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エネルギー業界を理解し就活を優位に進めよう
熱や電気といった「エネルギー」は、人々の日常生活においてなければならない存在です。そんなエネルギーを扱う「エネルギー業界」は、いつの時代も高い需要を誇り、安定したイメージの強い業界として就活生から人気があります。
しかし「エネルギー業界に興味はあるが、実際にどんな仕事をしているかはよく知らない」と悩む学生も多いです。業界内の職種や業務内容についてよく理解していなければ、曖昧な志望動機しか作れず、選考を突破するのは難しくなります。
この記事では、エネルギー業界の特徴や業務内容、主要企業について詳しく解説していきます。エネルギー業界について理解し、進路の選択や志望動機の作成に役立てましょう。
エネルギー業界とは
エネルギー業界はその名の通り、エネルギーを扱う業界です。
エネルギーとは「仕事をする能力」であり、例を挙げると電化製品を動かす電気エネルギーや、コンロの火がものを温める熱エネルギーがあります。
エネルギー業界はさまざまな分野があり、大きくは「電気」「石油」「ガス」の3つに分けられます。
これらのエネルギーを生産し、家庭や取引先企業に安定的に送ることが、エネルギー業界の企業の仕事です。そうして送ったエネルギーの料金をもらうことで、企業は利益を得ています。
それぞれの分野ごとに特徴があるため、エネルギー業界を志望する場合は各事業内容を理解し、自分が業界内のどの分野で働きたいかを考えましょう。
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エネルギー業界の3つの分野と主な業務内容
前述したように、エネルギー業界は「電力」「石油」「ガス」の3つの分野に分けられます。エネルギー業界への就職を希望するうえで、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
取り扱う資源・エネルギーが異なるため、業務内容も変わります。志望動機を明確にするためには、それぞれの特徴を理解することが大切です。また、ただエネルギー業界で働きたいからと分野にこだわらずに就職すると、思った仕事と違い、やりがいを感じられない可能性があります。
ここでは、それぞれの分野の特徴や業務内容について解説していくため、自分の興味のある分野への理解を深めるのに役立てましょう。
①電力業界
電力業界は、家電などを動かすのに必要なエネルギーである「電気」を製造・供給するのが特徴です。
電力会社の仕事として、主に「発電」「送配電」「小売り」の3つの部門に分けられます。
発電部門は、発電所を運営し、電気をつくるのが仕事です。発電所は様々な種類があり、代表的なものだと以下の6種類が挙げられます。
- 水力:水の流れで発生する位置エネルギーから電気をつくる
- 火力:燃料を燃やして発生する熱エネルギーから電気をつくる
- 原子力:原子核分裂時に発生する熱エネルギーから電気をつくる
- 太陽光:太陽光の光エネルギーを変換して電気をつくる
- 風力:風の運動エネルギーを変換して電気をつくる
- 地熱:地熱(地球内部の熱源に由来する熱エネルギー)から電気を作る
発電所の種類によって細かい業務内容は変わりますが、設備の運転状態を計測・監視・記録して、異常がないことを確認するのが共通する主な業務です。
送配電部門は、発電所から消費者へ電気を供給するのが仕事になります。消費者に無事電気を送るために、送電線・配電線を管理する業務です。具体的には、電線の保守点検・維持管理や、送電線路などの設備の工事を実施します。
小売り部門は、消費者と直接やりとりし、電気供給の契約・手続きをする仕事です。サービスの内容や料金の説明をし、契約が決まればその家庭へ電気を供給する手続きをする業務になります。
様々な人と業務上での会話をする場があるため、高いコミュニケーション能力が必要です。
電気は生活の必需品で、それを供給する電力業界も高い需要を誇ります。地域ごとにそれぞれ電力会社があり、活動範囲がある程度決まっているため、遠方への転勤は少ないのも魅力です。
こちらの記事では、電力業界についてより詳しく解説してあります。併せて読んで参考にしてください。
②ガス業界
ガス業界は、給湯器やコンロで燃料として使用される「ガス」を製造・供給するのが特徴です。
ガス会社の仕事として、主に「生産」「供給」「営業」の3つの部門に分けられます。
生産部門は、工場を運営し、ガスをつくるのが仕事です。工場の設備の保守点検を行い、安定稼働させてガスを生産するのが主な業務になります。
また、受け入れや出荷に対するガスの量の管理や、生産したガスの品質管理なども業務で、生産部門は安全なガスを供給するうえで重要な部門になります。
供給部門は、工場から消費者へガスを供給する仕事です。工場からつながるガス管をはじめとした、供給設備の維持管理・修理・工事が主な業務になります。
家庭のガス設備の修理も業務のひとつで、消費者からの問い合わせがあるとすぐに現場に駆け付け、問題を解決します。
営業部門は、顧客へガスの使用の営業活動をする仕事です。家庭や企業だけでなく、工場・病院・飲食店など幅広い顧客に対し、ガスの営業をするのが業務になります。
顧客の対象が様々で、それぞれの契約内容の規模も異なるのが特徴です。そのため、営業の中でも細かい業務内容は異なることがあります。
電力業界同様、高い需要を誇り、会社が区分されているため地域に密着できるのが魅力です。
こちらの記事では、ガス業界について詳しく解説してあります。併せて読んで参考にしてください。
③石油業界
石油業界は、ガソリンをはじめとした燃料として様々な用途で使用される「石油」を調達・加工し販売するのが特徴です。
石油会社の業務として、主に「技術」「事務」の2つの系統に分けられます。
技術職は、石油を調達・加工する仕事です。加工前の原油を調達するための施設の設計・開発、調達後の加工設備の管理保守、石油資源の新たな活用法の開発・研究と、業務は多岐に渡ります。
どれも理工系の知識をはじめとした、高度な専門スキルが必要な業務です。
事務職は、主に加工した石油製品を販売するのが仕事になります。こちらも業務内容は幅広く、販売・経理・事務以外に、マーケティングや物流管理・事業企画と様々です。
技術職は専門的な学部・学科の学生を募集する場合が多いですが、事務職はほとんどが学部・学科不問で募集しています。
石油会社は給料が高い傾向にあり、どの企業も人気が高いです。しかし、エコカーの普及や石油資源の枯渇問題から、石油需要は近年減少しています。石油業界を志望する場合は、将来的な見通しを自分なりに考えてから企業を選びましょう。
こちらの記事では、石油業界についてより詳しく解説してあります。
エネルギー業界の動向
エネルギー業界は現在縮小傾向にあり、それぞれの分野でも業績は伸び悩みを見せている企業が多いです。
分野別にみていくと、電力業界は少ない燃料で大量の発電が可能な原子力発電が事故の危険性から問題視され、火力発電へのシフトによって収益が低下しています。ガス業界は、暖冬など気候の変動によって業績が伸び悩みを見せている企業が多いです。
また、石油業界では、エコカーや電気自動車の普及によるガソリン使用量の減少や、石油資源の枯渇を見据えた代替エネルギーの研究などにより、石油の需要が年々低下しています。
エネルギー業界を目指す場合は、自分の志望する企業は今後を見据えてどのような方策を立てているかを、企業研究で調べておくことが重要です。あまり業績の悪化を気にしていない企業だと、将来的に大規模なリストラや倒産に巻き込まれる恐れがあります。
エネルギー業界の主要トピック3つ
エネルギー業界は変化の多い業界であるため、ニュースでもよく取り上げられます。
面接の際は志望者がどれだけエネルギー業界に興味を持っているか量るために、最新のトピックについて考えを聞いてくる場合もあります。面接中にうまく頭の中で考えをまとめ、文章にして答えるのは難易度が高いです。
あらかじめトピックを抑えて考えを整理しておけば、面接中もスムーズに回答できます。ここでは、エネルギー業界の最新トピックを3つ紹介するため、業界への理解を深める参考にしてください。
①ホンダの「電動化」とトヨタ「水素エンジン」の行方
4月に就任したホンダの三部敏宏社長が、2040年に4輪事業において、世界での販売を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)で100%にすると表明したことが波紋を呼んだ。というのも、ホンダは、2輪・4輪・汎用の各事業を通じて世界最大級のエンジンメーカーであるからだ。20年後にはもうエンジン車を売らないという驚きが多くの人の胸に湧き起こったはずだ。しかし私は、よく決断したと喝采を送る。研究所を含め、昨今のホンダ社員の表情は明るくなったと感じる。
一方でトヨタは、2025年までにEVを15車種導入すると表明し、スバルと共同開発したSUVのEVでは、ソーラーシステムを採用して1充電走行距離を延ばす取り組みを行っていると、中国・上海のモーターショーで発表した。しかしトヨタは、2019年の記者会見で、電動化を前倒しで進めることを表明したものの、電動化とは、EVを指すのではなく、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を含めてのことであるとの意思を変えておらず、ホンダのようにEVやFCVに集約させるとの積極的な姿勢は見せていない。
有名自動車メーカーの「ホンダ」と「トヨタ」の電気自動車についてのトピックです。
電気をエネルギー源として動く「電気自動車」燃料電池で発電してその電気をエネルギー源として動く「燃料電池車」ガソリンと電気の両方を動力源として持つ「ハイブリッド車」の3つのシェアが今後も拡大し、ガソリンを使用するエンジン車が減少していくことを示しています。
つまり、ガソリンの需要が下がり、石油の価値が減少することを示唆したニュースです。電機自動車の普及は環境的に素晴らしいことではありますが、石油業界は今後の業績に関わる重大事項になります。
ガソリンの需要はまだまだ高いため、今後数年で大きな影響が出る可能性は低いですが、十数年後にはどうなっているかわかりません。あらかじめ、自分なりに今後の石油業界についての考えをまとめておきましょう。
また、電力業界にとっては今後の業績アップが期待できる、うれしいニュースでもあります。電気自動車の普及によって電気の需要があがり、電力会社はより多くの利益を出すことが予想されます。
電力業界を志望する場合は、そういったトピックから将来性を感じることを志望動機として交えるのも有効です。
②日本中を太陽光パネルが埋め尽くす未来の現実味
日本中の住宅の屋根や農地を太陽光パネルが埋め尽くす。菅義偉政権が掲げる2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする目標の達成に向け、そうしたシナリオも荒唐無稽ではなくなりつつある。
中長期のエネルギー政策の方針「エネルギー基本計画」の見直しを進める経済産業省は、50年時点の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を約5-6割とすることを議論の参考値として示してきた。19年度の日本の再エネ比率は18%だった。
政府の掲げる「温室効果ガスの排出の実質ゼロ化(カーボンニュートラル)」の目標に向け、太陽光発電がひとつの手法として取り挙げられていることについてのトピックです。
二酸化炭素をはじめとした温室効果ガス削減のために、世界3位の日本の太陽光発電能力に目が付けられています。太陽光発電のためにはソーラーパネルをはじめとした発電設備が必要で、電力業界にとって明るいトピックです。
ソーラーパネルは電力会社が取り扱っているため、今後需要が上がっていくならば大きな利益を生み出すことが期待されます。こういった環境活動がプラスに働いていることは、電力業界の大きな強みです。
③災害に強いLP発電機に注目 産業から医療まで
大規模な風水害などに伴う停電への備えとして、災害に強いLPガスを活用した発電機に注目が集まっている。着火性に優れ長時間連続稼働が可能なためで、停電を避けたい製造業や流通業といった産業界から病院・介護施設まで幅広い需要が見込まれる。災害に強い社会のインフラ整備に向け、開発が進んでいる。
LPガスを活用した発電機が、災害時の備えとして注目されているトピックです。
LPガスは冷却・圧縮することで液化できるガス燃料で、効率よく分散して運ぶことができます。また、発熱量も多く、環境にも優しい燃料として知られますが、その分料金は高めです。
そのため、家庭で使用されるのには敬遠される傾向にありますが、このトピックからわかるように災害時の備えとして注目されています。LPガスは多くのガス会社で取り扱っているめ、需要が上がれば業績アップにつながる可能性が高いです。
ガス業界を目指す場合、志望先の企業がLPガスを取り扱っていれば、こういったトピックを交えることで業界への興味を示せます。
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就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
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エネルギー業界の代表的な企業5選
エネルギー業界での就活を目指す場合、それぞれの企業について知っておくことも大切です。
業界内にはさまざまな企業があり、企業ごとに強みや特徴などは違います。企業ごとの違いを理解していなければ「その企業でなければならない理由」を伝えることができません。そうなると、志望度の高さをアピールすることができず、高評価を得ることも難しいです。
こちらの記事では企業選びのポイントについて解説してあります。
①東京ガス株式会社
- 企業名:東京ガス株式会社
- 代表者名:広瀬 道明
- 資本金:1418億円
- 従業員数:[単体]6,882名(2021年3月31日時点)
[連結]16,858名(2021年3月31日時点) - 設立年月日:1885(明治18年)年10月1日
- 平均年収:660万4769円
東京ガス株式会社は、都市ガス、電気の製造・供給、販売などの事業を展開している企業です。国内のガス業界では最大手の企業であり、業界1位の売上高とシェア率を誇ります。
業界シェアは約4割であり、下位の企業を大きく引き離して1位の座を獲得しています。ガスや電気の製造、販売だけではなく、ガス機器の提供やガス工事、建設なども幅広く手掛けている企業です。また、国内だけではなく、海外でも広く活躍しているグローバルな企業であり、アジアを中心に事業所を展開しています。
東京ガスで求められているのは、責任感を持って主体的に行動し、仲間と協働しながら成長できる人材です。社員同士で協力し合う社風にあり、切磋琢磨しながら成長できる環境にあるといえます。
②東京電力ホールディングス株式会社
- 企業名:東京電力ホールディングス株式会社
- 代表者名:小早川 智明
- 資本金:1兆4009億円
- 従業員数:[連結]4万1086人 (2018年度末時点)
- 設立年月日:1951年(昭和26年)5月1日 (2016年4月1日 商号変更)
- 平均年収:819万2027円
東京電力ホールディングス株式会社は、複数の電力会社の持ち株会社として事業を展開している企業です。グループ企業に東京電力カフュエル&パワー、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナーなどがあり、多角的に事業を展開しています。
電力業界では業界1位の売上高を誇り、シェア率は全体の3割を占めています。大規模電力の保有に強みがあり、イタリア一国分に相当する電力を有している企業です。電力の供給だけではなく、環境に配慮した再生可能エネルギーなどへの取り組みも進められており、電力業界を牽引する存在でもあります。
東京電力では「進取の気性」が大切にされています。時代を先取り、挑戦できる人材が求められており、柔軟な発想で改革を進められる企業です。
③ENEOSホールディングス株式会社
- 企業名:ENEOSホールディングス株式会社
- 代表者名:内田 幸雄
- 資本金:1000億円
- 従業員数:[連結]4万983人(2020年3月末時点)
- 設立年月日: 2010年(平成22年)4月1日(2020年6月25日 商号変更)
- 平均年収:1035万4450円
ENEOSホールディングス株式会社は、エネルギー事業、石油・天然ガス開発事業を行う子会社やグループ会社の経営を行う持ち株会社です。石油業界では業界1位の実績を誇り、シェア率も3割を超えています。
下位の企業を大きく引き離しての1位であり、日本の石油業界を支える重要な存在です。石油・天然ガスの開発に強みがあり、アジアを始めとし、世界さまざまな場所で事業を展開しています。石油や天然ガスの開発、輸送、製油、販売などを一手に担い、実績を伸ばしている企業です。
ENEOSでは安全、環境、健康に留意して仕事を進めることが求められており、誠実・公正な人材が募集されています。環境に対しての知識や配慮を行い、安全を意識しながら仕事を進めていける人が、活躍できる可能性が高いです。
④関西電力株式会社
- 企業名:関西電力株式会社
- 代表者名:森本 考
- 資本金:4893億円
- 従業員数:1万8141名(2019年度末時点)
- 設立年月日:1951年(昭和26年)5月1日
- 平均年収:836万7409円
関西電力株式会社は、電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業などを展開しています。電力だけではなく、ガス供給事業も展開していることが強みであり、主に関西圏で活躍している企業です。
供給区域としては大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、三重、岐阜、福井など、さまざまな地域への電力、ガスの供給を行っています。水力や火力、原子力だけではなく、新エネルギーによる発電設備も持ち合わせており、最大電力は3306万kWです。
関西電力では新しいことに挑戦できる人材が求められています。向上心の高い人が多くの場で活躍でき、成長していける企業です。
⑤大阪ガス株式会社
- 企業名:大阪ガス株式会社
- 代表者名:藤原 正隆
- 資本金:1321億6666万円
- 従業員数:[ 単体 ] 3203名(2021年3月末時点)
[ 連結 ] 2万941名(2021年3月末時点) - 設立年月日:1897年(明治30年)4月10日
- 平均収入:654万3988円
大阪ガス株式会社は、ガス、LPG・電力・その他エネルギー、海外エネルギー、ライフ&ビジネスソリューションの分野で活躍している企業です。ガス業界では業界2位の位置づけを誇り、シェア率は全体の約3割です。
ガスの販売やガス機器の販売、供給、工事はもちろん、電気供給など多角的にエネルギー事業に取り組んでいる企業でもあります。また、国内だけではなく、海外でも活躍しているグローバルな企業です。
海外ではエネルギー供給だけではなく、石油や天然ガスに関する開発や投資なども行っています。
大阪ガスでは新しいことへ挑戦できる人材が求められており、多様な個性が求められている企業です。個性を発揮して活躍しやすい企業で、新しいことにチャレンジできる環境が整っています。
エネルギー業界研究のおすすめ書籍紹介
エネルギー業界についてさらに理解を深めるために、書籍を利用して業界研究をするのも一つの方法です。
書籍は必要な情報をすぐに取り出すことができ、有料な分情報も凝縮されており、より業界についての専門的な知識を身に付けることができます。将来的にエネルギー業界で働く決心がつき、学生の間により理解を深めたい場合に書籍を使うのがおすすめです。
ここでは、おすすめの書籍を2つ紹介していくため、興味がある方は参考にしてください。
①エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ
『エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ』は、エネルギー業界の今後についてより深く知ることができます。
エネルギー業界は電力の自由化などの転換期を迎えており、今後の動向に注目が集まっている業界です。また、エネルギー資源には限りがあり、再生可能エネルギーなどにも注目が集まっています。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力といった自然環境に常に存在する、枯渇しないエネルギーのことです。
この本では2050年に向けたエネルギー業界の在り方などが解説されており、エネルギー業界の現在と今後の展望について理解することができます。
②原油暴落の謎を解く
『原油暴落の謎を解く』は、原油価格が暴落した原因や価格変動のメカニズムについての理解を深めることができます。
エネルギー業界は現在不況が叫ばれており、その中でも石油の分野は原油価格の暴落によって収益を落としている企業も多いです。
この本では、原油価格がいかにして変動しているのかを解説しています。石油に関する基本的な知識についても解説されており、エネルギー業界の中でも石油業界を目指すのであれば特におすすめです。
エネルギー業界の専門用語
エネルギー業界では多くの専門用語が使用されます。
専門用語の意味を理解することで、エネルギー業界の書籍や記事の内容もわかりやすくなり、業界研究に役立てることが可能です。また、エネルギー業界を目指すうえであらかじめ専門用語を理解しておくことで、入社後すぐに業務上のやり取りを理解できます。
ここでは、代表的な専門用語を5つ紹介するため、エネルギー業界の理解を深めるのに役立てましょう。
発送電分離
「発送電分離」とは、電力事業の中の発電事業と送電事業を分離させることです。
発電した電気を消費者へ送る電柱、電線などの送配電設備は、基本的に各地域の大手電力会社が管理しています。発送電分離は、すべての電力事業者が設備を利用できるようにすることが目的です。
送配電設備は作成・維持管理に非常にコストがかかり、場所も必要になります。新しく参入する電力事業者は送配電設備を用意できず、電気を送ることができません。そのため、各地域の大手電力会社に料金を払い、設備を借りて事業を行います。
しかし、そのままでは大手電力会社が設備を独占している状態のため、自社が有利に経営できるように料金や貸与する相手を選ぶことが可能です。そのため「発送電分離」で大手電力会社から送電事業を独立させ、経営的に別の会社としました。
例を挙げると「東京電力ホールディングス株式会社」から送電事業を「東京電力パワーグリッド社」として分社しています。東京電力パワーグリッド社が中立の立場としてそれぞれの電力事業に設備を貸すことで、どこも公平に利用することが可能です。
スマートグリッド
「スマートグリッド」は、電力需要をIT技術によってリアルタイムで細かく把握して、効率よく電力を送電するために作られた次世代送電網です。
これまでは発電所で集中的につくられた電気を一方的に送っていましたが、スマートグリッドによって電力を最適に送ることが可能になりました。
例えば、夏になると多くの人は冷房を使い、使用する電力量も増えます。スマートグリッドを導入することによって、冷房の使用電力をリアルタイムに測定して、効率的に電力を送ることが可能です。
スマートメーター
「スマートメーター」は、電力使用量をデータで計測する電力メーターです。
通信機能を持っているため、ネットワークを通じて電力量をリアルタイムで計測できます。そのため、電気の使用量を計測して、最適な電力の供給をコントロールすることが可能です。経済産業省によると、2024年までにすべての電力メーターをスマートメーターに切り替えるよう進めています。
これまで電力はアナログ式で、使用料を回転数で測り検査員が検針作業をおこなっていました。スマートメーターはデータで計測をすることができるため、検査員が不要となり、コストの削減につながります。
また、消費者が自分の目で使用料を確認できることもメリットです。家の電力使用量を知ることで、節電意識を高める効果が期待されています。
ガスコジェネレーション
「ガスコジェネレーション」は、ガスを燃料として電気と熱を作り出すシステムです。
ガスコジェネレーションでは、高いエネルギー効率を実現することが可能です。発電所から電気を送る場合は、一部が熱となって空気中へ逃げてしまう「送電ロス」が発生します。
しかし、ガスコジェネレーションでは電気を使用するその場所で発電することができるため、送電ロスが発生しません。また、発電時に発生する熱を給湯や暖房に利用することもできます。
電力を安定して供給するガスコジェネレーションは、災害や停電時に役に立つことが注目されているシステムです。デメリットとしては、導入するために初期費用がかかる点が挙げられます。
シェールガス
「シェールガス」は、自然環境で天然に生産される資源である「天然ガス」の一種です。
泥土が積み重なり固まってできた「シェール」と呼ばれる岩の層から採取でき、メタンが主成分になっています。
もともと採取が難しい資源としてあまり注目されていませんでしたが、2000年代から採掘技術が確立されました。そこから大きな注目を浴び、新しいエネルギーとして一気に生産量が増え「シェールガス革命」という言葉もできました。
しかし、層を採掘する時に地下水を汚染してしまうことから、環境破壊への懸念もあげられています。新しいエネルギーとして注目されつつも、課題の残る資源です。
エネルギー業界を深く知り、就活を有利に進めよう!
エネルギー業界は現在縮小傾向にあり、業界内の多くの企業が不況に悩んでいます。しかし、エネルギー業界での仕事は人々の生活を支えることに大きなやりがいを感じることが可能で、就活生からの人気も高いです。
厳しい選考を勝ち抜くためには、業界への理解は欠かせません。不況であることも理解し、そのうえで自分が何をしたいかを明確にすることが大切です。
業界研究や自己分析を欠かさず取り組み、憧れのエネルギー業界を目指しましょう。