就活のマナー

【添え状の書き方ガイド】履歴書を提出する際に知っておきたいマナー

添え状の書き方はビジネスマナーのひとつ

ビジネス文書を郵送するときには「添え状」、または「送り状」や「カバーレター」などと呼ばれる文書を添付するのが一般的です。簡潔なあいさつ文に同封した内容物の一覧や送り主の氏名・連絡先などを書き添えた一枚ものの文書で、一度は目にしたことがあるでしょう。

就職活動でも、履歴書や企業から求められた必要書類などを郵送する際は、この「添え状」を同封するのがマナーです。その名の通り、あくまでも選考の材料そのものではありませんが、きちんと言葉を吟味し、一定のルールに沿って仕上げた添え状は、あなたの印象アップにつながります。

社会人になってからも、ほぼすべての職場で求められる基礎知識ですので、これを機に基本的な書き方をマスターしましょう。

就活マナーには気をつけてください
39点以下は要注意な就活力診断で確かめましょう

「めんどくさいな」と思われがちな就活マナーですが、いざという時にできないとそれが原因で選考に落ちてしまう可能性があります。

そこで「就活力診断」を活用しましょう。数分で終わる就活マナーの質問に答えるだけで、あなたの就活力と改善点を把握することができます。

今すぐ診断して、自信を持って就活に臨みましょう

診断スタート【無料】

添え状の書き方

添え状はパソコンで作成して印字するか、手書きで作成するかの2パターンです。基本的にはパソコンでの作成が主流となっています。手書きすると、人事担当者の目には新鮮で印象に残るでしょう。

パソコンで作成する場合は横書きで、明朝体やゴシック体を使って作成しましょう。ビジネス文書のため、内容は必要な情報だけ記載されていれば問題ありません。情報に抜けが無いように確認しながら、添え状を作成しましょう。

添え状に記入する項目

日付
右上に年月日を記載します。西暦・和暦のどちらでも問題ありません。
宛名
「株式会社〇〇 人事部御中」「株式会社〇〇人事部 採用ご担当者様」「〇〇様」など省略せず正式名称を記載します。
自分の名前・連絡先
日付の下か用紙の一番下に右寄せで氏名・大学・学部名・住所・電話番号・メールアドレスを記載します。
件名
「応募書類の送付につきまして」などと記載します。
頭語と結語を含んだ文書
「拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などというあいさつ文に続けて、「このたび、貴社の新卒採用に応募させていただきたく、下記書類を同封いたします。ぜひご検討いただき、面接の機会をいただけますと幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします」などと記載します。
同封書類のリスト
「記」を中央ぞろえに記入し、続けて同封書類の名称を記載します。リストの最終行の末尾には右寄せで「以上」を入れます。

学生生活ではなかなか改まったビジネス文書を書く機会がないため、就職活動を機に添え状を作成する人も多いでしょう。ただ、基本的には同封する書類とその目的、送り主の連絡先などを上記の順番で簡潔に記すだけですので、難なく作成できます。

用紙の左上の1行目に企業名を、2行目に担当部署名または担当者名を記入します。この際、会社名は正式名称を書き略称は避けましょう。2行目に担当部署名を書く場合は「人事部御中」のように「御中」をつけます。担当者名が公表されていない場合は「ご担当者様」と書いておけばよいでしょう。

「御中」の使い方について、こちらの記事もチェックしてみてください。

添え状の例文

〇年〇月〇日

〇〇株式会社人事部人事課
〇〇  様

                         △△大学△△学部△△学科
                                △△ △△
                        連絡先:00-0000-0000
                          Mail:aaaa@xxx.com

           応募書類の添付について

拝啓 貴社ますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます。
この度、貴社に応募させていただきたく、応募書類をご送付させていただきました。

ご検討の上、是非ともご面談の機会をいただけますと幸いです。
ご査収の程、宜しくお願い申し上げます。

                                 敬具

                記

             【添付書類】

・履歴書      1通
・エントリーシート 1通

                                以上

この例文のポイントは、志望企業の担当者の方の情報を自分より上位に記すことです。自分よりも目上の方にあたるため、上位に書くこと徹底しましょう。また「応募書類の添付について」と件名で要件に触れている点も重要です。先に要件に触れていることで担当者の方も目を通しやすくなります。このような配慮も重要なマナーなのです。

添え状について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

添え状も立派なアピールポイントになる

ここまで、添え状の目的や基本的な書き方などをお伝えしてきました。既に挙げたポイントに沿って書けば、一定レベルの添え状に仕上がるでしょう。ここからは一歩踏み込んで、あなたの熱意や本気度が伝えるためのポイントを紹介します。

実際のところ、限られたスペースであるだけに記載できる文言は限られますが、その分吟味して言葉を選び、強い思いを伝えましょう。

添え状も評価対象になり得る

まず、繰り返しになりますが、添え状を同封するのは日本のビジネスマナーです。募集要項等に「添え状不要」と書かれていない限りは、当然添付するものだと考えましょう。

ただ、決してハードルは高いものではなく、基本的なスタイルや言葉づかいがマスターできてさえいれば、一定のマナーを備えた人物だと判断してもらえます。添え状で合否が決まるわけではありませんが、きちんと書かれてさえいれば、印象をアップさせる効果が期待できるでしょう。

志望動機を盛り込むのがおすすめ

志望動機を盛り込むのもおすすめです。例えば、あいさつ文の後に、ゼミのリサーチで縁があった会社なら「昨年ゼミの調査でお世話になり、御社の業務を知れば知るほど、一員として貢献させていただきたいという思いが強まりました」「専門のマーケティングの知識を、ぜひ御社の商品開発の部門で発揮させていただきたいと存じます」など、志望理由の柱となるような要素を一言盛り込みましょう。

そのあとに、「つきましては貴社の採用試験にぜひ応募させていただきたく、下記の応募書類を同封いたします」と書くと、文脈がスムーズにつながるでしょう。

コピペで使える自己PR文がかんたんに作れます

自己PR作成ツールはもう試しましたでしょうか?コピペで使える効率的に受かりやすい自己PRを作成することができます。

ChatGPT自己PR作成ツールを使えば、簡単な20個の質問に答えていくだけで、あなただけの自己PRが完成します。

作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。

作成スタート【無料】

送り先へ失礼にならないための添え状の注意点

添え状はビジネスマナーのひとつです。書き方が間違っていたり、不要なものが含まれていると、送り先へ失礼になることがありますので、注意しましょう。よくある間違いとして、テンプレをそのまま使う、必要以上の内容を書く、手渡しをする書類に付けるなどがあります。

それぞれの注意点について詳しく解説していきますので、添え状を送る時には企業へ失礼にならないように、事前に確認しておきましょう。

テンプレをそのまま使うのはNG

インターネット上には、添え状を作成する時に使えるテンプレートが数多くあります。しかし、テンプレートをそのまま使用するのは避けた方がよいでしょう。ネットで手に入る添え状のテンプレートはビジネスのさまざまな場面で使いやすいように、一般的によくある定型文が記載されている場合がほとんどです。

定型文のありきたりな文章を添え状として履歴書に同封すると、企業への熱意や志望度が伝わりません。場合によっては、他の企業への添え状を使い回していると思われてしまう可能性もあるでしょう。マイナスの印象を与えてしまわないように、テンプレートをそのまま使用するのではなく、自分自身の言葉で企業への添え状を作成してください。

添え状に必要以上の内容を書くのは避ける

履歴書を送る際の添え状において、自分の言葉で企業への熱意を伝えるのは大切です。しかし、必要以上の内容を書かないように注意しましょう。自分をアピールしようと、添え状に志望動機や自己PRを長々と記載するのはNGです。

添え状は同封書類の内容について書くためのものです。書類を受け取った人に「何が入っているのか、誰が送ったのか、何枚の書類があるのか」を伝えるのが主な目的です。もし、志望動機や自己PRを添え状に書きたいのなら、3~4行で短くまとめましょう。

添え状に長々と文章を書くと、添え状について理解していない、ビジネスマナーを守れていないと感じられてしまいます。マイナスの印象を与える可能性もありますので、注意しましょう。

書類を手渡しする場合に添え状はいらない

添え状は、書類を対面で渡せない時に中身を分かりやすく伝えるのが目的であるため、履歴書などの書類を企業へ直接持っていく場合や、面接の際に担当者に手渡しする時には必要ありません。履歴書を手渡しする際には、添え状の代わりにどんな書類なのかを簡単に説明しましょう。

「履歴書と職務経歴書をお持ちしました。ご確認お願いいたします。」などと口頭で伝えるとよいでしょう。ただし、手渡しする書類に添え状を付けてはいけないというルールはありません。マイナスの印象になることはありませんが、添え状の基本的なマナーとして直接渡せない時に付けるものと覚えておきましょう。郵送で書類を提出する際には、必ず添え状が必要です。

添え状が必要な理由について、更に詳しく知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

添え状と書類を入れる封筒の選び方

添え状と履歴書などの書類を入れて送る時には、適切なサイズの封筒を選びましょう。書類に合ったサイズになるように、事前に確認してください。履歴書などを入れる時は、白いA4サイズの封筒を使います。

また、封筒に入れる時には、書類に折れや汚れがつくのを防ぐためにクリアファイルに入れましょう。送る際、添え状は同封する書類の一番上に重ねます。それぞれ詳しく解説していきますので、添え状についてのマナーを確認しておきましょう。

封筒は白色のA4サイズ

添え状と書類を入れる封筒にも気を配りましょう。企業には、毎日様々な書類が郵送で届いています。茶色の封筒で送ると、その中に紛れてしまう可能性が高いです。一目で履歴書が入っているとわかるよう、白色にしておくほうが無難ではあります。

サイズに関しては、A4サイズの書類がそのまま入る大きさを選びましょう。書類を折らなければ入らないような大きさの封筒はNGです。書類を折ることで字が擦れ、見づらくなってしまう可能性があります。書類に合った大きさのものを選ぶようにしましょう。

クリアファイルに入れる

封筒にそのまま書類を入れるのではなく、クリアファイルを使用しましょう。書類が郵送される当日、雨が降っている可能性があります。クリアファイルに書類を入れなければ、他の郵送物に付着した雨が封筒に付き、それが中の書類まで滲み込んでしまう可能性があるのです。

そうすると書類の文字が読みづらく、担当者の心象にも悪い影響を与えてしまう恐れがあります。書類をクリアファイルに入れておくことでトラブルを防ぎ、綺麗な状態で担当者に渡すことが可能になるのです。綺麗な状態で書類を届けるための配慮もまた、社会人として必要とされるマナーといえるでしょう。

添え状は応募書類の一番上に重ねる

複数の書類を封筒に入れる場合、添え状は一番上になるように重ねます。「同封書類について分かりやすく相手に伝える」という添え状の役割を考えると、受け取った時に最初に目につくように入れる必要があります。履歴書などの書類と添え状の重ね方がバラバラだと、何が封筒に入っているのか、正しく同封されているのかなどが分かりません。

添え状に記載されている項目を見て、封筒に漏れなく同封されているか確認するためにも、添え状は一番上に重ねた方がよいでしょう。書類を重ねる時には、それぞれの書類の上下左右の向きがそろっているかもチェックします。履歴書を送る場合は、送付状・履歴書・その他書類という順になるようにしましょう。

基本のマナーを守って正しい添え状を用意しよう

添え状はその名の通り添え物であり、それが合否を左右することはありません。応募数が数百人規模の大企業ともなれば、人事担当者が開封した直後に捨ててしまう可能性もあります。添え状といえど手を抜かずきちんと書きあげる姿勢そのものが大切になります。

A4一枚の紙からその真剣さを感じ取ってくれる人事担当者も、少なくはないです。また、たとえすぐに廃棄されてしまったとしても、企業に対する強い思いや、何にでも真剣に取り組む姿勢は、後々の面接で間接的にプラスに作用するはずです。

多忙な就職活動ですが、そこを理解したうえで、履歴書やエントリーシートと同様に手を抜かず、自分を伝えるような添え状を同封しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ