目次
毎年人気の高いIT業界
世の中には様々な業界がある中で、IT業界は毎年志望する人も多く、人気の業界の一つです。どこか安定しているイメージや、将来性があるような印象があることから、憧れの業界とされています。
しかしながら、漠然と「安定しているから」「将来性があるから」というイメージで選考に進んでしまうと、入社前の理想と入社後の現実とのギャップに苦しんだり、選考で落とされてしまう可能性もあります。
本記事ではIT業界の基礎知識から内定を得るためのポイントまで解説しております。IT業界の業務内容や動向、福利厚生などを知ることで、業界研究や企業研究を進めることができ、自分に合っているかどうか判断することができます。
IT業界の基礎知識から内定を得るためのポイントまで理解し、就職活動を優位に進めましょう。
IT業界とは
IT業界はIT(インフォメーション・テクノロジー)、つまり情報技術に関わる仕事をしています。ITは日本語で情報技術と訳されており、情報を取得、加工、保存、伝送するための科学技術になります。主にネットワークを利用した仕事ではありますが、その種類はさまざまです。
例えば、ハードウェアやソフトウェア、システムインテグレーションなどが挙げられます。企業によって強みとしている分野も違い、同じIT業界であっても仕事の内容が大きく違う場合が多いです。
ハードウェアとは、パソコンやキーボード、マウスなどの物理的なパーツの総称です。一方ソフトウェアは、パソコンを動かすデータやプログラムのことで、目に見えないものになります
IT業界はパソコンの普及とともに、成長を続けている業界です。ネット環境を使用しての仕事が当たり前になった現在ではIT業界に留まらず、さまざまな業界と連携して仕事をおこなっています。国内での売上は競争の激化などで伸び率に悩む傾向にありますが、海外や発展途上国などに目を向けることで新たな販路を開拓しつつあります。
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IT業界の5つ業種
IT業界の5つの業種と業務内容について解説します。IT業界では「インターネットWEB事業」「通信事業」「ソフトウェア事業」「ハードウェア事業」「情報処理サービス事業」と、5つの職種と仕事内容に分かれています。
5つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
インターネットWEB事業
インターネットWEB事業では「WEBサイト作成、運用」「インターネット広告」「SNS」「ポータルサイト、検索エンジン」「EC」の5つの分野に分けられます。
インターネットWEB事業では、インターネットにかかわる幅広い業務を担います。例えばネットで検索した際に表示されるホームページの作成や管理、保守などがWEBサービスの仕事としてわかりやすいでしょう。
他にもインターネット広告を扱う仕事や、SNSの運営などをおこなう仕事、検索エンジンやECサイトの運営などもあげられます。WEBサービスの仕事は多岐にわたり、就職先によってどの分野に特化するかが異なる点は理解しておきましょう。
またインターネットWEB事業は管理保守や運営だけではなく、サイトデザインなどの仕事もあります。そのため、営業職やプログラマー以外に、デザイナーとしての仕事もあり、働いている人の職種もさまざまでしょう。
WEBサイト作成、運用
WEBサイトの仕事内容
・コンテンツ企画提案・実施
・進行管理・調整
・サイト制作、更新(コーディング)
・記事作成・校正
・デザイン作成・編集(Photoshop、Illustrator)
・Flash制作
・UI改善施策提案、実施
・SEO施策提案、実施
・リテンション施策提案、実施
・外注選定、手配
・テスト実施(受入、ABテスト等)
・見積書、請求書作成
・社内外資料作成(提案書、会議資料等)
・イベント企画提案・実施
・クオリティチェック
現在はWEBサイトを持っていない企業はほとんどないと言われています。WEBサイトでは、企業のホームページや採用サイトの作成、メディアサイトの運営、会員登録に進むためのLPサイトの作成などが仕事内容になります。LPとは商品の注文画面やイベントの予約など、サイトの閲覧者がアクションを起こすページになります。
基本的に顧客は企業となり、企業イメージと予算をすり合わせながら作成されます。
WEBサイト作成においては、原稿の執筆はライター、デザインはWEBデザイナー、開発はITエンジニアと専門分野に特化して作業が進められます。またそれらのスタッフをまとめるコンテンツディレクターが、顧客と折衝を重ね、求められるサイトのローンチへ向かいます。
WEBサイトの有名企業
・IMJ
・ネットイヤーグループ
・メンバーズ
・電通デジタル
・博報堂プロダクツ
・キノトロープ
・マザー
・LIG
インターネット広告
インターネット広告の仕事内容
・メディアプランの立案、マーケティング
・評価や設計
・リスティング広告の運用
インターネット広告とは、インターネット上に展開される広告で、デジタル広告やオンライン広告とも呼ばれています。PC上だけではなく、スマートフォンやタブレットに表示される広告も含まれています。インターネット上に、広告を出したい企業に向けて、営業を行います。
インターネット広告では「媒体主」と「代理店」の2つのプレイヤーが存在します。媒体主はWEBメディアやサービスを展開している企業で、多くの場合自社メディア内にある広告枠を広告主に販売するビジネスモデルになります。
一方、代理店では、自社メディアを持たず媒体主から広告枠を購入し、広告を出したい企業に販売する業種になります。このようにインターネット広告では、2つのプレイヤーが存在し、それぞれ役割が異なっております。
インターネット広告業界は、従来型広告業と異なる新しい業界として確立しました。これまでは客層を特定せず、一つのコミュニケーション手法で戦う「マスマーケティング」が主流でした。例えばテレビやラジオ、新聞や雑誌が挙げられます。
しかし人工知能AIの技術を用いたアドテクノロジーの発展により、購買意欲の高い消費者を選ぶことが可能になりました。
そのためインターネット広告の業務の中心はブランディングやデザインではなく「効果改善」が主となりました。またインターネット広告では、メディアプランの立案からマーケティング、A/Bテストを用いた評価や設計など、あらゆる業務をPDCAサイクルを回しながら最適なプロモーションを作る仕事になります。A/Bテストとは、2つのパターンを作成し、どちらがよりユーザーに対して効果を発揮するか評価するテストです。
インターネット広告のプレイヤー
・媒体主
・代理店
インターネット広告の有名企業
・電通デジタル
・博報堂DYデジタル
・サイバーエージェント
・トランス・コスモス
・セプテーニ
SNS
SNSプラットフォーマーの仕事内容
・プロダクト開発、運用
・広告サポート
・カスタマーサポート
SNS運用コンサルの仕事内容
・製品やサービスの宣伝
・イベントの告知
・広告記事のシェア
現在日本で多くのユーザーに、SNSが利用されています。SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略であり、個人や企業がアカウントを保有することで、インターネット上で情報を発信したり、入手した情報のシェアやコメントを通じてやりとりを行えるツールです。またSNSでは、SNSを運営するプラットフォーマーと、SNSを使い運用する企業の2種類に分けることができます。
SNSプラットフォーマーでは、SNSでのサービスを開始し、カスタマーサポートから、プロダクトの開発、広告のサポートまで行う企業です。例えば、TwitterやFacebook、LINEなどの企業があげれらます。
またSNSでの運用を代行する企業があり、SNSコンサルとも呼ばれています。SNSで自社商品やサービスの宣伝を行い、イベント告知や広告記事などの情報をシェアすることで、SNSからのアクセスを試みています。そうすることで消費者や利用者のリアルな声をきくことができ、よりユーザーに近いマーケティングができるようになります。
近年ではインフルエンサーと呼ばれる、世間に与える影響力が高い人物を利用した「インフルエンサーマーケティング」という手法もあります。例えば、「ゆうこす」が紹介するコスメブランドやファッションなどが有名です。
またSNSコンサルを行う企業は、インターネット広告代理店が行っている場合も多く、媒体を越えて、インターネット広告でのノウハウがSNSで活用されています。
このような理由からSNS運用の専門の企業のほか、SNS運用担当者がIT企業の職種として存在するなど、形態は様々です。SNSは集客や売上アップの手段として大いに活用されており、比較的新しい職業化した仕事になります。
SNSプラットフォーマーの有名企業
・Twitter
・Facebook
・LINE
ポータルサイト、検索エンジン
ポータルサイト、検索エンジンの仕事内容
・社内ポータルのUXデザインや設計
・ビジュアルデザインの改善
・社外向けサイトも含めたWebデザインの設計
ポータルサイトとは、インターネット上での集客を目的として作られるサイトのことを指します。より集客できるポータルサイトを作成することで、企業のコーポレートサイトからでは接触できないユーザーを集客できる機会をもうけることができます。
ポータルサイトは、サイト内に広告を掲載できる枠を設け、そこに企業が宣伝したい広告を掲載することで収益を得ます。掲載に発生する金額は、広告の設置場所や大きさによって異なり、この広告収益によってポータルサイトは収益を得ています。
例えばGoogleやYahoo!、BIGLOBEなどが挙げられます。
ポータルサイトには、それぞれのニーズに特化したサイトが存在します。総合型ポータルサイトでは、交通情報や天気予報、各カテゴリごとのニュースなど、様々なコンテンツと多数のサービスを提供されています。GoogleやYahoo!などが該当します。またブログの記事をまとめて提供するポータルサイトや、健康系、車系、不動産系などはよく見かける専門型のポータルサイトも存在します。
ポータルサイトの種類
・総合型
・地域型
・専門型
・企業型
・目的型
・ブログ型
ポータルサイト、検索エンジンの有名企業
・Google
・Yahoo!
EC
ECのフロント業務
・商品企画
・ECサイト制作
・仕入れ
・プロモーション
ECのバックエンド業務
・受注
・在庫管理
・出荷
・配送
・アフターサービス
ECとはエレクトロニックコマースの略で、日本語では電子商取引と言います。商品やサービスを、インターネット上のウェブサイトで販売する行為のことで、それらを運営している会社がECサイトになります。
有名なECサイトとしては、Amazon、楽天、ZOZOなどが挙げられます。
ECでは、大きく分けて2つの仕事内容があると言われています。フロント業務とバックエンド業務です。フロント業務では、マーケーティング活動がメインとなり、「どんな商品やサービスの取引を行うECサイトなのか」のコンセプトから制作やプロモーションを行います。
知名度やブランド力が無いECサイトは、ほとんど訪問されません。そのためWEBマーケーティングの知見からプロモーション活動を行い集客を行います。
バックエンド業務は、製品の受注から在庫管理、出荷、問い合わせ対応等が仕事内容となります。ECサイトでの売上が伸び、1日100件以上の注文件数になると負担の大きい仕事と言われております。
ECの有名企業
・Amazon
・楽天
・ZOZO
通信事業
通信事業の仕事内容
・有線、無線の電気通信設備の設置や電話回線の工事
・通信や社内インフラの設計、構築、運用
・システムの設計や開発、運用、保守
通信事業では、ネットや電話などの通信インフラを提供しています。ネットに接続するには、Wi-Fiや光ファイバーといった環境が必要であり、これらの提供や整備をおこなう仕事が、通信サービスの分野になります
また、携帯電話やスマホなども通信サービスの企業によって提供されています。近年では4G回線のさらに上位である、5G回線を使ったサービスもリリースされており、より快適に通信サービスを利用するための、技術開発もおこなわれています。
また、家電などとのインターネット接続をおこなうIoT技術も、通信サービスの分野が担っていると考えましょう。ネット接続についての仕事が主であり、通信インフラを改良し、保守することで、IT業界全体を支えています。
通信の有名企業
・NTTデータ
・Zホールディングス
・フジ・メディア・ホールディングス
携帯キャリアの有名企業
・日本電信電話
・ソフトバンク
・KDDI
通信業界研究ガイドについて、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
ソフトウェア事業
ソフトウェア事業では「受託ソフトウェア開発」「パッケージソフトウェア」の2つの分野に分けられます。
ソフトウェア事業では、コンピュータを動かすためのシステムやアプリなどの開発をしています。オペレーションティングシステム(OS)やアプリの開発と考えるとわかりやすいでしょう。OSならWindowsやMacOSがあげられ、これらはパソコンで主に使用されています。
スマホで利用するものなら、iPhoneなどのiOSやアンドロイド端末のAndroid OSがあげられます。また、アプリの開発や提供も仕事であり、スマホからパソコンまでさまざまな機種で使える便利なソフトを扱うことが、ソフトウェア分野の仕事と考えましょう。
ソフトウェアとは、ネット機器で使えるソフトの総称と考えても問題ありません。機械本体ではなく、機器でさまざまな機能を使ったり、処理を可能にしたりするものを開発することがソフトウェア分野の仕事です。
ソフトウェア業界については、こちらの記事で詳しく解説しています。
受託ソフトウェア開発
受託ソフトウェア開発の仕事内容
・SE、プログラマー打ち合わせ
・費用の見積り
・設計、実装
受託開発とは、仕事を受けてからシステムやソフトウェアを開発することを指します。またシステムとは、ITの分野においては、コンピュータや、ソフトウェア、通信など様々な要素を組み合わせ、全体として何らかの機能を発揮するまとまりを指し、それらの仕組みのことです。
多くの企業では、仕事をするうえで膨大なデータや複雑な事務処理を扱っています。この作業が遅れてしまったり、ミスがあったりしてしまうと、企業が製造している製品やサービスが供給されなくなってしまいます。そうなると企業の信用が損なわれてしまい、株価が下がり、最悪の場合は経営破綻に繋がってしまいます。
そのため、こういった作業の遅延やミスを防ぎ、安定かつ効率的に仕事を行うために、システムは必要であり、現在では多くの企業で取り入れられているサービスになります。
実際に営業などでは、企業や組織が「このようなシステムを作ってくれませんか?」と依頼をし、それにあわせたシステムを作り上げてもらうことになります。
システム開発の明確な目標・目的があり、それを満たすことによって報酬を支払う契約形態になります。
いくらシステム開発に時間をかけてもらったとしても目標・目的を満たせなければ報酬を支払う義務はありません。また、瑕疵担保責任があるので、納品物に不備があった場合には修正してもらえます。
修正できない場合には、損害賠償を請求することも可能です。ただし、瑕疵担保責任を負う期間(一般的に半年~1年程度)がありますので、前もってシステム開発会社に確認しておくことが重要です。
受託ソフトウェア開発の有名企業
・株式会社共和電子製作所
・株式会社機能性食品開発研究所
・株式会社BeeBeans Technologies
パッケージソフトウェア
パッケージソフトウェアの仕事内容
・ソフトの設計、開発、運用、保守
パッケージソフトとは、市販ソフトウェアを指します。例えば、Microsoft Office製品やウィルスバスターなどのセキュリティソフト、弥生会計などの会計ソフトがあげられます。またイラストや写真を編集するようなソフト、CADや論文を管理するような専門性の高いパッケージソフトもあります。
パッケージソフトを開発している企業では、顧客管理や文書・表の作成、建設業の進捗管理や自動車製造業における設計、金融業の与信管理といったように、多数の企業において汎用的に利用できる見込みのあるソフトを開発されています。
また企業だけでなく、年賀はがきの作成ソフトや写真・動画編集ソフトなど個人向けのソフトも該当します。これの対義語にあたるのが、スクラッチ開発品でいわゆる「受注生産品(IT業界ではこれを受託開発と言います)」となります。
自社製品(ソフトウェア)を開発して一般市場に向けて開発していくのが主な業務内容となります。
パッケージソフトウェアの有名企業
・ユニオンシンク
・ジュピターアドバンスシステムズ
・イシダテクノ
ハードウェア事業
ハードウェア事業の仕事内容
・C言語を用いた開発、設計
・機械の外装設計
ハードウェア事業では、ネット機器そのものの研究開発をおこなっています。いわばパソコンやスマホなどを作ることがハードウェア業界の仕事であり、機器本体の開発と考えるとわかりやすいでしょう。先ほどのソフトウェアが無形であるのに対し、ハードウェアは目に見える形が商品となる有形となります。
また、ハードウェアで使用されているソフトやアプリなどが、ソフトウェアであるという関係性も、覚えておくことが大切です。ハードウェアの仕事は開発や設計が多く、工学的な仕事といえるでしょう。
つまり、ネットについての知識というよりは、機器そのものへの理解度が求められ、機械工学の分野を先行していた人が求められることが多いです。IT業界内における、メーカーの仕事と考えてもわかりやすく、機器の研究開発や設計から、販売まで自社で一貫しておこなう企業も少なくありません。
ハードウェア事業の有名企業
・日立製作所
・ソニー
・パナソニック
・三菱電機
・富士通
情報処理サービス事業
情報処理サービス事業では「Sler」「SES」の2つの分野に分けられます。
情報処理サービス事業は、ネットシステムの構築や運用サービスを提供しています。システムインテグレーター(SIer)の仕事が有名であり、システムの活用方法を提案することも仕事のひとつです。そのため、ソフトウェアやハードウェアとも関わりが強く、業界内だけで完結するわけではなく、他の業界とのかかわりも多い仕事になります。
顧客に対して自社のシステムを売り込むことはもちろん、それを活かしてどのように業務効率化を図るかを提案することも、情報処理分野のサービスです。つまり、システムの研究開発や利用だけではなく、コンサルティングとしての役割を果たすとも考えられます。
システムの保守や管理も重要な仕事であり、システムを運用するにあたっての大部分を、情報処理の分野では担っています。
SIer
SIerの仕事内容
・要件定義
・設計
・開発
・テスト
・運用、保守
SIerとはシステム・インテグレーション(SI)を行う業者を指します。システムインテグレーションとは、企業の情報システムの構築を請け負うことを指します。
SIをする人(~er)をつけて出来た造語になります。SIerは、システム開発の提案から設計、構築や運用、保守までの一貫したプロジェクト管理が仕事内容になります。多くの場合は、ハードウェア会社、ソフトウェア会社、通信会社、などと協力して開発を行います。
何の業務がどこまで進んでいるか、いつまでに納品されるか、というような進捗を追います。実務をするのではなく、全体的な業務の一連のバランスを見る力が要求されます。幅広い視点と業務管理能力が求められるポジションです。プロジェクト管理に興味がある人や、企画をするのが好きな人に向いています。
SIerの有名企業
・富士通
・NTTデータ
・日立製作所
・NEC
・大塚商会
Sier業界については、こちらの記事で詳しく解説しています。
SES
SESの仕事内容
・技術力の提供
SESとはシステムエンジニアリングサービスの略称です。仕事内容としては、ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用など幅広く行います。SESでは、特定の業務に対して技術者の労働を提供する委託契約になり、基本的には契約社員として働きます。
またSESの働き方として、客先で常駐し働く場合が多いです。SESを運営する会社では、客先のオフィスにエンジニアを派遣して、技術的なサービスを提供します。
SIerは、ソフトウエアやシステムの要件定義から、保守までの業務全般を担い、「ソフトウエアやシステムをどのように開発、導入し、安定的に運用させていくか」といった枠組みを決める仕事になります。それに対しSESの場合は、エンジニアのスキルや労働力を顧客に提供します。
そのためSIerにはクライアントのニーズを汲み取る力やチームマネジメントをする力が求められる傾向があります。一方SESでは、エンジニアには技術力が求められる傾向が高くなります。
SESの有名企業
・富士ソフト
・システナ
・コムチュア
IT業界の職種
IT業界の職種と業務内容について解説します。先述の通り、IT業界では「インターネットWEB事業」「通信事業」「ソフトウェア事業」「ハードウェア事業」「情報処理事業」と、5つの事業に分かれています。
それぞれに専門の職種があり、また共通する職種もあります。それぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
インターネットWEB事業
インターネットWEB事業の職種と業務内容について解説します。インターネットWEB事業では「WEBデザイナー」「WEBエンジニア」「WEBディレクター」と、3つの職種と仕事内容に分かれています。
3つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
WEBデザイナー
WEBデザイナーの仕事内容
・構成、レイアウトの決定
・デザインの作成
・コーディング
WEBデザイナーは、PhotoshopやIllustrator、XDやSketchなどの制作支援ソフトを使ってデザインの作成をします。写真の配置や文字の配置という基本デザインから、タイポグラフィという文字表現方法の知識も必要になります。
制作会社で働く場合は、顧客と「どういったものを作りたいのか」方向性を決めるヒアリングから始まります。その後、ヒアリングの時に決めた課題について調査・分析をして、初めてデザインに取り掛かります。一方事業会社で働く場合は、WEBディレクターやWEBエンジニアと協力して開発が進められます。
WEBデザイナーの場合、HTML/CSS、Javascriptなどのプログラミング言語を使ってのマークアップする業務が多いです。またサーバーサイド向けのWEBプログラミングを担当する企業もあります。したがって、デザインの制作支援ソフトだけではなく、マークアップ技術やプログラミング技術も必要になる場合があります。企業によってWEBデザイナーに任される仕事範囲は様々となります。
WEBエンジニア
WEBエンジニアの仕事内容
・システムの設計、開発
・アプリケーションの設計、開発
・保守、運用
WEBエンジニアは、オンラインサービスやソフトの開発、スマホゲームやアプリの開発をする職種です。スマホゲームやアプリの開発は、メディアで取り上げられたり、大きな売上に貢献することができたりと、やりがいが非常にある職種です。
WEBエンジニアの仕事内容は、主にプログラミングコードを書く仕事になります。プログラミング言語は数多くあり、担当する仕事によって必要になる言語も変わってきます。
そのため、自分が担当する分野の言語を正しく理解することが必要になります。また多くの言語を扱えるようになれば仕事の幅が広がり、新しい開発に携わることができるようになります。さらにバージョンアップなどで言語の仕様が変わることもあるため、常に知識を更新していかなければなりません。
またプログラムを書く際は、物事を順序立てて、整理する思考が求められています。そのため、WEBエンジニアは論理的思考力も必要な職種になります。
WEBディレクター
WEBディレクターの仕事内容
・プロジェクトの管理、監督、指揮
・コンテンツ品質の管理
・プロジェクトメンバーの選定
WEBディレクターは、WEBサイト制作を監督・指揮する職種です。WEBサイト制作には、WEBエンジニアやWEBデザイナーなど、さまざまな役割のスタッフが関わっています。それらの人々をまとめ、WEBサイト制作の進行管理と品質管理を行います。
WEBディレクターは、WEBサイト制作を監督する立場であるため、WEBサイトの構築・運用・管理に関する幅広い知識が求められます。仕事内容も、写真やビジュアルの制作や、サイト制作に必要なチームの編成、スケジュール管理、予算管理など多岐にわたります。
また、WEBサイト制作に関わるスタッフをまとめ、クライアントとのやり取りを行う必要があるため、コミュニケーション能力も求められます。
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就活は自分に向いている仕事を見つけることが成功への鍵です。
向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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通信事業
通信事業の職種と業務内容について解説します。通信事業では「ネットワークエンジニア」「カスタマーサービス」と、2つの職種と仕事があります。
2つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアの仕事内容
・ネットワークの設計、構築、運用、保守
ネットワークエンジニアはその名の通りネットワークシステムの構築や管理をおこなうエンジニアです。対象がネットワークに限られるため、より専門性の高い職種になっています。主にサーバーを扱う企業に対して、取引が行われます。
例えばネットワーク構築では、設計書をもとにした回線の設置などの構築を行うため、製品や技術の理解、ケーブリングや機器に関する知識が必要となります。またネットワークの運用では、万が一ネットワークに障害が起きた時に備え、客先に常駐し監視や点検をする場合があります。
ネット環境を使ったシステムやサービスを開発する際にはこのネットワークエンジニアが必要です。そのため、さまざまなチームに参加して、他のエンジニアと協力して作業することが多い職種になります。ネットワークシステムのトラブルがあったときには利用者への対応など業務内容は多岐にわたります。
ネットワークエンジニアは、専門性が高く人材不足の職種とも言われています。ネット環境は現代では欠かせない職種となっています。
ネットワークエンジニアの志望動機については、こちらの記事で詳しく解説しています。
カスタマーサービス
カスタマーサービスの仕事内容
・通信媒体購入時のサポート
・顧客課題の解決支援、サポート
・問い合わせ対応
カスタマーサービスとは、顧客の問題や疑問を受け付け解決支援やサポートを職種になります。例えば、携帯やスマートフォンの購入時や購入後に、顧客が必要としている情報を提供し、顧客満足度を向上させる仕事になります。
他にも固定電話やスマホのキャリア、インターネット回線や関連機器などがあります。パソコン、プロバイダ、スマホ、ルーターと聞けば、イメージしやすいかもしれませんね。中にはゲーム機やテレビなど、ネットに接続できる機器を扱っているコールセンターもあります。
通信系のコールセンターでは、これらの商品に関するお問い合わせに対応します。具体的には、商品の使い方やサービスの内容に関するもの、契約や解除に対する問い合わせなどですが、時には「スマホを無くしたから回線を止めたい」「インターネットが繋がらない!」といったお問い合わせもあるようです。
ソフトウェア事業
ソフトウェア事業の職種と業務内容について解説します。ソフトウェア事業では「プログラマー」「システムエンジニア」「アプリケーションエンジニア」と、3つの職種と仕事があります。
3つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
システムエンジニア
システムエンジニアの仕事内容
・要件定義
・基本設計
・詳細設計
・テスト
システムエンジニアはシステムの設計や開発における監督のような役割です。顧客との打ち合わせによって顧客のニーズを把握し、それを解決するために、仕様書と呼ばれる設計書の作成、またときには開発まで行います。
顧客先でのシステム設計や開発、テストを行うこともあります。また、企業によっては金融機関などの大規模で重要なシステムの保守管理などもシステムエンジニアの仕事です。
システムエンジニアは、顧客へのヒアリングをもとに、システムを設計し、それらをプログラマーへ伝達しなければなりません。そのため、システム開発に関する知識や、コミュニケーション能力も求められます。
またシステムエンジニアになるための必須資格はありません。しかし、「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」は、システム開発に関する基本的な知識を習得していることを証明する資格ですので、取得しておくとよいでしょう。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアの仕事内容
・システム設計
・プログラム開発、動作テスト
・アプリケーションの運用、保守
アプリケーションエンジニアとは、その名の通り、アプリケーションを作るエンジニアのことを指します。アプリケーションを通じて、企業の業務をシステム化や効率化が可能になります。
アプリケーションはある特定の目的を達するための作業を行うために作られるサービスです。例えば文書を作成するためのワープロや、表を作成するためのエクセル、ホームページを閲覧するためのブラウザーなどが挙げられます。
一方システムとは、OSのことを指すことが多く、コンピューターの全体を統治するプログラムのことを指します。アプリケーションとシステムではこのような違いがあるため、理解しておきましょう。
プログラマー
プログラマーの仕事内容
・設計書に基づいたプログラミング
プログラマーは、システムエンジニアの設計したシステムをプログラミングする職種です。さまざまなシステムやソフトウェアの作成に直接的に携わることができます。
プログラミング作業は、「プログラミング言語」を用いて行います。プログラミング言語は数多くあり、担当する仕事によって必要になる言語も変わってきます。そのため、自分が担当するジャンルでスタンダードな言語をマスターすることは必須です。
ひとつの言語を身につけたら、ほかの言語をマスターしていきましょう。多くの言語を扱えるようになれば仕事の幅が広がり、新しい開発に携わることができるようになります。また、バージョンアップなどで仕様が変わることもあるため、常に知識を更新していかなければなりません。
プログラミングは、物事を順序立てて考えられなければ、作業が進みません。そのため、プログラミングを行うためには、論理的思考力も必要です。
ソフトウェア事業でのプログラミング言語
・C言語
・C++
・Java
・C#
ハードウェア事業
ハードウェア事業の職種と業務内容について解説します。ハードウェア事業では「組み込みシステムエンジニア」「ハードウェアエンジニア」と、2つの職種と仕事があります。
2つそれぞれが重要な役割を担っておりますので、しっかりと理解し業界研究を進めましょう。
組み込みシステムエンジニア
組み込みシステムエンジニアの仕事内容
・電子機器に搭載する機能の検討
・設計
・プログラミング、テスト
組み込みエンジニアとは、主に工業機械や音を録音したり再生したりするAV機器などに使用される、制御システムを開発するエンジニアになります。制御システムとは、機械の動作を管理するシステムのことです。そのほか、家電製品や自動車など幅広い製品で利用されるシステムを設計やテストをし、生活に身近な製品を取り扱っている職種になります。
これらの身近な製品の安全性や機能の正確性は、組込みシステムエンジニアの技量にかかっています。また新しい製品は、すべて最先端のIT技術を使用する場合が多いです。
このように組み込みシステムエンジニアは、特殊なプログラミング言語も使用する場合があり、高いスキルが求められる職種となります。一方で、最新の技術を用いたものづくりに携われるのは、組み込みシステムエンジニアならではとなります。
ハードウェアエンジニア
ハードウェアエンジニアの仕事内容
・ハードウェアの開発、設計
ハードウェアエンジニアは、パソコンやスマホの周辺機器の開発、大型家電や自動車などに使用されるシステムの開発を行います。例えば、スマートフォンやパソコンの周辺機器で使われる電子回路を書き、新機能を搭載するプログラムを設計します。
組み込みシステムエンジニアは制御システムがメインですが、ハードウェアエンジニアはシステムを動かすプログラムを設計することが仕事になります。
またソフトエンジニアとは違い、実物として存在する商品開発に携わります。そのため、ものづくりをしたい方や、自分で考えた者開発したい人に向いている職種です。
情報処理サービス事業
情報処理サービス事業の職種と業務内容について解説します。情報処理サービス事業では「ITコンサルタント」という職種があります。
ITコンサルタント
ITコンサルタントの仕事内容
・クライアントへのヒアリング
・ヒアリング結果から問題点の分析
・分析結果から、システムによる問題解決策の提案
・採用された企画のマネジメント
ITコンサルタントは、経営状況や業務上の問題点などをクライアントにヒアリングし、システムによるそれらの改善・解決策を提案する職種です。ITコンサルタントの主な仕事内容のフローです。
システムの見直しや新システム開発の提案、システムの最適化や動作検証まで、仕事内容は多岐にわたります。そのため、ITコンサルタントでは、ITに関する広い知識が求められるのです。また、ITコンサルタントは、クライアントや社内の関係者とのやり取りが多い職種です。クライアント先や社内のエンジニアからの信頼を得るためにも、高いコミュニケーション能力が必要です。
ITスキルや経験が求められる職種のため、プログラマーやシステムエンジニアがキャリアアップとしてITコンサルタントになるケースが多いです。未経験の人は、「ITコーディネータ」や「中小企業診断士」などの資格を取得することが、就職活動でのアピール材料になります。
IT業界全般的な職種
IT業界の全般的な職種として、セールスエンジニアがあげられます。IT業界のほとんどの業種に存在するため、ぜひ覚えておきましょう。
セールスエンジニア
セールスエンジニアの仕事内容
・企業への販売
・システム導入時のサポート
・システムのリプレース
・コンサルタント
セールスエンジニアとは、技術的な作業を行う『エンジニア』と、顧客と直接話をし、提案や課題解決を行う『営業』の両方の役割を持つ仕事です。この職種は、IT業界のほとんどの業種に存在する職種になります。顧客に自社製品やサービスの開発から、顧客に対する導入提案、導入後のサポートまで総合的に行っています。
また扱う製品やサービスが、専門的になればなるほど、顧客に理解してもらえるような提案力やヒアリング力が必要になります。そのためセールスエンジニアは、一人二役を担う難しい仕事と言われており、自社での役割は大きくなっています。
IT業界の動向
今までの変革
IT業界の始まりは、1960年代のコンピューターの発明と言われています。当時のコンピューターはとても高価であり、大企業や政府機関などでなければ導入することができませんでした。
また日本で最初にコンピューターが導入された企業は、1955年に野村證券に導入された「UNIVAC120」と言われております。このコンピューターの重さは2トンほどあり、クレーンを利用しオフィスの窓から搬入されました。このようにコンピューターは、一般企業では導入が難しいものとなっていました。
そして時代が進むにつれて、個人利用のためのパーソナルコンピューター(現在のPC)と呼ばれるジャンルも確立されていきました。1977年にはApple11が、1979年には日本初のパーソナルコンピューターとして知られるPC-800が発売されました。そこからパーソナルコンピューターの精度は著しく向上し、現代に至ります。
近年のトレンド
IoTの拡大
IoTとはInternet of Thingsの略称であり、「モノのインターネット化」とも呼ばれることが多いです。IoTという言葉が流行する以前は、インターネットはコンピュータ同士を接続するためのものでした。
しかし、現在ではデジタルカメラ、デジタルレコーダーなどの既存製品から、スマートスピーカーやスマートライト、スマートテレビなどの新しい製品までがインターネットに接続することができます。このようにモノがインターネットを介して繋がることで、映像、音楽、音声、写真、文字などのデータがスムーズに得られるようになりました。
また遠くからでも位置の確認や操作、情報のやりとりなどを可能になります。そのためインターネットを通じてやりとりされる情報を分析することで、新たなサービスの発展が期待されています。
IoTの拡大例
・スマートスピーカー
・スマートライト
・スマートテレビ
ビックデータの活用
ビッグデータは、データの「量(Volume)」「種類(Variety)」「発生頻度・更新頻度(Velocity)」の3つのVから成り立っており、毎日膨大に蓄積されるさまざまな種類や形式のデータを指します。
ビッグデータは人工知能AIにより、今までの機械学習をさらに応用したディープラーニングが可能になったため登場しました。従来の機械学習では、大量のデータを扱うことは困難でありました。しかしAIによる機械学習の発展に伴い、ディープラーニングとして、膨大な情報の蓄積や整理が可能となりました。
主に活用される例としては3パターンあります。「必要な情報を利用しやすい形で取り出す」「未知のことについて高精度な予測を行う」「余剰や不足を解消する」になります。
例えば、商品棚での消費者の視線の動きを分析し、よく見られている箇所に対して、主力商品を配置したり、過去の犯罪データから、その日その時に危険な場所をマップ表示させるなどの技術が用いられています。
ビックデータによりこれらの情報を収集し、人工知能を用いて分析やマーケティングなどに活かされています。すでに企業に向けてビッグデータの活用や分析サービスを提供する企業も登場しており、今後も発展が見込まれている技術になります。
ビッグデータの活用例
・商品棚での消費者の視線の動きを分析し、よく見られる位置に主力商品を配置
・過去の犯罪データから、その日その時に危険な場所をマップ表示
・回転ずしの皿に取り付けたICチップからデータを収集し、鮮度管理に活用
エンジニアの人手不足
IT業界は、どの業種においてもエンジニアが必要とされています。しかし現状エンジニア不足していると言われています。経済産業省の調査によれば、2030年には約79万人もの人材が不足していると試算しました。
これほどのエンジニア不足が言われている理由としては、「IT業界の成長」「IT技術の急速な変化」「少子高齢化」「エンジニアへのマイナスイメージ」などが原因とされています。
株式会社矢野経済研究所による調査では、国内民間IT市場規模が毎年プラスで推移している成長分野であることがわかります。またスマートフォンが登場して以降、アプリやWEBサービスの開発やアップデートなど、日々新しい技術の習得が必要になってきています。
さらに少子高齢化による労働人口の減少や、エンジニアの長時間労働や残業といったマイナスなイメージを持っている人が多い現状があります。
そのため、エンジニア不足への対策として各企業では、「採用する年齢の引き上げ」や「給与や福利厚生などの待遇改善」を打ち出し、人材の確保に努めています。また2020年度から政府の方針として、小学校でのプログラミング教育が必修化されました。必修化することで、将来的なエンジニア不足への対応として期待されています。
今後の行方
5Gによる通信スピードの高速化
5Gはファイブジーと読み、「5th Generation」の略語になります。日本語では「第5世代」と訳されることが多く、5Gは新しい通信の規格になります。これまでの通信規格と特徴は以下の通りです。
・1G…1980年代に登場したアナログ携帯電話
・2G…1990年代、通信がアナログからデジタルに移行し、インターネットへの接続が始まった
・3G…2000年代、通信の高速化が可能になりモバイル機器でのインターネット接続が一般化
・4G…2010年代、LTEという高速化技術とスマートフォンの台頭で生活やビジネスの利便性が向上
5Gによるネットワークでは、「高速で大きな容量の通信」「信頼性が高く低遅延
の通信」「多数機器の同時接続」が可能になります。これにより、4K映像配信やIoTの活用などのサービス基盤になると期待されています。
また5Gは、自動運転技術や遠隔診療など、社会変化にも繋がる新たな技術の活用にも期待されているため、今後ますますの需要が予想されています。
2021年1月現在では、5Gを利用できるのは全国の一部の主要駅周辺に限られています。東京23区内でも、駅周辺のみケースが多いのです。そのため、5Gの普及に向けてはエリア拡充が喫緊の課題となっています。
NTTドコモは2023年度中に展開率を97%へ、KDDIは2021年度末には5万局の基地局整備、ソフトバンクも2021年末には5万局の整備を目指すと発表しています。
X-Techによる各業界の発展
X-Techとは、既存のビジネスと新技術を結びつけて生まれた新たな製品やサービスやその取り組みを指します。ここでいう新技術とは、AIやビッグデータ、IoTなどといったテクノロジーになります。
具体例としては、金融と新技術を用いたFinTechが挙げられます。FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。金融サービスと情報技術を結びつけたサービスで、スマートフォンなどを使った送金システムがあげられます。
またFinTech以外でも様々な業界で、X-Techの技術が発展しています。法律と技術を結びつけたLegalTechや農業分野におけるAgriTech、広告配信の最適化に使用されるAdTech、教育にテクノロジーを活用するEdTechなどがあり、さまざまな業界でテクノロジーを用いた新たな取り組みが進められています。
様々なX-Tech
・FinTech 金融
・RETech 不動産
・MarTech マーケティング
・RetailTech 小売
・AdTech 広告
・MedTech 医療
・HealtTech 健康
・EdTech 教育
・HRTech 人材
・AgriTech 農業
・CleanTech 環境
・GovTech 政治
・LegalTech 法律
・SportsTech スポーツ
・FashTech ファッション
・FoodTech 食料
Society5.0による社会の変化
Society5.0(ソサエティ5.0)とは、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と内閣府の『第5期科学技術基本計画』にて定義されています。
これまでの情報社会であるSociety 4.0では、知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。例えば、情報から必要な情報を見つけて分析する作業であったり、地域や年齢、障害などによる労働や行動範囲に制限がありました。
しかしSociety 5.0で実現する社会は、IoTで全てのモノがインターネットでつながり、様々な知識や情報が共有されることで、これまでの課題や困難を克服できるようになります。また人工知能AIにより、必要な情報が必要な時に見つけて分析できるようになったり、自動運転技術やロボットによる遠隔操作などで、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が解決できるようになります。
このようにIT業界やITを用いた技術によって、社会の変革を通じて、一人一人が快適で豊かに活躍できる社会となります。
IT業界の業績と待遇
業績規模 16.4兆円
平均年収 616万円
平均勤続年数 約15年
図では、「業績規模」「平均年収」「平均勤続年数」のカテゴリーのうち、それぞれトップの「卸売」「総合商社」「電力」の業界と航空業界を比較しています。
業界動向リサーチの「IT業界の現状・動向・ランキング・シェアを研究-業界動向サーチ」によれば、IT業界は毎年順調に業績を伸ばし続け、現在では業界規模16兆4,000億円となっています。業績の伸び率は+5.0%であり、142業界50位と高くなっております。
一方平均年収は616万円となっており、総合商社と比べると低いものの、サラリーマンの平均年収が400万円程度と言われているため、平均と比べると高めとなっています。
また平均勤続年数は15年となっております。国税庁が公表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によれば、全体の平均勤続年数は12.1年であるため、平均より長い勤続年数であることが分かります。
IT業界の主要企業の売上高ランキングと特徴
IT業界を志望するのであれば、どの企業を志望するのかを決めていくために、企業ごとの特徴や強みなどを調べる必要があります。
就職する企業と自分の目指すところが違えば将来が全く違うものになりますので、企業正しく知り、就活を進めていきましょう。就活では業界研究だけではなく、企業研究も大切ですので、IT業界の主要な企業についてもしっかりと、理解を深めていきましょう。
IT業界について理解し就活に挑もう
IT業界は成長力も高く、さまざまな業界や企業と関わりながら仕事をすることができます。就活生人気の高い業界ですが、そこに就職して活躍するためにはIT業界への高い理解、さらには他の業界への理解も必要ですので、視野を広く持ってIT業界を目指しましょう。
業界研究をする際には、志望企業の競合についてもチェックし、それぞれの特徴や魅力を比較することが大切です。主要企業を中心に研究して、就活に役立てましょう。