業界研究

【映画業界への就職】主要企業5社や映画に関われる業界をご紹介

映画業界とは

映画業界は、就活生の中にも憧れを持つ人が多い業界です。映画を見て感動したり、自分の人生観に影響を受けた経験がある人も多いでしょう。そのような映画作りに携わりたいと考える就活生は多いです。

しかし一方で、映画業界は狭き門であるとも言われています。就職希望者に対して求人が少ないのが現状とされています。映画に携わる仕事を目指すには、広い視野で映画に携われる仕事を調べ、十分な準備をしてから挑戦する必要があると言えるでしょう。

映画業界

映画業界は、映画を制作し、視聴者に届けるまでの一連に関わる業界です。大まかに分けると、「映画の制作」「映画の配給(上映する映画館の確保)」「興行(映画館の運営)」の3つになります。

企業によって、これらの行程をすべて自社でおこなう場合もあれば、別の配給会社や興行会社と連携する場合もあります。また、映画の制作から興行までの過程で必要とされる職種も多いです。そのため業界全体だけでなく、各企業・各職種の詳細な情報を集めた上で自分の志望を定めていくことが大切と言えるでしょう。

最近は水しぶきなど臨場感を出す4DXやMX4Dのような「次世代シアター」も生み出され、好評を集めています。必要なものがあふれる時代だからこそ「モノよりコト(体験)」にニーズが移ってきており、非常に注目されています。

映画会社への就職マニュアルについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

映画業界の業績推移について

  • 業界規模7,377億円
  • 平均年収597万円
  • 平均勤続年数10.4年

映画業界の規模は、決して大きい方ではありません。しかし、業績は安定しており、特にここ数年は『アナと雪の女王』、『ジュラシックワールド』、『君の名は』などのヒット作の誕生によって好調に推移しています。

平均年収は全業界の中では平均に近いですが、企業ごとの格差が大きく、900万円に近い企業から300万円台まで幅が広いのが特徴です。格差があるのは勤続年数についても同様です。勤続年数の多い企業で約18年、少ない企業で約4年となっており、業界全体の傾向として、少ないと言えるでしょう。

年収に関しても勤続年数に関しても、企業ごとの差が大きく平均はあまりあてになりません。個々の企業の特徴について情報を集め、深い企業研究に基づいて志望先を選んでいくことが重要と言えるでしょう。

映画業界の細かい職種分類について

  • 映画監督
  • 映画俳優・役者
  • 脚本・シナリオライター
  • カメラマン
  • 照明
  • 美術
  • CG
  • スクリプター
  • 編集
  • 翻訳
  • 映画配給
  • 映画館(劇場運営)

映画監督は映画制作の総監督であり、映画全体の構成をしたり、指示を出したりします。映画俳優・役者は実際に映画に出演する仕事です。脚本やシナリオライターは、映画の脚本やストーリー制作をおこないます。カメラマンは映画の撮影、照明は明るさや暗さの調整、美術は舞台空間作りや役者のメイクに携わります。

このほか、CG制作をおこなうCG、映画の撮影記録などをおこなうスクリプターも映画制作に携わる職種です。また、編集は撮影された映像を編集して一本の映画に仕上げる仕事、翻訳は他言語の字幕を作ったり吹き替え用の訳を作る仕事です。

映画配給は、制作会社からヒットしそうな映画の上映権を買う「買い付け」、映画館との交渉をおこなう「ブッキング」、作品をPRする「宣伝・プロモーション」をおこないます。映画館では、観客が映画を楽しめるよう、劇場運営がおこなわれます。

主要企業5選紹介

映画業界は職種の数が多く、映画制作から配給・公開までの仕組みもそれぞれです。また業績や年収、勤続年数といった面でも企業ごとの差が大きいのが現状です。そのため、志望企業の選択をする前には十分な企業研究をおこない、納得した上で選ぶことが重要と言えます。

それでは映画業界には実際にどのような企業があり、それぞれどのような特徴の企業なのかを見ていきましょう。

東宝株式会社

  • 企業名 東宝株式会社
  • 代表取締役社長 島谷 能成
  • 従業員数 単体353人(内嘱託14人)、グループ3,074人(内嘱託776人)
  • 設立年月日 1932年(昭和7年)8月

東宝株式会社は日本の映画業界を代表する企業です。売上高・業界シェアはトップです。映画の制作から配給、興行までを手がけています。また映画だけでなく、演劇の企画・制作・興行、不動産経営もおこなっています。

経営理念は「健全な娯楽を広く大衆に提供すること」であり、これまで理念に基づいて数多くの作品を提供してきました。2016年8月公開の映画『君の名は。』で自社製作作品中最高の興行収入である250億3千万円を達成しました。2016年は『シンゴジラ』のヒットもあり、年間興行収入は854億円となり、過去最高をマークしています。

あなたが映画業界に向いているか、確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

診断スタート【無料】

あわせて活用したい!

AIを活用して自己PRを完成させよう!

東映株式会社

  • 企業名 東映株式会社
  • 代表取締役社長 多田 憲之
  • 従業員数 328人
  • 設立年月日 1949年(昭和24)年10月1日

東映株式会社も日本を代表する映画会社の1つです。東宝株式会社に次ぎ、日本で第2位の売り上げ・業界シェアを誇っています。また映画の製作から興行までを1社でおこなっている点も特徴です。

また東映株式会社の事業は映画製作だけでなく、テレビ番組制作、携帯電話やパソコン向けのソフト配信、イベント企画・運営など、幅広いです。今後も映画だけにとらわれず、「総合エンターテイメント企業」として、多くの人に楽しさや感動を届ける方向を目指しています。

また、スマートフォンや3Dなど映像を楽しむ方法が多様化してきたことを受け、新しいスタイルでのエンターテイメント作りにも、積極的に挑戦していきたい姿勢も持っています。

松竹株式会社

  • 企業名 松竹株式会社
  • 代表取締役社長 迫本 淳一
  • 従業員数 525人(単体)
  • 設立年月日 1920年(大正9年)

松竹株式会社は日本を代表する老舗の映画会社です。事業内容は映画制作、配給、興行だけでなく、演劇や不動産、そのほかにも通販サイトの運営やキャラクター商品の企画・販売などをおこなっています。

特に演劇分野の中で、日本の伝統文化である歌舞伎を支え続けている企業として有名です。2005年からは歌舞伎と映画を組み合わせ、歌舞伎をスクリーン上映する「シネマ歌舞伎」をスタートさせました。

ミッションとしては、日本文化の伝統の継承・発展・世界文化への貢献をおこなうとともに、時代のニーズを捉えた豊かで多様なコンテンツを全世代に届けることを掲げています。伝統芸能から最新のニーズに合わせたエンターテイメントの発信など、幅広い分野で活躍している企業です。

株式会社東北新社

  • 企業名 株式会社東北新社
  • 代表取締役社長 植村 徹
  • 従業員数 832人(単体)・1,623人(連結)
  • 設立年月日 1961年(昭和36年)4月1日

株式会社東北新社は、映画を含めた映像に関する事業を幅広くおこなっている企業です。CM制作、映画製作、映画の劇場用配給やテレビ配給、放送、商品販売など、おこなっている事業は多岐にわたっています。

職種も多岐にわたっており、労働環境なども大きく変わってくるため、事前に希望職種について詳しく調べておくことが大切です。それぞれの事業で高い専門性を追求しており、それらを結集できる点が大きな強みです。

社風は風通しが良く、福利厚生では産休・育児制度に力を入れていることでも知られています。映像制作に関わる仕事はハードなスケジュールをこなしていくことが多いとされていますが、一方で作品を生み出す達成感は非常に大きいとされます。

スキルアップもできるため、映像に関わる仕事を情熱を持ってしたい人にはおすすめの企業です。

東映アニメーション株式会社

  • 企業名 東映アニメーション株式会社
  • 代表取締役社長 高木 勝裕
  • 従業員数 402人(単体)・645人(連結)
  • 設立年月日 1948年(昭和23年)1月23日

東映アニメーション株式会社は、日本を代表するアニメーション会社です。事業内容は3つに分類されます。映像製作販売事業では、アニメ作品を制作し、テレビや劇場などで公開します。版権事業は、作品中のキャラクターの使用許諾をメーカーなどに与え、商品を展開する事業です。関連事業は、キャラクター商品の開発やイベント企画などをおこないます。

これまで『ドラゴンボール』や『セーラームーン』、『ワンピース』などのヒット作品を国内だけでなく、世界に対して提供してきました。また現在はテレビや映画だけでなく、スマートフォンや携帯電話向けの映像配信など、新たな配信方法にも力を入れています。

あなたが映画業界に向いているか、適性を確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

診断スタート(無料)

あわせて活用したい!

AIを活用して自己PRを完成させよう!

映画業界以外で映画に関われる業界

それでは、次に映画業界以外で映画に関わることのできる業界をご紹介します。映画に関わる仕事をしたい場合にまず一番に志望するのは映画業界ですが、もし自分の適性と合わなそうな場合は、下記のような業界を検討してもよいでしょう。

もちろん、広範囲に応募するのも手です。就活は、応募数と内定数に相関関係はありませんが、より広い範囲の企業に応募することで、業界の関係がみえることもあります。

テレビ局

映画にまつわる1つ目の業界は、「テレビ局」です。テレビ局というと私達が普段見ているテレビ番組を放映しているところなので、想像がつきやすいかもしれません。テレビ局の特徴としては、「数が限られる」「大規模」「年収が高め」というものがあります。もちろん、全国規模の局かそうでないかによっても変わるところですが、特にTBS、朝日、フジといった主要局はそのような傾向があるでしょう。

また、テレビ局と一口にいっても、非常に幅広い職種があります。編集や製作、カメラマン、アナウンサーなど比較的想像がつきやすい職種が多いですが、やることは大きく変わります。映画に携わりたい場合、それに類した職種に応募する必要があるでしょう。

広告代理店

次にご紹介したいのは、「広告代理店」です。広告代理店は、クライアントから依頼を受け製品やサービスの広告宣伝手法を考える仕事になるため、案件によっては映画に携わるようなこともあるでしょう。

自分で映画を作るわけではありませんが、誰かが作った映画をどのように広めるかを考えることになります。もしかしたら、人によっては実際に作るよりこちらの方が向いているケースもあるのではないでしょうか。

広告代理店として有名なのは、電通や博報堂です。どちらも全国規模で広告宣伝を展開するような会社であり、ある種世間を動かしている面もあるでしょう。それだけに責任は重くハードワークが予想されますが、やり甲斐を感じられる場面も多いです。

映画業界研究のおすすめ書籍紹介

映画業界について理解を深めるには、書籍を読むことがおすすめです。インターネットやニュースで映画業界のトピックを調べることも重要ですが、映画業界について体系的に深く理解するためには書籍での研究が効果的です。

書籍はお金がかかりますが、インターネット以上に情報の信憑性があります。また、一度購入した書籍は何度も読み直す機会も増えるため、知識が定着しやすいというメリットもあります。

図解入門業界研究 最新アニメ業界の動向とカラクリがよーくわかる本[第3版]

『図解入門業界研究 最新アニメ業界の動向とカラクリがよーくわかる本[第3版]』は、映画業界について最初に読む本としておすすめです。インターネット配信により、自宅でも映画が手軽に楽しめるようになった一方、映画館では3Dや4Dといった新しい鑑賞の仕方が開発されています。

映画業界は現在、非常に大きく変化しています。そのような変化を踏まえ、映画業界をさまざまな視点からわかりやすく解説しているのがこの本です。映画業界の仕組み、これからの時代で求められる映画業界での仕事、人材、成長市場や資金調達法などについて解説されています。

就活生だけでなく、転職志望者や映画業界で働く社会人にも読まれる本です。

映画業界で働く

『映画業界で働く』は、映画に携わって働く人たちや、その職業に就くための方法を紹介している本です。映画業界はどのように成り立っているのか、プロデューサーや配給・宣伝、興行の世界がそれぞれどうなっているのか一つ一つ説明しています。

後半ではそれぞれの仕事に就くための方法が「なるにはコース」として紹介されており、巻末には付録として、映画・映像関係の学校一覧も収録されています。ただし、内容は映画の仕事を理解するのにわかりやすいですが、出版年が2006年と古い本です。

先に紹介した『図解入門業界研究 最新アニメ業界の動向とカラクリがよーくわかる本[第3版]』などの新しい本と一緒に読むことをおすすめします。

映画業界を深く知って就活を有利に進めよう!

映画の仕事は、観客に感動を届けたり、時には人生に影響を与えることのできるとてもやりがいのある仕事です。また近年は業績も安定して伸びてきています。その反面、実際に就職するには狭き門となっています。

そのため業界知識を深め、自分が具体的にどの分野でどのように働きたいのかをイメージし、十分な対策をして採用に臨んでいくことが必要です。

映画鑑賞を効果的にアピールする方法について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ