就活のマナー
「訪問する」の正しい敬語とは|知っておきたい謙譲語・尊敬語・丁寧語について詳しく解説!
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目次
敬語は正しく使わないと印象がよくない
就活では企業の採用担当者など多くの社会人とさまざまなやりとりをします。企業を訪問するときに電話をしたりメールを送ったり、手紙を書くこともあるでしょう。社会人の人と会話をしたり文書でやりとりすることどうしても避けられません。そのようなときに間違った敬語を使ってしまうと相手に不愉快な思いをさせてしまい、就活の結果にも大きく影響してしまうこともあります。
そのようなことにならないためには、就活を始める前に正しい敬語を使えるようにしておきましょう。就活だけでなく、就職した後でもビジネスでの人間関係がうまくいきやすくなります。そこでこの記事では、ビジネスシーンでよく使う「訪問する」という言葉について、正しい敬語の使い方を例文を添えて紹介します。自信を持って就活できるよう、参考にしてください。
就活での言葉遣いについてはこちらの記事でも確認しておきましょう。
なぜ正しい敬語が必要なのか
敬語は場面に応じて色々な使い方をするので、よくわからずに何となく使っている人を多く見かけます。しかし使い方を間違えてしまうと、せっかく敬語を使って丁寧に伝えたつもりが、逆に失礼になってしまうこともあります。
ビジネスの場で敬語が大切にされているのには理由があるのです。敬語を使うことで、自然と人を尊重する心が培われていくのです。職場にはさまざまな立場や年齢の人がいるでしょう。職場での敬語には、コミュニケーションの潤滑油としての大きな役割があることを知っておきましょう。
敬語とは
敬語とは、人を敬うための言葉です。相手への思いやりの気持ちがこもった言葉が敬語です。この敬語には、「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」の3種類あります。一つ目の「尊敬語」とは目上の人に敬意を表す表現です。主語はお客様や上司になります。二つ目の「謙譲語」とは自分がへりくだり、相手を立てることによって敬意を表す表現です。主語は自分自身になります。三つ目の「丁寧語」とは相手を尊重し、丁寧な言い方をする言葉です。
ビジネスの場では、適切な敬語を話すことは周囲との人間関係を築いていくための基本です。さらに、相手から信頼を得るために欠かせないビジネスマナーでもあります。ビジネスシーンで適切な敬語が使えないと、仕事以前にその人の人間性や信頼までもが疑われてしまう可能性もあるのです。
敬語はビジネスマナーの基本
ビジネスの場では、その場にふさわしい言葉遣いがあります。もし敬語が正しく使えなければ、周りの人から信頼は得られないでしょう。いくら話している内容が正しくても、相手を思いやる気持ちが欠けていたり言葉遣いがおかしければ、周りの人は一人前の社会人としては見てくれません。
特に、ビジネス敬語にはさまざまなルールがあることを承知しておいた方がよいでしょう。例えば、社外の人にはすべて敬語を使います。また、社外の人と話すときには職場の上司のことであっても本人を敬う言葉は絶対に使ってはいけません。社内の人間は身内と考え、敬意を示すのはあくまでも社外の人に対してだけです。さらに、当然のことですが社内では上司や先輩には敬語を使い、同僚には丁寧語を使います。
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「訪問する」の謙譲語についてと例文
自分を低くすることで相手を立て、敬う敬語が謙譲語です。「訪問する」の謙譲語には「お訪ねします」などもありますが、「お訪ねします」は「聞く」の謙譲語である「お尋ねします」と同音異義語であり、相手に誤解を与えてしまう可能性のある言葉なので、使わない方がよいでしょう。それでは、ビジネスシーンで「訪問する」の謙譲語として一般的に使われている「伺います」・「参ります」について、例文を示しながら使うシーンを説明します。
OB訪問時のマナーはこちらを参考にしてみてください。
「伺います」を使うシーンと例文
- OK例
- ・部長のお宅にお伺いします
- NG例
- ・部長のお宅にお伺いいたします
・部長のお宅にお伺いさせていただきます
上記の3つの例は、ビジネスの場ではよく耳にする言葉です。どれも正しい敬語のように聞こえますが、正しい敬語の使い方としては「部長のお宅にお伺いします」の1つだけです。「お伺いいたします」や「お伺いさせていただきます」は、誤った敬語の表現です。それは、「二重敬語」になっているからです。
「行く」の謙譲語の「伺う」に「いたす・させていただく」という謙譲語が使われ、計2回使われていることになるので、NGとなります。取引先などに訪問する場合は、相手の企業そのものを敬う表現として「お伺いします」という正しい使い方を心がけましょう。決して二重敬語を使ってはいけません。
「参ります」を使うシーンと例文
- OK例
- ・明日の午後2時に課長の鈴木が御社へ参ります
・提案書を、先方の担当者に渡して参ります
- NG例
- ・取引先の課長が10時に参ります
「御社へ参ります」は、「伺う」と同じように「行く」の謙譲表現です。自分の行動をへりくだった「参る」という表現にすることで、相手に敬意を伝えています。「渡して参ります」は補助動詞の「行く・来る」の謙譲表現で、「渡してくる」の補助動詞「行く」について、相手にへりくだって丁寧に伝えるときの表現です。
3つ目の「参ります」は間違った使い方です。謙譲語とは、自分をへりくだって言うことで相手に敬意を表す表現です。相手(取引先の課長)の行動に対して「参ります」という言葉を使うと失礼にあたってしまいます。相手の行動に対して「参ります」は絶対に使ってはいけません。
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「訪問する」の尊敬語と丁寧語
「尊敬語」とは、お客様や取引先、上司などを敬って使う言葉です。一方、「丁寧語」は「~です」「~ます」などの「ですます調」の言葉です。どちらも、相手の動作や状態、物などに用います。それでは「訪問する」の尊敬語「訪問される」と「訪問なさる」、さらに「訪問する」の丁寧語について、例文を示しながら具体的な使い方を見ていきましょう。
尊敬語「訪問される」「訪問なさる」についてと例文
- OK例
- ・課長、取引先にはいつ訪問なさいますか?
- NG例
- ・課長、取引先にはいつ訪問されますか?
尊敬語は相手を高めるときに使う敬語です。ですから、決して自分の行為に対して尊敬語を使ってはいけません。尊敬語を自分の行為に使うと、自分で自分を敬うことになってしまいます。「訪問する」の尊敬語には「訪問される」・「訪問なさる」等の使い方があります。ただし、尊敬語の「れる・られる」は受身や可能を表す「れる・られる」と間違われることが多いため、「なる」を使うのが一般的です。
例文の「訪問されますか?」の言い方だと、尊敬語ではなく受身や可能の意味にも捉えられてしまうこともあります。ですから、「訪問される」は避けた方がよい表現と言えます。尊敬語として使うときには「訪問なさる」を使うようにしましょう。
丁寧語「訪問する」についてと例文
- OK例
- ・明日の午後2時に訪問します
・明日の午後2時にお伺いします
・部長は明日の午後2時にご訪問なさいます
丁寧語は話す相手への敬意表現として丁寧な言い方で伝える言葉です。「です」・「ます」・「ございます」をつけるだけなので、ビジネスシーンでは多く使わる言葉の一つと言えるでしょう。「訪問する」を丁寧語に変えた形が「訪問します」です。また、訪問の言葉の頭に「ご」をつけて「ご訪問」という言い方もあります。
この丁寧語は、尊敬語や謙譲語と組み合わせて使うとより素晴らしい敬語になります。上の3つの例文のように、謙譲語の「伺う」を丁寧にして「お伺いします」、尊敬語の「訪問なさる」を丁寧にして「ご訪問なさいます」という言い方が一般的です。このように、尊敬語や謙譲語だけではなく丁寧語も併せて使うと、相手によい印象を与えることは間違いありません。
訪問した先で使くことの多々ある「ご助言」という言葉についてはこちらの記事で確認しておきましょう。
使用頻度の高い「訪問する」の敬語を使いこなそう
敬語とは、人を敬うための言葉です。相手への思いやりの気持ちがこもった言葉が敬語です。この敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります。ビジネスの場では、適切な敬語を話すことは周囲との人間関係を築いていくための基本です。さらに、相手から信頼を得るために欠かせないビジネスマナーでもあります。
ビジネス敬語のルールとして、社外の人にはすべて敬語を使います。また、社外の人と話すときには職場の上司のことであっても本人を敬う言葉は使ってはいけません。さらに、当然のことですが社内では上司や先輩には敬語を使い、同僚には丁寧語を使います。就活生にとって、正しい敬語を身につけておくことは大切なことです。特にとても使用頻度の高い「訪問する」の敬語については、自信を持って使えるようにしておきましょう。