目次
映画業界はクリエイティブ
映画は人々の心を明るくするものですし、映画鑑賞を趣味に持つ人も多く、就職先としても非常に人気の高い業界です。しかしその人気の高さに反して、実際にどのような企業があるのか、どのような仕事をおこなうのかは漠然としか知られていません。
映画業界への就職を志望するのであれば、業界や企業、仕事内容について、さまざまなことを知らなければなりません。映画業界は就活生からの人気も高いため、倍率も高くなり、就職難易度も高い業界です。
仕事に対して憧れを持つことは大切ですが、それだけでは就職を決めることはできません。憧れの業界への就職を決めるためにも業界について正しい知識を持ち、理解を深めていきましょう。
映画業界での業務内容
映画業界への理解を深めるためには、業界内でどのような仕事があるのかを知っておく必要があります。一口に映画業界といってもその職種はさまざまであり、職種が違えば当然業務内容も大きく異なります。
業務内容を理解しないままに選考を受けても、採用される確率は低いですし、仮に採用されても自分のやりたい仕事、想像していた仕事とは違っていれば長く続けることは難しいです。映画業界ではさまざまな職種がありますので、それぞれの業務内容を正しく理解していきましょう。
映画製作
映画業界にはさまざまな企業があり、その中のひとつに映画製作会社があります。映画製作会社はその名の通り、撮影から編集までをおこなう会社です。映画を作り出すことが主な仕事になります。映画を生み出すためには撮影チームや撮影機材も必要ですが、それらに加えて映画のシナリオも必要です。
映画のシナリオは外部のシナリオライターなどに発注する場合もありますが、企業によっては自社でシナリオライターを雇っている、あるいは映画のアイデアを考える部署がある場合もあります。映画製作会社は映画を0から生み出す企業であり、映画業界にとっては欠かすことのできない企業です。映画製作会社の中にもさまざまな職種がありますが、それぞれ専門性が高いことも多いです。
あなたが映画業界に向いているか、確認してください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
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映画配給
映画業界には映画配給と呼ばれる仕事があります。映画配給は国内映画の公開調整や宣伝、海外映画の買い付けをおこなうことが主な仕事です。映画は完成すれば終わりではなく、完成した映画に買い手がつき、全国の映画館へと配られてようやく観ることができます。
この映画の買い付けと全国へと、映画を配る仕事を担当するのが配給会社です。配給会社は映画業界における商社のような役割を果たす企業であり、映画製作会社と全国の映画館との中継役でもあります。
また、映画館に配給した後もその映画がヒットするための宣伝を考えることも仕事です。ただ売れる映画を買い付けるだけではなく、それが売れるためにはどのようなことをすればいいのかなどを考えていく必要があります。
その他の映画関連業務
映画業界の仕事は映画製作や映画配給だけではなく、その他にもさまざまな仕事があります。映画館運営や海外映画の字幕制作、映画タイトルの選定などその業務は幅広くありますので、仕事を知り、視野を広げることが大切です。映画館運営をおこなう企業を映画興行会社といい、映画館を運営するためには多くの人の手がかかっています。
配給会社と上映する映画や、そのスケジュールを決めていく人もいますし、映画館のチケットのもぎりをおこなうのも、映画興行会社の仕事です。その他にも劇場内の物販などを担当するなどさまざまな仕事があります。興行会社に限らず、字幕の製作や映画タイトルの選定は、さまざまな企業がおこなっているので、映画に関われる仕事は意外にも多いといえます。
映画に関係する企業タイプ
映画業界の仕事は非常に幅広く、映画に関係した仕事に就こうと思えば、その選択肢はかなり多様であるといえます。しかし企業によっては映画を専門的に扱っているとは限らず、映画関係の仕事をおこないながら、別の仕事も行っていることもあります。
企業によって業務範囲の在り方は大きく異なりますので、映画関係の仕事がしたいのなら志望する企業がどれくらいのウエイトで、映画業界の仕事をしているかも知っておきましょう。もちろん映画に大きく関係する企業もありますので、その企業タイプについても知っておきましょう。
映画制作プロダクション/映像ソフトメーカー
映画に関係する企業タイプとしては映画制作プロダクションや、映像ソフトメーカーなどが挙げられます。これらは映画業界では就職において、最も難関の企業タイプです。もともと映画業界自体の就職難易度は高いですが、その中でも最も高い部類ですので、志望するのであればしっかりと準備をしておく必要があります。
映画製作プロダクションはその名の通り、映画製作をおこなう企業です。映画を専門に取り扱った企業ですので、専門性も高いといえます。映像ソフトメーカーは、映画の撮影をする場合もありますが、多くは映画のDVD化などを担当することが多いです。こちらも専門的な知識やスキルが必要な場合も多く、就職難易度は非常に高いといえます。
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映画配給会社
映画に関係した企業タイプとしては、映画配給会社が挙げられます。映画配給会社では、映画の買い付けや宣伝などをおこなうので、映画と密接に関係しながら仕事をすることができます。映画業界の中では2番目に就職難易度が高い企業タイプですので、映画配給会社を目指す場合も、しっかりと事前準備をすることが大切です。
映画配給会社では映画の買い付けをメインに行いますので、売れる映画、素晴らしい映画を見つける審美眼や先見性が必要です。また自分が気に入るだけではなく、多くの人たちが面白いと思うものをみつける必要があるので、マーケティング能力などが必要でもあります。また映画の売上は宣伝次第でも大きく変わりますので、効果的な宣伝を考えるなど、映画配給会社はさまざまな能力が必要な企業です。
配給会社の事業内容について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
テレビ局
映画に関係する企業タイプとしては、テレビ局も挙げられます。テレビ局はテレビ番組を作る企業ですので、映画とは関係がないと思う人も多いですが、実はそうではありません。過去の映画を地上波で放送することもありますし、映画によってはテレビ局が制作している場合もあります。テレビ局は映像のプロでもありますので、映画に関係して仕事をおこなうこともあります。
映画に関係した企業タイプはさまざまありますが、テレビ局はその中でも就職がしやすい企業が多く、就職難易度はそれほど高くないでしょう。もちろんテレビ局ですので、全ての仕事が映画と関係するわけではありません。就職しやすい反面、映画に関わる機会も、他の企業タイプに比べれば少ないといえます。
テレビ業界の動向について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
映画業界の魅力
映画業界で働く魅力はさまざまあります。映画は、たくさんの人を楽しませるエンターテイメントですので、自分が携わった作品がヒットしたり、反響を呼んだりすれば、仕事のやりがいはひとしおです。また、映画を作り上げる楽しさを味わうこともできるでしょう。
多くのスタッフが連携してひとつの作品を作り上げ、完成した時の達成感は格別です。他の業界の人たちとコミュニケーションすることも少なくありませんので、たくさんの刺激をもらえることもあるでしょう。
エンターテインメントを提供する仕事
どんな人でも、好きな映画・感動した映画などお気に入りの作品があるものです。映画業界で働くことにより、人を感動させる側・楽しませる側になりますので、エンターテインメント好きにはもってこいの業界です。もし大ヒットした映画に少しでも携わっていたのであれば、SNSなどのネット上で良い評判を目にすることも多いでしょう。その時の喜びなどは計り知れません。
かつてはいつでもどこでも映画が見れる環境ではありませんでしたが、今ではスマホでも見ることのできる時代です。映画館であれば、4Dを体験できるなど、形を変えてたくさんのエンターテインメントが届けられています。映画でしか味わえない楽しさ・面白さを模索することも仕事のやりがいにつながるでしょう。
1つの作品を作り上げる楽しさ
ものづくりが好きな人であれば、作り上げた時の達成感が格別であることを知っています。映画の場合、基本的には1人で作ることはできません。監督や脚本家などさまざまな人が関わり、1人では作れない大規模なものを作るのです。だからこそ、1人で作るよりも達成感は大きくなるでしょう。映画製作に携わっている時は、大変な仕事を任されることもあります。
公開日までに間に合わないなどの、ハラハラする瞬間を味わうこともあるでしょう。そうした事態を乗り越え、上映に間に合い、各方面から反響のある映画となれば、これほど達成感を味わえることはまずありません。いずれにせよ、ハードなスケジュールの中で、1つの作品を作り上げる楽しさを味わうことができます。
様々な人と出会える
ひとつの映画製作にたくさんの人が関わりますが、マスコミ・クリエイティブ系の業界と連携することがありますので、華やかな職場ともいえます。マスコミ・クリエイティブ系の中には、業界で有名な人であったり、ものすごく能力の高い人がいたりなど、たくさんの刺激をもらうことができるでしょう。
映画業界などのエンターテインメントの現場は、活気で満ち溢れています。また、製作現場に携わっているのであれば、俳優さんやタレントさんとも近しい距離になります。自分の大好きな芸能人に会える可能性もありますので、それが仕事へのモチベーションになることもあるでしょう。さまざまな人に出会えるからこそ、たくさんのやりがいや楽しさを見つけることができます。
映画業界就職に有利なスキル
映画業界への就職を目指すのであれば、就職に役立つスキルは何かを知っておく必要があります。業界ごとに仕事の内容は違いますし、仕事が違えば求められる能力、必要な能力は違ってきます。
面接では就職したい業界や企業に合わせて、求められる能力をアピールすることも大切ですので、どんな能力が就職に有利になるのかを知っておきましょう。有利になるスキルを知り、それが自身に備わっているのであればそれをアピールし、備わっていないのあれば習得するための努力をすることが大切です。
コミュニケーション能力
映画業界で求められる能力としては、コミュニケーション能力が挙げられます。映画業界就職において、コミュニケーション能力があることは強みになりますので、面接までにしっかりと身に付けておきましょう。映画業界にはさまざまな企業や職種がありますが、それら全てにおいて、コミュニケーション能力は必要です。
映画配給であれば映画の買い付けをおこなう時に、関係者とコミュニケーションを取る必要がありますし、コミュニケーションが取れなければ、買い付けを成功させることはできません。また、製作製作会社でも脚本の意図を知るためにはシナリオライターなどとの意思疎通が大切ですし、その他撮影スタッフとも息を合わせる必要があります。コミュニケーション能力は映画業界には欠かせない能力だといえるでしょう。
映画に対する情熱
映画業界への就職を目指すのであれば映画のことが大好きで、映画に対する情熱を持っている必要があります。映画業界にかかわる上で、強い情熱を持っていることは最大のアピールにもなりますので、面接ではどれだけ映画への情熱があるかを伝えることが大切です。映画は娯楽産業であり、生活をする上で必ずしも必要なものではありません。
必ずしも必要ではないものを売り出すためには、どれだけそれが面白いのかを伝え、相手に興味を持たせる必要があります。それを伝えていく自分自身が映画に対して情熱を持っていないのであれば、他人に対しても映画をアピールしていくことはできないでしょう。本心から映画をアピールし、面白いものを作り出すためにも、映画への情熱を欠かすことはできません。
映画鑑賞の効果的なアピール方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
語学力があると即戦力になる
映画業界では語学力があると、就職にも有利になりやすいです。それは、英語などの語学力が堪能だと即戦力になりやすいことが理由です。映画に関係した企業の中には海外映画の字幕を付けるなどの業務もありますし、語学力があればすぐにでも仕事を始めることができます。
また、配給会社では国内映画だけではなく、海外映画の買い付けなどを行います。海外で映画の買い付けをおこなう場合にはその交渉も外国語で行われますので、語学が堪能であることは大きな強みです。さまざまな業界でグローバル化が進んでいるように、映画業界でもグローバル化の波は押し寄せています。語学力があれば実際に仕事に役立つことも多く、面接などでは大きなアピールポイントとなるでしょう。
映画業界に就職するためにすべきこと2つ
映画業界は就職難易度が高く、簡単には就職することができない業界です。そのため事前にしっかりと準備を重ね、業界の特徴や求められる能力などを知る必要があります。しかし、それだけの準備では不充分です。
映画業界に就職したいのであれば、他にもやらなければならないことがあります。映画業界に就職するためには、すべき事が2つあります。映画業界への就活の準備として何をすればいいのかを知り、正しく準備を進めていきましょう。
映画業界の企業求人をチェックする
映画業界に就職するのであれば、まずは映画業界の求人情報をマメにチェックするようにしましょう。求人情報をチェックすることは、他の業界を目指す場合でも必要なことですが、映画業界の場合は特に意識してチェックしておく必要があります。その理由は映画業界の求人数の少なさにあります。
他の業界と比べると映画業界の求人は少ないので、いち早く情報を取り入れることが大切です。業界全体の求人情報も見ながら、自分が志望する職種や企業の募集が出ていないかを、こまめに確認しておきましょう。映画業界の就職難易度の高さは倍率の高さにもあります。少ないチャンスを逃さないためにも求人情報には目を光らせておきましょう。
映画業界の企業にアルバイトやインターンで参加する
映画業界に就職するためには、数少ない求人情報を見逃さないことが大切ですが、それでも就職できる確率は高くはありません。映画業界での就職は狭き門ですので、何度でも挑戦することが大切です。アルバイトやインターンなどで、きっかけを作るのも重要になります。
アルバイトやインターンで、きっかけを作っておけば就職に有利になりますし、映画業界で必要な知識や能力を身に付けることも可能です。全くの未経験であるよりは、経験者であった方が企業も雇いたいと思いますので、就職するためにも映画業界に関係した、アルバイトやインターンなどに取り組むようにしましょう。場合によってはそのまま就職が決まる場合もありますので、就職へのきっかけ作りをおこなうことは大切です。
国内外の大手映画企業を紹介
映画業界の大手企業としては東宝が有名です。東宝は映画だけではなく、劇場や不動産業などにも強く、映画業界に留まらない幅広い事業展開をしています。松竹は芸能やエンタメ系に強く、特に歌舞伎の劇場に強みがあります。
ワーナーブラザースは海外に拠点を置く企業であり、洋画に強みがある企業です。国内でも知名度が高く、映画業界の大手企業であるといえます。大手企業にはそれぞれの強みや特徴がありますので、志望するのであればそれらを正しく知っておきましょう。
東宝株式会社
東宝株式会社は、「映画」「演劇」「不動産」を事業の三本柱にしている東宝グループの中心企業です。東京の成城にスタジオを持ち、映画の企画・製作(請負含む)をはじめ、配給・売買・興行などさまざまな映画に関する事業を行っています。映画はもちろんのこと演劇にも力を入れていて、企画・製作および製作請負も行い、帝国劇場などの演劇劇場の直営もしています。
また映画や演劇に関する不動産(賃貸ビル)も取り扱っています。このように多角経営企業であり仕事内容も多岐にわたるため、総合職として採用され研修を受けた後は、ジョブローテーションで営業系・管理系などの異なる部門を2年ずつ経験します。それによりキャリア形成を図るとともに適性を見極めるという手法が取られています。
松竹株式会社
松竹株式会社は、「映像」「演劇」「不動産・その他」の3つの事業を主体とする、松竹グループの中心企業です。グループ会社で俳優やタレントなどの育成、ドラマやCMの製作などを行っているため、芸能・エンタメ系に強味を持っています。また歌舞伎座をはじめとする4つの直営演劇劇場を持ち、歌舞伎や演劇作品の上映にも力を入れています。
同社は4つの部門に分かれていますが、映画の製作や映画館での上映に関しては、「映像本部」という部門が担っています。同部門には、時代のニーズを探る「映像統括部」、企画・製作をする「映像企画部」「映像調整部」、配給を担当する「映画営業部」など多数の部署があります。どこに配属されるかで仕事内容がまったく異なるものになるでしょう。
ワーナー・ブラザース
ワーナー・ブラザース ジャパン合同会社は、アメリカのTMIE WAENER GROUPに属するワーナー・ブラザースの日本法人です。映画の製作・配給事業に関しては、「ワーナー・ブラザース映画(Warner Bros. Pictures)」という部門が担当しています。アメリカ企業の日本法人だけあって、特に多くの洋画を扱うことを得意としています。
また同社は、邦画、アニメ、モバイルゲーム、コンテンツ・アクイジションの4つの領域を「ジャパン・コンテンツ事業」と定義しています。これにより同社は、洋画だけでなく邦画(特に、人気アニメを実写化した作品に定評あり)をはじめとした日本向けのさまざまなコンテンツ製作にも注力していることが伺えます。
映画業界はやりがいのある仕事の多い憧れの就職先
就職難易度が高い映画業界ですが、しっかりと準備を行えば就職を目指すのは不可能ではありません。映画業界といっても企業や職種もさまざまであり、それぞれに特徴がありますので、正しい知識を身に付けておくことが大切です。憧れから映画業界を志す人は多いですが、ただ憧れているだけでは難関の採用試験を突破していくことはできません。
憧れを持ちながらどんな仕事をしているのか、どのような能力が必要なのかを知って、準備を進めるようにしましょう。映画業界は就職難易度が高く就職するまでが大変ですが、就職してからも大変な仕事です。しかしその分やりがいの大きい仕事でもありますので、しっかりと準備を進めて勝ち取りましょう。