業界研究

【スタートアップ企業とは】ベンチャー企業との違いや向いている人の特徴

スタートアップ企業とは設立して間もない企業

世の中には沢山の企業が存在し、就職先の選択肢は幅広くあります。その選択肢のひとつとして、スタートアップ企業が挙げられます。

スタートアップ企業は設立間もない企業であり、他の大手企業や中小企業にはない魅力が数多くあります。

新しいことや革新的な仕事に挑戦したいと考え、スタートアップ企業に注目している人も多いでしょう。

しかし、スタートアップ企業という名称自体は知っていても、実際にどのような企業を指すのか、明確に把握できていない人は多いです。

本記事では、スタートアップ企業の特徴から向いている人、就職するメリットデメリット、具体的な企業と事業内容について解説しています。

スタートアップ企業への就職を目指すのであれば、まずはスタートアップ企業ついて正しく理解しておきましょう。

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スタートアップ企業とベンチャー企業の3つの違い

スタートアップ企業とベンチャー企業の3つの違いを表した図

創設間もなく、勢いのある企業はベンチャー企業やスタートアップ企業と呼ばれることがあります。これらはそれぞれ定義があり、同じものではありません。

ただ若くて勢いのある企業がベンチャー企業やスタートアップ企業と呼ばれているわけではないため、それぞれの違いを知っておくことが大切です。

定義の違いを把握しておくことで、それぞれの企業がどのように異なるのか、特徴も正しく把握できるでしょう。

違いを正しく把握することで「スタートアップ企業ならではの魅力がなにか」「他にはない特徴とはどのようなものなのか」も理解できます。

一見似ているように思えるスタートアップ企業とベンチャー企業ではどのような違いがあるのかを知り、スタートアップ企業への理解を深めていきましょう。

ベンチャー企業について詳しく知りたい場合は、こちらの記事を併せて読んでみてください。

1.ビジネスの展開方法

スタートアップ企業とベンチャー企業とでは「ビジネスの展開方法」が異なっています。

スタートアップ企業は、その名の通りスタートしたばかりの企業であり、これから市場での成長、活躍を目指します。

つまり、まだ市場で活躍しているわけではなく、基本的には市場を開拓する段階にある会社が、スタートアップ企業であると考えましょう。

そのためスタートアップ企業のビジネス展開は、「これまで市場になかった新しい事業を創造すること」が大きな目的です。

ベンチャー企業や一般的な企業は「1を100にする」ビジネス展開であるのに対し、スタートアップ企業は「0から1を生み出す」ビジネス展開になっています。

これまでにはない事業やビジネスモデルで、市場の新規開拓を目指すことが、スタートアップ企業の大きな特徴です。

2.創業年数と社員の傾向

スタートアップ企業とベンチャー企業では「創業年数」が異なります。

明確な定義はありませんが、スタートアップ企業は、一般的に創業から0~3年の新しい企業のことであるのに対し、ベンチャー企業は創業から3年以上経っている場合が多いです。

スタートアップ企業は、会社ができたばかりでサービスを世に広めていこうとしている段階なので、新規の顧客を獲得するために営業活動をしたり、他社にサービス連携の依頼をしていく必要があります。

また、そもそも他社とのつながりや取引実績が少ないため、新たなつながりも作りにいかなければなりません。

そのため、常にチャレンジを繰り返す挑戦的な風土にあるため、社員も若い世代が多く、社長や役員全員が20代という企業も少なくありません。

一方ベンチャー企業では、新卒で大企業に入った後に、転職を通じて入った中途入社も多く、スタートアップ企業ほど若者ばかりといった風土ではありません。

3.設定しているゴール

スタートアップ企業とベンチャー企業で、決定的に違うのは「設定しているゴール」です。俗にこれを「出口戦略」または「Exit戦略」と呼びます。これらを目標としている企業をスタートアップ企業と呼びます。

Exit戦略とは、ベンチャーキャピタルのような投資会社から出資された資金を、利益とともに回収できるように考えることです。例えばM&Aと呼ばれる事業や、企業の売却やIPOと呼ばれる株式上場を行うことで資金を調達し利益につなげます。

そもそもスタートアップ企業の創業時には、資金が必要となり、ベンチャキャピタルからの融資を得ている場合が多いです。そのため、創業時に借りた資金を、売却やIPOによって返済しなければいけません。

ベンチャー企業は新しく立ち上げたビジネスを持続し、そこから利益を獲得しようと考えています。

また、企業によっては新規ビジネスを中長期的に続けることで、市場が抱える課題の解決や消費者が抱える問題の改善を目指すということもあるでしょう。

いずれの場合も「中長期的に成功するという戦略」があり、企業を存続するために継続したビジネスをおこないます。

一方スタートアップ企業は、「短期的に成長し、市場での需要を一気に獲得する戦略」が多いです。つまり、企業の長期存続は考えておらず、自社で作ったサービスや商品を他社に売却し、また別の事業を立ち上げ、短いサイクルでビジネスをおこないます。

このように設定している目標がスタートアップ企業とベンチャー企業で異なっていることが、最も大きな両者の違いとなっています。

スタートアップ企業に向いている人の3つの特徴

スタートアップ企業に向いている人の3つの特徴を表した図

新しいビジネスを展開するスタートアップ企業ですが、実際にどのような人に向いているのでしょうか。

従業員が少ない分、任される仕事が多く、業務の範囲も広くなりがちです。そのため、残業や休日出勤が多くなる企業もあります。

ほかにも、一般企業とスタートアップ企業では、働くうえで異なる点も多いでしょう。どのような特徴を持つ人がベンチャー企業に向いているのか理解しておきましょう。

1.専門的なスキルや経験を持っている人

スタートアップ企業に向いている人の傾向として、「専門的な分野において高いスキルや知識を持っている人」があげられます。

どのような分野の人材が求められるかは企業によって異なりますが、「営業」「マーケティング」「経理」のような職種的な専門スキルや知識があると、評価されやすいこと多いです。

スタートアップ企業は0からビジネスを立ち上げ、短期間で成長させ、売却までのゴールを目指します。そのため、大規模な人員配置で組織的に動くわけではなく、少数精鋭で事業を進めていくことが多いです。

少数精鋭で事業を進めるには、それぞれがプロフェッショナルなスキルを持つことが求められます。そのため、専門的なスキルや知識を活かし、他の人にはできない働きができる人が向いているでしょう。

2.柔軟性があり変化を楽しめる人

スタートアップ企業は、新しい事業を展開している最中でもあります。ビジネスにおいては、常に今までとは違う挑戦をしていくことが求められます。そのため、初めて体験することでも躊躇せずに積極的に取り組んでいく柔軟性が必要です。

やったことはないけど挑戦していく、成功する確率は低いかもしれないけどまずやってみるという前向きな姿勢を持つ人が求められます。「石橋を叩いて渡る」タイプのような性格の人はあまり向いていないでしょう。

前例がないことは、途中で困難な場面に遭遇する場合も多いでしょう。そんな時にも柔軟な対応で、試行錯誤しながら進めていく力も大切です。また、自分の得意分野や専門だけでなく、幅広い対応力がある人が必要とされています。

「柔軟性」について詳しく説明している記事もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

3.将来起業や独立を考えている人

企業で働くだけではなく、将来的に独立して起業したいと考えている人にとって、スタートアップ企業は最高の学びの場となることが多く、向いている可能性が高いです。

スタートアップ企業は事業の立ち上げから成長、売却によるゴールまで、すべての過程に携わることができ、これは起業する際にも大いに役立ちます。

「どのようなビジネスを行なっているのか」「事業を成功するにあたって何を取り組むべきなのか」「経営者にはどういったマインドが必要なのか」と起業に必要なスキルや視座が身につけられます。

また、実際に企業を成長させ、市場の需要を獲得して利益を出したという実績が、自信になることもあるでしょう。経営陣とも近い距離にあるため、経営的な視点も学びやすく、起業家志望の人にはおすすめの就職先といえます。

スタートアップ企業に就職する3つのメリット

スタートアップ企業に就職する3つのメリットを表した図

スタートアップ企業は短期的な経営を前提としているため、企業が成長しきったところで他社に商品やサービス、場合によっては企業の経営権ごと売却することもあります。

そのため、新卒で就職するにはその企業で働ける期間が短く、リスクになるのではないかと考える人もいるでしょう。

しかし、実際にはスタートアップ企業ならではのメリットもあります。いかなるメリットがあるのかを知り、スタートアップ企業だからこその魅力を把握していきましょう。

1.会社を動かす実感を持てる

スタートアップ企業は0からスタートして、短期間で企業を成長させる企業です。つまり、短期間で企業の成長に立ち会うことができ、自分が成長するだけではなく、「会社を動かす」というやりがいがあります。

新卒から会社を動かすポジションで、会社とともに成長したりすることは、一般的な企業では難しく、他ではなかなか得られない貴重な経験といえるでしょう。

大企業に就職した場合は、すでに成長しきった状態であることも多いため、企業を育てるという感覚はまず得られません。

また社員の人数が少なく、年齢も近くなることから、新卒から意見が言いやすく、会社に与える影響も大きくなるでしょう。

「会社を動かしたい」と考えている学生や経営について学びたいと考えている学生にとって、スタートアップ企業は良い環境であると言えるでしょう。

2.実力主義の風土があり成長機会が多い

スタートアップ企業は若年層が集まっていることが多く、経営者が20代ということも少なくありません。

年齢に関係なく、仕事で成果をあげられる人間が活躍できる環境にあるため、実力次第では新入社員でも裁量の大きい仕事を任せてもらえることもあります。

このように若いうちから裁量の大きい、難しい仕事を経験することで、一気に成長できることがスタートアップ企業のメリットでしょう。

仕事で好成績や、プロジェクトが成功すると、さらに次のハードルの仕事を任されることも多く、短期間で急速に成長できることも少なくありません。

大企業でなら数年から数十年勤めないと任せてもらえない仕事に、入社してすぐに挑戦できるということもあります。

そのためスタートアップ企業は、積極的にチャレンジして成長を目指したい人にはメリットの大きい企業といえます。

「挑戦心」について詳しく説明している記事もあるので、併せて読んでみてください。

3.様々な職種の実務経験を積むことができる

スタートアップ企業では、幅広い業務を自分でこなさなければならないため、様々な職種の経験を積むことができるでしょう。様々な実務経験を積むことで、より幅の広いキャリア選択をすることができます。また裁量も大きいので、実務経験も積むことができます。

例えば1つのプロジェクトに対しては、「営業」や「マーケティング」のような職種単位ではなく、それら全てを包括的に関わることができるでしょう。そのため、今後のキャリアとして「営業担当」や「マーケッター」のどちらを選択することもできます。

大手企業に新卒で入社した場合では、少なくとも3年間は同じ職種を担当することが多いです。また任される仕事内容も、上司の雑務や事務作業も多い場合もあるでしょう。

一方スタートアップ企業では、仕事をするうえで様々な種類の業務に関わることができます。そのため将来的なキャリアアップを考える際に、様々な職種の実務経験があることで、よりキャリア選択の幅を広げることができるでしょう。

職種について詳しく説明している記事もあるので、併せて確認しておきましょう。

スタートアップ企業に就職する3つのデメリット

スタートアップ企業に就職する3つのデメリットを表した図

スタートアップ企業で働くのはとてもチャレンジングで魅力的ですが、同時に注意しなければならない点もいくつかあります。とくに大企業を研究してきた人は、あまりの違いに戸惑ってしまうことでしょう。

他の企業なら当然あるはずのものが、スタートアップ企業には存在しないといったデメリットもあります。

スタートアップ企業への就職を検討している就活生は、次のような注意点を踏まえつつ、企業研究も欠かさないようにしましょう。

1.経営が安定していない場合が多い

スタートアップ企業は、事業を始めたばかり、または始める前の段階にあります。そのため「その事業が軌道に乗って成功するのか」あるいは「軌道に乗せられず失敗してしまうのかが分からない」という不透明さがあります。

うまく事業が成功すればよいですが、失敗すると資金難からの給料減や未払い、最悪の場合は倒産の憂き目にあうこともあります。

また会社の資金は、事業を最優先に使われるため、「給与水準が低い」「福利厚生がない」など、会社員であれば普通に受けられる恩恵が受けられない可能性もあるでしょう。このように、一般的な企業と比較すると安定していない場合が多いです。

給料について詳しく説明している記事もあるので、気になる方はぜひ読んでみてください。

2.業務量が多い

スタートアップ企業は少数の人員で構成されていることが多いため、一般的な企業のように業務を分担することができません。基本的に「総務」「人事」「営業」等の部署分けは、されていないケースが多いです。

部署ごとの業務割り振りができないため、「自分のことは自分でやる=社員ひとりひとりがいくつもの役割を兼任する」と文化がスタートアップ企業にはあります。これにより、おのずと業務量が増え、長時間労働になりやすい傾向があります。

また仕事量が少なければ、人数が少なくても業務量が増えることは無いので、単純に仕事量が多いこともあげられます。「一人の業務量=会社としての仕事量 / 人数」といったイメージです。

昨今では「ノー残業デー」や「プレミアムフライデー」が推進されています。しかしスタートアップ企業は、これらとは無縁な場合が多いことを理解しておきましょう。

残業についてはこちらの記事で確認しておきましょう。

3.教育制度が整っていない

スタートアップ企業は、新人の教育制度が整っていないので、OJTのように研修として業務を教えてもらう可能性は低いです。入社してからは決まった研修がなく、いきなり業務に取り掛かることが多いでしょう。

業務内容は口頭で伝えられることが多く、わからないところはその都度、確認していくことになります。そのため、どこかで時間を作って先輩に確認を取ることや、自ら理解をするまで振り返ることが大切です。

またビジネスマナーといった社会人として知っておくべきことも、仕事以外の時間で身につけていくことになるでしょう。さらに人数が少ない会社だからこそ、ひとりひとりの影響力も強くなります。自ら会社に足りないことを学んで、社内で共有していく姿勢も必要になります。

教育制度についてはこちらの記事がおすすめです。ぜひ読んでみてください。

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スタートアップ企業の2つの探し方

スタートアップ企業の2つの探し方を表した図

次にスタートアップ企業の探し方について見ていきましょう。スタートアップ企業の探した方としては、「求人情報サイト」と「人からの紹介」の2つの探した方があります。

それぞれの探し方にメリットデメリットが存在するため、自分に合った企業を探すために、特徴を理解しておきましょう。

1.求人情報サイト

1つ目の探し方として、「求人情報サイト」の利用が挙げられます。求人サイトとは、企業が応募者を募るために企業情報を掲載しているプラットフォームで、企業情報の閲覧からエントリーまで行えることが特徴です。

求人情報サイトといえば、マイナビやリクナビが有名です。しかしそれらの有名サイトでは、大手からベンチャーまで様々な求人を扱っているので、スタートアップ企業を探すのには向いていません。

そこでスタートアップ企業がよく掲載されている求人サイトを使うのが効率的です。例えば「CheerCareer」「Goodfind」「wantedly」が挙げられます。これらのサイトでは、ベンチャーからスタートアップ企業を扱っているため、スタートアップ企業を探すためにおすすめの求人情報サイトです。

また求人情報サイトでは「多くの企業を探すことができる」「手軽にエントリーできる」のようなメリットや、「対象企業が多いので、企業選びに時間がかかる」といったデメリットも存在します。

メリット
・多くの企業を一気に探すことができる
・手軽にエントリーができる
デメリット
・対象企業が多いので、企業選びに時間がかかる

スタートアップ企業が掲載されている求人サイト
CheerCareer
Goodfind
wantedly

2.人からの紹介

2つ目の探し方として、「人から紹介してもらう」という方法です。先述のような求人情報サイトでは、掲載されるための掲載費用がかかります。

スタートアップ企業は資本の少なさから、求人情報サイトに掲載できない場合が多いです。そのため、インターネットだけでは、スタートアップ企業に出会えないことも少なくありません。

そのため古典的ですが、「先輩や知人に紹介してもらう」という方法で、スタートアップ企業に入社する人が多くなっています。

これは誰しもができるわけではありませんが、「知人の紹介という安心感」「紹介なのでエントリーや志望動機を作成しなくてよい場合がある」といったメリットがあります。

一方で「選べる企業数が少ない」といったデメリットも存在するため、自分にあった探し方でスタートアップ企業を見つけましょう。

メリット
・知っている人が働いているということで安心感がある
・エントリーや志望動機を書かなくてよいという手軽さがある
デメリット
・選べる企業数が少ない

現在注目のスタートアップ企業5選

現在注目のスタートアップ企業5選を表した図

ここからは、現在注目されているスタートアップ企業をみてみましょう。それぞれの企業の特徴やサービス内容について解説していきます。

創立からの歴史は長くありませんが、近年急成長を遂げている企業ばかりです。スタートアップ企業に興味を持っている人は、志望先を選ぶ時にぜひ参考にしてみてください。

1.アドレス

企業名:株式会社アドレス
代表者名:佐別当隆志
従業員数:12名(2020年12月時点)
設立年月日:2018年11月30日

株式会社アドレスは、「ADDress」というサブスクリプション型の多拠点居住のシェアサービスで、登録拠点ならどこでも住み放題になるサービス展開する企業です。

登録拠点は地方が中心であり、地方の関係人口の増加によって、消費活動を通した地域の価値向上を目指しています。

また、日本では少子高齢化により、空き家の増加が社会問題化しています。ADDressは空き家問題の解決や、地方への柔軟な居住の受け皿をつくることを目指している企業になります。

2.Relie

企業名:株式会社Relie
代表者名:栗栖崇
従業員数:3名
設立年月日:2020年5月

「Relie」は、若年層をターゲットにした企業や若年層視点を取り入れたい企業に、マーケティング通じてサポートする企業です。

現代において、「ソーシャルネイティブな若者の感性には大きな価値がある」としており、今まで以上に消費者との関係性を、ビジネスの観点から考えています。

主な事業としては、事業の根幹を担うプロダクトとして、新しいマーケリサーチツールを生み出す「マーケリサーチAI事業」、自社メディアとSNS運用支援を通して、トレンドを分析する「メディア事業」、サービスのシステム開発や、親和性の高い企業の開発支援を行う「ソフトウェア開発支援事業」が挙げられます。

これらのサービスから、消費者の中でも若者を深く理解し、より良いサービスを提供することを目指している企業に貢献することで、「世界中の人々の生活と心を豊かにする」ことをミッションとして掲げています。

3.タイミー

企業名:株式会社タイミー
代表者名:小川嶺
従業員数:140名
設立年月日:2017年8月

「タイミー」は、「一人一人の時間を豊かに」というビジョンを掲げ、面接応募なしですぐ働けてすぐお金がもらえるスキマバイトアプリ「タイミー(Timee)」と呼ばれる事業を展開しています。

タイミーはサービスリリースから約2年で、「ユーザー数160万人」「導入店舗数は31,000店舗」「利用企業数は13,000社」を突破しています。

タイミーで働くことで、働き手の勤務姿勢や職務履歴、スキルに対して第三者からの評価がなされ、個人の信憑性に付随するデータが蓄積されていきます。

また信用度が高くなった働き手の報酬が上がる仕組みを考えており、積極的な労働者が評価される経済圏の構築を目指しています。

こうした取り組みからタイミーでは、サービスを通じて一人一人が好きな時に好きなように働き、自分の時間をより豊かにできる世界を目指しています。

4.ベルフェイス

企業名:ベルフェイス株式会社
代表者名:中島一明
従業員数:195名
設立年月日:2015年4月

「ベルフェイス」は2015年に設立された、システム・ソリューション業界の企業です。システム・ソリューションとは、企業がビジネスやサービスについて抱えている問題や不便を解消を目的としたIT用語です。

事業内容としては、「チームで売上を最大化する国内No.1のオンライン営業システム「bellFace」の開発・販売」「インサイドセールス コンサルティング」「ビックデータ解析及びコンサルティング」を行っています。

オンライン営業システム「bellFace」は、電話をかけた顧客に対してインターネット上で「ベルフェイス」と検索してもらい、サイト上から4桁の接続ナンバーを発行するだけで、電話をしながらオンライン商談を開始することができるシステムです。

そのため、アプリ上でのコンタクト申請やメールでのURL送付の手間が不要になりました。

また「シンクロプレゼンテーション機能」「トークスクリプト表示機能」「レコーディング機能」など、オンラインで営業をし、成果を出すための機能を豊富に用意されています。

5.PayPay

企業名:PayPay株式会社
代表者名:中山一郎
従業員数:1,252名
設立年月日:2018年6月

「PayPay」は、モバイルペイメント等電子決済サービス事業等を展開する企業です。主な事業内容としては、モバイルペイメント等電子決済サービスの開発・提供になります。

PayPayは2020年4月22日に、「登録者数が2,800万人を突破」「加盟店数220万カ所を突破」など、現在成長中の企業です。

PayPayは、ソフトバンクグループ株式会社とソフトバンク株式会社、ならびにヤフー株式会社の3社が共同出資されています。

またプロ野球チーム、ソフトバンクが来シーズンから福岡市の本拠地「ヤフオクドーム」を「ペイペイドーム」に改称されたことでも有名です。

過去にスタートアップだった有名企業5選

過去にスタートアップだった有名企業5選を表した図

それでは、過去にスタートアップ企業で現在有名企業まで成長している企業ををみてみましょう。それぞれの企業の特徴やサービス内容について解説していきます。

創立当時は上記のスタートアップ企業のように無名である場合が多かったですが、中には「メガベンチャー」と呼ばれる大企業まで成長を遂げている企業もあります。スタートアップ企業に興味を持っている人は、志望先を選ぶ時にぜひ参考にしてみてください。

1.サイバーエージェント

企業名:株式会社サイバーエージェント
代表者名:藤田晋
従業員数:5,282名
設立年月日:1998年3月

サイバーエージェントはメディア事業やインターネット広告事業、ゲーム事業、投資育成事業をおこなっている企業です。

メディア事業では「AbemaTV」が有名であり、独自のコンテンツの配信によって多くの顧客を獲得しています。インターネット広告事業では動画広告に強みがあり、さまざまなソリューションの提供によって最適な広告を実現しています。

ゲーム事業では数多くの人気タイトルを輩出し、スマホ向けのゲームアプリの開発に大きな強みがあり、海外への展開にも積極的です。

新規事業の育成にも積極的であり、メガベンチャーとなった今でも、ベンチャー企業の精神を忘れずに常に挑戦を続けています。革新を続けている企業であり、若手社員が活躍できる場も数多く用意されています。

2.LINE

企業名:株式会社LINE
代表者名:出澤剛
従業員数:2,268名
設立年月日:2000年10月

「LINE」はメッセンジャーソフト・SNSとして人気の高いアプリケーションを開発した会社として有名です。

LINEでは他にも、キュレーションサイトの「NAVERまとめ」の運用や、スマートフォン向けゲームの開発、アプリケーションの開発を主な事業としています。

チャットだけでなく、漫画が読める「LINEマンガ」音楽が聞ける「LINE MUSIC」、ゲームが遊べる「LINEゲーム」など、幅広いサービスを展開しているのも特徴として挙げられます。

最近では、AIを搭載したスマートスピーカーの「Clova」を開発したことでも話題になっています。

3.ZOZO

企業名:株式会社ZOZO
代表者名:澤田宏太郎
従業員数:689名
設立年月日:1995年

「ZOZO」は、ファッション専業のECサイトとして知られる「ZOZOTOWN」を運営しています。2019年11月に、前記株式公開買付けが成立し、現在ではZホールディングス株式会社の連結子会社となっています。

ZOZOは有名ブランドから「しまむら」のようなの大手ファストファッションまで幅広くカバーし、2019年3月時点では取り扱いブランド数7000超、常時73万点以上のアイテムをそろえるプラットフォームとなっています。

「ZOZOTOWN事業」は、ユーザーからの購入があって販売を開始する「受託販売」がメインです。テナント形式で出店する各ブランドの商品を、物流拠点で預かることで、商品の撮影や発送等も含めて全て請け負っています。

劣化によるリスクの少ないアパレル商材に特化しているからこそ、実現できるビジネスモデルとなっています。

4.メルカリ

企業名:株式会社メルカリ
代表者名:山田進太郎
従業員数:1,090名
設立年月日:2013年2月

フリマアプリの「メルカリ」が大ヒットしたことがきっかけで大きく知られるようになった企業です。

現在はフリマアプリのさらなる事業展開として、本・CD・DVD専用のエンタメ商品に特化した「カウル」、売買する商品へのブランド査定付きの「メルカリ メゾンズ」の2種類の姉妹アプリを開発、公開しています。

メルカリ自体も国内だけでなく、アメリカやイギリスで展開するなど、幅広くマーケットプレイスを生み出すための事業展開をおこなっています。

スマートフォンを使って気軽に商品を売買できるフリマアプリの先駆けでもあるメルカリは、今後もさらに市場を拡大する可能性が高いです。

5.DeNA

企業名:株式会社ディー・エヌ・エー
代表者名:守安功
従業員数:2,437名
設立年月日:1999年3月

「DeNA」は「Mobage」のサービスを主軸に事業を展開している企業です。Mobageを軸としてプラットフォーム事業とソーシャルゲーム事業が展開されており、日本だけではなくアメリカや中国でも事業を展開しています。

ソーシャルゲーム事業では海外展開にも積極的であり、最近ではスマホ向けのゲームアプリも数多く開発されています。

またゲーム事業だけではなく、eコマース事業もおこなわれており、ショッピングサービスや決済サービス、マーケットプレイスの提供など手がける事業は幅広いです。

メガベンチャーとしてさまざまな企業や団体への投資にも積極的であり、2011年には横浜DeNAベイスターズを経営するなど、活躍の幅をさらに広げています。

スタートアップ企業について正しく理解しておこう

スタートアップ企業は高い成長力を持っているのが特徴であり、既存の企業にはない魅力が多くあります。

常識にとらわれない新しいビジネススタイルに魅力を感じる人は多いでしょう。スタートアップ企業の最大の特徴は、設立から成長、事業撤退までのスピードが非常に早いことです。

スタートアップ企業への就職を目指す場合は、撤退後まで考えておく必要があります。就職の時点で撤退時のことまで考え、どのようにキャリアを積むのかを意識した上で就職を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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