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毎年人気の高い製薬業界
世の中には様々な業界がある中で、製薬業界は毎年志望する人も多く、人気の業界の一つです。どこか安定しているイメージや、将来性があるような印象があることから、憧れの業界とされています。
しかしながら、漠然と「安定しているから」「将来性があるから」というイメージで選考に進んでしまうと、入社前の理想と入社後の現実とのギャップに苦しんだり、選考で落とされてしまう可能性もあります。
本記事では製薬業界の基礎知識から内定を得るためのポイントまで解説しております。製薬業界の業務内容や動向を知ることで、業界研究や企業研究を進めることができ、自分に合っているかどうか判断することができます。
製薬業界の基礎知識から内定を得るためのポイントまで理解し、就職活動を優位に進めましょう。
製薬業界とは
製薬業界では、医薬品を製造・販売する仕事をおこなっています。病気や怪我の治療に用いる医薬品を製造するだけでなく、製薬の改良や新薬などの研究開発も重要な仕事のひとつです。
莫大な研究開発費用がかかることから、大規模な企業が多いのが特徴です。中でも医療用医薬品にとどまらずジェネリック医薬品を推進するメーカーもあれば、一般用医薬品に力をいれるメーカーもあります。
薬の種類としては病院などで医療目的で開発された医療用医薬品、医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの薬である要指導医薬品、薬局などで販売されることを目的とした一般用医薬品の3種類があります。また医療用薬品のなかでも、新薬の特許が切れたものと同じ成分で作るジェネリック薬品の2種類に分類することが出来ます。
ジェネリック医薬品とは、新薬と同じ有効成分で作られ、あらゆる厳しい基準や規制をクリアした薬です。効き目や安全性が、新薬と同じであると認められると発売されます。開発にかかる期間が新薬と比べ短いため、開発費用を抑えることができ、価格を安くすることができます。
ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れてからしか開発することはできません。そのためジェネリック医薬品は、後発医薬品とも呼ばれます。これに対し、新薬は先発医薬品とも呼ばれます。
また製薬会社が特許を取得し、新薬を独占販売できる期間は5~10年ほどになります。取得した特許権の存続期間自体は、出願から20年と定められています。しかし多くの場合、治験を行う前の段階で特許の出願を行うため、開発や審査に10~15年ほどかかることを差し引けば、5〜10年ほどになります。
各社の強みを活かした差別化が必要とされている、競争の激しい業界です。
製薬業界のビジネスモデル
製薬メーカーとは、医薬品を研究、製造し販売しているメーカーのことを指します。製薬会社の種類としては武田薬品工業やアステラス製薬などの国内メーカーがあり、海外の資本が入ったファイザーなどの医薬品メーカーも有名です。
ジェネリック薬品を専門で扱う製薬会社や、キリンホールディングスのようなビールメーカーが医薬品を研究販売していたりと、製薬会社の種類は専業、兼業含め相当な数存在しています。
調剤薬局とは、医師が発行した「処方せん」に基いて薬剤師が薬を調剤し、患者に対し薬と適正使用に関する情報を提供する医療提供施設です。患者ごとの薬歴作成、重複投与や飲み合わせ、症状に適した薬であるか、副作用は発生していないかをチェックすることが主な仕事になります。
あなたが製薬業界に向いているか、確認してください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
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製薬業界の3つの職種と業務内容
次に製薬業界の職種と業務内容について解説します。製薬業界は「研究」「開発、設計」「営業、MR」と、3つの職種と仕事内容に分かれています。
3つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
1.研究
製薬会社の研究職では実験や分析がメイン業務になります。薬の合成実験やその結果の分析、新薬の成分分析など一口に研究といっても様々なジャンルにわたります。製薬会社の研究職に就くためには、理系の修士もしくは博士の取得が必要である場合がほとんどです。また6年制の薬学部であれば、エントリーが可能になっています。
研究では、研究室と同じように数人一班で研究を進めていくので、理系の大学の研究室の様子を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
製薬業界の研究職は、医薬品の基礎研究から前臨床研究までに広く範囲に携わります。専門領域に分かれ、部門ごと働くことが多いです。細かな部門名は企業によって違いますが、おおよそ以下のとおりに分けられます。
基礎研究とは、薬の元となる新規物質の発見と創製をする研究です。薬となる可能性のある新しい物質を発見したり、化学的に創り出すための研究から始まります。植物や動物、微生物などからの天然素材を抽出し、合成やバイオテクノロジーなどの多様な科学技術を駆使した手法が用いられます。
また前臨床試験とは、新薬の候補である物質を人体へ投与する前に、動物等を用いて安定性、有効性・安全性を確認するといった臨床研究になります。
・合成部門 開発候補の薬の合成に関する研究を行う
・製剤部門 薬の形状を、患者が服用しやすい注射液等や錠剤にする
・薬理、安全性部門 副作用や発ガン性等についての調査を行う
研究職は大学の研究室との関わりが強い場合も多いです。例えば企業と共同研究を行うなど、企業との繋がりがある研究室に所属していれば、就活に有利になるかもしれません。
しかし研究職は、理系の中でも人気な職種です。競争率は非常に高い職種なので、簡単に就職することはできません。しっかりと準備をして就活に臨む必要があります。
「研究職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「研究職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
2.開発、設計
開発職は臨床試験などを行い、製品開発をする職種です。製薬会社の要の部分でもあり、毎年優秀な学生が集まるので、開発職への就職も非常に難しいと言われています。製薬会社の開発職に就くためにも、理系の修士もしくは博士の取得が必要である場合がほとんどです。また6年制の薬学部であれば、エントリーが可能になっています。
製薬業界の開発職は、臨床試験と言われる発売前の医薬品を人に投与する仕事です。仮説通りの効果が得られるか確認したり、副作用等の異常が起きていないかをチェックする仕事になります。
新薬の開発では基本的に、まずは動物から臨床試験が行われます。動物実験での実験で効果が確認できれば、医療施設や被疑者の協力のもと、人での臨床試験が行われます。これを治験と言います。研究職が前臨床試験まで行った後、人体への臨床試験を行うのが開発職の仕事になります。
開発職は実際に患者に投薬をし、試験をするので責任のある仕事です。医療関係者とのコミュニケーションも必要になるのでマルチな能力が必要になります。
また、試験結果を書類にまとめる仕事もあり、海外のデータや論文を参照することもあります。そのため英語を書かなければならないこともあるため、英語能力のスキルが必要になる職種です。
「開発と設計」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「開発と設計」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
3.営業、MR(メディカル・レプリゼンタティブ)
製薬会社で唯一文系が応募できる職種が事務職、営業職であるMRです。MRは、自社の医薬品を医療機関に販売・流通させる仕事になります。
仕事内容としては、病院やクリニックへ訪問し、継続的に薬や情報を提供することになります。処方される薬は、医師の処方箋により、種類や量、服用法が決められています。そのためどのような薬を処方するかは、医師によって異なります。訪問を通じ、医師や病院に自社の医薬品を処方してもらえるようにするのが仕事になります。
MRは営業職に該当するため、採用人数が多いケースがあります。公益財団法人MR認定センターによると、2017年3月31日時点におけるMR者数は63,185人であるとされています。
そのうち、男性のMRは54,935人、女性は9,200人です。MR1人1人が医薬品を売り上げることが、製薬会社の売上に直接結びつきます。
専門的な知識を身に付けたMRを育成するなど、製薬会社によってビジネスモデルに違いがあることも特徴です。
「MR職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「MR職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
医薬品の5つの種類
次に医薬品について解説します。医薬品は「医療用医薬品」「要指導医薬品」「一般用医薬品」「新薬」「ジェネリック医薬品」の5種類に分けることができます。
5つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
1.医療用医薬品
医療用医薬品は病院や診療所などで、医師が診断した上で発行する処方箋に基づき、薬剤師が調剤して渡される薬です。一般的に処方薬と呼ばれることも多いです。
医療用医薬品の特徴として、効果の高いものが多い半面、副作用にも注意が必要な点です。しかし、医師は診断と薬剤師の目も通っているため、それぞれの患者の症状や体質に合った薬が選ばれています。
医療用医薬品の代表的な企業
・武田薬品工業株式会社
・アステラス製薬株式会社
・第一三共株式会社
2.要指導医薬品
要指導医薬品とは、医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの薬のことを言います。市販薬として新しいうちは、取扱いに十分な注意が必要となっています。
そのためより安全に使用されるように、購入する際には必ず薬剤師より、対面での指導を受けなければいけません。またこれらの理由から、インターネットでの購入はできなくなっています。
要指導医薬品は、レジの後ろの棚やカギのかかったケース、もしくは空箱で陳列されているなど、直接手に取って購入することができません。薬剤師から書面により、使用方法やのみ合わせ、副作用などの説明を受けなければ購入できなくなっています。
要指導医薬品は、原則3年間市販薬として販売されます。その後、安全性に問題がなければ一般用医薬品として転用されます。
要指導医薬品の代表的な企業
・ゼリア新薬工業株式会社
・ロート製薬株式会社
・田辺三菱製薬株式会社
3.一般用医薬品(OCT医薬品)
一般用医薬品は、医療用医薬品に比べて薬の有効成分の含有量を少ないことが特徴です。そのため医療用医薬品や要指導医薬品に比べ、効き目が抑えめであることが多いです。また薬局や薬店だけでなく、インターネットでも購入が可能となっています。
一般用医療品が医療用医薬品に比べて、薬の有効成分の含有量を少ないことには理由があります。お求めやすくなる分、お年寄りから子供、大柄な人から小柄な人まで、どのような人が使用するかわからないため、安全性を最も重要視しているからです。
また一般用医薬品は、副作用や薬の飲み合わせなどのリスクに応じて、3つのグループに分類されています。中外製薬の「医療用医薬品と一般用医薬品|からだとくすりのはなし|中外製薬」によれば、それぞれの分類に以下のような販売のルールなどが定められています。
第1類医薬品 :副作用や薬の飲み合わせなどのリスクから、特に注意を必要とする薬です。そのため、薬剤師による情報提供が義務付けられています。(例:H2ブロッカー含有薬、一部の毛髪用薬など)
第2類医薬品 :副作用や薬の飲み合わせなどのリスクから、注意を必要とする薬です。薬剤師または登録販売者から購入することができます。販売者からの情報提供は努力義務とされています。(例:主なかぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸鎮痛薬など)
第3類医薬品 :薬剤師または登録販売者から購入することができます。リスクの程度は比較的低く、購入者から直接希望がない限り、情報提供には法的制限がありません。(例:ビタミンB・C含有保健薬、主な整腸剤、消化薬など)
一般用医薬品の代表的な企業
・ロート製薬株式会社
・エスエス製薬株式会社
4.新薬(先発医薬品)
新薬は長い研究開発期間をかけて、新しい成分の有効性や安全性が確認された後、国からの承認を受けて発売された医薬品です。
新薬は発売された後も一定の期間、有効性や安全性について確認することが開発した企業に義務付けられています。これを再審査期間と言います。
新薬は8〜15年にかけて研究開発を行い、2〜3万件に1件の確率で成功を果たします。臨床試験である動物実験までたどり着く確率が3万件に10件程度の確率と言われています。
またそこから3〜5年をかけて、人の臨床試験にたどりつくのが3〜4件となります。その後さらに3〜7年で審査を行い、1〜2年かけて発売されます。
おおよそ数百億から数千億円の費用がかかっています。しかし発売後は独占販売が認められており、大規模な資金回収が可能になっています。新薬の開発は莫大な時間とお金がかかる研究となっています。
代表的な企業
・武田薬品工業株式会社
・アステラス製薬株式会社
・第一三共株式会社
5.ジェネリック医薬品(後発医薬品)
ジェネリック医薬品とは、新薬の再審査期間と特許期間満了後、新薬と効き目が同等であることを証明する様々な試験を実施し、厚生労働省の承認を得た医薬品のことです。
再審査期間と特許権存続期間が満了すると、新薬と同じ有効成分の医薬品を、後発医薬品として、他の製薬企業が製造し販売することが可能となります。
ジェネリック医薬品は開発期間が3〜4年であり、開発費用は数億円程度になります。しかし、実際に販売される価格は、新薬の半分以下のため利益を出しづらいといった特徴があります。
新薬との効き目を比較する試験
①規格試験(原薬・製剤の品質確保)
②安定性試験(加速・長期保存)
③生物学的同等性試験(溶出試験、ヒトBE試験)
代表的な企業
・日医工株式会社
・沢井製薬株式会社
・ニプロ株式会社
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製薬業界の動向
今までの変革
日本国内では、1873年に政府の援助のもと、日本最初の製薬会社「大日本製薬会社」が設立されました。今でも「エバステル®︎OD」で有名な大日本住友製薬の源流となっています。
1888年には大阪において「大阪薬品試験会社」が設立しまし、また1897年には有力な薬種問屋が中心となって「大阪製薬株式会社」が設立されました。
当時の薬開発の基盤である科学研究は、欧米のレベルが高く、日本は輸入薬が中心でした。しかし1914年に起こった第一次世界大戦を機に、薬の輸入が困難となり価格が高騰したため、日本は薬の国産化の必要となりました。
そこでガンの痛みの軽減とされているモルヒネや解熱鎮痛剤であるアスピリン、消炎鎮痛の効果があるサリチル酸など、現在においても重要な薬の研究と製造が本格的に開始されはじめました。
近年のトレンド
薬価引き下げにより国内市場縮小
薬価とは薬を売る時の価格のことです。医療用医薬品の公定価格である薬価は、原則、2年に1回、4月の診療報酬改定時に価格の見直しが行われます。
近年薬価は、改定のたびに全医薬品で平均5~6%ほど引き下げられています。2018年度は薬価制度の大幅な見直しがあり、引き下げ率は7.48%と大きくなりました。
この薬価引き下げは、年々増大する医療費を抑制し、国民皆保険の維持を目的とした、厚生労働省の意図があると言われています。薬価が下がることで、製薬会社は研究にかけられる金額が下がってしまいます。
そこで日本の製薬会社を積極的に外国に進出させることで、新薬の研究開発費用を日本ではなく外国市場からの投資で賄いたいという狙いもあると言われています。この薬価引き下げにより国内市場の縮小が懸念されています。
製薬会社では再編・統合・買収の繰り返し
日本国内の製薬業界は、再編・統合・買収を繰り返しているという特徴があります。平成17年4月には、藤沢薬品工業と山之内製薬が合併して、アステラス製薬が誕生しました。また、同じ年の10月に住友製薬と大日本製薬が合併して、大日本住友製薬となりました。
平成19年4月には、三共と第一製薬が経営統合して第一三共になり、さらに第一三共はその後の平成20年、インドの後発薬の大手であるランバクシー・ラボラトリーズを子会社化しました。平成19年には第一三共ヘルスケアがゼファーマを吸収合併しています。
同年には田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併して田辺三菱製薬になるなど、このほかにも数多くの企業が、合併や統合を繰り返してきています。
合併や統合を繰り返してきた背景には、国内の社会保障費抑制の動きがあります。近年では、少子高齢化の影響で社会保障費が年々増加しているという状況になっています。日本の一般会計歳出の3割以上を占めていて、国の財政を圧迫しています。
そのなかで、政府は社会保障費を抑えるためにさまざまな取り組みをしています。薬価の引き下げもそのひとつです。日本政府は、令和2年度中にジェネリック医薬品のシェアを80%以上にするという目標を掲げています。平成27年9月のジェネリック医薬品の割合は、全体の56%となっていて、今後さらなる普及が期待されています。
ジェネリック医薬品の割合が増えていくと、新薬の販売が少なくなり、新薬メーカーは経営が厳しくなっていきます。また、販売額が大きい医薬品の価格を下げる制度も導入され、製薬業界にとっては厳しい状況が続いています。
今後の行方
AI技術の活用
新薬の開発は、上記に説明した通り、長い歳月と巨額な開発費が必要になります。また研究開発したものが新薬となる確率は3万分の1というリスクがあります。そのため世界の医薬品メーカーでは、長期間に莫大な投資が維持できる外資系のメガファーマだけしか新薬の開発ができませんでした。
このような状況に対抗するため、国内の大手メーカーである武田薬品工業や富士フイルム、塩野義製薬などがAIを使った新薬開発を進めています。理化学研究所や京都大学と協力し創薬用AIを開発し、新薬の候補となる物質を素早く探し出す仕組みに挑戦しています。この創薬AIを用いることで、開発期間が4年短縮され、開発費も1.2兆円削減されると言われています。
また新薬の臨床試験では、綿密な実施計画の立案が必要であるため、膨大な時間と熟練者のノウハウが必要でした。そこで田辺三菱製薬と日立は、情報検索と収集の自動化を検討しています。
日立が開発した医療向けの自然言語処理や、ディープラーニングなどのAI技術を用いることで、情報収集の時間を約70%短縮できると発表しました。
このように製薬業界では、研究コスト削減や開発効率の向上のために新技術が用いられています。
新型コロナウイルス治療薬の開発
新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬の開発で、製薬業界には大きな期待が寄せられています。日本では12月に特例承認を求めて申請がされました。そのため2021年の春頃には接種が始まるとみられています。
新型コロナウイルスのワクチン開発では、過去に実用化例がないか、あってもごくわずかな例しかない新技術が活用されました。WHOの12月16日時点でのまとめによると上記の図のようになります。
臨床試験を実施しているワクチンの候補は56種類あります。そのうち承認されているワクチンが17種類となっています。
またウイルスベクターワクチンは、エボラウイルスワクチンでしか実用化例がありません。RNAワクチンやDNAワクチンなどは、承認されれば初の実用例となり期待されています。
ワクチンの用語説明
・組換えタンパクワクチンとは、遺伝子組換え技術やバイオテクノロジーの技術により開発された、感染症の予防を目的としたワクチン
・ウイルスベクターワクチンとは、COVID-19ウイルスの遺伝子を、無害化されているアデノウィルスに組み込んだワクチン
・不活化ワクチンとは、細菌やウイルスを殺して毒性を無くすことで、ウイルスに対して免疫をつけるための成分を取り出してワクチン化したもの
・DNAワクチンとは、病原体を構成する成分の設計図であるDNAをワクチン化したもの
・RNAワクチンとは、天然化学物質の人工複製物を使用し、免疫反応を起こすワクチン
・ウイルス様粒子ワクチンとは、ウイルスと同じ構造を持ちつつ、RNAなどのウイルス遺伝情報を持たないワクチン
製薬業界の業績と待遇
業績規模 12.4兆円
平均年収 778万円
平均勤続年数 約14.7年
図では、「業績規模」「平均年収」「平均勤続年数」のカテゴリーのうち、それぞれトップの「卸売」「総合商社」「電力」の業界と航空業界を比較しています。
業界動向リサーチの「製薬業界の現状・動向・ランキング・シェアを研究-業界動向サーチ」によれば、製薬業界は毎年順調に業績を伸ばし続け、現在では業界規模3兆5,000億円となっています。業績の伸び率は+7.8%であり、142業界24位と高くなっております。
一方平均年収は778万円となっており、総合商社と比べると低いものの、サラリーマンの平均年収が400万円程度と言われているため、平均と比べると高めとなっています。
また平均勤続年数は14.7年となっております。国税庁が公表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によれば、全体の平均勤続年数は12.1年であるため、平均より長い勤続年数であることが分かります。
製薬業界の主要企業の売上高ランキングと特徴
製薬業界を志望するのであれば、どの企業を志望するのかを決めていくために、企業ごとの特徴や強みなどを調べる必要があります。
就職する企業と自分の目指すところが違えば将来が全く違うものになりますので、企業正しく知り、就活を進めていきましょう。就活では業界研究だけではなく、企業研究も大切ですので、製薬業界の主要な企業についてもしっかりと、理解を深めていきましょう。
製薬業界について理解し就活に挑もう
製薬業界で働くといっても職種により扱う仕事は全く違います。しかしどの職種においても、「自分の仕事は人を救うという仕事なのだ」と共通の自覚を持って仕事に取り組んでいる人は多いです。
また製薬業界での仕事は責任感や覚悟のいる場合が多いです。一歩間違えば人を救うどころか人を傷つけ、世間に大きく迷惑をかけてしまう可能性もあります。製薬業界に勤めるということは社会貢献度が高い分責任も大きくなります。
製薬業界の仕事は魅力的です。憧れを抱く人は多く、就職するとなると激しい競争になります。憧れの企業から内定をもらうためにも早めにできることを始めておきましょう。