業界研究

【商社の業種とは】意外と知らない職種との違いと求められる人物像

商社の業種は「卸売業」

商社は就活生に人気の高い業界ですが、商社の業種については正しく知られていないことが多いです。商社は企業同士を結び付けるパイプ役として活躍している企業であり、自社では商品の在庫などは抱えていないことが多いです。自社では在庫を作らず、他の企業の商品を別の企業へとつなげていきますので、業種としては卸売業になります。

商社を目指すのであれば、業種についても理解を深めておくことが大切ですし、職種なども詳しく知っておかなければなりません。どれだけ業界研究ができたか、企業研究ができたかによって就活の成果は変わります。人気の商社業界で働くためにも、商社の業種について正しく知り、商社への理解を深めて就活を進めていきましょう。

業種と職種の違い

商社の業種についての理解を深めるためには、まずは業種と職種の違いを正しく知っておかなければなりません。業界、業種、職種、職業など就活では似た言葉が使われることが多いですが、それぞれで意味は違っています。意味を混同していると選考での失敗の原因にもなりますし、就活を有利に進めることができなくなってしまいます。業種と職種は特に意味を混同して間違えやすい言葉ですので、違いを知ってそれぞれの正しい意味を知っていきましょう。

職種は業務内容

職種は業務内容について示した言葉であり、企業の中では複数ある場合が多いです。企業の中にはさまざまな仕事があり、一人がすべての仕事を請け負うわけではありません。仕事内容によって部署やチームで分けられていることも多いですし、それぞれが分業して仕事をおこない、企業を運営していきます。

営業や事務、総務などが企業における職種にあたり、これらを分けることによって仕事をスムーズに進めていくことができます。人にはそれぞれ得意分野、苦手分野がありますし、企業での仕事を適材適所に振り分けるためにも職種が必要です。同じ業界内であれば職種は重複している場合も多く、専門職以外であれば、他の業界でも重複している場合があります。

業種は業界の種類

業種は業界の種類を示した言葉であり、企業が携わっている分野を指しています。職種が企業内の仕事の振り分けであるのに対し、業種は業界全体の種類を分けたものになりますので、職種よりも範囲は広いです。商社の場合は卸売業となりますが、例えば銀行であれば金融業、メーカーであれば製造業のように分けられます。

業種は企業を大きく分けた言葉であり、業種だけでは仕事の細部までは分からない場合も多いです。業種を知ることで、企業全体としての仕事を大まかに知ることはできますが、実際の仕事はそこからさらに職種で細分化されます。就職先を決める場合には、業種だけで判断するのではなく、職種も確認することが大切ですので、業種と職種の両方を確認するようにしましょう。

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商社は大きく2つに分類される

商社は業種で言えば卸売業ですが、そこからさらに2種類に分類されます。卸売業の業種自体は同じですが、分類される種類によって事業内容や範囲、企業の特徴などは違っていますので注意しなければなりません。商社業界の中にはさまざまな企業がありますし、就職先の選択肢は広く用意されています。数多くの選択肢の中から選ぶには、企業の分類から考えるのもおすすめです。2つに分類される商社それぞれの特徴を知り、商社についての理解をさらに深めていきましょう。

総合商社

商社の分類としては総合商社が挙げられ、代表的な企業は三菱商事・伊藤忠商事・丸紅・三井物産などです。多種多様な商品やサービスを取り扱うのが特徴であり、巨大な事業規模を持つ企業もたくさんあります。国内だけではなく、海外でも広く活躍している企業が多いですし、基本的にはどれもグローバル企業です。

商社は全体としては卸売業に分類されますが、総合商社は卸売業の範囲を超えて事業を展開している場合もあります。企業同士のパイプ役となるだけではなく、自社で製品の開発や製造などを手がけ、それを交渉材料にしている企業もありますし、投資などの事業をおこなう企業もあります。総合商社は事業規模も大きく、売上高も高いため年収が高い企業が多いです。

総合商社の就職活動について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

専門商社

総合商社と対をなすのが専門商社であり、専門商社は特定の分野に特化した商品・サービスを取り扱います。総合商社や特定分野の大手メーカーの子会社・関係会社であることが多く、総合商社に比べれば事業規模が小さい場合が多いです。専門商社の強みは特定の分野に特化していることであり、分野によっては総合商社よりも高い売上を誇っていることもあります。

総合商社は広く事業を展開していますが、専門商社は狭く深く事業を展開しており、どちらが上でどちらが下であることもありません。それぞれに強みは違っていますし、専門商社であっても国内外で活躍している企業もあります。商社はグローバルな企業が多く、総合・専門に関わらず海外展開を進めている企業が多いです。

専門商社の志望動機の書き方については、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

商社の職種

商社の業種や種類について知れば、職種についても考えていきましょう。商社ではさまざまな仕事があり、職種は一つだけではありません。同じ商社に勤めている場合でも、職種が違えば仕事内容も違いますし、求められる能力も違っています。就活を有利に進めるためには、職種について詳しく知り、それぞれで必要な能力を知っておくことが大切です。商社の職種としてはどんなものがあるかを知って、自分に合った職種は何かを考えていきましょう。

営業

商社の営業は、企業同士をつなげるパイプ役として活躍する仕事です。商社と聞いて最もイメージされやすい職種が営業であり、さまざまな企業の担当者と関わりながら業務を進めていきます。営業の仕事はデスクワークよりも外回りが多く、会社にはほとんど戻らない場合も少なくありません。

常に取引先を尋ねて契約の交渉をしなければなりませんし、企業同士をつなげるためには、まずは自分自身が信用される必要があります。企業の担当者と小まめにコミュニケーションを取らなければなりませんし、人と接することが多い職種でもあります。また商社によっては自社で製品の開発、製造をおこなっている場合もあり、メーカーの営業と同様にそれらを他の企業へ売り込むことも仕事です。

事業企画

事業企画は事業の立ち上げのための企画立案などをおこなう職種です。どのような企業と取引をするのか、どのような分野に進出するのかを考える仕事でもあり、マーケティングとしての役割を果たすこともあります。また他企業への投資計画を立てるのも事業計画の仕事であり、商社としての役割を飛び越えて働くことも多いです。

企業の経営計画を立てるのも仕事であり、企業を運営するための企画立案、経営戦略などを考えることもあります。他企業の経営問題を解決するための提案をおこなったり、事業の支援などをおこなう場合もあり、コンサルティングとしての役割も担います。事業企画の活躍の幅は広く、広い視野を持って市場を見て、将来を見極める観察力などが必要な職種です。

 営業事務・貿易事務

営業事務・貿易事務は、主に営業のサポートをおこなうのが仕事です。営業担当者に代わって電話の応対や書類作成などの業務を受け持ち、デスクワークを中心として働きます。商社では国内だけではなく、海外の企業と取引をすることも多く、外国語の対応力が求められることも多いです。単に日常会話ができるだけではなく、ビジネスで使える語学力が必要ですので、高いレベルでの語学力が必要になります。

また貿易事務では税関を通す際に必要は通関の手続きなどをおこなわなければなりませんので、幅広い知識が必要な職種と言えるでしょう。海外への輸出入をおこなうためには通関手続きは必須であり、海外事業が多い企業であれば、営業事務と貿易事務がそれぞれ分けられている場合もあります。

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商社に求められる人材像

商社へ就職したいのであれば、業界や企業についての理解を深めるだけではなく、求められる人材像についても知っておく必要があります。業界ごとに求められる人材像は違っており、能力が高ければ商社業界で必ずしも活躍できるわけではありません。能力が高いことは良いことですが、志望する業界に合った能力・資質を持っていることが大切です。商社に求められる人材像を知って、自分に適性があるか、アピールできるポイントがあるかを確認していきましょう。

笑顔が印象的

商社に求められる人材像としては、笑顔が印象的であることが挙げられます。職種によって仕事内容は異なりますが、商社全体で考えた場合の仕事は、企業同士を結び付けるパイプ役として働くことです。人と人、企業と企業をつなげるのが商社の仕事であり、コミュニケーション能力が必須な仕事です。

巧みな話術で契約を締結できることも大切ですが、まずは第一印象で好印象を与えることが大切であり、笑顔が重要になります。印象的な笑顔であれば相手の記憶にも残りやすいですし、笑顔が記憶に残ることで良いイメージもつきやすく、交渉も上手くいくことが多いです。話術などは入社後に身に付けるとして、まずは笑顔を意識して選考に取り組みましょう。

 留学の経験がある

留学の経験があることも、商社に求められる人材像の一つです。商社では国内だけではなく海外企業との取引も多く、海外で仕事をしなければならないことも多いです。海外赴任が多いため、留学経験があれば海外での生活にも慣れていると判断され、評価もされやすくなります。また単に海外生活に慣れているだけではなく、留学の経験があれば語学力も期待できますし、それも求められる理由の一つです。

商社では職種に関係なく語学力が必要な場合が多く、商社で活躍するためには、まずは語学力を身に付けなければなりません。留学の経験がない場合でも、語学力が身に付いていることをアピールすれば高評価になる可能性もありますので、語学力のスキルを磨いておきましょう。

体力がある

商社は激務でも知られている仕事であり、体力があることも求められる人材像の一つです。職種によって大変さの度合いや種類は異なりますが、基本的にはどれも体力がなければ続けることが難しいものばかりです。営業の仕事であれば、外回りで動き回らなければなりませんし、休んでいる暇がない場合もあります。事務職でも次から次へと仕事が降りかかりますので、素早く処理していかなければなりません。

どれだけ能力があっても体力がなく、続けられないでは意味がありませんので、激務にも耐えられる体力は商社では必須の能力です。もちろん体力があればそれだけで選考を勝ち抜けるわけではありませんが、体力があることも立派なアピールポイントであることは覚えておきましょう。

商社は自分が主体となって働ける

商社は給料が高い、激務などのイメージを持つ人も多いですが、自分が主体となって働ける業界です。忙しく、仕事に追われることも多いですが、その分さまざまなことにチャレンジしやすいですし、やりがいも大きいです。イメージ通りに給料が高い企業も多く、忙しさに見合った給料を獲得することができます。

商社は就活生の人気も高いので、選考で勝ち抜くためには、しっかりと対策をしておかなければなりません。商社の業界や業種、職種について知り、どんな能力が必要なのか、どんな人材が求められるのかを知っておくことが大切です。商社についてしっかりと理解を深め、仕事内容なども把握して就活に臨み、就活生に人気の高い商社業界への就職を目指しましょう。

商社の筆記試験対策について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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