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秘書はどのような仕事をするのか
秘書の仕事をやってみたいという就活生は、毎年多いです。事務職の仕事内容に関心があったり、著名人や各界の要人と接点を持つことができる秘書に、憧れを抱く人が多くなっています。
しかし秘書という職業の存在は知っていても、実際にどのような仕事をしているのかと疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
一方で秘書の仕事を行うためには、ある程度の社会経験が必要であるとも言われています。そのため、秘書になるための方法や、必要なスキルを理解しておく必要があります。
本記事では、秘書の役割や求められる能力、募集が少ない理由について解説しています。秘書の仕事について理解を深め、自分にあった働き方を見つけていきましょう。
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秘書とは
「秘書」とは、組織や要人の書類作成や管理などを行う職種です。特に重要書類を扱うことが多いと言われています。
そのほか、メールや電話の応対、来客の接遇、スケジュール管理など、要人や組織の働きやすい環境を作るような「総務の専門家」としての機能を有しております。
一般的な企業の要人は、役職が上になるほど、経営判断や新規事業の施策など「考える仕事」が増えます。一方で、契約書の捺印や書類の作成のような「作業」が無くなるわけではありません。
「ビジネス+IT」によれば、人間は一日にできる意思決定の回数が決まっていると言われています。そのため、上記のような仕事を他者にサポートしてもらい、「考える仕事」の割合を増やすために秘書は雇われています。
また「職場に秘書は必要!?秘書を雇いたい人はどれくらいいる?」によれば、「あなたが社長または役員の場合秘書を雇いたいと思いますか?」という質問に対し、秘書を雇いたい人は8割にのぼりました。
さらに秘書には働く環境に応じて、名称が異なる場合があります。例えば、企業の経営幹部を補佐する「企業秘書」が一般的です。
そのほかにも弁護士や司法書士を補佐する「法律秘書」、医療機関の経営者や医師を補佐する「医療秘書」、そのほか「政治秘書」、「学校秘書」など、さまざまな種類が存在しています。
秘書の5つの仕事内容
秘書の仕事について理解を深めるためには、基本的な仕事内容を知っておくことが大切です。ひとくちに秘書といっても、企業に勤めているのか、弁護士や公認会計士のように専門の資格を有している業務独占資格者についているのかによって、様々な違いがあります。
「秘書=要人に付き添う人」とイメージする人が多いですが、単に同行するだけが仕事ではありません。仕事の幅は多岐にわたるため、どのような仕事をしているのかを正しく把握しておきましょう。
1.スケジュール管理
「秘書の仕事=要人のスケジュール管理」とイメージする人は多いでしょう。実際にスケジュールの管理は重要な仕事です。
誰の元で働くかによって忙しさは異なりますが、基本的には、企業で言えば役員クラスのような、社会的地位の高い役職についている秘書が多いです。そのためスケジュール管理だけでも大変なことは多いです。
例えば、役員クラスのスケジュールには、各企業や官公庁の要人と会食の予定が入っていることも多いでしょう。それらをスケジューリングする際、予定に漏れがあったり、ダブルブッキングが決して起こることがないようにしなければなりません。
もしこのようなことが起きてしまっては、相手にも迷惑がかかるだけでなく、各企業や官公庁の要人の面目をつぶしてしまい、取引停止による損害が引き起こされる可能性もあります。
ビジネスにおいては、信用が何よりも重要視されており、スケジュール管理ひとつで信用を大きな損ねてしまうこともあります。ただスケジュールを記録するだけではなく、当日の予定や時間の管理、数か月先の予定の告知のようなスケジュール管理をおこなうことが求められます。
2.電話・メール対応
要人に対する電話やメールの対応も秘書の仕事です。これはスケジュール管理に繋がる仕事でもあります。
要人に対してのアポがあれば、スケジュールを確認して空いている日を探し、要人に確認してアポを取るかどうかを決定します。また、アポだけではなく、さまざまな問い合わせがくることも多く、それらに対応することも秘書の仕事です。
連絡を素早く処理し、優先順位をつけながら、早急に要人に報告するべき情報とそうでない情報を、瞬時に判断しなければなりません。また、秘書の対応が要人の印象を左右することもあるので注意が必要です。
どのような相手にも失礼のないよう振る舞わなければならず、要人の評価を落とさないために、適切な言動が求められています。
3.来客対応
来客に対応することも秘書の仕事です。一口に来客対応といっても、応接室に通してお茶を出すだけではなく、今後のスケジュール確認や話の内容の確認が必要な場合もあります。
電話やメールの対応と同様に、態度次第で要人の印象を変えてしまうこともあります。マイナスの印象を与えないためにも、常に正しい振る舞いを心がけて、相手に最大限配慮した対応を心がけることが大切です。
また来客とのやりとりを補佐するために、要人より、会議への同席を求められることもあります。外資系企業のような海外と取引がある企業において秘書を務める場合には、来日した外国人の接待や観光地への案内も担当する場合があります。
4.書類作成
書類を作成することも秘書の仕事のひとつであり、作成する書類の種類は幅広いです。スケジュールをまとめた資料や、会議、会合、商談に必要な資料、要人の名前で出す社内文書、お中元やお歳暮のお礼状など、さまざまな文書を作成します。
このように要人の名前を使用し作成する書類がほとんどなので、高いブランド意識と要人が仕事を進めやすいようサポートする姿勢を持つことが大切です。作成を求められる書類もあれば、自発的に作成すべき書類もあり、常に何が必要なのかを考えて行動する必要があります。
また書類の作成では、基本的にワード、エクセル、パワーポイントを使用するため、パソコンスキルや書類作成能力を身に付けておかなければなりません。
5.環境整備
秘書の業務の中には、業務内容として明記できないような細々とした環境整備も含まれます。一般的には雑務と呼ばれることもあります。
例えば、要人が仕事を常に円滑に進めることができるように、机の周辺の整理整頓や、必要な備品の補充や準備をおこないます。来客が多いことからお花を頂くことも多く、花瓶にお花を生けることも仕事になります。
また日々の書類のファイリングも必要です。新聞や経済・経営雑誌をチェックして、必要な情報を切りぬき保管しておくことも仕事です。日々情報をファイリングしておくことで、要人が必要なときに、適切なタイミングで情報を提供することができます。
さらに、取引先の関係者の慶事や弔事のチェックをおこない、要人に伺いを立てて電報やご祝儀、不祝儀、お中元やお歳暮の手配をする場合もあります。要人が直接、告別式や通夜、披露宴に会社の代表として出席するときには、要人が持参するところまで手配をするなど、ミスが許されない大変重要な役割があります。
秘書の1日のスケジュール
上記の画像は、ある秘書の1日にのスケジュールをあらわしております。秘書の1日のスケジュールは、会社やお付きになる人によって大きく異なります。そのためここでは、一例として、秘書の1日のスケジュールを紹介しております。
8:30までには出勤し、メールチェックや要人の部屋の掃除を行います。また1週間に1度は部屋のお花を変えるという業務があります。
9:00~12:00は、来客や電話の応対の業務がメインとなります。9:00に出社した要人と挨拶を交わしコーヒーを出します。昨日の要人が帰宅されてから共有事項を、必要に応じて報告します。その際今日1日の要人のスケジュールを確認する。また要人にランチの手配を依頼された場合には、午前中に買い物に出かけます。
12:00~13:00はお昼の休憩をとりますが、ランチを兼ねての顧客との会食に同行する場合もあります。そのようなケースの場合、13:00~14:00は一人で休憩を取ることが可能となっております。
13:00以降は、会議の書類作成や、名刺等の備品のチェックのようなの業務があります。要人から依頼があれば、顧客との食事会の店を予約したり、出張を予定した場合には交通チケットの手配を行います。
また午後からも、必要に応じて要人にお茶を出す業務もあります。17:00になれば要人が帰宅することが多く、18:00までには後片付けをして退勤することができます。
秘書の仕事に必要な4つのスキル
秘書は要人のサポートをおこなう重要度の高い仕事です。重要な仕事を任される分、求められる能力も高く幅広いスキルが必要となります。
スキルが不足していると採用されないことはもちろん、仮に採用されても失敗を繰り返してしまう可能性が高いです。
ここでは秘書の仕事に必要な4つのスキルを解説します。必要な能力を知って秘書の仕事に活かされる状況を把握しておきましょう。
1.コミュニケーション能力
秘書は常に要人と行動を共にするため、コミュニケーション能力が求められます。意思の疎通がスムーズにできなければ仕事が滞ってしまう可能性も少なくありません。
また、要人以外にもさまざまな人とコミュニケーションを取る機会が多いため、対人スキルは必須と考えましょう。
誰の秘書になるかで求められる能力の程度は異なりますが、各業界の専門用語など、基本的には高いレベルが求められるのは間違いありません。
また、海外のクライアントと接することが多い場合は、語学力も必要となることが多いです。語学力まで含めたコミュニケーション能力が求められます。
「コミュニケーション能力」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「コミュニケーション能力」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
2.情報処理能力
スケジュールの管理は重要な仕事であり、スムーズに進めるためにも情報管理能力が重要視されます。秘書の仕事に求められる情報処理能力は、単にスケジュールの管理能力ではなく、秘書の仕事の性質に関係しています。秘書は要人につくことが多く、何らかの機密情報を扱うことも多いです。
他の誰にも話せない情報でも、仕事のパートナーである秘書には情報を預けることも多いです。そのため誰にも知られないように徹底した情報管理を心がけなければなりません。
例えば、個人情報に関するデータや企業の買収予定に関する情報です。こうした情報は個人情報保護法やインサイダー取引に抵触する可能性が高く、秘書からの外部流出により、違法行為として処罰の対象となります。
情報の流出は大きな損失にも繋がり、倒産する可能性すらあります。このように秘書の仕事では、重要機密を取り扱うことが多いため、情報の保守まで含めて求められると考えましょう。
3.ホスピタリティ精神
「ホスピタリティ」とは、「思いやり」「心を込めたもてなし」「歓待」「厚遇」のような意味があります。もともとは旅行やホテルのようなのサービス業で使われている言葉であり、近年では幅広い業界から日々の生活までも、ホスピタリティの大切さが重視されています。
秘書の仕事は、忙しい要人の仕事をサポートするために存在しています。そのため秘書の仕事は、サービス業に近い性質があります。例えば「社長がもっと良い環境で仕事をするためには、何をすれば良いか」を考え、気付き、実行することが必要になってきます。
例えば会食に向けての準備では、取引先の顧客の好物をリスト化し、最適なレストラン・料亭にお招きするよう心遣いが挙げられます。また会議では、議論の展開まで予測して的確な資料を作成し準備しておく必要があります。
こうしたホスピタリティ精神が秘書には欠かせないスキルとなります。
4.柔軟性
スケジュールを管理して予定通りに仕事を進めることは大切です。しかしすべて順調に進められるとは限りません。何らかのトラブルや別件での急用が入った場合、突如予定を変更しなければならないこともあります。
要人の場合は突発的に予定が変更になることも多く、そのような事態に対応できる柔軟性も大切です。予定通りにすべてを進めるだけならそれほど難しくありませんが、予定を崩し崩し、再度スケジューリングすることは難しいです。
いつ予定が変わるか分からないため、どのような事態になっても対応できるよう、常に余裕を持たせてスケジュールを組まなければなりません。ビジネス用語でこれを「バッファ」と呼びます。
対応できずに予定が狂い、損失を出すということもありますので、状況把握を含めた柔軟性が求められると考えておきましょう。
「柔軟性」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「柔軟性」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
秘書の仕事の募集が少ない3つの理由
秘書の仕事は珍しいため、興味を持ったり難易度の高さからチャレンジしたいと考える人もいるでしょう。
しかし実際に秘書の仕事は、新卒ではほとんど求人として出ていません。秘書では高い能力が求められるため、基本的には社会人経験のある人が採用されると考えましょう。
もちろん、中には新卒でもチャレンジできる場合もありますが、数は非常に少なくまれなケースといえます。新卒での採用はほとんどないため、別の仕事で就職してスキルアップをしてから目指すのが近道といえるでしょう。
秘書の仕事の募集が少ない理由を理解することで、将来的に「秘書」を目指す際の参考にすることができます。
1.ビジネスマナーが必要
新卒で秘書の仕事が、少ない傾向にある1つ目の理由として、ビジネスマナーが必要であるためです。ビジネスマナーは幅広く、社会人にならなければなかなか身に付くものではありません。
また、長く社会人生活を続けていても、全員が完璧にできるというわけではないので注意しましょう。ビジネスマナーを高いレベルで身に付けるためには、仕事を通じて多くの経験を積み学ぶ意欲が必要です。
社会人でもなかなか身についていないスキルが、社会人経験のない新卒に身に付いている可能性は低いです。そのため基本的には中途での採用がメインとなっています。
しかし、ビジネスマナーをしっかり身に付ければ、就職のチャンスがあるといえるため、意欲的にマナーの習得を目指しましょう。
基本的なビジネスマナー
・身だしなみ
・話し方、言葉遣い
・敬語
・挨拶
・名刺交換
・席次
・ご案内お茶の出し方
・メール
・電話
2.事務職や秘書の経験者が多い
秘書の仕事が新卒で少ない傾向にある2つ目の理由として、秘書の仕事は中途採用が多く、採用されるのは事務職や秘書の経験者が多いからです。
秘書の経験があれば、特別な教育期間を設ける必要がありません。そのためスムーズに仕事も進められ、即戦力として活躍が期待できるため採用されやすいです。
また事務職が優遇されやすい理由としては、事務職と秘書の仕事に共通する部分が多いことからと言われています。
事務職の仕事も、書類の作成や管理、電話・メールの対応、来客応対をおこないます。秘書の仕事の場合、これらに通ずる業務が多いため、事務作業の勝手が理解できている事務職は採用されやすいです。
そのため、秘書の仕事を目指す場合、まず事務職での就職がベストであるとも言えます。
「事務職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「事務職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
3.派遣や契約社員が多い
秘書の仕事が、新卒での募集で少ない理由として、派遣や契約社員としての、採用が多いからです。企業が派遣や契約社員として秘書を雇うのは、コスト削減が大きいと言われています。
どんな企業や組織においても、1年を通してずっと同じだけ忙しいということはありません。企業では新年度や決算期前に仕事の量が増えるということもあれば、お盆になると仕事が少なくなることもあります。
そこで秘書に関しても、繁忙期や仕事量に応じて派遣社員を雇うケースが増えています。一定期間のみの契約で働く派遣社員は即戦力として採用するケースがほとんどです。そうすることで、人件費を最小限に抑えられることや、特別な教育期間を設けなくて良いという採用する側のメリットがあります。
新卒で雇ってしまうと、安易に解雇がしにくく、0から教育しなくてはならないため、金銭面や時間面など、様々なコストがかかってしまいます。このような理由から、新卒での秘書の募集が少ないとされています。
「雇用契約」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「雇用契約」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
秘書の仕事をする3つのメリット
秘書の仕事には高い能力が求められ、ハードな場合も多いです。興味はあるものの、仕事の実態を知るとハードルが高いと感じて諦める人も多いですが、秘書の仕事ならではのメリットもあります。
大変で難易度の高い仕事だからこそ、仕事の経験から得られるものは多く、大きな成長に繋がることも多いです。秘書の仕事をするメリットを知り、どのような魅力が隠されているのかを知っておきましょう。
1.事務処理能力やビジネスマナーが身につく
秘書の仕事には事務処理能力やビジネスマナーが必要です。しかし秘書になって仕事に取り組むことで、これらをさらにスキルアップさせられます。
秘書は基本的にひとりで仕事をこなさなければならないため、いかに作業の効率化を図れるのかが重要です。また、対人の業務も多いため、ビジネスマナーを意識した振る舞いをする機会も多いです。
もともと高い能力が必要な上に、仕事ではさらなるスキルが求めらるため、社会人として成長できるエッセンスが詰まっていることが秘書の仕事のメリットでしょう。
秘書の仕事は、いわば事務職のさらに高度な仕事です。そのため、秘書の仕事で培った知識やスキルは、他の仕事で活かせることが多く、別の業界や企業、職種でも幅広く活躍できるようになるでしょう。
秘書から事務職になる場合はもちろん、全く別の営業職に転職したとしても、コミュニケーション能力や情報管理能力は役立てられます。
秘書の仕事では、社会人として必要な基礎スキルを高いレベルで身に付けられるため、能力を活かせる範囲は広いです。
2.高度な専門領域へのキャリアアップが可能
先述のとおり、秘書の仕事は、事務職のさらに高度な仕事です。一度秘書を経験した場合は秘書としての転職も可能であり、仕事の選択肢も広がるでしょう。
秘書がサポートする人物は、企業の役職者や議員、弁護士のような要職の人々が多くなります。そうした環境で働くうちに高度なビジネスマナーが身に付き、より高い役職者の元で仕事をすることもあります。
また企業秘書から弁護士秘書、議員秘書に転職したりといったキャリアチェンジも可能になります。こうしたキャリアチェンジは、事務職からでは厳しく、秘書として高度な専門領域を扱っていればいるほど可能となります。
そのため、各組織の専門秘書を志望している人にとってはメリットとなります。
3.秘匿性が高い仕事に従事できる
先述のとおり、秘書がサポートする人物は、企業の役職者や議員、弁護士のような要人になります。このような役職についている人物は、弁護士や公認会計士、医師のような業務独占資格を有する仕事である場合が多いです。
そのため秘匿性の高い仕事に関わることができ、秘書の仕事にやりがいや魅力と感じる人もいるでしょう。
なかなか会うことのできない各界のVIPクラスの人にも、会食や会合の場において、秘書としてなら会えるケースが多くなります。その場合、自身のコネクションや人脈形成につながる可能性もあります。
そのため秘匿性の高い仕事に関わることによる、やりがいや魅力があるといったポイントが、秘書の仕事のメリットになっております。
秘書の仕事をする3つのデメリット
秘書の仕事は、高度な専門領域への転職や、秘匿性が高い仕事に従事できるメリットがあります。
しかし、扱う領域や仕事によっては勤務時間が不規則であったり、機密性の高さから責任が大きくなってしまうなど、人によってはデメリットとなることもある仕事です。
このような秘書の仕事をする上でのデメリットも認識しておくことで、本当に自分に合った仕事かどうか判断することができます。
1.勤務時間が不規則
秘書の仕事は、基本的に要人の都合に合わせて働くため、勤務時間が不規則になります。
要人の仕事が終わらなければ、退社することは難しく、急な来客や会合で予定が変わり、朝早くの出勤や、夜遅くの退勤まであります。働く業態によっては、休日出勤をするケースも存在します。
反対に、仕事量が少ないときには早くに帰宅することも可能です。このように秘書は、私生活が仕事によって左右される可能性もあるというデメリットもあります。
2.働く環境により仕事量が左右される
秘書の仕事は、働く環境よって仕事量が左右されるのも特徴です。働く環境とは、業態やサポートする要人を指します。
例えば秘書の仕事内容である「メールチェック」や「オフィスの環境整備」は、事務職や別の担当が行う場合もあれば、要人自らで行う場合もあります。また何か連絡事項が会った際に、要人へ報告するタイミングも要人によって千差万別です。
さらに会議や打ち合わせが多い要人であれば、作成する書類も増えますし、それらをファイリングし管理する業務も多くなるでしょう。
これらの理由により、人によっては、要人のペースと合わないこと感じる人もいるでしょう。このように秘書の仕事は、働く環境により、仕事量が左右されるデメリットもあります。
3.機密性が高く責任が大きい
先述のとおり、秘書がサポートする人物は、企業の役職者や議員、弁護士のような要人になり、弁護士や公認会計士、医師のような業務独占資格を有する仕事をしている場合が多いです。
そのため、機密性の高い情報に接する機会が多くなります。このような場合、機密性の高い情報を求めて近づいてくる人々を用心しなければならないケースが存在します。
例えば、上記でも記載した通り、個人情報に関するデータや企業の買収予定に関する情報です。こうした情報は個人情報保護法やインサイダー取引に抵触する可能性が高く、秘書からの外部流出により、違法行為として処罰の対象となります。
このように秘書はその性質上、機密性が高い情報に触れやすく、責任が大きい仕事でもあります。そのため責任の大きい仕事が苦になる人にとっては、デメリットになります。
秘書の仕事に有利な2つの資格
将来秘書になりたいと思って就活をしている人は、学生のうちにどのような秘書関連の資格を取得することが求められるのでしょうか。
就職の際に有利になる資格や、秘書になってからも役立つ資格など、さまざまなタイプの資格があります。
自分にとってどの資格が必要なのか、まずはチェックしておきましょう。そして必要な資格が分かったら、早い段階で秘書関連の資格を取得して就活でアピールできるようにすると、採用に有利になることが考えられます。
1.秘書技能検定
「秘書技能検定試験」とは、公益財団法人実務技能検定協会が運営および実施している検定試験です。秘書技能検定は、「筆記試験問題」と「面接試験」に分かれています。
筆記試験はサポートするための判断力や機転を効かせるための行動力などを問う「資質」や、社会常識や時事問題について問われる「一般知識」、秘書特有の仕事の仕方について問われる「職務知識」が出題されます。また面接試験では、ビジネスマナーや言葉遣いが問われる「マナー・接遇」や、ファイリングや事務用品などについての基本的な知識や用語が問われる「技能」があります。
級は1級、準1級、2級、3級の4つの級があります。3級と2級の試験は年に3回全国で実施されます。1級と準1級は年2回実施されます。一般的に「秘書検」や「秘書検定」とも呼ばれています。
秘書検定は、「資質」「一般知識」「職務資質」「マナー・接遇」「技能」の5つの能力を測る試験です。それぞれの領域を60%以上正解した受験者が合格する仕組みとなっています。また、準1級と1級の試験では、秘書としての能力が問う面接試験もあります。
筆記試験は基本的にマークシート方式でおこなわれます。最後の方には記述式の問題も出題されます。筆記試験の試験時間は120分です。開始時間から60分経過すると、途中退室も可能です。
2.CBS検定
「CBS(国際秘書)検定」とは、一般社団法人日本秘書協会が実施している「国際的に活躍する秘書を目指す人にとって有益な資格」です。
CBSは「Certified Bilingual Secretary」の略称です。経営陣をサポートするスタッフ(秘書)として必要な基礎力や応用力をつけ、グローバルに活躍する人材をサポートするための検定試験です。
CBS(国際秘書)検定が、他の秘書検と比較して違うところは、日本語と英語の両方の言語の問題が出題されるということです。
資格試験は「プライマリー試験」と「ファイナル試験」に分かれています。プライマリー試験に合格した人は、「準CBS資格」の認定を受けます。その後に、ファイナル試験を受験して合格すると「CBS資格」の認定を受けるという流れになっています。
一般的な秘書検定と比べると、CBS(国際秘書)検定は難易度がかなり高めといえます。バイリンガル秘書を目指す人にはもちろんですが、国内で秘書を目指す場合にも、この資格を持っていると将来の昇給や手当、昇進に繋がる可能性があります。
秘書の仕事を理解し就活を優位に進めよう
秘書の仕事内容は幅広く、求められる能力も多い難易度の高い仕事です。
しかし、ハードな仕事でありながら表立って仕事を進めるわけではなく、裏方に徹しなければなりません。秘書はサポート役に徹することが大切であり、縁の下の力持ちとして要人を支える重要な仕事です。
裏方としての役回りですが重要な仕事であることに違いはなく、経験することで成長できることも多いです。
秘書の仕事について正しく理解して、仕事内容や得られるものについて把握することが今後の職業選択にも役立つでしょう。