業界研究

【製薬業界徹底研究ガイド2017】あなたの就活に役立つ情報を一挙大公開!

製薬業界とは

誰しも病気やけがをすれば、少なからず製薬のお世話になるでしょう。その意味で製薬には購買層を問わない幅広いニーズがあるといえます。そうしたことから、それを扱う業界には安定したイメージがあり、就活生からも一定の注目を集めています。

しかし一口に製薬業界といっても、企業によって扱う製薬の分類や販路もさまざまで、その動向もそれぞれです。製薬業界を目指すのであれば、まずは業界に関する情報を詳しく知ることから始めたいものです。

製薬業界

製薬業界では、医薬品を製造・販売する仕事をおこなっています。病気や怪我の治療に用いる医薬品を製造するだけでなく、製薬の改良や新薬などの研究開発も重要な仕事の一つです。

莫大な研究開発費用がかかることから、大規模な企業が多いのが特徴で、医療用医薬品にとどまらずジェネリック医薬品(後発医薬品)を推進するメーカーもあれば、OTC医薬品(一般用医薬品)に力をいれるメーカーもあり、各社の強みを活かした差別化が必要とされている、競争の激しい業界です。

競合企業は国内にとどまらず海外企業にも及んでおり、製薬業界は現在厳しい状況が続いています。ジェネリック医薬品の登場で躍進する海外大手の企業と争うため、企業の吸収合併や海外販路の拡大など、競争力を高める取り組みが盛んにおこなわれています。

製薬会社は再編・統合・買収を繰り返している

日本国内の製薬業界は、再編・統合・買収を繰り返しているという特徴があります。平成17年4月には、藤沢薬品工業と山之内製薬が合併して、アステラス製薬が誕生しました。また同じ年の10月に住友製薬と大日本製薬が合併して、大日本住友製薬となりました。

平成19年4月には、三共と第一製薬が経営統合して第一三共になり、さらに第一三共はその後の平成20年、インドの後発薬の大手であるランバクシー・ラボラトリーズを子会社化しました。平成19年には第一三共ヘルスケアがゼファーマを吸収合併しています。

同年には田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併して田辺三菱製薬になるなど、このほかにも数多くの企業が、合併や統合を繰り返してきています。

社会保障費抑制の動きが活発になっている

合併や統合を繰り返してきた背景には、国内の社会保障費抑制の動きがあります。近年では、少子高齢化の影響で社会保障費が年々増加しているという状況になっています。日本の一般会計歳出の3割以上を占めていて、国の財政を圧迫しています。

そのなかで、政府は社会保障費を抑えるためにさまざまな取り組みをしています。薬価の引き下げもそのひとつです。日本政府は、平成32年度中にジェネリック医薬品のシェアを80%以上にするという目標を掲げています。平成27年9月のジェネリック医薬品の割合は、全体の56%となっていて、今後さらなる普及が期待されています。

ジェネリック医薬品の割合が増えていくと、新薬の販売が少なくなり、新薬メーカーは経営が厳しくなっていきます。また、販売額が大きい医薬品の価格を下げる制度も導入され、製薬業界にとっては厳しい状況が続いています。

ジェネリック医薬品の開発競争が加速している

ここ10年間で国内のジェネリック医薬品の使用率は急激に加速しています。さらにシェアを拡大していくために、厚生労働省も政策を増やし続けています。医療従事者へのジェネリック医薬品の処方や調剤の促進にも力を注いでいます。ジェネリックメーカーも、品質への信頼や安定供給などの課題をクリアして、国の政策にこたえてきました。

また、従来の新薬メーカーが、ジェネリック医薬品の市場に参入するハイブリッド型に変化することも増えてきました。医療従業者も、ジェネリックを使用する機会が増えてきていて、ジェネリック医薬品の開発競争が加速していると考えられます。国の目標である、ジェネリック医薬品のシェア80%も実現可能な状況となっています。

製薬業界の業績推移について

  • 業界規模:10兆7,684億円
  • 平均年収:734万円
  • 平均勤続年数:不明

製薬業界は堅実に売上を伸ばし続け業界規模は10兆7,684億円、その他の業界規模と比較したランキングでは26位と高い水準を誇っています。しかしながら生き残りを賭けた業界再編が繰り返しおこなわれており、今後も予断を許さない状況が続いている状態です。

この背景には、海外の世界的大企業の躍進によるシェアの減少への危機感があります。また政府の医療費抑制方針を背景とした、価格の安いジェネリック医薬品の普及による売上の減少も関係しています。

平均年収は高い水準で推移しており、製薬業界の市場規模の大きさが収入に反映しているといえます。しかしながら300社以上あるといわれる業界の中でも、平均以上の収入を得ているのはわずか上位30位ほどまでで、他の業界同様、資本力の高い企業が優位な状況を示しています。とはいえ50位の企業でも公務員の平均年収を上回っており、比較的高い収入が見込める業界であることに変わりはありません。

平均勤続年数に関しては、業界別ランキングでは50位内に入っておらず、正確な数字は分かりませんでした。ランキング最下位の半導体業界が14.8年ですので、これ以下ということになります。

企業別の平均勤続年数でみますと、1位が20.7年に対し50位は8年と随分開きがあるように感じられますが、50位の企業は2000年創業のまだ若い会社ですので、この数字は仕方ないかもしれません。

しかしながら49位の企業は1957年創業ですが、平均勤続年数9.4年と決して長くはない数字ですので、やはり企業によって勤続年数にばらつきがあると言わざるを得ないでしょう。

製薬業界の細かい職種分類について

  • 研究
  • 開発
  • 生産
  • 営業(MR)・販売促進

製薬業界にもさまざまな職種があり、それぞれ異なる重要な業務を担っています。研究は基礎研究や臨床試験などをおこなう職種で、製薬製造においてベースとなる研究や安全性に関する研究をおこないます。

開発部門は、その研究結果を元に実際に医薬品の実用化です。この両部門はばく大な投資と期間が必要とされ、企業もそれに見合う優秀な人材を必要としています。生産部門においては、生産工程全般の管理をおこないます。とくに医薬品の性質上、徹底した品質管理が求められる職種です。

また医療用医薬品を販売する営業職はMR(医療情報提供者)と呼ばれ、医療情報に関する高い知識が求められます。その知識を元にした情報を提供するという形で、医者や薬剤師などの医療関係者へ営業・販売促進をおこないます。

主要企業5選紹介

厚生労働省の調査によると、製薬業界には329の企業がある(平成27年度)といわれており、そのうち資本金規模が50億円を越えるのは62社としています。気になるのは企業数が減少傾向にあることで、2000年以前には1,000社以上もの会社があったといいます。

この理由としては、生き残りを賭けた企業の合併吸収によるものが大きいとされており、代表的な製薬会社が現在注力する事業内容や取り組みを眺めると、こうした製薬業界の厳しい現状が透けて見えてきます。

①武田薬品工業株式会社

  • 企業名:武田薬品工業株式会社
  • 代表取締役:社長CEO  クリストフ ウェバー
  • 従業員数:6,638名 ( 単体 ) 、29,900名 ( 連結 ) ※2017年3月末時点
  • 設立年月日:1925年1月29日

武田薬品工業株式会社はタケダの略称でも知られ、230年以上の歴史を持つ有名企業です。主な事業内容は医薬品などの研究開発・製造・販売・輸出入になり、製薬業界では老舗の最大手であり、事業規模も70ヵ国以上の事業基盤を持つグローバル製薬企業として知られています。

タケダは国内売上トップの実力を基盤とし、グローバルな持続成長に邁進し、企業としても世界レベルの研究開発を推進している企業です。特にオンコロジー(がん)、消化器系疾患領域、中枢神経系疾患領域に注力しています。

また多様性と機動性に富んだ組織づくりをおこなうことで、グローバルな成長を持続的に展開するとしており、戦略的かつ革新的な方法で顧客に貢献する姿勢が求められる職場です。タケダでは、その使命感や責任を喜びにできる人材が求められています。

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②アステラス製薬株式会社

  • 企業名:アステラス製薬株式会社
  • 代表取締役:社長CEO  畑中 好彦
  • 従業員数:17,202名 (2017年3月31日現在、連結ベース)
  • 設立年:1923年

アステラス製薬株式会社は、2005年に山之内製薬と藤沢製薬が合併し発足した会社です、事業内容は医薬品の製造・販売および輸出入になります。優れた医療用医薬品を世界中で販売しており、国内では売上シェア第3位(2016年度)、世界50ヵ国に及ぶ自社販売網を確立している規模の大きい企業です。

経営戦略としては国外での売上を拡大させ、グローバルでバランスの取れた成長を継続することを目指しています。すでに泌尿器疾患と移植領域はグローバルでの競争力を確立しており、第3の柱とするためにがん領域にも注力しています。

そうした成長を実現するために、環境の変化にもしなやかに対応でき、主体性を持って挑戦する姿勢が求められている職場です。

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③第一三共株式会社

  • 企業名:第一三共株式会社
  • 代表取締役:社長CEO  中山 讓治
  • 従業員数:約15,000人(第一三共グループ)
  • 設立年:2005年9月28日

第一三共株式会社は、2005年に第一製薬株式会社と三共製薬株式会社が合併し設立されました。「第一三共胃腸薬」や「ガスター10」などで知られる一般用医薬品の第一三共ヘルスケアや、ジェネリック医薬品を製造販売する第一三共エスファを始めとした、数多くの子会社を持っています。

また海外にも販売拠点を数多く保有するグローバル企業としても知られています。「イノベーションに情熱を。人に思いやりを。」をスローガンに、革新的な医薬品を継続的に創出することで、多様な医療ニーズに対応することを目指しています。

「2025年ビジョン」と呼ぶ経営計画では、がん事業を中心としたグローバル創薬企業として持続成長していく方針を打ち出しています。そうした方針に対応できる、柔軟で挑戦的な姿勢が人材として求められています。

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④エーザイ株式会社

  • 企業名:エーザイ株式会社
  • 代表執行役CEO:内藤 晴夫
  • 従業員数 連結:10,452人 個別:3,246人 (2017年3月末現在)
  • 設立年:1941年(昭和16年)12月6日

エーザイ株式会社は、セルフケア製品「チョコラ」シリーズでもおなじみの医薬品製造販売企業です。マーケティングは日米欧などの先進国だけでなく、新興国などにも積極的に拡大展開をみせる、グローバル戦略を取っています。

国内では今後の医療・介護の一体改革を見据え、2016年度より日本医薬品事業の体制を刷新しています。認知症ソリューション事業やジェネリック医薬品など自社の強みを活かした製品を組み合わせることで、新たな価値提供をできるよう改革を進めています。

また必要な医薬品が必要とされる、患者に届かないという世界的な医療問題を「アクセス問題」として捉え、その解消を目指しています。社員にも就業時間中の1%を患者とともに過ごす時間にあてることを推奨するなど、問題解消への実現に向けての取り組みをおこなっている企業です。

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⑤中外製薬株式会社

  • 企業名:中外製薬株式会社
  • 代表取締役:永山 治
  • 従業員数:7,245人(2016年12月31日現在)
  • 設立年:1925(大正14)年3月10日

中外製薬株式会社は、創業から77年目の2002年に日本ロシュと統合、スイスの大手医薬品メーカーであるロシュグループの一員となりました。旧中外製薬では「バルサン」「グロモント」などの製品で知られていましたが、これらを保有する一般用医薬品事業は2004年にLIONへ譲渡しています。

中外製薬グループでは2009年に「トップ製薬企業像」を定めており、2010年代後半までにグローバルに活躍するトップ製薬企業になることを目指しています。この取り組みは、国内シェア3位以内、海外の売上比率増大などの意欲的な目標を掲げています。

また有望な製品・プロジェクトや研究テーマは今後の成長に左右するものとし、優先的に投資や各機能の強化を進めていることから、それらに対応しうる挑戦的で柔軟な発想を持つ人材が求められています。

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製薬業界研究のおすすめ書籍紹介

製薬業界を志すのであれば、業界の常識的な知識は必要不可欠。ネットやニュースなどをチェックするのもよいですが、書籍によるアプローチも大いに役立ちます。

製薬業界の研究では、分かりにくい専門用語や医療制度などが頻繁に出てきますので、それらをまとめた書籍を一冊でも手元に置いておけば、業界に関する知識を効率よく吸収できるでしょう。ここでは効率よく製薬業界の知識が得られる、おすすめの書籍をご紹介していきます。

①最新業界の常識よくわかる医療業界

最新業界の常識よくわかる医療業界』は、医療業界就職希望者や医療業界人のために、業界の常識から最新の動向まで、現場で役立つ濃い情報を満載した解説書です。業界のしくみからトレンド、就職状況まで、就活に役立つ情報が網羅されているのが特徴になります。

サービスや仕事内容など、製薬業界では常識とされる基本的な情報の解説は、就活に大いに役立ち、最新の医療制度やビジネスキーワードまで幅広くカバーしています。業界をより深く知るための最初の一冊としてもおすすめです。

②最新医薬品業界の動向とカラクリがよーくわかる本

最新医薬品業界の動向とカラクリがよーくわかる本は、図解を用いながら激変する製薬業界をわかりやすく解説した、製薬業界研究の入門書です。著者は在米25年以上の医療ジャーナリストで、国内外の製薬業界の動向をグローバルな視点で捉えています。

製薬業界で内定を獲得するためには、複雑で変化に富む製薬業界を知っておくことが大切です。そのためには断片的な情報よりも、こうして分かりやすくまとめられた書籍を読むのが効果的です。

アベノミクスの成長戦略と製薬業界の関係や、世界的なシェアを拡大させる中国医薬品市場や、革新的な新薬開発の可能性やIPS細胞などの最新医療など、これら製薬業界の現状から今後の動向にまで触れており、その全体像をまとめて知るにはおすすめの一冊です。

製薬業界研究は資料を活用しよう

製薬業界を志望するなら、業界研究は欠かせないといえるでしょう。武田製薬やアステラス製薬のような人気企業は、応募者数も多く競争率が高くなっています。面接官に業界研究が足りないと評価されてしまうと、内定を獲得するのは難しいといえます。

就活の未来では、医薬品業界大研究Bookを公開しています。製薬業界の歩みについてまとめられていますので、効率よく業界研究をすることが可能です。無料の資料となっていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

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製薬業界を深く知り就活を有利に進めよう!

製薬業界は現在厳しい状態が続いていますが、意欲的に挑戦する志があれば、むしろやりがいのある職場であるともいえます。

製薬業界に就職するには、こうした現状の業界に関する深い知識や理解が必要不可欠となってきます。さらには、国内外の政治や社会の動向などにも大きく左右される業界ですので、日頃から視野を広く持って製薬業界を目指していきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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