業界研究

【消費者金融の就職で知っておきたい知識】業務内容と代表企業3選

消費者金融に就職するなら知っておきたい知識


消費者金融は、銀行に比べて手軽にお金を借りられる便利さから近年急速に成長してきている業界です。消費者金融の企業は世間的にはよいイメージを持たれていない場合が多く、全ての消費者金融の企業をブラック企業だと思い込んでいる人も少なくありません。実際、少し前までは夜遅くに無理な取り立てをしたり、違法に個人情報を集めたりしていた消費者金融もありました。

しかし2007年に貸金業法が改正され、さまざまな規制が厳しくなったことで世間一般の人が抱いているイメージよりもかなり厳格な企業へと変わりました。ビジネスマナー研修を行っている消費者金融もあり、貸金業の国家資格の取得を促したりもしています。また、消費者金融の企業の年収も他企業と比べて決して悪くはありません。実力主義を取り入れている企業も多く、意欲のある就活生にとってはやりがいのある職場だといえます。

金融業界について確認しておきたい場合はこちらの記事を見てみてください。

関連する企業としてカード会社が挙げられます。こちらの記事を併せて読んでみてください。

消費者金融について

消費者金融とは、個人に対して小口の融資をおこなう金融機関です。同じ金融業の銀行との違いは、預金や為替業務を扱っていないことです。言い換えれば、銀行の融資部門に特化した金融業といえるでしょう。適応される法律も違い、銀行が「銀行法」であるのに対して消費者金融は「賃金業法」という法律の管轄になります。

少し前までは「サラ金」、「高利貸し」などと呼ばれ、悪徳業者のイメージがありましたが、2010年に賃金業法が改正されて以降、健全化されてきています。今でも消費者金融というとお金を取り立てたりする怖いイメージを持っている人がいるようですが、実際はデスクワークが多く、厳しい取り立てなどをおこなうこともありません。

金融業界全体についてはこちらの記事で確認できます。ぜひ参考にしてみてください。

消費者金融は登録された業者

2010年に「賃金業規制法」が施行されてからは、消費者金融は総理大臣もしくは都道府県知事の許可を得なければ営業ができなくなりました。無登録で営業をおこなった場合は罰金刑や懲役刑が科せられます。賃金業登録をせずに営業をしている業者は「闇金融」と呼ばれ、消費者金融と決定的に違うところです。

かつては無理な回収などを行ったことにより業務停止を受けた消費者金融もありましたが、今では法令遵守を強化し、働きやすい職場へと変わってきています。かつてのようにブラック業界としてのイメージが強かった消費者金融の業界も、今では就職先としてとても安定していて魅力ある業界へと変貌を遂げてきています。

消費者金融は金利が定められている

消費者金融での融資は貸金業法や出資法、利息制限法などの法律に則って行っています。また、金利や融資額、督促の方法も全て法律に従って運営されています。消費者金融は、銀行などと比べてお金を手軽に借りられるのが大きな特徴です。借り入れの審査基準が銀行ほど厳しくはなく、審査までのスピードが早いのが一般的です。

消費者の金利は「利息制限法」という法律で定められています。借りる金額によって異なりますが、例えば10~100万円借りた場合は年利最大で18%と決められ、銀行やカードローン会社に比べると高めに設定されています。しかし、銀行でお金を借りる際には担保や保証人が求められますが、消費者金融では無担保・無保証でお金を借りることができるのが大きな魅力です。

取立てにはしっかりルールがある

消費者金融の取り立ては、闇金融の業者と違い「貸金業規制法」という法律で厳しく取り締まられています。この法律の中には「取立行為の規制」という項目があり、私生活や仕事の妨げになるような取り立ては禁止されています。具体的には午後9時から午前8時に電話をかけたりFAXを送ったり、自宅を訪問することはできません。また、勤務先への電話やFAXも禁止されています。

取り立てをする際にもルールがあります。いくつかを紹介しますと、電話の回数は基本的に1日3回までです。また、自宅への訪問は2名以内で暴力的な言動も罰せられます。これらに違反した消費者金融は「業務停止命令」など厳しい処分が下される可能性があるのです。

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大手消費者金融での主な業務内容とは

消費者金融の主な業務内容は、一時的にお金を借りたい個人に対して融資をおこない、返済を支援する仕事です。主な業務内容は「ATMの精査・現金チェック」、「営業業務」、「回収業務」であり、銀行などの融資部門と同じ仕事といえるでしょう。消費者金融は、融資したお金に利息を乗せて回収することによって利益を得ています。

また、返済が遅れたり滞納したりする顧客に対して電話で簡単な督促業務もおこないます。さらに、広告やティッシュペーパーを路上で配るなどの宣伝業務も通常業務のひとつです。

ATMの精査・現金チェック

消費者金融にはキャッシングやカードローンの返済滞納が続いている顧客がいます。このような顧客の中には「借金の整理」を申し出るケースも珍しくはありません。このような場合は、消費者金融は裁判所や弁護士との書類のやり取りがあり、切手や印紙、手形などを使うことがあります。ですから、朝と夕方の2回、現金チェックがおこなわれます。

ATMの金額チェックも大切な仕事で、オンラインの残高チェックは通常の業務のひとつです。銀行と同じく1円の食い違いも許されず、全てが合うまで業務は終われません。昔は駅近くのあちこちに消費者金融の店舗がありましたが、今ではATMと無人契約機の店舗が増えてきています。ですからオンライン取引がほとんどで、ATMの精査・現金チェックの業務の重要性は増しているといえるでしょう。

営業業務

営業活動としては顧客に対して融資限度額の拡大を依頼し、より多くのお金を借りてもらうように働きかける仕事が中心です。接客としては入金の受付やカードローンの新規申し込み、限度額増額の契約手続きなどがあります。電話営業としては、顧客リストから限度額の増額ができそうな顧客に対して連絡をし、増額の案内や別商品の案内をします。

営業業務は主に女性が担当しており、夜中など24時間体制で送られてくる申請を確認し、新規の貸付や増額などの精査をおこなうのが一般的です。融資できない場合の断りの電話も必須となっています。

回収業務

消費者金融は貸付できる金額が決まっている以上、回収業務に力を入れています。この回収の業務とは、いわゆる「取立て」を担当する業務のことを言います。返済が遅れている顧客に対して電話をかけたり手紙を出したりして、支払いを督促する仕事です。債権者への電話連絡が主な仕事で、お金を融資した債権者の中で返済が遅れたり滞納が続いている場合にルールに従って督促をおこないます。

電話をかけられる回数や時間は決まっているため、回収業務担当者は絶え間なく電話をしているのが実情のようです。なお、本社の精査が入るため、電話の内容はボイスレコーダーで録音されており、無理な督促ができないようになっています。悪質な滞納者の場合には、債権回収専門の業者などに依頼をすることもあります。

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消費者金融に代表される企業3選

2010年に貸金業法が改正されたのに伴い、大手消費者金融がメガバンクと呼ばれる大手銀行グループ会社の傘下に入るようになりました。こうした消費者金融は「銀行系消費者金融」と呼ばれたりします。メガバンクグループの傘下に入ると安定とした資金力を得ることができると同時に、社会的な信用度も増すというメリットがあります。

これらの大手消費者金融は給与や賞与の条件をみても他の業界と決して劣ることはなく、福利厚生や休暇制度などが充実しているのも大きな特徴です。それでは、大手消費者金融の中から、アコム株式会社、アイフル株式会社、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の3社について、企業の特徴を解説します。

アコム株式会社

アコムは1936年創業の呉服商を起源とする貸金業者です。その後質屋業を経て、1978年にアコム(株)を設立しました。業界初の24時間稼働のATM機を導入したり、自動契約機の「むじんくん」の開発を行うなど、革新的な取り組みで成長を続けてきています。2008年に三菱UFJフィナンシャルグループの子会社となり、都市銀行の傘下に入りました。

ローン事業や信用保証事業、海外金融事業を中核3事業と位置づけ、個人ローン市場におけるシェアの拡大に努めています。アコムの社名は、Affection(愛情)、Confidens(信頼)、Moderation(節度)の頭文字をとったものです。平成31年末の従業員の平均年齢は40.4歳、平均勤続年数は14.4年、平均年間給与は602万3,000円でした。

アイフル株式会社

アイフルは京都市に本社を置く東証上場の大手の消費者金融の会社です。大きな特徴はメガバンクグループの傘下に入らず、独立系の消費者金融の会社だということです。アイフル(AIFUL)の社名は、「Affection(愛情)、Improvement(努力)、Faithfuleness(誠実)に仕事に臨み、Unity(結束)とLiveliness(活気)に満ちた会社」からきています。

アイフルグループの事業は多岐にわたっており、消費者金融だけではなくクレジットカード事業や債権管理、回収サービス、ベンチャーキャピタル事業、リース事業などさまざまです。また、日本国内で蓄積してきたノウハウを活かして中国やタイなど海外へも進出しています。平成31年末の従業員の平均年齢は41.5歳、平均勤続年数は14.0年、平均年間給与は554万円でした。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社は1962年に設立された消費者金融の会社です。三井住友フィナンシャルグループと本格的な資本・業務提携を行い、創業50周年を迎えた2012年に社名を「プロミス」から「SMBCコンシューマーファイナンス株式会社」に変更しました。事業内容としては金融事業・保証事業・海外事業・管理事業・債権管理事業と多岐にわたっています。

特に海外事業は1989年に台湾でスタートし、1992年には現地法人の「プロミス香港」の設立をおこないました。また、2016年には海外金融事業部内に「中国業務室」を設置し、中国事業を強化しています。平成28年末の従業員の平均年齢は39.6歳、平均勤続年数は14.3年、平均年間給与は580万5,000円でした。

消費者金融について正しい認識を持って就職しよう

消費者金融は、銀行に比べて手軽にお金を借りられる便利さから近年急速に成長してきている業界です。消費者金融は総理大臣もしくは都道府県知事の許可を得なければ営業ができません。また、消費者金融での融資は貸金業法や出資法、利息制限法などの法律に則っておこなわれています。さらに、金利や融資額、督促の方法も全て法律に従って運営されています。

消費者金融の主な業務内容は「ATMの精査・現金チェック」、「営業業務」、「回収業務」であり、銀行などの融資部門と同じ仕事といえるでしょう。2010年に貸金業法が改正されたのに伴い、大手消費者金融が大手銀行グループ会社の傘下に入るようになりました。

大手消費者金融としてはアコム株式会社、アイフル株式会社、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が有名です。業界・企業について十分に調べて理解を深め、就活を進めていくようにしてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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