業界研究

【IT業界での就活の進め方】文系からの就職や働くイメージも解説

IT業界に憧れる就活生は多い

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IT業界は例年、人気の高い就職先であり、憧れを持つ就活生も少なくありません。IT業界は先進的、革新的などのイメージも強く、トレンドの第一線で働きたいと考える人は多いでしょう。しかし、人気が高いため当然競争倍率は高く、簡単に就職できるわけではありません。

加えて、IT業界では就職難易度が高い企業も多いため、倍率に関係なく就職するのが難しい場合もあります。難関のIT業界就職を目指すなら、業界の特徴や就職先の選択肢、選考を通過する方法・ポイントなどを知るべきです。きちんと理解を深めることが就活成功の秘訣であり、スムーズに就職先をみつけるポイントといえます。IT業界とはどのような業界なのか理解を深め、上手に対策して就職を目指しましょう。

IT業界の特徴

IT業界への就職を目指すなら、まずは業界の特徴を正しく把握することが大切です。業界研究は就活を成功させるための基本であり、IT業界に限らず念入りにおこなわなければなりません。IT業界は憧れをもつ人が多い反面、実態をあまり知られていないことも多いです。何となくのイメージだけを持って就職を目指す人は多いですが、これでは選考を勝ち抜くことはできません。漠然としたイメージではなく、明確な業界の理解や知識を持つことが、就活成功のための第一歩です。

業績が伸びている

IT業界は業績が右肩上がりで成長し続けているのが特徴であり、他の業界と比べても成長性の高さは非常に優れています。業界発足時から常に成長を続けており、まだまだ成長の見込みがあるため、将来性にも優れた業界といえるでしょう。成長を続ける業界のため、そこで働く人も当然、成長することが求められます。

成長意欲の高い人にはおすすめの業界です。しかし、向上心が低い人は、ついていくだけでやっとになり苦労しやすいため注意しなければなりません。成長を続ける業界で自身も大きく成長しやすく、テンポよくキャリアを積みやすいのも、IT業界ならではの特徴でしょう。働き方次第では、若いうちからハイクラスのキャリアを目指すことも夢ではありません。

人手不足の企業が多い

IT業界は成長力が高い反面、成長のスピードに追いつけず、人手不足になっている企業も多いです。これはより高い成長を求めるあまり激務になり、人材離れが起きてしまうことが原因です。仕事量に対して人材が不足しているため、雇っては辞めを繰り返している企業も少なくありません。

企業によってはブラックな体質になっている場合もあるため、就職先選びは慎重におこないましょう。もちろん、ネガティブな理由で人材不足になっているとは限らず、事業規模拡大で大きく展開したことによるポジティブな人手不足もあります。新プロジェクトを進めるために大幅な人材確保を狙う企業もあり、この場合は就職のチャンスといえます。ただし、理由に関係なく人手不足の場合は激務になりやすいことは理解しておきましょう。

領域が広い

ひとくちにIT業界といっても領域は非常に広く、企業によってやっていることは大きく異なります。例えば大きく分けた場合でも「ハードウェア」と「ソフトウェア」があり、さらに分野は細分化されます。それぞれ簡単にいえばハードウェアは機械本体の分野、ソフトウェアは機械で使用するシステムの分野です。

ソフトウェアの分野だけでみても、パソコンやスマートフォンを動かすシステムや企業内で使用するシステム、一般の消費者が利用するアプリの開発など分野は多岐にわたります。領域が幅広いために就職先の選択肢も広く、どれを選ぶかで仕事や実態が大きく違うことは理解しておきましょう。IT業界に就職する難しさは領域の広さにも原因があり、分野を理解していないと就職先の選定だけでも難航します。

IT業界の動向について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

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IT業界の5つの分類と働くイメージ

IT業界は非常に大きな業界です。近年のIT技術の発展に伴ってさまざまな事業や職種が出現しており、IT業界はさらに複雑化しています。そのため、IT業界への就職を考えていても、実際はどのような業界でどのような仕事をしているのか理解しきれていない人もいるでしょう。

そこで、IT業界を5つに分類分けし、各業界の特徴を解説します。特徴を理解することで、働くイメージをもちましょう。5つの分類は「インターネット業界」と「情報処理サービス業界」、「通信業界」、「ソフトウェア業界」、「ハードウェア業界」です。

インターネット業界

インターネット業界に分類されるのは、インターネットを活用してサービスを提供する企業です。事業内容には、検索エンジンやネットショッピングサイトの運営などが挙げられます。また近年ではスマートフォンの普及により、SNSやソーシャルゲームなどのサービスが急速に発展してきました。これらのサービスを普段から利用している人には、インターネット業界は身近に感じられる業界でしょう。他にもWebサイト制作やインターネット広告など事業内容は多岐にわたります。

スマートフォンの普及で、インターネットは私たちの生活になくてはならない技術になりました。生活に根付いた技術の発展に携われることは、働くうえでも大きなやりがいにつながります。

サービスの開発や運用などパソコンさえあればできる仕事が多いため、在宅やフリーランスの働き方を選択する人も増えています。

情報処理サービス業界

情報処理サービス業界には、情報システムの設計や開発、運用、保守をおこなう企業が分類されます。情報システムの導入をおこなう企業から仕事を依頼されることが多いです。また、金融機関や公共交通機関などの大規模なシステムを請け負うこともあります。そのため、働くとなると入社する企業によって関わる事業の規模に差があります。

クライアント先へ、業務効率化のためのシステムを提案することもあります。この場合、クライアントの問題点の分析や、問題解決のためのシステムの検討をおこなわなければならないため、専門知識が必要とされます。

情報処理サービス業界では、近年IoTへの期待と需要が高まっています。働くためにはこの最新技術へついていけるスキルの高さも求められます。

通信業界

通信業界には、電話やインターネット、光ファイバー、無線などの通信サービスを提供する企業が分類されます。通信業界は通信インフラを担う業界です。日々の生活に根付いているサービスのため、馴染みのある業界でしょう。

高速インターネット回線のように、通信業界もIT業界全体の成長とともに発展をしてきた分野です。今後は5G(第5世代移動通信システム)の普及も注目されており、通信業界もまだまだ成長が見込まれています。特に、5GはIoTやVR、ARといった先端技術の実用化や普及に欠かせない技術です。そのため、選択する職種によっては知識やスキルを常にアップデートさせていこうという向上心が求められます。

ソフトウェア業界

ソフトウェア業界には、WindowsやMacOSなどのオペレーティングシステムや、WordやExcelなどのアプリケーションシステムを扱う企業が分類されます。またスマートフォンのアプリケーションの開発をおこなっているのも、ソフトウェア業界です。スマートフォンは多くの人が利用しています。そのため、この業界をITの仕事としてイメージ付けている人は多いでしょう。

ソフトウェア業界の代表的な職種にプログラマーとシステムエンジニアがあります。職種によって必要な知識も異なるため、目指す職種を考えておく必要があります。

これまでソフトウェア業界に対してさまざまなニーズが生まれ、技術も進化してきましたが、その勢いは未だに収まっていません。この業界で働くには、新しい技術を取りいれながらニーズに応えられるサービスの提供を実現することが求められます。

ハードウェア業界

ハードウェアとは、パソコンやスマートフォン、またそれらの周辺機器を指します。それらの製品の設計や開発、販売をおこなう企業がハードウェア業界に分類されます。また近年ではIoTの普及で、ゲーム機や家電製品などのIT技術を搭載した商品もハードウェアと考えられるようになりました。そのため、IoTの発展に伴うハードウェア業界の拡大が予想されます。

ハードウェア製品には不具合が許されません。もちろんソフトウェア製品にもあってはならないことですが、ハードウェア製品では不具合の改善が難しく、IoTの製品が不具合を起こせば何かの事故につながってしまうことも考えられます。ハードウェア業界で働くには高度なスキルはもちろん、不具合のない製品を作るための正確性も求められます。

IT業界を目指す場合の就活の進め方

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IT業界は他の業界とは違った特徴が数多くあるため、就活の進め方も工夫しなければなりません。他の業界と同じ方法でおこなっていたのでは失敗する可能性が高く、場合によっては選考にチャレンジすることすら叶わないこともあります。就活のやり方そのものを見直し、IT業界に特化した方法を身につけましょう。就活の進め方を知り、ポイントを踏まえて取り組むことが、IT業界に就職する近道といえます。

早めに行動を開始する

IT業界を目指すなら、早めに行動を開始することが大切です。これは準備の大切さと選考期間の早さに関係にしています。就活生の多くは、IT業界のイメージをもっていても、実態まで詳しく理解できていません。そのため、業界・企業研究に時間がかかりやすいです。領域を知ることから志望先の選定までに、他の業界よりも時間がかかります。早めに準備しておかないと間に合わないでしょう。

また、選考の期間そのものも他の業界とは違いがあり、IT業界は就活解禁前から選考をおこなう企業が多いです。通常は、4年生の3月に情報解禁し、そこから順次選考、6月から面接開始となります。しかし、IT業界の場合は通年採用も多く、3年生の秋頃には採用が決定していることもあるため、早めに行動しないと選考のチャンスすら逃してしまいます。

インターンに参加する

IT業界は他の業界よりも選考時期が早いため、インターンへの参加も非常に重要です。インターンに参加することで、より素早く効率的に情報を集めることが出来、業界や企業への理解を深められます。さらに長期インターンなら実務を任せてもらえることも多く、実際の仕事を経験しながら理解が深められるため、業界、企業との相性も確認しやすいでしょう。

また、IT業界では、採用時の評価でインターン参加の有無を重要視しインターン中に採用を決定することも多いです。単に職業体験の場とせず、試用期間とほぼ同義に考えておこなう企業もあるため、積極的に参加し、かつ仕事でも成果を残さなければなりません。インターン時に活躍が認められることで、よりスムーズに就職しやすくなります。

IT業界のインターンについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

スキル・資格は必須ではない

IT業界に就職するなら、パソコン関係のスキルや資格が必要とイメージする人は多いでしょうが、実はこれらは必須ではありません。特にITパスポートやMOSなどが挙げられがちですが、これらの資格を重要視する企業は少ないです。

特定分野のスキルのみ使用するケースも少なくありません。資格を持っていても活用するシーンがないことも多く、人手不足のためスキルなしでも採用し、教育しようと考える企業は増えています。資格やスキルを持っていてマイナスに働くことはありませんが、必須ではないため誰でも挑戦が可能です。

文系でもIT業界への就職は可能?

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IT業界は多くの就活生が憧れを持ちますが、理系のイメージが強く、文系だと就職できないのではないかと疑問に思う人もいるでしょう。「IT業界=パソコンを使った専門的な仕事」のイメージが強く、実際に理系の人の就職率は高いです。理系で活躍している人も数多くいます。文系の人が目指せないとなると、就活を進めること自体ができず、選択肢から除外しなければなりません。IT業界就職の実態を知り、文系と理系の働き方にはどのような違いがあるのか知りましょう。

営業・事務職も多い

結論からいえば文系でもIT業界への就職は可能です。IT業界では、必ずしもITならではの職種に就職するわけではありません。IT業界でも他の業界と同じように営業職や事務職は存在し、文系理系に関係なく就職は可能です。また、その他の職種も幅広く、企業によっては企画やマーケティングなど、文系でも就職の選択肢は広く用意されています。

もちろん、存在する職種や部署は企業によって違い、最初からそれらに配属されるとは限りません。就職時の職種や配属先は募集要項で決められており、別の仕事ができるのはある程度キャリアを積んでからになることもあると考えましょう。最初からやりたい仕事ができるとは限りませんが、文系でも選択肢は多く、IT業界に就職し活躍することは可能です。

理系専門職があるのも事実

IT業界は文系でも就職し、活躍することはできますが、一方で理系の専門職が存在することも忘れてはいけません。理系しか就職できない職種も多く存在し、開発やシステム設計は理系の土俵であると考えましょう。もちろん、簡単なプログラミング程度なら、文系の未経験でも挑戦できる場合がありますが、これも企業によって異なります。

理系専門職に該当する職種の場合、簡単な仕事でも採用区分が文系と理系で明確に分けられている場合があり、理系でしか募集していない企業では、文系の人は就職できません。理系の場合は、専門職に加えて文系が就職可能な職種でも働けるため、就職の選択肢は広いでしょう。ただし、理系だからといって優遇されるわけではなく、能力や仕事ぶりが認められないと評価はされません。

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IT業界の就活を有利に進めるには

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IT業界は業界の特徴だけではなく、就活の進め方も他の業界とは違っています。そのため、少しでも有利に就活を進めるには、さらに工夫した方法で取り組むことが大切です。業界の特徴を踏まえて就活の方法を変えることで、よりスムーズに就職を目指すことができ、納得した仕事をみつけられるでしょう。難関のIT業界だからこそ、就活の進め方もこだわり、丁寧な対策をおこなうことが大切です。事前対策の徹底が就活の成功に繋がることは、頭にいれておきましょう。

IT特化のサイトを使う

IT業界の就活を有利に進めるには、IT業界に特化したの就活サイトを使用するのがおすすめです。就活をスムーズに進めるには、マイナビやリクナビといった就活ナビサイトを使用する人が多いでしょうが、これは総合的なナビサイトです。情報量は広く浅くなりやすいため、IT業界だけに焦点を絞って就活をするなら、業界特化の狭く深い情報が得られるサイトを利用しましょう。

IT業界特化の就活サイトでは、企業や求人の情報が得られるナビサイトと就職のサポートが受けられるエージェントサイトがあります。エージェントは新卒でも利用できることが多く、無料のサイトも数多く存在します。難関な企業が多いからこそ、プロのサポートを得て就職を目指すのもおすすめです。

目指す領域を絞り込む

IT業界を目指すという目標だけでは、あまりにも漠然とし過ぎていて規模が大きいため、志望先を限定して絞り込まなければなりません。志望先の絞り込みの際に考えたいのが領域を限定することです。まずはどの領域、分野を目指すか考えましょう。領域を決めるだけでも就職先の選択肢はかなり狭めることができ、よりスムーズに企業選択ができます。

どの領域がいいか悩む場合は、IT業界の中でも何に興味を惹かれるかを考えましょう。業界に興味を持った理由を領域ごとの特徴に当てはめて考えることで、どれに該当するのかを見極めることができます。目指す領域は必ずしもひとつに絞る必要はないため、多くても3つくらいに絞って、ある程度選択肢を限定することが大切です。

入社後のビジョンを明確にする

就活は就職を決めて終わりではないため、就職後の働き方についても考えなければなりません。特にIT業界は成長の著しい業界であり、企業単位でみても業績を伸ばしているところは多いです。業界や企業の成長の伴い、個人の成長を求められるのもIT業界の特徴のため、向上心の高さを示すためにも入社後のビジョンは明確にしておきましょう。

入社後にやりたいことが決まっていると、どのように目標を達成し、成長できるかを伝えやすく、ポテンシャルの高さをアピールできます。加えて、成長意欲の高さも伝えることができ、IT業界に適した人材であるとアピールしやすいです。今後のIT業界の変化を予測し、それに合わせて自分がどのように成長したいか、具体的なプランを提示しましょう。

IT業界の就活には将来像を思い描いて取り組もう

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IT業界は将来性が高く、今後もさらに成長が期待されている業界です。そのため、就職するなら個人の成長意欲を伝える必要があり、入社後の将来像もしっかり思い描いておかなければなりません。入社直後にやりたいことに始まり、5年後や10年後のビジョンまで持っていると、選考でのアピールもしやすく、より高評価を得られるでしょう。

IT業界は成長性が高いだけに求められるものも多く、就職難易度が高い企業も多いです。難関の選考を通過するには、業界への基本的な理解を深め、かつ徹底した選考の対策をしてから臨むことが大切です。就職後に活躍する自分の姿を明確にイメージし、具体的な目標を設定して、将来性の高いIT業界への就職を目指しましょう。

IT業界の志望動機について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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