目次
- コンサルの志望動機は分野別の理解が大切! 各分野の働き方に着目して考えよう
- まず押さえたい! コンサル業界の基礎知識をチェック
- 仕事内容も紹介! コンサル業界のおもな10分野
- 就活生に聞いた! 志望したコンサル業界の種類
- 入社後の活躍をアピール! コンサルタントに求められるスキル5選
- 志望動機につながる! コンサル業界で働く3つの魅力
- 就活生に聞いた! コンサル業界を志望した理由
- 4ステップで考える! コンサル業界の志望動機で盛り込むべき要素
- 選考難易度が高いコンサル業界だからこそ! 志望動機で意識すべき2つの視点
- 就活生に聞いた! コンサル業界の志望動機を作成した際に意識したこと
- 分野別! コンサル業界の志望動機例文10選
- 評価につながらない! コンサル業界の志望動機のNG例文3選
- コンサルの志望動機は志望企業の理解と適性のアピールで選考突破を目指そう
コンサルの志望動機は分野別の理解が大切! 各分野の働き方に着目して考えよう
就活も進み志望業界が定まってきたタイミングで、コンサルを志望するようになった人もいるのではないでしょうか。どんな志望動機にすればコンサル業界の選考を突破できるのか気になる人もいますよね。
結論として、コンサルの志望動機を考えるときは、志望企業が属している分野への理解が重要になります。そこでこの記事では、コンサルの志望動機に悩んでいる人に向けて、業界の分類や特徴、志望動機の書き方などを解説します。
これから準備を進めるという人は、魅力的に映る志望動機を作成するためにも、この記事を参考にしてくださいね。
まず押さえたい! コンサル業界の基礎知識をチェック
コンサルタント業界への志望動機を考える前に、まずは業界全体の基礎知識を知っておきましょう。
業界への理解が浅い状態で志望動機を書いても、ほかの就活生との差別化にはなりません。
①仕事内容:顧客の課題を解決して発展を手助けする仕事
コンサルタントとは、特定の分野に所属している企業や人を手助けする仕事です。コンサルタントという言葉は、「consult(相談する)」という動詞から派生した名詞であり、日本語にすると「相談を受ける人」という意味になります。
コンサルタントが担当するおもな仕事内容は、以下のとおりです。
このようにコンサルタントは課題を抱えている顧客から相談を受け、自分自身の知識や経験を活かし、あらゆる観点から相談者の事業発展をサポートしていく仕事です。
②業界の動向:業務のデジタル化にともなう案件が増えている
昨今では業務のデジタル化を意味する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」をさまざまな企業が実施するようになりました。この結果、経営のDX化に力を入れる企業が増え、それにともない業務のデジタル化に対するコンサル案件が増えているのです。
たとえば、デジタルツールを運用することで人件費を削減したり、AI(人工知能)を活用して業務精度の向上を目指したりするときのサポートが挙げられます。
2024年以降もAIの進化により、DX化の業務改善ニーズはさらに高まることが想定されているため、企業のデジタル化にともなう案件が増える可能性が高いといえます。
③将来性:AIが進化しても需要のある仕事
近年ではAI(人工知能)の進化によりさまざまな仕事が自動化されつつあります。このことから数年後には需要が少なくなる仕事が増えることが懸念されています。
一方で、コンサルタントという仕事は、AIが進化しても需要が少なくなる可能性は低い仕事です。なぜなら、コンサルは顧客ごとの課題に対してこれまでの経験や知識を活かし、臨機応変に解決に向けて取り組む必要があるからです。
そのため、これまでのデータから機械的に分析できるAIでは、補えない仕事だといえます。またAIに関する知見を深めて、AIを活用した事業経営のコンサルができるようになると、これから需要が増える分野で活躍できるようになれるでしょう。
④職種:キャリアごとにおもに4つに分かれる
コンサルの職種は大きく分けると、次の4つに分類されます。
コンサルとして活躍することになると、情報収集や資料作成がおもな仕事である「アナリスト」から始まります。
そして経験を積むことで、顧客対応をおこなう「コンサルタント」、一つのプロジェクトを管理する「マネージャー」、経営方針の立案などをおこなう「パートナー」へとキャリアアップしていくのです。
仕事内容も紹介! コンサル業界のおもな10分野
前述したとおり、コンサルの志望動機を魅力的にするのであれば、志望企業が強みとしている分野についての理解を深めることが大切です。
そこでここでは、コンサル業界における10の分野を紹介するので、どのような分野が志望企業にあてはまるのかを確認してみてください。
①戦略系コンサル
戦略系コンサルとは、企業の経営に関する課題を見つけて、企業が成長するための戦略を策定する分野です。
たとえば、グローバル企業がこれまでに進出したことのない国に進出する際、その国で事業を発展させるための戦略立案などをおこないます。また企業の合併や買収であるM&A戦略や新規事業の戦略提案などをおこなうのも戦略系コンサルの仕事です。
戦略系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
②総合系コンサル
総合系コンサルは特定の分野にとどまらず、幅広い領域でコンサル業務をおこなっている分野です。経営戦略から財務、人事、マーケティング分野など、コンサルする範囲は多岐にわたります。
課題を抱えている企業によっては事業の戦略だけでは根本的な原因を解決できず、特定の分野に絞らずさまざまな観点から課題解決に向けて取り組む必要がある会社も存在するのです。
このような企業の場合に、幅広い範囲でサポートを実施できる総合系コンサルが企業全体の経営課題に対してアプローチしていくのです。
総合系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
③業界・業務特化型コンサル
業界・業務特化型コンサルは、その名のとおり業界や業務ならではのサポートを実施するコンサルです。
たとえば、製造業における仕入れコストや製造コストの削減、金融業界における金融サービスとIT技術を結びつけた「FinTech(フィンテック)サービス」の新しい提案といったことをおこないます。
業界・業務特化型コンサルは、業界特有の知見やノウハウを大きな武器にしていて、より専門的な目線から企業経営についての助言や提案などをおこないます。
業界・業務特化型コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
④IT系コンサル
IT系コンサルは、前述したような企業のDX化などのサポートに特化したコンサルです。AIなどのデジタル技術を活用した企業のIT戦略の策定や、業務改革の支援などをおこないます。
将来的にはAIによる業務の自動化が見込まれているため、ITシステムの知識理解が低い企業などに対して、ITシステムの導入支援や運用といったサポートを実施しています。
IT系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
⑤医療・ヘルスケア系コンサル
医療・ヘルスケア系コンサルは、医療機関や医療メーカーといった医療業界に属する企業の経営サポートを実施するコンサルです。
医療・ヘルスケア系コンサルがサポートできるおもな顧客は、以下のとおりです。
医療・ヘルスケア系は人の命にかかわる業界であることから、正しい知識や考えのもと、適切な事業運営が求められます。そのため、医療・ヘルスケア系コンサルでは、医療ならではの事業課題に対する専門的なコンサルを実施しています。
医療・ヘルスケア系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
⑥財務アドバイザー系コンサル
財務アドバイザー系コンサルは、「FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)」とも呼ばれ、M&A関連の業務や財務関連の課題解決に特化したコンサルです。
たとえば、スタートアップ企業や非上場企業が上場を目指すために財務戦略の策定などをおこないます。特に会計や法務といった事務的な知識に特化していることが特徴的で、税理士や公認会計士といった専門的な資格を保有している人が活躍しやすいコンサルです。
財務アドバイザー系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
⑦組織人事コンサル
組織人事コンサルは、その名のとおり企業の組織運営や人事を専門としたコンサルです。
たとえば、組織としてのビジョンや人事戦略の策定、人事制度の改革や発案などを実施し、「人材・組織」という観点から企業の改革を目的としたコンサルをおこないます。
また最近では働き方改革や、人種や年齢、国籍、価値観といった多様性が尊重された「ダイバーシティ」など、組織としての体制のあり方が見直されていて、組織人事コンサルの需要が高くなっている傾向にあります。
組織人事コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
⑧シンクタンク系コンサル
シンクタンク系コンサルは調査や分析をおこなって企業の課題を見つけ、その課題を解決するためのアドバイスを実施するコンサルです。特に経済調査やリサーチを強みとしている企業が多く、大手企業や銀行、証券会社といった規模の大きな企業がコンサルを運営している特徴があります。
またシンクタンク系コンサルでは、民間企業以外にも官公庁を対象としたコンサル部門が設立されているケースもあります。
シンクタンク系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
⑨ハンズオン系コンサル
ハンズオン系コンサルは顧客企業に常駐し、そこの社員とともに働くことで経営に関する問題や課題を見つけて解決していくコンサルです。
顧客企業の経営層だけでなく、末端の社員と直接接して生の声を聞くことで、現場ならではの悩みや根本的な課題などを見つけます。
会社が抱える大きな課題だけを見てサポートするのではなく、現場規模での小さな課題から解決していくことがハンズオン系コンサルの特徴であり魅力であるとも言えます。
ハンズオン系コンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
⑩中小企業向けコンサル
中小企業向けコンサルは国内で立ち上げられたコンサル会社であり、中小企業が生き残るための経営戦略のサポートに特化したコンサルです。たとえば、中小企業ならではの悩みである人材確保や資金の調達について、顧客企業に寄り添いながら提案を実施します。
大手向けの外資系コンサルなどはコンサル費用が高くなりがちですが、中小企業向けコンサルは企業規模に合わせてコンサル費用を安く抑えているなどの特徴があります。
中小企業向けコンサルに属するおもな企業は、以下のとおりです。
就活生に聞いた! 志望したコンサル業界の種類
コンサル業界への就職を視野に入れている人は、ほかの学生がどの分野のコンサル会社を志望しているのか気になりますよね。そこで学生の皆さんに、志望したコンサル業界の種類について質問してみました。
アンケート結果として最も多い回答は42.9.%の「総合系コンサル」でした。そして次に同率の21.4%で「IT系コンサル」「戦略系コンサル」という結果となりました。
このことから、コンサル業界のなかでも総合系コンサルやIT系コンサル、戦略系コンサルは比較的人気が高く、しっかりと差別化を図りたい分野だといえるでしょう。
入社後の活躍をアピール! コンサルタントに求められるスキル5選
コンサルの志望動機を考える際に、コンサルタントに求められるスキルを理解しておくと、どのようなスキルをアピールポイントとして盛り込めば良いのかをつかみやすくなりますよ。
そこでここではコンサルタントに求められる5つのスキルを解説するので、自分自身に当てはまるスキルがあるか確認してみてください。
①論理的思考力
コンサルタントは論理的思考力が問われる仕事です。たとえば、顧客が抱えるさまざまな課題に対し、一つずつ筋道を立てて根本的な原因を見つけていく必要があります。
また顧客に対して分析結果を伝える際に、説得力を高めるためにも論理的な根拠を交えながら説明するスキルが求められるでしょう。
このようにコンサルタントという仕事は、仕事を進めるうえでさまざまな場面で論理的思考力が問われるため、コンサル企業の選考では求められやすいスキルなのです。
コンサルタントとしての論理的思考力の活かし方は、以下のとおりです。
②問題解決能力
コンサルタントの仕事は、顧客が抱える悩みを解決する仕事です。このことから問題解決能力があれば顧客が抱える問題をスムーズに解決へ導けるため、コンサルタントとして活躍できる可能性は高いでしょう。
コンサルタントとしての問題解決能力の活かし方は、以下のとおりです。
たとえば、問題解決能力があると一つの問題に対してさまざまな視点から柔軟に対応できるため、スムーズな解決の糸口を見つけられます。そのため、顧客からも信用されやすく、担当企業とも長期的な関係を維持できるといえます。
問題解決能力のアピール方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
③コミュニケーション能力
コンサルタントは、顧客との信頼関係が重要な仕事です。そのため、どんな相手でも気軽に接することができるコミュニケーション能力を持っていると、顧客との良好な関係を築けますよ。
コンサルタントとしてのコミュニケーション能力の活かし方は、以下のとおりです。
コミュニケーションのアピール方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
④学習能力
コンサルタントは顧客の問題を解決する役割を担うだけでなく、その分野の専門家でもあり続ける必要があります。そのため、自分自身が担当している分野の最新情報や技術、業界の動向などを常に学び続ける必要があるのです。
コンサルタントとしての学習能力の活かし方は、以下のとおりです。
学生時代から向上心を持っていて学習意欲が高いのであれば、コンサルタントが学び続ける大切さと絡めながら志望動機を作成すると、企業側から魅力的に映る志望動機を作成できますよ。
向上心のアピール方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
⑤分析力
前述したとおり、コンサルタント業界に就職した場合、最初は「アナリスト」として調査や分析をする仕事を任せられる可能性が高いです。このことからもわかるとおり、コンサルタントとして一人前に働く前に、その基盤となる分析力が必要になるのです。
分析力があればどのような企業であっても、これまでの経営状況やデータから課題を見つけ出せるため、コンサルタントとしての最善な提案ができるといえます。
コンサルタントとしての分析力の活かし方は、以下のとおりです。
志望動機につながる! コンサル業界で働く3つの魅力
コンサルの志望動機を考える際、どのようなテーマにしたらいいのか疑問を感じる人もいますよね。この場合、コンサル業界で働く魅力を参考に、志望動機のテーマを考えることも一つの手段ですよ。
そこでここではコンサル業界で働く3つの魅力を紹介するので、コンサル業界にはどのような魅力があるのか参考にしてください。
①企業経営にかかわれる
コンサルタントは企業の経営陣に直接話を聞き、その企業が抱える課題の解決やサポートをおこないます。そのため、仕事を通じて実際の企業経営にかかわりながら、会社を経営・運営するための知識やスキルを身に付けられるのです。
またコンサルタントを通じて企業経営にかかわることで、どの会社に所属したとしても社員ではなく、会社を経営する側の目線で仕事に取り組めるようになるため、企業側から優秀な人材として見られやすくなりますよ。
②グローバルな環境で働ける
コンサル企業のなかには外資系企業もあれば、海外に拠点を置いているグローバル企業もあります。そのため、企業によっては海外に拠点を置く企業をコンサルするケースもあり、グローバルな環境で働ける魅力があります。
たとえば、海外企業のコンサルをすることで国外の市場動向を把握できるほか、最新の技術や知識を常に吸収することができるでしょう。このようにグローバル規模で活躍することで、コンサルタントとしての市場価値も高めることができ、活躍できる場面を増やせるといえます。
③企業の経営サポートを通じて社会貢献できる
コンサルタントは企業の経営を支援する仕事であるため、社会貢献につながる仕事だといえます。
たとえば、倒産の危機に瀕している中小企業の経営をサポートし、経営状態を安定させたとします。この場合、その企業に勤めている社員の雇用を守れるほか、その企業の取引先もこれまでどおり安定した収入を得られ続けますよね。
このようにコンサルタントとして企業の経営をサポートし、その企業が安定して業績を出し続けられれば、かかわる人や事業を守ることにつながります。
就活生に聞いた! コンサル業界を志望した理由
コンサル業界の志望理由は、人それぞれ異なります。
どのような点に魅力を感じてコンサル業界へ志望しているのかを知りたい場合は、ほかの学生の考え方を参考にすることで、自分では気付けなかったコンサル業界の魅力を見つけられる可能性もあるでしょう。
そこで、学生の皆さんにコンサル業界を志望した理由を質問してみました。
「課題を解決することに興味があるから」という回答が多数
アンケートの回答には、課題を解決することに興味があるからという回答が多くみられました。
たしかにコンサルタントの仕事は、企業や個人が抱えている課題を解決する仕事です。そのため、課題解決に興味を持っている人は、コンサルタントは魅力的な仕事にみえるでしょう。
もしも課題解決を志望理由にするのであれば、どのような課題を解決していきたいのか具体的に説明できるようにしておくと良いですよ。
「待遇が良いから」という回答も
アンケートの回答には、待遇が良いからという回答もみられました。
コンサル業界はほかの業界に比べて年収が高い傾向にあります。そのため、待遇に魅力を感じて志望した学生も数名いました。
たしかに満足できる待遇を受け取れれば、仕事に対するモチベーションアップにもつながりますよね。
4ステップで考える! コンサル業界の志望動機で盛り込むべき要素
コンサル業界は就職難易度が高いため、志望動機で企業の印象に残ることが大切です。そのため、いくつかの要素を志望動機に盛り込んで、ほかの応募者と差別化する必要があります。
ここではコンサル業界の志望動機で盛り込むべき要素を4つ紹介するので、どのような要素を志望動機に盛り込めば良いのか参考にしてください。
①コンサル業界とその分野を志望する理由
前述したとおり、コンサル業界にはさまざまな分野があり、それぞれの分野で仕事内容の特徴が異なります。
そのため、コンサル業界の志望動機を作成する際は、コンサル業界全体での志望動機だけでなく、志望企業の分野ならではの志望理由を盛り込むことも大切なのです。たとえば、ハンズオン系コンサルを志望した場合、「実際に企業の社員と触れ合い密接にかかわり合いながら企業の課題を解決したい」などの志望理由が盛り込めます。
このようにコンサル業界から一歩踏み込んだ、コンサル業界の分野についての志望理由を盛り込むことで、より具体的な志望動機になりますよ。
②コンサル業界のなかでもその企業を志望する理由
コンサル業界といってもさまざまな企業があります。たとえば、次のような特徴を持ったコンサル企業があります。
このようにコンサル業界が幅広い分野にわかれているように、コンサル会社ごとに見ても特徴は多岐にわたります。そのため、志望企業の特徴を見極めて、志望企業ならではの理由を盛り込むことが大切なのです。
志望するコンサル会社ならではの強みを見つけるおもな方法は、以下のとおりです。
企業研究について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
③志望理由を補完する具体的な経験
コンサル業界の志望動機を伝える際に、「コンサル業界に魅力を感じたからです」とただ伝えるだけでは、説得力のない志望動機になってしまいます。そのため、志望動機を伝える際は、コンサル業界や志望企業に魅力を感じた具体的な経験を盛り込みましょう。
たとえば、志望企業のインターンに参加した際の経験を盛り込んだとします。この場合、「顧客の課題解決にAIを活用した分析をおこなっていたことをインターンで知り、最新の技術を活用したコンサルに魅力を感じた」などと具体的な経験を盛り込めるでしょう。
このように自分自身の実体験などを交えながら志望理由を伝えることで、より説得力のある志望動機が出来上がり、採用担当者の印象にも残りやすくなりますよ。
④コンサル業界で活かせる強みと活かし方
コンサルの志望動機を魅力的にするためには、入社後に活躍できる人材であることもアピールすることが大切です。そのため、コンサル業界で活かせる強みと、その活かし方まで志望動機で伝えられるようにしておきましょう。
たとえば、強みとして分析力を持っているのであれば、「コンサルタントとして分析力を活かして企業の課題を多方面から見つけられる」と入社後の活躍をアピールできますよね。またコミュニケーション能力があれば、「顧客との円滑な連携が取れるため、顧客との長期的な関係を築ける」とアピールできます。
このようにコンサル業界で活かせるスキルは多岐にわたるため、先ほど紹介したコンサルで活かせるスキルなどを参考に志望動機に盛り込めるスキルを考えてみてください。
選考難易度が高いコンサル業界だからこそ! 志望動機で意識すべき2つの視点
コンサル業界は毎年多くの学生が志望する業界であり、選考倍率も高くなりがちです。そのため、書類選考を通過するためにも、ほかの学生とは一味違った志望動機に仕上げる必要があります。
そこでここでは、コンサル業界の志望動機で意識すべき視点を2つ紹介するので、どのようなことを意識して志望動機を作成すれば良いのか参考にしてください。
①論理的で説得力のある内容か
前述したとおり、コンサルタントには論理的思考力が問われます。そのため、志望動機の内容も論理的で説得力があるかを採用担当者は判断しています。
たとえば、コンサルの志望動機が「社会貢献」である場合、「社会貢献にいそしむことで、自分も幸せになれる」という過程がわかりにくい表現で書かれていると、説得力がなく論理が通っていないと思われてしまうかもしれません。
この場合、論理的に考えながら企業の課題を解決していくコンサルタントへの適性に懸念を感じられる可能性も出てきます。
そのため、コンサルの志望動機を作成する際は、「初めて読んでも論理的で根拠があると感じられるか」を重視して志望動機を作成しましょう。
②主体性がある内容となっているか
コンサルタントは自分自身が指揮をとり、課題を抱える顧客を引っ張っていく場面も多くあります。そのため、主体的に行動ができるという点をアピールとして履歴書に盛り込む必要があります。
たとえば、志望動機に盛り込む具体例が主体的に行動した内容であるかを考えてみると良いですよ。
このように盛り込まれている経験から主体性をアピールできると、コンサルタントとして自分から行動できる人材であると伝えられるため、採用担当者の印象に残りやすくなります。
就活生に聞いた! コンサル業界の志望動機を作成した際に意識したこと
どのようなことを意識してコンサル業界の志望動機を作成したらいいのかを知りたい場合、ほかの学生が意識したことを参考にすることで、自分では気付けなかった注意点を見つけられる可能性もあるでしょう。
そこで、学生の皆さんにコンサル業界の志望動機を作成した際に意識したことについて質問してみました。
「論理的に説明した」という回答が多数
アンケートの回答には、論理的に説明したという回答が多くみられました。
たしかにコンサルタントは論理的な考え方が問われる仕事です。そのため、志望動機の段階で論理的に考えられることをアピールすることは有効な手段だといえます。
志望動機で論理的に考えられる力をアピールする際は、根拠に基づいた志望理由などを意識すると良いですよ。
「志望企業ならではの理由を意識した」という回答も
アンケートの回答には、志望企業ならではの理由を意識したという回答もみられました。
コンサル業界にはさまざまな分野があり、分野ごとにもさまざまな企業が存在します。
そのため、コンサルタントとしての志望動機はもちろんのこと、志望企業ならではの強みや立ち位置などを志望動機でしっかりと伝えることが大切です。
このことからアンケートに回答した学生のなかには、他社と比較した際の理由などを志望動機に盛り込んでいる学生もいました。
分野別! コンサル業界の志望動機例文10選
コンサル業界の志望動機で迷っている人は、実際の志望動機の例文を確認することで、どのように志望動機を書けば良いのかイメージをつかんでみてください。そうすることで自分自身が書きたい内容と照らし合わせながら志望動機を作成できますよ。
そこでここではコンサル業界の10の志望動機を分野別で紹介するので、自分だけの志望動機を書けるようにするためにも参考にしてください。
例文①戦略系コンサル
戦略系コンサルは企業の新商品の販売戦略などをサポートする仕事です。そのため、例文ではマーケティング研究会での経験を盛り込んでいます。このように具体的な販売戦略の経験を盛り込むことで、説得力のある志望動機に仕上げられますよ。
例文②総合系コンサル
総合系コンサルは業種や職種にとらわれず、幅広い企業のコンサルを実施している特徴があります。
また海外企業のコンサルを担当するケースも多く、異文化理解が重要な要素となります。そのため、例文では国際ボランティアでの経験を交えながら、異文化理解や柔軟な対応力についてアピールしています。
例文③業界・業務特化型コンサル
業界・業務特化型コンサルの場合、業界に対する知識理解が問われます。そのため、大学で学んだ知識をもとに志望動機を作成すると良いですよ。例文では、製造分野を大学で学んできたことをアピールしつつ、実際にコンサルのような経験をしたことを盛り込んでいます。
例文④IT系コンサル
IT系コンサルをする場合、AIなどのITに関する知見が問われます。そのため、志望動機では、IT系についてどのような経験を大学でしてきたのかを盛り込むと良いですよ。
例文では実際に企業に役立つアプリ開発をしたことを盛り込み、ITに関する知識理解があることをアピールしています。
例文⑤医療・ヘルスケア系コンサル
志望企業が医療・ヘルスケア系コンサルをしている場合、医療・ヘルスケア領域ならではの志望動機にする必要があります。そのため、例文では地域の病院に訪れたインターン経験を盛り込んでいます。
医療・ヘルスケア領域は人々の健康促進などに貢献できる仕事であるため、これらの要素と絡めながら志望動機を作成していくと良いですよ。
例文⑥財務アドバイザー系コンサル
財務アドバイザー系コンサルは、企業の財務や経理といった観点から企業の経営をサポートするコンサルです。そのため、税理士や公認会計士などの専門的な知識がアピールポイントとなりますよ。例文では会計学を専攻していることに加え、インターンでの財務コンサルの実務経験を伝えています。
例文⑦組織人事コンサル
組織人事コンサルは、人材や組織という観点からコンサルをおこなうため、これらの要素に対する思いを志望動機で伝えることが大切です。例文では、学生団体の経験を盛り込み、人材価値の大切さをアピールしています。
例文⑧シンクタンク系コンサル
シンクタンク系のコンサルは、莫大なデータ収集による分析力を強みとしたコンサルです。そのため、豊富なデータベースがどのような役に立つのかなどあなた自身が思うシンクタンク系ならではの魅力を伝えることを意識しましょう。
例文では、地方自治体の統計データやアンケート調査から問題点を導き出した経験を盛り込んでいます。
例文⑨ハンズオン系コンサル
ハンズオン系コンサルは、顧客企業に常駐して経営指南をおこなうコンサルです。そのため、企業に密接にかかわって提案できることがほかのコンサル会社とは違う魅力だといえます。
例文では顧客企業と密接にかかわるスタイルを魅力に感じていると伝え、ハンズオン系ならではのコンサルスタイルについて話しています。
例文⑩中小企業向けコンサル
中小企業向けコンサルでは、地域に根付いた企業を担当するケースも多くあります。そのため、中小企業の経営基盤を強化することで、その地域の発展に貢献できることなどを志望動機にすると良いですよ。
例文では、地域にある中小企業に目を向けて経営基盤を立て直した経験を具体例として盛り込みつつ、自分自身のスキルレベルをアピールしています。
評価につながらない! コンサル業界の志望動機のNG例文3選
コンサル業界の志望動機を作成する際は、いくつかの注意点を意識する必要があります。なぜなら、注意点を意識しないでいると、採用担当者からの評価につながらない志望動機になってしまう可能性があるからです。
そこでここでは、コンサル業界の志望動機におけるNG例文を3つ紹介するので、どのような志望動機が採用担当者の評価につながりにくいのか確認してみてください。
NG例文①待遇などの労働条件が志望動機
私が貴社を志望する理由は、コンサルタントとしての仕事にやりがいを感じられそうだと考えたからです。
私は大学時代、経済学部を専攻していて、企業の仕組みや世の中の経済について深く学んできました。そのため、大学で学んだ知識を活かせる仕事に就きたいと考えて、コンサル会社である貴社を志望したのです。
また貴社の労働条件は非常に魅力的で、業界内でもトップクラスであり、フレックス勤務制度や福利厚生も充実していると聞いています。そんな働きやすい環境が整っている貴社では、私ものびのびと長期的に会社に貢献できると確信しています。
この例文では、大学時代の学びを活かすためにコンサルタント職を志望していることが伝わります。しかし具体的に学んできたことが伝わらないですよね。また志望動機の多くが労働条件について言及している部分です。
そのため、採用担当者からの評価も高くならない志望動機だといえるでしょう。このような志望動機を回避するためにも、学校で学んできたことについてより深く伝えると同時に、入社後にどのように活躍できるかもアピールすることが大切です。
NG例文②抽象的なイメージの志望動機
貴社を志望する理由は、社会に貢献できる素晴らしい会社だと考えているからです。
私は大学時代、ゼミ活動で企業分析をおこなっており、その経験からコンサルティング業界に興味を持ちました。特に顧客の課題解決を通じて社会に価値を提供できる点に魅力を感じています。
そして貴社の企業理念である「より良い未来の創造」は、私の社会をより良くしていきたいという考えにぴったりだと感じました。
貴社に入社後は学生時代に培った分析力を活かし、社会に貢献できる人材として社会に新しい価値を提供していきたいです。
この例文は社会貢献できることを志望理由としています。しかし、具体的な活躍背景などは見えず、社会に貢献したいという気持ちを伝えているだけで、内容が薄い志望動機になっています。
このような志望動機を回避するためにも、具体的な仕事内容を交えながら入社後の活躍イメージなどをしっかりと伝えることが大切ですよ。
NG例文③どのコンサル会社にも通じる志望動機
私が貴社を志望する理由は、さまざまな企業の経営課題を解決できる点に魅力を感じているからです。
私が大学3年生のときにインターンでコンサルティング業務を体験し、顧客の抱える問題に対して、解決策を導き出す過程に大きな達成感を覚えました。またコンサルタントは若いうちから経営者と直接対話できる機会が多く、自己成長につながると考えています。
私は学生時代にビジネスコンテストで優勝した経験もあることから、課題分析力には自信があります。貴社に入社後はビジネスコンテストやインターンでの経験を活かし、顧客価値の向上に貢献できる人材として活躍していきたいです。
この例文では、実際にインターンに参加した際の経験などが盛り込まれています。そのため、具体性のある志望動機にはなっているといえます。しかし、志望動機の内容はすべてコンサルタントとしての動機であり、志望企業ならではの動機が含まれていません。
このような志望動機の場合、採用担当者からは志望意欲が低いと判断されてしまう可能性が高いため、志望動機ならではの強みや魅力などを志望動機の一部に盛り込むことが大切です。
コンサルの志望動機は志望企業の理解と適性のアピールで選考突破を目指そう
コンサル業界は毎年多くの学生が志望する業界であり、就職難易度が高くなる傾向にあります。そのため、志望動機でほかの学生と差別化を図ることが大切なのです。
そして志望動機でほかの学生との差別化を図るためには、志望企業が強みとしている分野の理解を深めたうえで内容を考えましょう。
これからコンサルの志望動機を作成しようと考えている人は、この記事で紹介した志望動機を作成する際に盛り込むべきポイントや例文などを参考に、企業ならではの特徴を意識した志望動機を作成してみてください。
【コンサルの志望動機に関する調査】
- 調査方法:ポートが運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
- 調査日:2024年12月15日~220日
- 調査元:「就活の未来」を運営するポート
- 調査対象者:25卒・26卒の就活会議会員の51人