自己分析
【就活に役立つ自分史とは】企業選びの活かし方や作成のゴールを解説
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目次
就活では自分史を作成しておこう
就活を進めて行くうえで、多くの学生が自分史の作成で悩むと言われています。特に就活始めたてで、周りの人が自分史を作成したり、自己分析のやり方が分からず、調べていくうちに自分史を作成した方が良いと思った人も多いのではないでしょうか。
「自分史で何をすれば良いかわからない」「どこまでいったら正解なのか」と悩む人も多いでしょう。
しかし自分史の作成は、就活を進めるために、必ず行わなければいけません。自分史を作成せず就活を進めてしまった場合、過去のエピソードがなかったり、自分の価値観が理解できません。その結果、志望動機が書けず選考を突破することが難しくなります。
本記事では、自分史の作り方や目的、作成のゴールについて解説しています。正しいやり方を知ることで、自分に合った企業を見つけ、内定を目指しましょう。
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自分史とは
自分史を作成できるようにするためには、まず「自分史とはどういったものなのか」を理解すると良いでしょう。「そもそも自分史は何なのか」「他の自己分析とは何が違いうのか」を知ることで、自己分析の全体像が見えるでしょう。
下記では「自分史とは何か」と「それ以外の自己分析」について解説しています。順番に見ていきましょう。
「自分史」は自己分析の一つの種類
まずはじめに、「自分史とは何か」について整理しておきましょう。自分史とは、自己分析を行う際に用いられる手法の一つです。
自分の過去について棚卸をし、「自分は今までどういう人生を送ってきたのか」「何をして何を学んできたのか」などが整理する手法になります。これにより、自分の価値観がわかり、自分に合った仕事の選択に役立つようになるでしょう。
一方で、自分史だけで自己分析は完結するわけではありません。自分史は、自分の過去を整理するだけです。自分の過去を「なぜそうなったのか」「なぜそう考えて行動したのか」と深ぼっていかなければ、自分の強みや弱み、価値観まで理解することができません。
自分の強みや弱み、価値観を明確にしなければ、自己PRや企業選びの軸を選定することができません。そのため、自分史で整理した後に、「モチベーショングラフ」や「マインドマップ」「ベン図」といった手順で行わなければ、「自己分析が完結した」とは言えないでしょう。
自己分析を完結させるための手順
①自分史を作る
②モチベーショングラフを作る
③マインドマップを作る
④ベン図を作る
「自己分析」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「自己分析」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
「自分史」以外の自己分析の方法
上記では、自分史についてと、自分史だけでは自己分析が完結しない理由について解説しました。次は、自己分析を完結させるために必要な「自分史以外の自己分析の方法」について説明します。
自分史を作成したあとは、「モチベーショングラフ」「マインドマップ」「ベン図」の3つでさらに自分自身について深堀りしていきます。それぞれ下記で詳細に解説します。
1.モチベーショングラフ
モチベーショングラフを作成する目的
・自分の大切にしたい価値観を知る
「モチベーショングラフ」とは、一定の時期から現在までを振り返り、「どのような時にモチベーションが上がるのか」「モチベーションの源泉は何か」を明らかにすることで、自分の価値観や特徴を理解する方法です。
自分史で棚卸された自分の情報を元にモチベーショングラフを作成することで、「自分は何が大切なのか」「自分は何をされると嬉しいのか」「何をされると許せないのか」など、「自分が大切にしたい価値観」を理解することができます。
どのような原因でモチベーションが上がったのか、あるいは下がったのかを理解することで、自分が大切にしたい価値観がわかります。価値観が理解できれば「やりたいことがわかる」「価値観に合わない仕事」など、やりたい仕事がわかる1歩手前まで到達できるでしょう。
またモチベーションが上がったタイミングは長所を、下がったタイミングは短所として、自分自身を理解することができます。そのためモチベーショングラフを作成することは、自分自身の強みと弱みの理解にもつながります。
2.マインドマップ
マインドマップを作成する目的
・価値観の明確化
・強みや弱みの明確化
「マインドマップ」とは思考をみえる化する手段であり、テーマをひとつ決め、関連するワードをつないで深掘りする方法です。マインドマップは人間の思考回路と似ており、「なぜそうなるのか」というような深堀りができます。
モチベーショングラフで書いた事象に対し、「なぜそのような行動をとったのか」「なぜそのような考えに至ったのか」「なぜそのような性格になったのか」のように、出来事や思考のプロセスを明確にすることができます。
これらのプロセスを理解することで、「自分は〇〇ような考え方ができる強みがある」「〇〇の性格はどういう時に欠点となる」など、強みや弱みが明確に言語化することができます。
言語化の際は、「より抽象的な自分の価値観」までたどり着くことができれば良いでしょう。例えば「自分が大切にしたい価値観は承認欲求である」のような抽象的に言語化しましょう。
「より抽象的な自分の価値観」までたどり着くためには、「複数の具体的なエピソードから共通するポイント」を考えてみましょう。
「クラスを代表して学級委員長になれて嬉しかった」「部活でレギュラーになれず悔しかった」という2つのエピソードがあった場合です。なぜそのような行動や感情になったのかと共通点を探した時、どちらも「自分は周りから評価されたかった」「承認欲求を満たしたかった」と整理することができ、抽象的な自分の価値観にたどり着くことができるでしょう。
3.ベン図
ベン図を作成する目的
・自分の価値観に合った業界選択や企業選択
「ベン図」とは、複数の集合の関係や、集合の範囲を視覚的に図式化したものです。マインドマップで明確にした「自分の抽象的な価値観」を円状に並べ、共通する範囲を見つけていきましょう。
例えば「自分が大切にしたい価値観が承認欲求」である場合、就職難易度が高いとされている商社や外資系企業などが自分にあった職業になります。さらに「貧困問題を解決したい」といった自分の価値観があった場合、食品を扱っている商社やユニセフなどの公的な期間の就職も検討できるでしょう。
このように「より抽象的な自分の価値観」を複数個並べ、上記のベン図のように職業を当てはめていくことで、業界選択や企業選択をすることができるようになります。また自分の「強み」や「弱み」をエピソードともに整理することができれば、自己分析のゴールになります。
自分史の作成で目指すべきゴール
次に「自分史の作成で目指すべきゴール」について、解説します。自分史を作成したいと思っている人の中には、「どこまでやればOKなのか分からない」「自分史のゴールが知りたい」と感じている人も多いのではないでしょうか。
ここでは自分史を作成する前に、ゴールについて定義しています。この定義を知ることで、自分史を作成するうえでの目標を立てておきましょう。
自分の過去が棚卸しされている状態にしよう
「自分史のゴール」としては、「自分の過去が棚卸しされている状態」になります。棚卸しとは、本来会計や経理で使われることが多い言葉です。意味としては、資産の数量や価値などを実際に確認することをいいます。
つまりこれを自分史に当てはめると、以下のような状態が自分史のゴールです。
「自分の過去に起きた事実について、何を聞かれてもすぐに答えられる状態にしておく」
例えば「大学生ではどんな勉強をしていましたか」「中学生の時は何に熱中していましたか」のような質問に対して、答えられるようにしておきましょう。これが自分史の作成で目指すべきゴールになります。
これができていることで、次にフローである「モチベーショングラフ」「マインドマップ」「ベン図」もしやすくなりますし、面接で聞かれたとしても動揺せず答えられるでしょう。
自分史が就活で役に立つ2つの理由
次に「自分史が就活で役に立つ理由」について、解説します。理由としては、「自分の価値観に気づき、やりたいことがわかる」「自分の長所や短所がわかる」の2つです。
自分史に取り組む理由が分からなければ、「何のためにやっているのか」「別にやらなくてもいいのではないか」という感情が出てきてしまい、途中で断念してしまう可能性が大きいでしょう。
「自分史が就活で役に立つ理由」について理解し、取り組まなければいけないわけを知っておきましょう。
1.自分の価値観に気づき、やりたいことがわかるため
「自分史が就活で役に立つ理由」としては、1つ目は自分の価値観に気づき、やりたいことがわかるようになるからです。これは先述の通り、自分史の作成だけでは完結せず、ベン図まで作成した場合のみに限ります。
自分史をはじめとした自己分析によって「自分のやりたいこと」、あるいは「やりたくないこと」がわかります。その結果、自分が会社に求めている条件が分かり、自分に合った業種や職種、企業選びができるようになります。
例えば「自分はホスピタリティ精神が強い傾向にあるからサービス業に向いている」や「真面目で勤勉な性格のためインフラ業界や公務員が向いている」などです。
世の中にはたくさんの業界や企業があります。その中から自分に合った企業を選ぼうと思っても、方向性が決まっていなければ選択しきれません。
選択肢が多い中、手探りで選考を進めても、自分のやりたいことがわからなくなったり、面接においても「他の企業でも同じことができませんか?」と聞かれた際に、何も回答できなくなるでしょう。
自分のやりたいことを見つけ、自分に合った業種、職種、企業選びをするためにも、自分史をはじめとした自己分析を行いましょう。その後、就活の方向性や「就活の軸」を決めていきましょう。
「業界研究・企業研究ノート」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「業界研究・企業研究ノート」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
2.自分の長所や短所がわかるため
「自分史が就活で役に立つ理由」としては、2つ目は自分の長所や短所がわかるようになるからです。これは先述の通り、自分史の作成だけでは完結せず、マインドマップまで作成した場合のみに限ります。
企業はただ労働力として人材を採用したいわけではありません。自社で活躍し、利益に貢献してくれる人材を獲得したいと考えています。
つまり、その人ならではの強みや魅力を活かして活躍できることが重要であり、いかにこの「強み」をアピールできるかが選考で評価されるためのポイントとなります。
また「弱み」を知っておくことで、選考でのプラス評価にもつながります。多くの人は、自分の弱みを向き合いたくないものです。
しかし、自分史をはじめとした自己分析をしっかりとできている人であれば、「どうしたら弱みや短所を改善出来るか」という対策もできています。
ここまで自己分析ができている人であれば、たとえ仕事上で弱みが出てしまったとしても、「自分と向き合い改善できる」と判断されるため、評価を落とされにくい傾向にあります。
自分の「強み」と「弱み」を理解し、選考を有利に進めるためにも、自分史をはじめとした自己分析を行うことが重要になります。
「強み・弱み」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「強み・弱み」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
自分史の書き方
次に「自分史の書き方」について、解説します。書き方としては、「白紙に今までの人生で起きたことを全て書く」「年表を作成し、埋める」になります。
実際に自分史ができあがると、自己分析を進められるようになり、結果的に自分に合った仕事を探す材料をまとめることができます。
1.白紙に今までの人生で起きたことを全て書く
自分史の作成方法
・白紙の紙やノートを用意する
・大学時代から幼少期まで遡る
「自分史の書き方」として、まずは紙に過去の出来事をすべて書き出していきましょう。一旦紙に書き出すことで、次に解説する年表が作りやすくなります。
書き方のフォーマットや内容に指定はありません。覚えている限りのことを、全て書き出すようにしましょう。
特に幼少期の頃は、自分でも意図しないような、潜在的な言動をとっている可能性が高いです。そのため、大学時代から記憶がある時期まで遡りましょう。
2.年表を作成し埋める
自分史の作成方法
・「趣味」や「人間関係」などのカテゴリー分けをする
「自分史の書き方」として、次は年表を作成し埋めていきましょう。「趣味」や「人間関係」など、自分の性格が言動に出やすいカテゴリーを選択し、エピソードを想起してみましょう。自分自身の言動には、長所や短所、価値観が反映されやすいと言われています。
以下の図は、自分史の例です。小学生、中学生、高校生、大学生と過去の自分を振り返り、その時の出来事や感情を思い出せるだけ書いていきましょう。 思い出しやすように勉強、趣味などの項目は自分でカスタマイズして、記憶を言語化して、目で見える形にしていきましょう。
年表に記載する内容
・勉強
・趣味
・人間関係
・頑張ったこと
自分の強み・弱みは、ツールを使えばかんたんにわかります
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自分史を作成するうえでの5つのポイント
次に「自分史を作成するうえでの5つのポイント」について解説します。このポイントを理解しておかなければ、本来の目的にそった自己分析をすることができないでしょう。
以下の5つのポイントを理解して、適切な自分史を作成していきましょう。
1.「自分史」だけでは自己分析は完結しない
「自分史を作成するうえでのポイント」について、1つ目は自分史だけでは自己分析は完結しないことを認識しておきましょう。上記で解説の通り、自分史は自分の過去を整理するだけです。
自分の過去を「なぜそうなったのか」「なぜそう考えて行動したのか」と深ぼっていかなければ、自分の強みや弱み、価値観まで理解することができません。
自分の強みや弱み、価値観を明確にすることで、自己PRや企業選びの軸が定まります。そのため自分史で整理した後に、「モチベーショングラフ」や「マインドマップ」「ベン図」といった手順で行うことで、「自己分析が完結する」と覚えておきましょう。
2.作成に1週間程度はかける
「自分史を作成するうえでのポイント」について、2つ目は作成には1週間程度の時間をかけましょう。自分史を作成したからといってすぐに長所や短所を見抜けたり、やりたいことが見つかるわけではありません。
時間をかけて自分と向き合うことで、「自分はもしかしたらこういう人間なのではないか」と仮説が増えていき、それに確信が持てるようになって、はじめて本来の目的である自己分析ができたと言えます。
先述の通り、「抽象的な自分の価値観」や「強み」「弱み」がエピソードとともに整理することができればゴールです。
「かけなければいけない時間」は決まっていません。しかし目安としては、「最低でも1日1時間以上で1週間以上」は自分史作成の時間を取りましょう。これは、自分の立てた「抽象的な価値観」や仮説に対して、「本当にそうなのであろうか」と、紆余曲折し考えるためにこれくらいの時間は必要です。
就活生の中には「早く知って業界を定めたい」という人も多いことでしょう。しかし先を急ぐあまり、自己分析を蔑ろにしてしまうと、上手く志望動機が書けなかったり、最悪の場合内定が1社ももらえない状況に陥ってしまいます。
運良く内定を得られたとしても、入社前の理想と入社後の現実のギャップに耐えられず辞めてしまう人も多いです。そうならないためにも今のうちに自分史の作成時間をとって行いましょう。
3.感情を大切にする
「自分史を作成するうえでのポイント」について、3つ目は自分の感情を大切にしましょう。自分史を作成する過程では、必ずといっていいほど「自分の好きなこと」「自分の特技」について振り返ることがあるでしょう。
基本的に自分が起こした行動には、必ず感情がセットになっています。
例えば、大学時代に自分が取り組んでいた内容を書き出したとします。書き出した内容に対し「当時は大変だったけど楽しかった」「周りを気にせず毎日没頭していた」と振りかえられるでしょう。
この感情を「なぜ没頭できたのか」「今はできないのに、当時はなぜ頑張れたのか」と深掘りすることによって、自分の強みや大切にしたい価値観が明確になる場合が多いです。そのため自分史を作成する際は、過去に起きた事実とセットに感情も記しておきましょう。
4.嘘はつかない
「自分史を作成するうえでのポイント」について、4つ目は嘘はつかないようにしましょう。自分の過去や感情を偽ることにより、本当に自分がしたいことや、自分の長所を見出すことが出来ないからです。これでは自分史を作成する意味がありません。
自分史は、人に見せなければいけないものではありません。人に見せないため、安心して自分と向き合うことができます。
嘘をついてしまう理由のひとつに、「目立つような経験がない」「突出した能力がない」といった自信のなさがあります。周囲の人に劣等感を抱いたり、成功体験が少ない人は、こういった傾向にあります。
もちろん、採用担当者をうならせるような経験やスキルがあるに越したことはありません。しかし、企業が新卒に求めるのは、「自社で活躍する人」や「ポテンシャル」です。現にリクルートの就職みらい研究所の「就職白書」では、企業が採用基準で重視する項目のトップは人柄(92%)となっています。
まずは自己分析で自分の経験を棚卸し、素直な自分の人柄や思いをうまく伝える努力をしましょう。自分を偽った先に、良い企業はありません。
「嘘」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「嘘」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
5.未来の話はしない
「自分史を作成するうえでのポイント」について、5つ目は未来の話はしないようにしましょう。自分史の目的は、「自分の過去が棚卸しされている状態にすること」です。
就活を進めていくうちに、「将来はこうなりたい」「こういうことをしていきたい」と考えることも多いでしょう。そういった感情ももちろん大切です。
一方で、「将来のことをなぜそのように考えたのか」といった思考の源泉は、やはり自分の過去を遡らなければわかりません。反対に「自分の考え方」や「無意識のうちに大切にしている価値観」を知ることで、「将来はこういう人間になりたい」「こういうことをしていきたい」といった未来の自分が明確になるでしょう。
そのためまずは自分史で自分の過去について振り返って、自分を理解することから始めていきましょう。
就活では自己分析や企業選びの軸づくりのために自分史を作成しよう
自分史は、企業側から提出を求められるようなものではありません。就活生自身が、自己分析や企業選びの軸づくりのために行うものです。
自分史のゴールは、「自分の過去が棚卸しされている状態になること」です。自分に合った仕事を見つけるために、まずは時間をかけて自分史の作成に取り組んでみましょう。