職種研究

【マシニングセンターとは】種類やオペレーターの仕事内容をご紹介

マシニングセンターの種類や仕事を知らない人は多い

マシニングセンターについて調べている人は、ものづくりに関心があったり工業系の仕事に携わりたいと考えている人が多いと思われます。マシニングセンターとはいったいどのような機械なのでしょうか?マシニングセンターにはさまざまな種類があるため、それらについて知っておくと役に立ちます。この記事では、マシニングセンターの種類やそれに関わる仕事についてご紹介していきます。マシニングセンターを扱う仕事に興味がある人は、資格についてもおさえておくといいでしょう。

非鉄金属業界の現状について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

マシニングセンターは金属などを加工する機械

マシニングセンターというのは簡単に言うと金属を切削する機械です。多数の切削工具を持ち自動で工具を交換できるハイテクマシンです。マシニングセンターで切削作業をするにはコンピューターからの指示により自動で作業を行うため、切削の精度は最高品質で打ちこんだ数値どおりに切削を行う事が可能です。

相当な精密機械ですので使用するのは専用のオペレーターが必要となります。この記事では、マシニングセンターの機械の種類やオペレーターの仕事内容について解説していきます。これからの時代には絶対に必要な技術と、金属加工の最前線をしっかり学んでみましょう。

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マシニングセンターの種類と特徴

マシニングセンターが主に使われているのは自動車メーカーなど、精密な作業が必要になる業種です。機械自体は、例えばエンジンなどピストンが入る穴、シリンダーヘッドを固定するねじ山、水が通るウォータージャケットなど複雑な構造をしています。

相当な精度が求められる加工物に対しても寸分の狂いもなく、昼夜問わず作業できるメリットは今の日本ものづくり大国として発展してきたことに大きく関わっていると言えるでしょう。そのマシニングセンターの種類について説明します。

5軸制御マシニングセンター

5方向の加工が同時にできる意味としては、縦横高さの3方向に対して回転軸が2つ付いているマシニングセンターになります。簡単に説明すると加工物を一回固定すると5面の加工ができる利点が非常に大きいです。

動作として何回も加工物を固定しなおすことがなく、一度に作業できるため、時間の節約や使う工具を当てたいところにピンポイントに当てることができます。かなり複雑な加工に関しても精度を欠くこと無く仕上げることが可能です。現在は最先端の5軸制御マシニングセンターが生産現場で大幅に増えてきています。

立形マシニングセンター

一般的に一番普及されているのが立形マシニングセンターです。構造的には縦横の加工物のスライドと切削部の垂直方向の移動の3軸の加工になります。3軸の加工で切削部が加工物の真上にあるため省スペースが実現でき、大変重宝されています。

主な加工に関しては1面の切削なので金型を使った金属加工時に多く使用され、切削部が上から下に向かっていくシンプルな切削作業なので、オペレーター側からも監視がしやすいのが特徴です。デメリットとしては上からの加工になるので、切り粉が溜まってしまうのでこまめな清掃が必要です。

金額ですが構造がシンプルなので他のマシニングセンターよりは安価で購入することが可能です。

横形マシニングセンター

横形のマシニングセンターは切削部が水平についていて、加工物も横向きで固定する構造になっています。特徴としては立形と違い縦横高さに加えて加工物を置くテーブルが回転するため、一度に4面加工することが可能になっています。立形と違う加工面の多さが最大の違いになっています。

立形では加工が1面だったので加工が終了する度に加工面の変更を手作業でする必要があり、人の手が入ると加工の精度が落ちてしまうのもデメリットでしたが、一度に多面の加工が可能になったのは大きいメリットです。

もうひとつ立形よりも優れているのは切削で発生する切り粉が真横で加工するおかげで真下に落ち、清掃する必要が無くなった点です。

マシニングセンターオペレーターとはどんな仕事?

マシニングセンターはものづくりの最前線の職業であり、これからもっと需要が増えるのは目に見えている職種でしょう。そんなマシニングセンターオペレーターについて仕事内容や必要な資格について解説を含めながら紹介していきます。

こちらの記事では、金属業界の動向と非鉄金属業界との違いを詳しく解説しています。

マシニングセンターの操作をする仕事のこと

マシニングセンターオペレーターとは、マシニングセンターを操作する仕事になります。設計図通りに加工できるかどうかは、マシニングセンターオペレーターの腕にかかっています。設計図を見ながら「使う工具の種類」「穴の高さや大きさ」「切削部の回転速度」を決定してマシニングセンターにデータとして打ち込みます。これらは機械加工に関する知識がなければできませんし、一度加工すると元には戻せないので責任の大きい仕事です。

マシニングセンターオペレーターはものづくりに必須

マシニングセンターオペレーターは、ものづくりや製造業に必要な職種です。今の時代は職人が手作業でする加工物はごく少数で、人件費や加工時間の短縮などでマシニングセンターを導入しているのが当たり前な時代になってきているからです。

金属加工を生業とする会社であればマシニングオペレーターは必須であり、需要を考えても、将来的になくなる職業とは言いにくい職種でしょう。自動車などの製造業は日本産業の中核を担っているので将来的にも安定しているといえます。

慎重な作業をおこなう必要がある

マシニングセンターオペレーターに求められる適正として重要視されるのは慎重な作業工程になります。切削機械がかなりの高精度であったとしても、設計図と全く同じものを作るのはマシニングオペレーターの腕にかかっているからです。

データとして入力する際は何度も確認して正確におこなう必要があるため、石橋を叩いて渡るような慎重な人が特に向いている仕事になります。鉄というのは熱を加えると曲がったりする特性があり日々失敗の連続ですが、それを糧に次に繋げれる勤勉さも重要です。

さまざまな要望に対応できる向上心が大切

マシニングセンターオペレーターと聞くと工場で黙々と作業していると連想しますが、実際はそうではありません。設計図を元に金属加工をするわけですから、そこには顧客が必ず存在しています。どの業種でも顧客の要望に応えることが重要になってくるのですが、機械関係の顧客の要望は専門的な知識を要するものになっています。

技術力で応えていくことは、日々勉強し新しいスキルを身につける向上心を持っていないと厳しいのです。しっかり勉強や経験、スキルを積んでいき顧客から信頼されるようになると、これほどのやりがいを感じられる職種は少ないです。

マシニングセンターオペレーター業界の現状

マシニングセンターオペレーターは金型製造などをおこなう工場で働いていることが多いです。物作りは日本の発展を大きく支えて来た分野と言えます。その中でも金属加工や金型製造をする企業では一般的に導入されていることからも、需要はあると言えるでしょう。

町工場でも普及しており、現在でも日本の物作りを支えています。金属加工の分野にはいわゆる熟練工、職人という存在がありました。しかしその職人たちの高齢化も考えなければなりません。そのことからも今後マシニングセンターオペレーターの需要は増加傾向にあると言えるでしょう。工作機械業界全体で見てもマシニングセンターの需要は高まっています。

マシニングセンターに向いている人の特徴

マシニングセンターオペレーターの情報を知り、仕事をしたいと思った人もいるでしょう。しかしどんな仕事も相性があります。採用されて仕事を始めてみたけれどイメージしていたものと違う場合も珍しくありません。

そのような悲劇に陥らないよう、どんな人が向いているのかを知っておいて損はないでしょう。マシニングセンターオペレーターで求められる能力と、自分が持っている興味、能力を照らし合わせることで失敗の可能性を小さくできます。

慎重な作業ができる

機器を使った金属加工や金型鋳造と聞くと、一般的に手先が器用な人なら向いていると思われがちです。しかしマシニングセンターオペレーターは、手先の器用さより慎重さが求められます。マシニングセンターで作られる部品は、1,000分の1ミリ単位で作られています。その部品を作るために、オペレーターには多くの数値データを正確に入力しなければなりません。

設計図通りに作るため、何度も確認が必要です。慎重さが求められる仕事が退屈な人はマシニングセンターオペレーターに向いていないと言えますし、細かな部分まで含め選択や決断をすることに面白さを感じる人は向いている可能性があるでしょう。

ものづくりがしたい人

ものづくりは日本のお家芸と言われることもあります。技術や知識、経験、そして新しい物を生み出す力は、海外でも一目置かれていると言えるでしょう。そんな物作りに対して、情熱や魅力を持っている人は、マシニングセンターオペレーターに向いている可能性が高いです。

マシニングセンターで加工をする場合、多くの形状を作ることができます。延々と、同じ部品を作るという訳ではありません。また、元々ものづくりが好きな人にとっては、設計図通り作ることに喜びを感じる人もいるでしょう。マシニングセンターでは精度を求められます。1,000分の1の狂いもない物を作りたい、細かな品物を生み出したい、さまざまな加工ができるのは面白いという人なら楽しく仕事ができるでしょう。日本の物作りに携わっている誇りなども芽生えはずです。

機械を使うのが好き

金属加工の面白さだけではなく、機械操作が好きという人も向いています。機器を使用したメカニカルな仕事は、怖いという人もいれば楽しく感じられる人もいます。機械を使う仕事というだけなら、他にもたくさんあるでしょう。しかしマシニングセンター・オペレーターは、素材に対して削る、溝を掘る、ネジを切る、穴を広げるなどさまざまな加工を自分一人でおこなうことが可能です。

加工する材質に対しても、鉄剤やステンレス、セラミックなども扱えます。そのような材質を機械によって加工でき、条件に合わせて刃物やドリルを替えて行く自由度もある訳です。機械を使った仕事が好きという人にとっては、マシニングセンター・オペレーターは向いている可能性が高いでしょう。

重工業業界について詳しく知りたい人は、こちらの記事で紹介しています。

マシニングセンターオペレーターに資格は必要?

マシニングセンターオペレーターになるための必要な資格はありません。未経験で職場で使い方を訓練し、職人としての知識や経験を積んでスキルを磨いている人も多いです。
また、マシニングセンター・オペレーターになる前に機械工だったという人もいます。資格だけではなく、年齢や性別も関係ありません。

しかしマシニングセンターを使った技能検定はあります。例えば機械加工技能士が挙げられるでしょう。中央職業能力開発協会運営による検定です。合格すれば熟練したスキルがあるとして一目置かれるでしょう。機械加工技能士は国家試験で1級を合格すれば、技能士と名乗れます。製品の品質を考えると、所属する会社だけではなく取引先からも信頼を得る可能性が高いです。

資格があると昇進などでプラスになる

機械加工技能士は、マシニングセンターオペレーターなどの機械を操作する際に重要視される資格です。機械加工技能士の資格が活きる就職先は、工場や作業場が中心になります。機械加工技能士の資格は就職に必要というよりも、昇進や手当においてプラスに働くといえるでしょう。

資格があることで率先して仕事を任されたり、企業によっては手当が用意されていたりします。昇進や給料アップはモチベーションにもつながるため、資格を取得していて損はないでしょう。

実務経験を積みながら取得するのがおすすめ

機械加工技能士は未経験者が取得するというパターンはなく、工場や作業場で経験を積んだ人が取得します。そのため、未経験でマシニングセンターオペレータを目指したいという人も心配ありません。未経験者が取得できない原因として、受験資格があげられます。

3級で6ヵ月以上、2級で2年以上、1級で7年以上です。いずれも筆記試験に加えて実技試験があるため、現場で培った知識とスキルが求められます。マシニングセンターオペレーターとして働きながら勉強を続け、資格取得を目指しましょう。資格を取得しておくことで、独立などのキャリアップを狙うことも可能です。

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マシニングセンターオペレーターの安定性は?

マシニングセンターオペレーターは、基本的に安定した職業です。特に経験者や熟練者は金属加工をおこなう企業にとっては必要な人材といえるでしょう。年齢性別も関係ないですし、将来的な転職を見据えたとしても有利です。マシニングセンターオペレーターは、町工場はもちろん、工作機械メーカーでも仕事があります。

スキルを磨き品質が向上すれば会社全体の発展にもつながりますし、一個人としての信頼性も高まります。機械加工業界で考えれば、景気の影響は受けますがマシニングセンターオペレーターに限ったことではありません。機械加工は将来に渡り必要な技術ですし、マシニングセンターに代わる加工機器が生まれなければ将来に渡り需要はあるので安定していると言えるでしょう。

マシニングセンターオペレーターは将来性のある職種

マシニングセンターオペレーターについて説明してきましたが、将来性が高い職種であることは間違いないです。日々技術革新は起きていて今以上に高い精度の金属加工が求められ、それに応えていくのが製造業のあり方であり最大のやりがいでしょう。

今以上に生産性を向上させたり、新しい自動車の開発などは止まることを知らないので、常にものづくりの最先端に身を置くエンジニアの道としても魅力的に見えます。最近では日本国内に留まらず技術が認められれば世界で活躍するマシニングセンターオペレーターも多く活躍しています。

ものづくり大国に産まれた私たちにとっては技術で勝負する仕事は本当に魅力的ですし、憧れでもあるので、興味を持った方は目指してみてはどうでしょうか。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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