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ゼネコンを目指すなら概要を把握しておこう
ゼネコンは建設業界に属する企業であり、大規模な企業が多く、就活生の人気も高いです。ゼネコンへの就職を目指す学生はたくさんいますが、その実態については詳しく知られていないことも多く、そもそもゼネコンとは何かを知らない人もいます。
ゼネコンについて知らないまま選考を受けても合格することはできませんし、就職を目指すのであれば高いレベルでの業界、企業への理解が必要です。
ゼネコンとは何か、その必要性とは何かを知り、売上高や平均年収のランキングから企業についての理解も深めていきましょう。
ゼネコンとは
ゼネコンという言葉自体は耳にすることも多いですが、実際の特徴や定義は詳しく知られていません。漠然とした認識を持っているだけでは、選考を勝ち抜くことはできませんので、正しい意味や定義を理解しておくことが大切です。
「ゼネコン」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「ゼネコン」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
ゼネコンは工事のとりまとめ役
ゼネコンはGeneralContractorの略であり、工事の取りまとめ役として機能している企業です。土木工事から建築工事まで発注者から直接請け負い、工事全体の取りまとめを行います。
工事を取りまとめるとは、実際に工事を行う専門の業者への依頼や、工事現場での管理監督があげられます。ゼネコンは土地開発の企画にあったサブコンや各工事業者に依頼をし、工事の依頼が仕事になります。
ゼネコンは元請けと呼ばれ、実際に工事を行うのはサブコンや各工事業者になります。サブコンとは、ゼネコンの下請として土木・建築工事の一部を請負う企業を指す言葉です。
ゼネコンの中にも「スーパーゼネコン」と呼ばれる企業があり、スーパーゼネコンの大手5社は建設業界をけん引する存在です。細かい定義は決まっていませんが、一般的に単独での売上高が1兆円を超えている企業をスーパーゼネコンと呼びます。
ゼネコンの中にもさまざまな特徴を有する企業があり、企業ごとに建設技術や得意分野などの強みは違っています。工事全体の取りまとめをおこなうだけではなく、自社でも工事を行うことがあり、建設業界で幅広く活躍している存在です。
「ディベロッパー」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「ディベロッパー」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
ゼネコンの必要性
ゼネコンであっても自社で工事を担当する場合もありますが、基本的には取りまとめ役として機能することが多いです。そのためゼネコンに必要性はあるのかと考える人も多いですが、実は非常に重要な役割を担っています。
基本的に土地の開発や不動産の建設の企画は、不動産会社が行い、ゼネコンへ依頼されます。そのためゼネコンが無ければ、建設業に関わる各工事業者は仕事ができません。
またゼネコンが受注する工事は基本的には大規模なものばかりであり、場合によっては都市開発規模の工事を受注することもあります。
工事の規模が大きければ、土木工事と建築工事など種類の違う工事を、同時期におこなわなければならない場合があります。関係する企業は、多い時で数十社にも及びます。
このように様々な各種工事業者が関わっているからこそ、取りまとめる存在が必要であり、ゼネコン無しでは工事を進めることができません。ゼネコンは大規模な工事でも円滑、かつ安全に進めるために必要不可欠な存在なのです。
「建設業界」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「建設業界」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
ゼネコンの売上高ランキング
ゼネコンについて基本的な知識を身に付ければ、売上高ランキングからどんな企業があるのかを知っていきましょう。ゼネコンはスーパーゼネコンと呼ばれる大手5社があり、いずれも1兆円を超える高い売上高を誇っています。
その中でも当然順位はありますし、売上高の高い企業を知っておくことで、業界への理解にもつながります。
売上高が高い=優良な企業では必ずしもありませんが、実績のある企業であることには間違いありませんので、就活の選択肢として視野に入れておきましょう。
1位:株式会社大林組
ゼネコンの売上高ランキング1位は、株式会社大林組です。大林組の売上高は2兆0,730億円であり、他業界と比べても高い水準になっています。
建設工事、地域開発・都市開発などの事業を中心に行い、建設業界で幅広く活躍している企業です。また建設だけではなく、エンジニアリング・マネージメント・コンサルティング業務や不動産事業など、幅広い事業展開も特徴的です。
企業としての歴史も古く、明治25年に創業された老舗の企業でもあります。環境保全・環境浄化の技術開発などにも強みがあり、環境に配慮した事業展開もおこなっています。
活躍の幅は国内に留まらず、海外にも事業を展開しており、アジアや北米などでも活躍している企業です。
2位:鹿島建設株式会社
ゼネコンの売上高ランキング2位は鹿島建設株式会社であり、売上高は2兆0,107億円です。鹿島建設は建設事業、開発事業、設計・エンジニアリング事業などを手がけている企業であり、高層建築物の建設に強みがあります。
日本の超高層ビルの先駆けとして霞が関の建設をおこない、六本木ヒルズやグランドトウキョウなどさまざまな高層ビルの建設を手がけています。
また建設だけではなく、土木構造物の建設にも強みがある企業です。環境問題や歴史的構造物の保存・継承にも力を入れており、高い技術力によって環境に配慮し、文化を守る活動もおこなっています。
さらに国内外で活躍するグローバル企業でもあり、アジアをはじめとして20を超える国と地域に事業を展開しています。
3位:清水建設株式会社
ゼネコンの売上高ランキング3位は、清水建設株式会社であり、売上高は1兆5,674億円です。清水建設は建築・土木・設備等建設工事の請負やPFI事業、都市開発などの事業を展開している企業であり、土木・建築の両分野で広く活躍しています。
また建設だけではなく、建築プロセスやエンジニアリング事業、コンサルティング業務なども手がけており、幅広い分野で活躍しています。
原爆ドーム、東大寺、日光東照宮、首里城、軍艦島など5つの文化遺産の建設に携わるなど、高い実績を誇っている企業です。企業独自の建設力に強みがあり、高い技術力を持っている企業でもあります。
建設事業は国内外で行われており、活躍できる舞台も広く用意されています。
ゼネコンの平均年収ランキング
ゼネコンの売上高ランキングを知れば、次に平均年収ランキングも確認していきましょう。企業の売上高によって業界内での位置づけや経営が安定しているかを知ることができますが、売上高が高いからといって、必ずしも年収も高いわけではありません。
売上高では他の企業に劣っている場合でも、年収は高く、社員への還元率が高い企業もたくさんあります。働く上では年収は大切な指標でもありますので、ゼネコンの中でも上位の企業を知っておきましょう。
1位:株式会社大林組
ゼネコンの平均年収ランキング1位は、株式会社大林組であり、平均年収は1,057万円です。初任給は院卒25万円、大卒23万円と上位2社と同じ水準です。
諸手当として割増手当、別居手当、住宅手当、宿日直手当、特殊作業手当、海外勤務手当、通勤費などがありますので、実質的な給料はさらに高くなります。福利厚生として各種保険は完備されており、社宅・寮などの制度も整えられています。
また育休の制度も充実しており、2015年度の育休取得状況としては取得人数女性39人で、取得率は100%です。また復職率は97.6%であり、育休取得後も働きやすい環境が整えられています。
育児のための短時間勤務の取得者も145人と多く、女性が働きやすい企業だと言えるでしょう。
2位:株式会社竹中工務店
ゼネコンの平均年収ランキング2位は、株式会社竹中工務店であり、平均年収は1,042万円です。
竹中工務店も初任給は院卒25万円、大卒23万円、高専卒21万円と高い水準にあり、賞与も年2回支給されます。諸手当として住宅補助金、作業所勤務手当、時間外勤務手当、海外勤務手当、通勤費なども支給されますし、実質的な給料はさらに高いです。
通勤費は全額支給ですし、社宅・社員寮の制度も充実していますので、生活面で困ることはほとんどありません。
また社宅や社員寮以外にも、住宅貸付金制度も整っており、家族向けの住まいの制度も完備されています。厚生施設として保養所、社員食堂なども準備されており、働きやすい環境にあると言えます。
3位:清水建設株式会社
ゼネコンの平均年収ランキング3位は、清水建設株式会社です。清水建設の平均年収は1,006万円であり、他業界と比べても高い水準にあると言えます。
新卒の募集は総合職と地域職にわけられており、総合職の方が初任給も高く、将来的な平均年収も高いです。総合職の初任給は院卒で25万円、大卒で23万円、高専卒で21万円であり、初年度の給料も高いと言えます。
賞与も年2回ありますし、早い段階で高い年収を獲得することも可能です。福利厚生も充実しており、雇用・労災・健康・厚生年金保険などの保険や社宅の制度もあります。
産休や育休、育児に伴うフレックス制度の導入など、女性が働きやすい環境も整っており、男女ともに活躍できる企業です。
ゼネコンの働きやすい会社ランキング
首都圏では、新築の高層ビルのなどの建設が続き大手ゼネコンの経営も好調です。しかし従業員の高齢化などにより優秀な技能を持つ労働者の確保や長時間労働などの是正が業界としての課題となっています。
【建設業界】働きやすい会社ランキング2017|キャリコネニュースでは、上位を大手ゼネコンが独占しました。ユーザーの評価の観点としては、6つの項目で5点満点での評価となっています。
項目としては、労働時間や給与、休日の満足度と仕事内容でのやりがい、ストレス度の度合いや企業がブラック企業ではないというホワイト度です。
これらの評価において平均点高い企業として、2016年の10月から2017年の9月まででは、1位が鹿島建設で平均点は3.21でした。2位は、清水建設で平均点が3.20、3位は、一条工務店で3.07点、4位が積水ハウスの3.02点で5位は大成建設で平均点が2.91でした。
それでは、それぞれの評価につながる内容についてご説明します。
1位:鹿島建設株式会社
不動産開発を得意としている鹿島建設株式会社が1位となりました。仕事内容では東京駅の丸の内駅舎などの復元で注目されました。働きやすさの項目でみますと休日の満足度やストレス度が低いという点で評価が高くなっています。
しかし2番になっている企業との差はそれほどありません。総合的な平均点で1位という評価となっているものです。
特に休日の満足度に関しては、配属している部門で異なりますが管理部門と現業部門、工事事務所などがあり主に工事事務所配属でなければ有給や休日なども比較的取りやすくなっています。
また厚生面では、会社所持の厚生施設などは格安で使用することが可能です。住環境としても地方の場合には、会社の借り上げのアパートや寮が1万円程度で住め光熱費なども支給される場合がありますので、かなり配慮がなされています。
2位:清水建設株式会社
清水建設株式会社は、首都圏などでの民間の建築に主力を置いています。現代社会では、必須となっている環境エネルギーに関連する事業に重点を置いた経営がされています。働きやすさの項目の中では、給与の満足度が高評価となっています。
会社の方針として外注事務所などにアウトソーシングを積極的にしており大企業の経営の仕方も好評です。しかし繁忙期には、どうしても残業をしないといけない状況となります。
全社的には、労働時間の短縮を図るという雰囲気があるのでできるだけ無駄な残業を減らす傾向にあります。また有休や休日などが比較的取りやすい雰囲気で働きやすい環境ということで長年に渡って勤務している方が多い状況です。
正社員の中でのランクとして総合職や地域職があり派遣社員にもベテランが多いので、人間関係で微妙な立場になることもありますが、比較的人間関係は良好です。
3位:株式会社一条工務店
3位の株式会社一条工務店は、木造住宅では大手の企業です。特に働きやすさの項目で高いのは、仕事に対するやりがいで他の会社の中で最も高評価となっています。それは、比較的若年の頃から実際の現場を任されるという点が影響しています。
現場では、顧客の意見を直接聴くことができるため、仕事としての責任はかなりあるのですが物件を引渡した時などの達成感や満足感が大きいからです。
また仕事の結果としての評価が成果にも繋がり給料に反映されます。そのため社員のモチベーションが高まるということになります。
その他の手当てなどとしては、役職手当や家賃手当、資格を取得した時の報酬金や報酬休暇、結婚や子持ち手当などとかなり手厚い状況です。
休日などの取り方では、各社員が自身のスケジュールをある程度調整できますので、顧客の都合などと合えば比較的休みも取りやすい環境です。
建物の引渡しが重なり休日出勤が多くなると引渡し前に休むということも可能で、上司も休むことについては比較的寛容な雰囲気です。
「一条工務店」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「一条工務店」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
4位:積水ハウス株式会社
積水ハウス株式会社は、注文住宅の分野では最大手です。働きやすさの項目では、どの項目においてもそれほど評価の悪いというものはないのですが、全体として4位という低い評価となりました。
特に給与の満足度や仕事のやりがいという点では、他の会社よりも低い状況となっています。
勤務時間に関しては、CADオペレーターなどでは出勤時間なども融通が利きやすいので育児をしている場合には助かるということもあります。
休日の取り方もある程度融通がきき、月に何日間かはどうしても残業がありますがサービス残業や無駄な残業などはありません。
5位:大成建設株式会社
戸建て住宅から大型土木まで手がけているスーパーゼネコンが大成建設株式会社です。働きやすさという点では、5位となりましたが給与の満足度では高くなっています。
仕事のやりがいという点の意見では、「将来的に独立することを考えている人が技術的にトップクラスの企業なので勉強になる」や「同僚の社員でも勉強熱心な方が多いので、競争をしながらお互いに高めあうことができる」というものがあります。
勤務時間などでは、忙しい時とそうでない時の落差が結構あります。しかし昔と比べて最近は、働き方に対して厳しくなっており休日出勤などもごくまれです。残業代の件でもかなりの時間数は支給され、厚生面でも充実しています。
ゼネコンの売上高や平均年収ランキングを把握しておこう
ゼネコンと一口に言っても、企業によって特徴や強みは違っていますし、選考を勝ち抜くためにはそれらを正しく理解しておくことが大切です。
企業についての知識、理解がなければ就活を成功させることはできませんし、そもそもゼネコンとは何かを知らなければ理解を深めることもできません。
まずはゼネコンとは何か、その必要性は何かを知って、それぞれの企業への理解を深めていくことが大切です。企業を知る方法はさまざまですが、ランキングを見ることでも理解は深まりますし、一つではなく複数のランキングを見る必要があります。
売上高や平均年収などの観点から企業を知り、さらに別の観点からも企業を知って、ゼネコンへの就職を目指しましょう。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。
読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。
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