は「秘書技能検定」と言います。これは比較的女性の資格の中ではよく知られている資格ではないでしょうか。会社の経営者や重役・役員の秘書として必要な能力を身につけるための資格です。社旗常識やビジネスマナーなどを徹底して習得します。
この資格は20代前半の就活前の短大生・大学生の間で人気があり、「とりあえずとっとく」的なノリでの取得傾向にあるようです。3級・2級・準1級・1級という具合に徐々にグレードアップしていく形式で、3級などは高校生でも取得できるレベルです。
2級までは合格率も60%と半分以上で比較的取りやすい資格といえます。ですが準1級からは筆記試験以外に面接試験もあり、合格率は一気に30%を切る割合で、さすがに難しくなるようです。
illustratorやphotoshop
フォトショップやイラストレーターが使えるようになると実際仕事の幅が広がります。しかし募集資格としてのスキル欄の記入には、果たしてどれほどの影響があるのか?という部分ではハナハダ疑問が残ります。実際そのようなソフトを使ってのグラフィックデザイナーは専門学校生や美大生などかなりの人数がいてることと、正直そこまで難易度の高いテクニックではないことが挙げられます。
要はセンスの問題で、クリエイターとしてのデザイナー力を磨くことが重要です。その上でこれらのソフトを自由に使いこなせれば、クラウドソーシング系での仕事もバリバリこなせるようになり、スカウトによる仕事の受注も入ってくるようになります。さらに経験を積むことで将来フリーとして活躍することも夢ではないでしょう。
秘書検定については、こちらの記事で詳しく解説しています。
志望動機が思いつかない人は、ツールを使うのが一番オススメ
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ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。
やりたいことが分からない人は汎用性の高い資格を!
近年増加傾向にある問題として「働く目的がわからない」「したいことがない」など、ただ漠然と大学に進学して勉強をしている意味さえ理解できていない人達がけっこういるということ。ニート率は増加の一途をたどっています。やりたいことが明確に決められて資格を取るという行動に移れる人はまだ幸せです。
問題は何もしたいことが見つからない人。そんな人はとりあえず食べていくためにも「汎用性の高い資格を取る」ことをオススメします。どのような資格か、と言いますと、この記事の冒頭あたりでも記述していますがTOEICやTOEFL・MOS・日商簿記検定・調理師・介護初任者研修・アロマセラピスト・ファイナンシャルプランナー・インテリアコーディネーター・秘書検定・サービス接遇検定・販売士・医療事務その他モロモロあげていたらキリがありませんが、とにかくたくさんの資格があります。
最初は全く興味が持てない仕事でもやっているうちに徐々に面白くなっていくケースもありますので、とりあえずはいちばん取りやすい資格を何か一つ探してみること。そこから自然と自分がやりたいことが見えてくるかもしれませんよ。