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電子部品業界とは
電子部品業界は、発展を続けている現代の技術を支えている電子部品の製造・販売を行う業界で、日本の企業は世界的に活躍しています。電子部品は多くの人が普段使用しているパソコンやスマートフォンなどに使われており、今後もますます必要になると言われています。
しかしこの業界のほとんどがBtoB企業であり、普段の生活ではあまり耳にしないことが多いです。そのため業界の動向などから基本的な情報をしっかりと把握して、電子部品業界について詳しく知っておきましょう。
本記事では電子部品業界の基礎知識から求める人物像まで解説しております。電子部品業界を理解し、就職活動を優位に進めましょう。
電子部品業界
一口に電子部品と言われても、具体的にどういったものであるのかわからない人も多いでしょう。電子部品とは普段から目にする家電製品や自動車、スマートフォンなどに必ず組み込まれている部品で、世界的に見ても現代の生活にはなくてはならないものです。日本の電子部品業界は高い技術を誇っており、海外へのシェアをますます広げています。
しかし中国や韓国などの国が技術をつけてきている影響で、電子部品業界のシェアは大きく変動しています。日本の半導体技術の発展が少し低迷してきているため、他国の追随を許してしまっているのが現状です。さらに海外メーカーによる格安な機器の需要が高まっており、今後の企業はこれまでとは違った方針を立てる必要があります。
電子部品業界の業績
業績規模 12.4兆円
平均年収 682万円
平均勤続年数 約16.0年
図形では、「業績規模」「平均年収」「平均勤続年数」のカテゴリーのうち、それぞれトップの「卸売」「総合商社」「電力」の業界と電子部品業界を比較しております。
業界動向リサーチの「電子部品業界の動向、ランキング、シェアを掲載-業界動向サーチ」によれば、電子部品業界は平成20年ごろまで業績を伸ばし続けていましたが、東日本大震災の影響や円高による輸出量の減少などで電子機器の需要が低迷し、業績は減少傾向にありました。
しかし、平成24年からは景気の回復により電子機器の需要が増加するとともに電子部品業界の業績も良くなり、現在も増加傾向にあります。今後は海外の企業との争いが予想され、現段階では動向は掴みにくいと言われています。
一方平均年収は682万円と、総合商社と比べると低いものの、サラリーマンの平均年収が400万円程度と言われているため、平均と比べると高めとなっています。企業により規模が大きく異なる業界ですので、年収の高い企業と低い企業を比べると少し差が見られます。あまり名前を聞いたことのない企業でも業績が良く年収が高いところも多いので、企業研究は重要となります。
平均継続年数は16年となっております。国税庁が公表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によれば、全体の平均勤続年数は12.1年であるため、平均より長い勤続年数であることが分かります。
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電子部品業界の3つの職種
1.営業・技術営業
電子部品業界の職種は、一般的なメーカー企業の業種とあまり差はありません。その中で営業職は自社の電子部品を営業先に売り込むことが主な業務です。
基本的にはBtoBの営業となりますので、製品の細かな原理説明などが必要となる場面も多く、理系出身でも技術営業職が存在します。また今後さらに海外へのシェアを獲得するためにも、営業職は語学能力が必要となり、日々勉強に励むことができる人は向いている職種でしょう。
営業の職種一覧については、こちらの記事で詳しく解説しています。
2.生産技術
生産技術とは電子部品を製造するために必要な技術を開発する職種です。電子部品の品質を担保しつつ、低コストで効率的に製造する技術を開発するため、あらゆる製造技術の知識が必要となります。
また製造において工場での勤務もあり、夜勤も含めた交代制を取っている企業も少なくありません。そのため、体力も必要となる職種であります。
製造業の自己PRを書くポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
3.研究開発
自社が製造する電子部品の研究開発を担う職種です。電子部品の中でも、特に半導体や集積回路といった分野は大学で学ぶ機会が多く、専門的な知識が必要になります。
研究する電子部品は、お客さんの要望により開発するものもあれば、自社発案で開発を行う場合もあります。研究開発では、何度もトライアンドエラーを繰り返し、試行錯誤をしなければならないため、忍耐力や俯瞰しする力が求められる職種と言われています。
自己PRで忍耐力をアピールする方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
電子部品業界の主要企業5社
電子部品業界の企業は日常的にあまり耳にしないところが多いです。製品を販売する相手が企業であるため、普段は消費者であるみなさんはあまり関わりがないように感じるでしょう。
しかし、何気なく使用しているスマートフォンなどの電子機器のほぼ全てにこの業界の企業の製品が使用されています。日本は電子部品産業の先進国であるため、この業界の企業は国内だけでなく世界的に活躍する企業も多いです。事業内容や製品、社風なども知ることでより深く電子部品業界を知っていきましょう。
1.京セラ
企業名 京セラ株式会社(KYOCERA Corporation)
代表者名 谷本 秀夫
従業員数 19,352名(2020年3月)
設立年月日 1959年4月1日
京セラ株式会社は電子部品やスマートフォン、セラミックなどの繊維製品を扱う、電子部品業界では1番の売上高を誇る業界最大手企業です。京セラドーム大阪などがあるので企業名を誰しもが聞いたことがあるほど有名な会社です。
自動車用部品や半導体関連部品などの部品事業は売上高の50.4%を占めており、その規模は国内最大級であると言えます。機器・システム事業では”DIGNO”シリーズのスマートフォンが代表的な製品で、いわゆる格安スマホと呼ばれるものです。
格安のスマートフォンが流行している今、スマートフォンや電子部品は今後も伸び代が期待されます。企業の方針として「組織の一体感を重視」を掲げており、創立記念式典や運動会などの社内行事を大切に継承しています。
2.村田製作所
企業名 株式会社村田製作所
代表者名 村田 恒夫
従業員数 9,119名(2020年3月)
設立年月日 1950年12月23日
株式会社村田製作所は、事業内容のほとんどが電子部品の製造を行っている会社であり、電子部品業界では世界的に見ても有名な企業です。コンデンサや抵抗器など日常生活であまり目にしない電子部品を扱っているので、企業名を知らなかった方も多いでしょう。
企業スローガンは“Innovator in Electronics”であり、新商品、新市場の開拓を目指しています。また社員の一人一人が”Innovator(改革者)”として自らの仕事を変革するといった姿勢を取っています。そのため世界的に情報化社会が進み、今後も新たに便利な製品が次々と開発されていく現代社会において活躍が期待される企業の1つと言われています。
3.日本電産
企業名 日本電産株式会社
代表者名 永守 重信
従業員数 2,756名(2020年3月)
設立年月日 1973年7月23日
日本電産株式会社は電子部品以外にもモータやセンサなどの部品も扱っている会社です。その技術力は世界的にも認められており、特にモータ事業においては世界を牽引する力を持っています。連結会社を含めると従業員数は107,061名にものぼり、非常に大きな事業規模になるでしょう。
日本電産は創業当初から常に海外を視野に入れて事業を展開し続けており、現在では世界各国に297社にも及ぶグループ会社が存在しています。このようなグローバルネットワークは、現地での需要に迅速に対応することが可能であるため、世界中で事業継続性を保っています。「世界No.1」への意識を常に持っているため、海外で活躍する機会は多いと言えるでしょう。
4.TDK
企業名 TDK株式会社(TDK Corporation)
代表者名 上釜 健宏
従業員数 5,521人(2020年3月)
設立年月日 1935年12月7日
TDK株式会社は、電子部品の他に時期フィルムなどの磁性材料も扱う、技術力の高い会社です。”高度なモノづくり力”が強みとされており、電子部品の小型化に関しては目を見張るものがあります。
今後の社会において、スマートフォンやタブレットなどの小型化が進んで行くとされています。そのため、この技術力は非常に強いと考えられます。また海外生産・海外販売が8割を超えており、こちらもグローバルな企業であると言われています。
生産だけでなく研究開発もアジア、ヨーロッパ、アメリカの各地で行われており、世界最先端の研究が進んでいます。福利厚生も整っているので、各地で働く社員の労働環境は良い方であると言われています。技術力の高いフィールドで働くことができるので、若いうちから成長できることは間違いないです。
5.オムロン
企業名 オムロン株式会社(OMRON Corporation)
代表者名 山田 義仁
従業員数 4,980名(2020年3月)
設立年月日 1948年5月19日
オムロン株式会社は電子部品だけでなく、制御機器や健康医療機器など幅の広い製品を展開している企業です。体温計や電動歯ブラシなどの身の回りにある商品を製造しているので、企業名を聞いたことがある人も多いでしょう。
事業基盤が強固であるため、新規事業に次々と挑戦ができる余裕を持った経営体制を取っています。また平均年収が824万円と電子部品業界では非常に高い数値となっております。平均年収が高く、労働環境も整っているため、従業員は前向きに働くことができるでしょう。
再生可能エネルギー関連機器の製造など環境や社会にも大きく貢献しており、今後もますます活躍していくであろう企業の1つです。
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電子部品業界の業界研究ができるおすすめ書籍2選
電子部品業界を知るためにはまずは電子部品とはどういったものなのか、何に使われているのかなどを知る必要があります。他にも過去、現在、未来の業界全体の動向や世界的なシェアなどわからないことが多いでしょう。
ネットで検索をしても同じようなことが書いていることが多く、自分が一番知りたい情報にたどり着くことは難しく思えます。書籍を通じて学ぶことでネットで知識を得た人と差をつけることができ、就職活動で大いに役に立つ可能性があります。
1.電子部品だけがなぜ強い
「電子部品だけがなぜ強い」という本は、業界の企業を取り上げながら著者が考察をまとめているもので、電子部品業界について深く知ることができる1冊です。主にメーカーの成功事例などを取り上げており具体的な考察がなされています。成功事例を知ることでこれまでの業界の流れをつかむことも可能です。
本書は”モノづくり”視点というよりは”経営”の視点で書かれているため、就職活動において質問されるであろうことに沿った内容であると言えます。企業ごとの経営理念の比較などもされていますので、企業がどのようにして成長したのかということもわかりやすくなっています。
淡々と業界について書かれているのではなく、雑談なども交えて議論しているので読む側にとっても読みやすい書籍であるのではないでしょうか。
2.電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル
「電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル」という本は、ビジネスの観点から電子部品業界を考察している書籍です。電子部品業界について知ろうとして電子部品の原理を詳しく説明している書籍を選んだとしても、就職活動において役に立つことは少ないです。
本書では他社との競争や高い利益率の確保するには、といった企業として電子部品を扱う際の理念が書かれていたりします。
筆者の強みである直接取材と情報収集力を武器に、あまり知られていない小さな企業が実は素晴らしい戦略で強みを持っているといったことも書かれており、ネットでは得ることが難しい情報が記載されているのも魅力です。
電子部品業界の様々な企業が技術力の高さだけでのし上がったのではなく、先のことを考えた戦略を持って成功しているなど、面接時の志望理由に言えそうな内容も見応えあるでしょう。
電子部品業界を深く知って就活を有利に進めよう
電子部品業界は、今後もますます躍進を続けるであろうとされる業界です。様々なデバイスが進歩している裏では、必ず電子部品を製造している企業が努力をしています。世界を牽引する日本の電子部品業界は今後も様々な課題が出てくるでしょう。
そんな世界的に活躍できるこの業界を、一度視野に入れてみてはいかがでしょうか。