業界研究

【スポーツメーカーへ就職するには】業界の状況と求められる人物像

スポーツメーカーに就職したい就活生は多い

スポーツが趣味の人は多いでしょう。野球やサッカーなどの競技スポーツは学生を中心に人気があります。中高年にはゴルフやアウトドアなどがポピュラーなスポーツといえるでしょう。

また、健康活動の一環として、ランニングやフィットネスなどは老若男女を問わず広く親しまれています。

このスポーツ人口の多さが、スポーツ関連の企業を支えています。また、スポーツが好きな人が多いことが、仕事にしたいと考える就活生の数に反映されているともいえるでしょう。

つまり、スポーツメーカーの就職を希望するのであれば、まずはライバルが多いということを認識しなくてはなりません。

ここではスポーツメーカーへの就職について詳しく解説をしていきます。業界の状況や求められる人材を知り、スポーツメーカーを希望するライバルに大きな差をつけましょう。

スポーツメーカー業界について

スポーツメーカーへの就職を希望するのであれば、まず業界研究をおこなうことが必要です。業界全体の現状や今後の動向、それに数多くあるスポーツメーカーについての知識なしには、就職のための対策はできないでしょう。

業界の知識なしで「スポーツメーカーで働きたい」といっても、説得力はありません。

ここでは、スポーツメーカーに関する、役立つ情報を網羅しています。知識を身に付けて「なぜスポーツメーカーで働きたいのか」を明確に伝えられるようにしておきましょう。

業界を取り巻く環境

スポーツメーカー業界の現状

    • 業界規模:1兆1,298億円(111位/170業界)
    • アウトドア/ランニングブーム
    • コロナの影響によるフィットネス用品の売り上げ低迷
    • 海外展開への加速

    業界動向SEARCH.COMによると、2019‐2020年の業界規模は、1兆1,298億円です。170業界中111位の業界規模なので、日本の経済をけん引する規模とはいえません。しかし、業界的には、アウトドア、ランニングブームもあり、堅実に推移しています。

    特に、ランニングウェアは初心者にとどまらず、中上級者向けの商品も好調な売れ行きとなっておます。近年の健康志向の高まりや、消費のボリュームゾーンである中高年に広がる登山などの人気が、この背景にあります。

    また、2020年のコロナウイルス蔓延の影響により、フィットネス用品は「3密」回避のためのジムの休業などで、売り上げは低迷しています。その一方で、アウトドアやランニングは、風通しがよく「3密」にならないため、人気の高まりを見せています。

    さらに、国内のスポーツメーカー業界は、少子化による影響があるといえます。現在は、シニアの需要に支えられて部分もありますが、数十年後までは期待できません。そのため、海外に販路を広げ、業績の拡大やブランド力の強化に取り組むメーカーも数多いです。

    あなたがメーカーに向いているか、確認してください

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    国内の主なスポーツメーカー

    国内スポーツメーカー売上高ランキング

    1. 1株式会社アシックス3兆780億円
    2. 2ミズノ株式会社1兆697億円
    3. 3株式会社デサント1兆245億円

    ここからは、国内スポーツメーカーを紹介していきます。国内シェアの高い企業それぞれの特徴を知れば、国内スポーツメーカー企業選びの参考になるでしょう

    国内スポーツメーカーの売上ランキング首位は、株式会社アシックスで、売上高は3,780億円です。シューズやウエアなど、各種スポーツの関連用品を国内で販売しています。特に、ランニングシューズでは欧米においても高い実績を誇るグローバル企業でもあります。

    1,697億円の売上高で国内2位なのはミズノ株式会社です。競泳用水着の他、ゴルフや野球用品が有名ですが、近年はシューズ事業も成長してきました。また、海外への展開にも力を注いでいます。

    国内3位の株式会社デサントは1,245億円の売上高です。デサントブランドの他にもルコックというブランドを持っています。アシックス、ミズノと同様に海外展開に注力しており、日本、韓国に次ぐ第三の市場として中国への進出に精力的です。

    スポーツメーカーで求められる人物像とは

    スポーツメーカーで求められる人物像

    スポーツメーカーへの就職を希望する人物と、求められる人物像は必ずしもイコールではありません。つまり、スポーツが得意であったり、単に好きであるという理由だけで、容易にスポーツメーカーへ就職できるものではありません。

    スポーツへの熱い思いは、アピールポイントとして活用できるかもしれません。しかし、もっと大切なのは企業が本当に求めている人物像を探ることです。そこに、スポーツメーカーへの内定を勝ち取る鍵があるといってよいでしょう。

    企業が求めている人物像にマッチしていなければ、高評価は得られません。つまり、スポーツメーカーに就職したければ、求められた人物像にマッチているとアピールすることが大切です。

    ①スポーツが好きな人

    スポーツへの高い関心は、入社後のモチベーションを維持する大切な要素になるでしょう。しかし、就職活動では、スポーツを通して何を得てきたのかを示さなければなりません。

    スポーツが単に好きだからという理由は、高評価にはなりません。スポーツメーカーを志望する人は、好きだからという理由の人は多いでしょう。そのため、スポーツへの高い関心を示しても、他の候補者との差別化にはつながらない可能性があります。

    大切なのは、好きなスポーツを通して何が得られたのかです。つまり、スポーツから学んだ知識や経験が、仕事に活かせる能力だとアピールすることが重要といえるでしょう。

    例えば、具体的な経験とその気づきを示すのは好印象です。競技のために計画を立て実行し、どのような結果が得られたのかは、大きなアピールとなるでしょう。そうした経験と自覚に富んだ人物こそが、企業の求めている人材といえます。

    ②グローバルに活躍することができる人

    オリンピックに代表されるように、スポーツは世界共通です。世界のどこにおいてもスポーツをしていない国はなく、スポーツ製品の需要は世界的といえるでしょう。

    実際に、ナイキ、アディダス、プーマなどの海外の主要スポーツメーカーは、グローバル化によって大きな成功をおさめました。

    そのため、国内のスポーツメーカーも、世界のマーケットを視野に入れて活躍しています。国内では、少子化による国内需要への影響もあります。海外進出で売り上げ向上を狙っています。

    このようにスポーツメーカーは海外展開を進めているため、グローバルに活躍できる人材を強く求めています。そのため、外国語のスキルやTOEICの優秀な成績などがあれば、高評価につながるでしょう。

    TOEICを主催する国際ビジネスコミュニケーション協会の資料によると、どんな状況でも英語で意思疎通が問題なく図れるレベルは730点以上だといわれています。英語力をアピールしたい場合は、最低でも平均点である約600点以上は必要だといえるでしょう。

    また、海外市場は国内よりも競争が熾烈で、そうした状況の中で成長できる精神力の強さもアピールポイントです。

    「TOEICの評価基準」について詳しく説明している記事もあるので、参考にしてみてください。

    ③開発職では専門知識が必要

    スポーツメーカーで活躍できるのは、スポーツマンだけとは限りません。むしろ理工学部出身者や美術系出身者など、一見スポーツとは無縁の人たちが企業の成長を支えている側面もあります。

    ゴルフクラブなど、最新工学研究を駆使して開発されている製品も多いです。また世界のアスリート達を支えるシューズなどは、膨大かつ緻密な計算と研究による成果物といえるでしょう。

    商品の開発に関わる開発職のほとんどは、理工学部系からの登用です。また美術やデザインを学んだ人たちは、商品デザインなどで活躍します。スポーツメーカーは、多岐にわたる能力の集まりで支えられているといえます。

    スポーツメーカーにおける選考の特徴4つ

    スポーツメーカーの採用選考の流れは、他の業界と大きな違いはありません。書類選考に始まり、面接、そして内定の可否を知らせる、という流れが一般的です。

    しかし、選考過程において、スポーツメーカー特有の特徴や傾向といったものは少なからず存在します。ここでは、スポーツメーカーにおける選考の特徴を見ていきましょう。

    スポーツメーカーに就職するためには、選考の特徴を踏まえて対策をすることが大切です。選考に関する情報知って、事前対策を綿密に行って臨みましょう。

    インターンシップが選考の一部となることが多い

    最近では多くの企業がインターンシップを開催していますが、スポーツメーカーも例外ではありません。積極的なインターンシップの開催の傾向は、スポーツメーカーが選考の一部として重要視していることがわかります。

    実際にアシックスやミズノなどの主要なスポーツメーカーの多くが、インターンシップを開催しています。インターンの内容としては、商品開発、研究職など、モノづくりを実際に体験できる内容が用意されているでしょう。

    インターンシップが選考の一部として重要視される理由には、企業にとって多くの利点があるからです。実際の業務や社風に触れてもらえば、人材の適性をいち早く知ることができ、互いに不幸なミスマッチの予防にもなります。

    また、企業の人物と関われる機会なので、インターネットや本では知り得ない情報まで得られる可能性があります。インターンシップで業務や社風について知ることは、自分がその企業にマッチしているかどうかを判断するのに役立ちます。

    より深い企業研究は、説得力のある志望動機にも活かせるので、インターンシップに参加し、そこでしか得られない情報を手に入れましょう。

    「インターンシップ」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「インターンシップ」について詳しくなることで、より優位に就活を進められるでしょう。

    スポーツ関連の学部が優先されるわけではない

    スポーツメーカーは、スポーツ関連の学部生を優遇するわけではありません。スポーツメーカーの内定者は、多様な学部から採用されています。

    スポーツメーカーの事業は、他の販売業界とほぼ同様のしくみで成り立っています。つまり商品開発に始まり、販売方針の策定、それに沿った営業や販売活動をおこなうというものです。

    この流れの中に、スポーツ関連の学部での経験が特に活かされることもありますが、それ以外のスキルも必要だといえます。スポーツメーカーでも、事業に貢献できる人材かどうかは個人の能力次第です。

    つまり、スポーツでの経験だけでなく、業務に活かせるポイントをアピールしなければ、その企業にとって必要な人材だと判断されることは難しいでしょう。

    文系・理系のスポーツメーカーでの活躍の場

    商品の生産から販売までの流れ

    スポーツメーカーには、様々な学部の就活生が採用されています。開発職には、専門知識が必要だと説明しましたが、スポーツメーカーには他にもさまざまな職種が存在します。

    商品は開発されてから、消費者の手元に届くまで、様々な人の貢献があります。まず、メーカーは今求められている製品を調査し、開発します。製造してからも、どのように販売するか、売り上げを上げるかを考えなければなりません。

    理系は開発・研究職で活躍できます。文系は、営業職やマーケティング、広報などで活躍できるでしょう。ここでは、理系と文系がスポーツメーカーでどのように活躍できるかを紹介するので、仕事のイメージを持つのに役立ててください。

    理系は研究・開発職で活躍できる

    スポーツメーカーにおいて、理系学部の出身者は研究・開発職で活躍することができます。ウェアやシューズなどの新商品を開発する際に、工学を含める理系の知識が必要となります。

    商品開発では、さまざまなテストをおこないながらデータ分析をする必要があり、素材についても研究していかなければなりません。そうした研究・開発職の業務において、理系学部出身者が対象となっていることが多いです。

    また、商品の企画や開発をおこなうため、他部署とのミーティングをおこなう機会なども多くあります。技術的な部分以外に、コミュニケーション能力も必要不可欠といえるでしょう。

    理系でスポーツメーカーを志望する人は、活かせる知識に合わせて、コミュニケーションスキルもアピールすれば、好印象につながります。

    文系は営業・企画・広報として活躍できる

    スポーツメーカーでは、文系学部出身の学生の場合は、営業・販売企画・広報などの仕事を任される場合が多いでしょう。もちろん、理系の場合は商品開発・製作の選択肢もありますが、営業・販売企画・広報で活躍することは可能です。

    営業では、スポーツ店・法人・施設など、企業を相手にして取引をおこなうのが主となります。また、店舗での販売スタッフとして勤務する例もあります。その場合は、現場での接客スキルが求められるでしょう。

    販売企画では、出来上がった製品をどのような販売経路で売ると良いかを企画します。そのためには、マーケティングの知識も必要です。マーケティングは、商品開発にも役立てられるため、重要なポジションだといえるでしょう。

    広報・宣伝の仕事では、CMのプランや広告の作成などをおこないます。広報・宣伝で、メーカーのブランド力を向上し、商品の知名度を上げることは、商品販売にとって欠かせない要素です。

    メーカーは、商品を作って終わりではなく、販売しなければ売り上げは上がりません。研究をもとに製作された商品を売るために営業、販売企画、広報などが不可欠です。

    文系の人は、この分野で活かされるコミュニケーションスキルやマーケティングの知識などをアピールすれば高評価につながるでしょう。

    憧れのスポーツメーカーに就職しよう!

    スポーツを愛する気持ちは、関連の商品を扱う企業には欠かせないものです。その思いは、企業精神やモチベーションの維持に大いに役立つでしょう。しかし、その思いだけをアピールしても、スポーツメーカーに就職できるとはいえません。

    誰にでも能力次第で就職へのチャンスがあるのが、スポーツメーカーであるともいえるでしょう。スポーツメーカーには、多様な職種があります。大切なのは自分に合った職種を見つけ、それに向かって努力を重ねることです。

    自分に合う職種を見つけるには、業界研究や各メーカーの特徴や取り組みをよく理解することから始めましょう。それが憧れのスポーツメーカーに就職する最初の一歩になります。

    監修者プロフィール

    ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
    吉川 智也(よしかわ・ともや)
    1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
    現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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