業界研究

物流業界大手のランキングTOP10|現状や労働環境などをご紹介

物流業界の大手企業とは

物流業界の企業に就職するなら、まずは大手企業の存在を知ることが大切です。業界を代表する大手企業は、業界を形成する重要な要素です。そのため、企業を知ることが、業界を知ることにも繋がり、物流業界がどのような業界なのか、現在のトレンドは何なのかなどを知ることができます。

また、企業について知ることで企業研究にもなり、選考でも役に立つでしょう。大手への就職を目指す場合も目指さない場合も、業界を知るという意味では大手企業に目を向けることが大切です。業界を知り、企業を知ることが、就活攻略の近道といえます。物流業界は現在注目されている業界のため、大手企業から業界の現状や将来性まで詳しく知り、理解を深めて就職を目指しましょう。

郵便局員の給料とボーナスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

物流大手10社の売上ランキング

物流大手10社の売上ランキング

  1. 1
    日本郵船
    2兆1,832億円
  2. 2
    日本通運
    1兆9,953億円
  3. 3
    ヤマトHD
    1兆5,388億円
  4. 4
    SGホールディングス
    1兆450億円
  5. 5
    アルプスアルパイン
    8,583億円
  6. 6
    日立物流
    7,003億円
  7. 7
    日本水産
    6,830億円
  8. 8
    セイノ―ホールディングス
    5,961億円
  9. 9
    ニチレイ
    5,680億円
  10. 10
    山九
    5,319億円

大手企業と考えたときに、何を持って大手と定義するかは、指標によって異なります。企業の規模や知名度も大手企業を定義する要素のひとつですが、それだけではなく売上高を見るのも大切です。売上高が高い企業=業界で大きく活躍している企業と言えるため、そこには必ず大手企業の存在が現れます。物流業界について詳しい知識を身につけるためにも、業界トップ10の売上を誇る企業を知り、それぞれどのような特徴を持っているか理解しておきましょう。

①日本郵船

日本郵船は、海運業界の大手企業であり、売上高は物流業界1位の2兆1,832億円です。活躍の幅は広く、国際的な海上運送業を主とした総合物流事業および不定期専用船事業、一般貨物輸送事業、客船事業、不動産業などをおこなっています。

海、陸、空を結ぶ総合物流企業として、世界38ヵ国に447ヵ所の物流拠点をを持っています。業界最大手でありながら、さならる成長が期待できるため、今後も物流業界をけん引し続ける企業といえます。

②日本通運

日本通運は物流業界最大手の企業であり、売上高は1兆9,953億円です。自動車や鉄道の輸送から、船や航空輸送までをおこない、陸海空すべての経路での物流を制覇しています。物流のすべてを網羅し、巨大な事業規模で活躍していることが特徴です。

また、物流だけに限らず、倉庫や通関、情報処理などの関連事業も幅広く、複数の事業領域で活躍していることも高い売上高を実現させている理由です。全国1,000を超える支店と営業所を持ち、日本中どこでも活躍しています。また、活躍の幅は国内だけにとどまりません。海外にも611の拠点を持つなど、国内外で活躍するグローバル企業といえるでしょう。

あなたが物流業界に向いているか、確認してください

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③ヤマトHD

ヤマトHDは、クロネコヤマトの宅急便でも知られる企業であり、売上高は業界3位の1兆5,388億円です。ヤマトHDは企業規模もさることながら、知名度の高さからも業界最大手と言える企業であり、物流業界の成長に大きく貢献しているリーディングカンパニーです。ヤマト=宅急便のイメージが強いですが、宅急便以外にも複数の事業を持っています。

デリバリー事業、BIZ-ロジ事業、e-ビジネス事業、フィナンシャル事業、オートワークス事業、その他事業が挙げられます。物流業界にとどまらず、現在でも事業領域を拡大して活躍を続けている企業です。また、労働環境の改善にも積極的で、物流業界全体で抱える問題の改善にも取り組んでいます。

④SGホールディングス

SGホールディングスは佐川急便でも有名な企業であり、売上高は業界4位の1兆450億円です。ヤマトと並び、宅配事業で広く知られている企業です。佐川急便に挙げられるデリバリー事業はもちろん、ロジスティクス、海外・国際事業、不動産事業、その他事業と幅広い領域でも活躍しています。

デリバリー事業では、宅配輸送のサービスをおこなうだけではなく、物流面の課題の解決を目指し、グループ企業で連携しながら常に改善策を提供し続けています。また、企業向けの事業としてロジスティクスも挙げられ、これも物流業界発展に大きく貢献している分野です。宅配事業の大手ブランドというだけではなく、物流業界を幅広い事業領域からけん引するリーディングカンパニーといえるでしょう。

⑤アルプスアルパイン

総合電子部品メーカーとして、スイッチ、センサー、チューナー、光関連部品などを展開してきたアルプス電気が、アルパインと経営統合されてできた企業が、アルプスアルパインです。子会社のアルプス物流は、運送・管理・輸出入貨物の3つのサービスと、包装・資材販売、成形材料販売の2つの販売事業を中心に展開しています。

主な顧客はエレクトロニクス業界で、世界的な成長が見込まれています。海外拠点の拡大にも注力していて、中国・韓国・台湾・タイ・マレーシア・シンガポール・北米・メキシコ・ドイツを結ぶネットワークを持っています。その中でも特に中国には、主要都市に拠点を整備しています。

アルプス物流では、取り扱いが難しいとされている電子部品の物流が中心です。静電気対策や空調管理、細かい作業が必要となり手間がかかる貨物ですが、独自の高い物流技術で高い評価を得ています。

⑥日立物流

日立物流の売上高は7,003億円で、業界第5位の位置づけを誇っています。システム物流事業(3PL)に始まり、企業の物流システムの管理や構築を主な事業として展開しています。自社での物流はもちろん、他企業に向けた物流合理化の提案に強みがあり、物流コンサルティング業をおこなうなど、大手企業の中でも異色の存在です。

幅広い事業領域を持ち、複数の立場から物流業界を支え、業界内でも重要な位置づけを担う企業です。物流システムの構築では、資源調達から生産、販売、リサイクルまでを対象とし、環境にも配慮している点も大きな特徴でしょう。単に合理化を目指すだけではなく、環境にも配慮し、信頼を勝ち取っている優れた企業です。

⑦日本水産

東京都港区に本社を置く大手水産・食品企業です。ブランド名の「ニッスイ」は広く知られていて、冷凍食品や加工食品などで人気です。1911年の創業から「価値を創造し続けることによって社会にお役立ちすること」を基本理念として掲げ、事業を展開しています。水産事業、加工事業、物流事業、医薬品事業のほかにも船舶の建造・修繕、運航などもおこなっています。

物流事業では、チルドや冷凍温度を保ったまま商品を運ぶ、低温物流が主となっていて、社外からも高い評価を得ています。全国の冷蔵庫倉庫を拠点とする冷蔵庫事業、外食産業など総合的な物流事業を委託する3PL事業、ニッスイグループのグローバルサプライチェーンを支えている海上国際物流事業の3つの分野を展開中です。今後もさらに安全・安心・高品質な低温一貫物流を目指し、それぞれの機能の強化を目指しています。

⑧セイノ―ホールディングス

1948年日本で初めて大垣~名古屋までのトラック長距離運送をおこなった西濃運輸を子会社に持っています。岐阜県に本社があり、貨物自動車運送事業、倉庫業、航空運送代理店業、通関業などを展開しています。

業界初となる700㎞圏内貨物の翌日午前中配達をおこなう「カンガルーSAVE急便」、個人情報等を含む機密書類を回収して溶解処理をおこなう「精密書類回収BOX」、西濃運輸の現場力を活かて物量の最適化を提案する「ロジスティック事業・3PL事業」、東京・名古屋・大阪・神戸を中心とした地域密着型の「お買い物サービス」など、独自のアイデアと技術が特徴的です。

社員は物流に関する知識が必要となりますが、現場での体験をその後に仕事に活かせる事が大切という考えがあります。

⑨ニチレイ

冷凍食品事業で業界トップを誇るニチレイグループですが、食品低温物流事業でも業界でもっとも高いシェアとなっています。また、食品の分野で培った技術を活かし、バイオサイエンス事業にも力を入れています。

冷凍食品のブランドとして業界シェアトップのニチレイフーズ、水産・畜産素材の調達・加工・販売をおこなうニチレイフレッシュ、日本最大の低温物流ネットワークを持つニチレイロジグループ、バイオテクノロジーで心身の健康に貢献するニチレイバイオサイエンスとの4つの事業が中心です。

ニチレイロジグループは創立70年の実績を持ち「選ばれ続ける仕事」というスローガンを掲げています。国内外に約120カ所の拠点があり、世界でも業界5位のシェアがあります。

⑩山九

山九株式会社は、東京都中央区に本社があり、福岡県に本店を持っています。一般港湾運送事業、貨物自動車運送事業のほかにも国際物流事業、倉庫事業、機工事業など幅広い物流サービスを展開しています。

また、梱包や在庫管理などのロジスティクス事業、プラント建設・メンテナス・改修や解体などをおこなうプラントエンジニアリング事業も手掛けていることが特徴的です。重量物運輸の分野においてはパイオニアとなっていて、自社で内航コンテナ船を運航しています。

日本通運、日新と共に「中国物流御三家」とも呼ばれています。独自の技術力で、設計・製作から輸送、建設・据付工事、メンテナンスまでをおこなう「一貫責任施工体制(EPTC)」も、山九の大きな特徴のひとつです。

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物流業界の現状

物流業界の現状

物流業界への就職を目指すなら、業界の現状がどのようになっているか、正しく理解することが大切です。就活攻略には業界研究は必須であり、業界についての知識は企業研究をおこなう際にも役立ちます。また、業界への理解を深めることは、就活だけではなく、就職後にも役立ちます。現状を知ることが課題の発見に繋がり、将来性の考察にも繋がるため、必ず知識を身につけておかなければなりません。業界の現状を知り、物流業界への理解をさらに深めましょう。

ネット通販による個配の急増

物流業界では、ネット通販の急速な普及によって個配の需要が急増しています。宅配事業を持つ企業では、個配の急激な増加に伴って利益を大きく拡大し、業績を伸ばしています。ネット通販拡大の裏には、スマホの普及があり、場所に関わらずどこからでも商品を注文できるようになったことが、大きな理由です。

また、ネット通販の拡大によって、個人間でも取引をおこなうサービス、アプリの提供が始まり、こちらも個配の需要が拡大した要因のひとつです。ネット通販による個配需要は、まだまだ拡大することが見込まれています。需要の拡大に伴い業績を伸ばす企業も増えているため、物流業界は全体で大きく成長傾向にあり、急激に業績を伸ばしている企業も少なくありません。

需要の増加に伴う人材不足

主にネット通販による個配の増加が業界全体の需要拡大に一役買っていますが、急激な需要の拡大に供給が追いつけていないのが現状です。多すぎる個配需要に対して供給側のスピードが追いついておらず、人材不足が大きな問題になっています。急激な需要の拡大によって現存の人材では対処できないこと、人材不足で激務になり人材が流出することの2つが原因です。

そもそも物流業界の需要拡大は急激なものであり、これに対応できずに人材不足に悩む企業は多いです。人材不足で業務が回らず、1人1人の業務量が跳ね上がったことから離職者が増え、さらに人材不足に拍車がかかっています。業績好調の裏には人材不足という問題も隠れており、どのように対処するかが今後の課題でしょう。

海外展開の加速

物流業界では国内での事業拡大はもちろん、海外展開に積極的に乗り出す企業も増えています。現在でこそ宅配需要が急激に拡大し、爆発的な成長を見せていますが、長期的に見ると物流業界は縮小することが予想されています。これは少子高齢化に伴う人口減少が問題であり、業界規模縮小の問題は物流業界に限ったことではありません。

長期的に減少する国内の需要を見越し、海外で新たに事業を展開して、収益の確保を目指そうとする企業も増えています。特にアジア圏の途上国では物流インフラが十分に整っていない国や地域も多く、海外需要は非常に高いです。国内市場の縮小を受けて、各社海外展開を急いでおり、グローバルに活躍する企業も増えています。

変化する物流大手

業界大手は常に安定し、盤石の態勢を誇っていると考えられがちですが、物流業界では様相が異なっています。物流業界は好調なものの課題が多く残る業界であり、問題の解決に向けて大幅に方向転換を図る企業が増えています。物流業界の場合、大手が先頭を切って方向転換をおこない、大きな変化を巻き起こしているため、どのような変化が起きているのかも知っておくことが大切です。大手が変化することにより、業界もどのように変わっていくのか、将来像まで予想して考えましょう。

労働環境の改善

人材不足が問題視されている物流業界では、労働環境の改善が急がれています。爆発的な需要の増加によって、人材不足は深刻な問題と化しており、業界大手企業は環境改善に向けてさまざまな取り組みをおこなっています。需要の拡大に対応するには、まずは人材の流出を防ぐこと、そして新たに人材を確保することが重要なため、労働環境の改善は必須だといえるでしょう。

物流業界では大手が中心となって労働環境が改善されつつあるため、今後問題は少しずつ解消される見込みです。ただし、需要拡大は今後も続くことが見込まれているため、労働環境の改善と需要の拡大がうまくマッチするかがポイントです。現在おこなわれている環境の改善は大きく2つのため、それぞれについても知っておきましょう。

 賃金引上げ

労働環境の改善策として、賃金の引き上げをおこなう企業は増えています。需要の急増により従来の業務量を大幅に上回り、物理的に不可能なほど業務を抱えている企業も多いです。あまりにも増えすぎた業務に対応するには、相応の対価が必要なため、賃金を引上げて従業員のモチベーションを維持させています。

しかし、賃金が上がっても激務であることに変わりはなく、値上げ後の賃金と業務量が本当に見合っているのかが重要なポイントです。賃金が上がったことで労働の条件自体は改善されているものの、業務量が改善されているわけではありません。条件がよくなることで新たな人材の確保も望めますが、大規模な改善は難しいため、今後の展開に注目しましょう。

配達日の制限

物流事業、とりわけ個配のサービスでは、ほぼ年中無休で配達している企業がほとんどでしたが、一部配達日の制限を設ける企業も出ています。日曜のみ配達を休みにするなど、定休日をもうけることで、忙しすぎる業務を調整し、従業員に十分な休息が与えられるよう配慮されています。

配達日に制限を設けることで従業員は余裕を持てますが、個配の需要自体が収まるとは限りません。制限ができることで、かえって業務がたまるという懸念もありますが、一方で需要の落ち着きに一役買うとも予想されています。配達日に制限を設ける動きがあるのは一部の企業ですが、今後は他の企業でも同様の動きが見られると予想され、労働環境はさらなる改善が期待できるでしょう。

業務の高速・効率化

物流業界では急増する需要に対応するために、業務の高速化や効率化も考えられます。労働環境だけではなく、業務そのものの改善も急がれており、AIや最新技術を導入し改善を急いでいる企業も多いです。特にAI技術は注目されており、導入が可能になることで業務が劇的に改善される期待も持たれています。

とりわけロジスティクスの分野では、業務改善が最優先課題と考えられており、個配はもちろん、企業に向けた最新物流システムの開発もおこなわれています。労働環境の改善とともに、業務内容や個人の普段まで改善されることで、物流業界はさらに働きやすい環境になるでしょう。また、業務の高速・効率化にテクノロジーを導入することで、既存の仕事そのものが変化するとも考えられており、今後の動向には目が離せません。

物流業界の動向について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

大手だけではなく物流業界全体の将来性も見極めよう

物流業界を知るには、まずは大手企業の存在を知り、どのような役割を担っているのか、それぞれでどのような違いがあるのかを知ることが大切です。その上で、企業ごとの特徴を統合し、どのような業界なのかを考えましょう。大手企業は業界を代表する存在であるため、きちんと理解を深めることで業界の全体像も理解できます。

業界についての理解を深めた後は、現状からさらに将来性まで考えることが大切です。物流業界は大きな変化にさらされており、大手企業でも変化の動きは強まっています。将来性まで知り、本当に就職すべきかを見極めることが就活攻略の第一歩です。大手企業の存在はもちろん業界自体にも目を向け、理解を深めて就活の攻略を目指しましょう。

物流業界の志望動機の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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