自己PR

ガクチカがない人がやるべき7つのこと| 作り方のコツも解説

目次

  1. ガクチカがない人は今からでも対策すれば遅くない
  2. 就活生に聞いた! ガクチカで困ったこと
  3. そもそもガクチカとは? 押さえておきたいガクチカの基本情報
  4. 企業がガクチカで見ている4つのこと
  5. 就活生に聞いた! ガクチカの作り方
  6. 題材が見つからない人必見! ガクチカの見つけ方とは?
  7. ガクチカがない人は今から作ろう! おすすめの方法5選
  8. 就活生に聞いた! 完成したガクチカの内容
  9. 4ステップで解説! ガクチカの作り方
  10. 就活生に聞いた! ガクチカを書く際に工夫したこと
  11. ガクチカを書く際の注意事項
  12. トピック別に解説! ガクチカの例文10選
  13. ガクチカがない人は今すぐに行動を起こしてまずは題材を見つけよう

ガクチカがない人は今からでも対策すれば遅くない

就活には欠かせないガクチカ。面接でたずねられることも多いため、就活を成功させるためには対策が必須です。しかし、「ガクチカがない」と頭を抱える学生も少なくありません。

この記事では、ガクチカのない人が題材を見つけて魅力的なガクチカにする方法を紹介します。ガクチカの概要、見つけ方・作り方、文章作成時の注意事項、具体的な例文などにも触れるので、気になる人はぜひご覧ください。

就活生に聞いた! ガクチカで困ったこと

ガクチカで苦戦したこと

ガクチカを作るうえで苦戦したことについて、学生にアンケート取材をおこないました。みなさんは、どのような悩みを抱えていたのでしょうか。

ガクチカがないことに苦戦した意見が多数

多くの学生が、「ガクチカがないこと」に頭を抱えていました。新型コロナウイルスの影響によって、目立った活動をおこなえなかった人も多かったです。

特に、サークルや部活動に入っていなかった人が、エピソード探しで苦戦する傾向がありました。強く自分の魅力をアピールできるようなガクチカが思いつかず、ほかの学生と自分を比べて焦ってしまった人も目立ちました。

企業に適したガクチカの表現方法に苦しんだという意見も

一方で、「受ける企業に合わせて、ガクチカをどう表現するかに苦戦した」という意見も多く寄せられました。

受ける会社によってガクチカの内容を変更し、わかりやすい文章で表現するには、大きな労力がかかります。会社ごとに変わる指定文字数内で、文章をまとめることに苦しんだという意見も多くありました

そもそもガクチカとは? 押さえておきたいガクチカの基本情報

次に、ガクチカの概要について解説します。ここで基本情報を押さえておけば、人にはなかなか聞けない疑問点も解消できます。

「ガクチカってよく耳にする言葉だけど、意味をしっかり調べたことはない!」「ガクチカと自己PRの違いがわからない!」という人は、ぜひ確認してくださいね。

ガクチカとは「学生時代に頑張ったこと」という定番質問

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略称です。つまり、学生時代に頑張って取り組んだエピソードを求められています。エントリーシートや履歴書へ記載することが多く、面接ではその内容を深掘りした質問がおこなわれます

企業側がガクチカをたずねる主な理由は、「物事に取り組む姿勢や、人となりを確認したいから」です。研究、サークル、アルバイト、ボランティア………。

題材は同じだとしてもガクチカで話すエピソードの内容によって、学生の人物像をより深く理解することができます。

ガクチカは、いまや就活における定番質問です。就活を進めるうえでほぼ必ずたずねられるため、対策は必至となります。

自己PRとの違いは「質問の趣旨」

ガクチカとよく似た質問に、自己PRがあります。この2つの大きな違いは、質問の趣旨です。

ガクチカと自己PRの違い

・ガクチカ……学生時代に何を頑張ったか、という「エピソード、経験」
・自己PR……自分自身の強みは何であるか、という「アピールポイント、長所」

このように、ガクチカと自己PRはそれぞれ異なる内容をたずねています。企業側は、ガクチカで「物事に取り組む姿勢」を、自己PRで「採用するメリット」を確認し、内定を出すかどうか判断しているのです

意図的に2つの項目を分けている時点で、企業側はガクチカと自己PRにおいて異なったアプローチを求めています。「自己PRと同じような内容を書いておけばいい」と思わず、ガクチカに絞った対策が必要です。

自己PRとガクチカを同じ題材にする場合の作り方のコツはこちらの記事で詳しく解説しています。

企業がガクチカで見ている4つのこと

企業側はガクチカを通して、具体的にどのような観点をチェックしているのでしょうか。ここでは、とくに重要度が高いポイントを4つ取り上げて解説します。

企業側のチェックポイントを理解することで、より評価されやすいガクチカを書けるようになりますよ。

自社とのマッチング

1つ目のポイントは、「自社で活躍するイメージが持てるかどうか」です。社風や先輩社員の考え方とマッチングしない人材を採用しても、早期退職につながってしまいます

行動の特徴や、タスクに対する取り組み方を見ることで、自社に適した人材であるかどうかを判断するのです。

また、企業側は、ガクチカから「適している仕事内容」まで想定します。

たとえば、「テニス部部長としてチームをまとめて、県大会優勝を果たした」というガクチカなら、「チーム単位で業務をおこなう仕事に向いている」「リーダーポジションの適性がある」と判断します。

もし企業の内容とマッチしないガクチカを提出してしまうと、選考通過の可能性は下がるということです。

物事への取り組み方

2つ目のポイントは、「物事に対してどう取り組んでいるか」です。具体的には、以下のような観点をチェックします。

・モチベーションが向上するきっかけは何か
・仕事に対してどれくらいの熱量を持っているのか
・目標を達成するために、どうアプローチをおこなうのか
・課題解決能力は高いか

学生時代の活動への取り組み方から、このような「タスクに対する行動の特徴」を見極めていきます。入社後にモチベーションを高めて業務に取り組んでくれるか、先輩社員の熱量に負けずに業務がおこなえるかなどについて判断します

企業側から高評価をもらうには、入社後の様子が想像しやすいエピソードを選びましょう。

説明能力の高さ

3つ目のポイントは、「自分の言葉でガクチカをしっかりと説明できるか」です。ESにガクチカを記載する場合、指定された文字数内で自分が伝えたいことを表現しなければなりません。

面接でも、シンプルにわかりやすく文章をまとめることが必要です。ここで試される文章力や表現力は、社会人になってからの業務でも求められます。

説明能力が求められる主な業務

・提案書や報告書の作成
・新規企画のプレゼンテーション
・営業でのトーク
・クリエイティブな業務

上記をはじめとしたさまざまな業務で、「伝えたいことを過不足なく説明できるスキル」が活かせます。企業側はガクチカを通して、社会人に必要な説明能力の高さも確認しているのです

価値観や考え方

4つ目のポイントは、「価値観や考え方が、企業にマッチするかどうか」です。仕事への価値観や、社会に対する考え方が似ている人材を、企業側は必要とします。

つまり、ガクチカで重視される観点は、エピソードの派手さではないということです。たとえ規模が小さいエピソードでも、企業側に「自社の価値観と似ている」と判断してもらえれば、十分勝機はあります

新しい分野へ積極的にチャレンジすることや、イノベーションを重視する企業には、「サークル運営を効率化するために、新しいシステムを導入した」というガクチカを述べれば、好感触がつかめるはずです。

ガクチカを作る際は、内容が企業の思想とフィットするかどうかを重視しましょう。

就活生に聞いた! ガクチカの作り方

苦戦する学生が多いガクチカ。文章を書こうと机の前に向かってみても、なかなか筆が進みませんよね。そもそもガクチカがない人にしてみると、何を書けばいいのかわからないものです。

そこで今回は、ガクチカをどうやって作ったのか学生のみなさんに聞いてみました。企業から高く評価されやすいガクチカを作る、ヒントが隠れているかもしれません。

がくちかを考えた方法

大多数の人が、自己分析によってガクチカを考えたと答えました。自分自身を振り返ることで、自分が過去に力を入れてきたトピックに気付くということですね。そのほかには、周りの人に質問したり、日々の習慣を振り返ったりした人も多かったです。

日記やSNSを見返した人や、ここ1年間の出来事を書き出してみた人も一定数存在しました。いずれにしても、自分が今まで見落としてきた過去の経験を思い出すために、さまざまな行動を取っているようです。

ガクチカがない人も、こうしたアクションをおこなうことで文章が書けるようになります。

題材が見つからない人必見! ガクチカの見つけ方とは?

ここからは、ガクチカを見つけるための行動について紹介します。今まで自分が歩んできた道のりを振り返ることで、内容の大枠が定まっていきますよ。

ガクチカがない人や、文章に使いたいトピック・題材が思い浮かばない人は、こういった行動を試してみてくださいね。

自己分析をおこなう

もっとも手っ取り早い方法は、自己分析をおこなうことです。自分が今まで取り組んできたものや、基本的な考え方を振り返ることで、今まで見落としていたアピールポイントを見つけることができます。具体的には、以下の内容が例に挙げられます。

自己分析の方法

・自分史を作成する
・モチベーショングラフを作る
・マインドマップを作る
・好きなものと嫌いなものを羅列し、共通点を考える
・自己分析ツールを利用する
・自己分析テンプレートに書き込む
・自己分析に関する書籍を読む

しっかりと自己分析をおこなって作成したガクチカは根拠が明確化されているため、質が高いです。面接で深掘りされても、自信を持って質問に答えられます。

自己分析について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

他己分析をおこなう

友人や家族に聞いて他己分析をおこなうことも、有効な方法です。

他己分析とは、他者に自分の特徴などについてヒアリングすることで、自分の分析を進める方法です。自己分析と比べると、より客観性が高まる点がポイント。自分では気づかない強みや長所を見つけられる可能性が高まります。

他己分析を依頼する際は、人物選びが重要です。まだ心理的距離が縮まっていない人に依頼しても、お世辞を言われたり、本音を隠されたりするからです。できる限り、以下の特徴に当てはまる人物を探しましょう。

また、友人だけでなく家族に依頼するなどして、複数の立場の人物から意見をもらうことも大切です。

・遠慮せずに意見を述べてくれる人
・就活を経験している人
・親身になって接してくれる人

他己分析についてさらに詳しく知りたいなら、こちらの記事もチェックしてみてください。

自分に対して質問をする

自分に対していくつか質問をすることで、ガクチカが見つかることもあります。具体的には、以下の例が挙げられます。

・大学3年生の期間内で、1番印象に残った出来事は何?

・大学生活を振り返って、1番戻りたい時期はいつ?
→〈深掘り〉何に力を入れて取り組んだ?

・学生時代でもっとも楽しかったエピソードは何?

・1番好きだった授業は何?
→〈深掘り〉自分は何に興味関心をもっている?

・もう少し頑張れたかもしれない、と後悔していることはある?
→〈深掘り〉自己評価が高いものは何?

何もない状態からガクチカを作り出そうとしても難しいものです。しかし、自問自答を繰り返すことで、少しずつ学生時代の解像度が高まっていきます。ガクチカがないと悩む人は、まずこれらの質問に答えてみましょう。

毎日おこなっている習慣を振り返る

毎日欠かさずおこなっている習慣を振り返ることで、ガクチカを作ることができます。なぜなら、「あまり人がやっていないこと」はそのまま自分のアピールポイントにつながるからです。

習慣からガクチカを考える例

・エレベーターやエスカレーターを使わずに階段で移動する→小さな努力を重ねることができる

・毎日筋トレを続けている→目標達成のためにルーティンを継続できる

・会計簿を付けている→事務作業に長けている

上記のような習慣がある人は、「健康的な生活を過ごす」「日常的に体を動かし、活動的な日々を過ごす」といったガクチカを作ることが可能です。

何気なくやっている習慣もガクチカの題材にすることができるので、習慣化しているものをまずはリストアップしてみましょう

学生時代の日記やSNSをチェックする

日記を付けている人や日常的にSNSで投稿している人は、学生時代の記録をチェックしましょう。日々の出来事に対してどんな感情を抱いていたのか、自分にとって大切なものとは何かなど、内面的な思考の特徴を見つけることができます。

留学など特別な経験を積んでいなくても、クオリティが高いガクチカを書くことは可能です。たとえば、「友人と一緒に遊びに出かけた。時間をかけて選んだお店を、友人が喜んでくれてうれしかった」という日記を書いていたとしましょう。

ここからは、「他者のためにおもてなしやホスピタリティを極めることに力を入れた」というガクチカが書けます。

1年間の出来事を書き出す

特定のエピソードがまったく出てこない人は、ここ1年間の出来事を羅列してみましょう。日にちを細かく分割し(月や週など)、できる限り細かなエピソードまで思い出して書き出すことが大事です。

学校関連だけでなく、家族とのやり取りや、習いごとなどで起きた出来事も書いてみましょう。

もし1年間の中に目立ったエピソードがない場合は、大学全体を通した出来事や、大学以前の出来事を書き出しましょう。なお、ここで書き出す出来事は、必ずしも成功体験に限った話ではありません。

たとえ失敗したとしても、そこから学んだ内容をしっかりと説明できればガクチカにすることができますよ

他の学生のESを参考にする

さまざまな方法を試しても本当にガクチカが見つからない場合は、ほかの学生のESを参考にしてください。

ガクチカの具体例を知ることで、自分の中の表現の幅が広がるからです。就活サイトで公開されている、内定者のデータをチェックしましょう。「こういう内容をガクチカに選んでもいいんだ!」という気づきが、魅力的なガクチカを生み出します

ただし、ほかの学生のガクチカをそのままコピーすることは控えましょう。面接で深掘りされた際、質問に答えられない恐れがあります。あくまで、テーマの選び方を学ぶために使ってください。

ガクチカがない人は今から作ろう! おすすめの方法5選

ガクチカの作り方

もし就活開始までに時間があるなら、今からガクチカを作る方法もあります。ガクチカがない人におすすめしたい作成方法を5つ厳選しました。場合によっては、数ヶ月でガクチカにできる経験を作れることもあります。

「ガクチカがない」と悩んでいるなら、まず最初の一歩を踏み出してみましょう。

①インターンシップに参加する

1つ目の方法は、インターンに参加することです。とくに3ヶ月以上の長期インターンは、就活でも高く評価されやすいエピソードの1つとなっています。なぜなら、長期インターン参加経験がある学生は決して多くないからです。

比較的時間がある人(大学3年生など)は、今からインターンに参加する方法をおすすめします。

インターン先を選ぶ際は、企業規模の大きさなどよりも、「事業・業務内容に、自分が興味を持てるかどうか」を重視しましょう。インターンで価値のある経験を積むには、自分自身が楽しんで業務に取り組むことが重要だからです。

②アルバイトを始める

2つ目の方法は、アルバイトを始めることです。これまでにアルバイト経験がない人は、この機会に挑戦してみるといいですね。新しい環境に身を置くことで、挫折や成長を味わえます。

数ヶ月だけの勤務でも、ガクチカに使えるエピソードを作成可能です。もちろん給料ももらえるので、学生にとっては一石二鳥ですよ。

できるなら、ほかの学生があまり体験したことがない、レアなアルバイトを探すことをおすすめします。飲食店での接客バイトなどは、ライバルと内容が被ってしまう危険性が高いです。企業側が興味を持ってくれそうな、特殊なアルバイトを見つけましょう。

ガクチカに向いているアルバイト

・研究補助
・遺跡発掘作業
・テレビ撮影や舞台公演でのサポート
・中高生の学習メンター
・テストや小論文の採点

③資格を取る

3つ目の方法は、資格を取得することです。目標に向かって努力を重ねられる継続力、自分から行動できる積極性など、さまざまなポジティブ要素をアピールできます。

ただし、余裕を持って合格・高得点を取得するには、長期間(半年〜1年以上)の勉強時間が必要です。そのため、就活開始まで余裕がある人におすすめします。

学生におすすめする資格は以下のとおりです。これらの資格を取得していると、社会人になってからもキャリアアップに役立ちます。

ガクチカで使える資格

・TOEIC(800点以上)
・日商簿記検定
・MOS
・宅地建物取引士
・ITパスポート試験
・秘書検定

就活に役立つ資格について知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。

④課外活動をおこなう

4つ目の方法は、課外活動をおこなうことです。具体例を以下に挙げていきます。

ガクチカで使える課外活動

・ボランティア活動
・サークル
・部活動
・留学
・習い事
・地域貢献活動

時間に余裕がある人は、新しくサークル・部活動に参加したり、留学に挑戦してみたりしましょう。今すぐにガクチカが必要な人は、短期で実績を作れるボランティア活動がおすすめです

ただし、多くの学生がガクチカとしてボランティアをおこなっています。ただ「ボランティア活動に参加した」という報告で終わらないように、自分らしいアピールポイントを添えることが大切です。

⑤趣味を突き詰める

5つ目の方法は、趣味を突き詰めることです。「ガクチカに趣味を選んでもいいの?」と思うかもしれませんが、企業側はエピソードの内容よりも「そのエピソードを通して、どう活動に取り組んだか」という姿勢を確認しています。

伝え方を工夫すれば、趣味も効果的なガクチカとして使えます。

注意すべきポイントは、「目標達成のために頑張った内容を入れること」です。たとえば、ゲームを趣味にしている人は、「世界ランキングトップ100に入るために、効率よくゲームを攻略した」という内容を書くといいですね。

ただ趣味を楽しむのではなく、定量的な結果が出る目標達成や、情報の発信者になるなど、アプローチ方法を工夫することが大切です。

就活生に聞いた! 完成したガクチカの内容

ゼミ、サークル、部活動、アルバイト、インターン……。学生のみなさんが、どんなガクチカを実際に就活で使ったのか気になりますよね。

そこで、ガクチカに書いた内容についてアンケート取材をおこないました。バラエティ豊かな回答が集まったので、その結果を紹介します。

ガクチカの内容

全体で3割以上の学生が、アルバイトでのエピソードをガクチカに書いたという結果が出ました

次に部活動、サークル、研究、ゼミと続きます。アルバイトを経験した多くの学生が、そのエピソードをガクチカに書いているようです。

ただし、回答全体を見てみると、「ビジコン」「イベント運営」「国際交流活動」「ブログ運営」など、多種多様な回答が集まりました。円グラフを見てみても、回答の細分化がよくわかります。

ガクチカでは、エピソードそのものの強さは重視されません。全体の傾向にとらわれず、自分らしい回答を選ぶといいですね。

4ステップで解説! ガクチカの作り方

ガクチカの作り方

ガクチカを作る場合、使用するエピソードを決めたあとに文章を作っていきます。しかし、この段階で壁にぶつかってしまう学生は少なくありません。

ただエピソードの内容を説明するだけでは、内定につながるような自己アピールは難しいです。ここでは、大きく4つの順番に分けて、ガクチカの作り方を解説します。

①学生時代を振り返る

まず、ガクチカで使うエピソードを探すために、学生時代を振り返りましょう。振り返り方は人によって異なるため、主な例を下記に記載します。

学生時代の振り返り方法

・学生時代の出来事を列挙する
・日記や過去のSNS投稿を確認する
・これまでに受けた授業内容を整理する
・友人と学生時代について話す

ガクチカは、できる限り複数用意しておいた方が良いといわれています。なぜなら、各企業に適したエピソードを取捨選択できるからです。学生時代を振り返る段階で、多数の出来事を思い出すことができれば、このあとの作業が一気に楽になります。

②印象的なエピソードを羅列する

学生時代の出来事を振り返ったら、その中でとくに印象的なエピソードを羅列してください。自分の記憶に深く刻まれているエピソードは、面接で質問されたときもスムーズに回答できるからです。

紙に書く方法も悪くありませんが、今後のことを考えると、ExcelやWordに情報をまとめたほうがベターです。データに保存しておけば、いつでも好きなタイミングでチェックできます

また、情報をまとめる際は、「アルバイト」「ゼミ」「インターン」「サークル」「趣味」などのジャンルに分けることをおすすめします。実際に文章を作る際、ほしい情報をすぐに探せるからです。

③企業にマッチしたエピソードを選ぶ

ガクチカに使える印象的なエピソードをまとめたら、選考を受ける企業の特徴にマッチしたエピソードを選びましょう

チームワークを重視する企業を受ける場合は、「1人でじっくりと作品執筆に取り組んだ文芸サークルの経験」よりも、「メンバー全員で力を合わせて成功を目指した学園祭運営スタッフの経験」のほうが適しています。

歴史を重んじる企業の場合は、「過去の慣例をくつがえして、サークル運営を先進的なスタイルに変えた経験」よりも、「先輩たちから、伝統的なゼミ発表会を受け継いだ経験」がマッチしています。

このように、違う企業を受けるたびに、エピソードの内容を変更する必要があります。

④ガクチカ全体をまとめる

使用するエピソードが決まったら、ガクチカ本文を書いて全体をまとめます。このときのポイントは、「端的に説明すること」です。

ガクチカで詳しく伝えるべきなのは、「自分が何を達成したか」ではなく、「経験を通して身についた価値観や考え方」です。エピソードの内容を長々と説明しても、内定獲得には結びつきません。

また、文章構成には「PREP法」を取り入れましょう。

PREP法

・結論(Point)
・理由(Reason)
・具体例(Example)
・結論(Point)

文章力に自信がない人でも、この方法なら読みやすい文章を作ることができます。企業によっては100字以内など短い文字数を指定することもあるので、シンプルな文章表現を心掛けてください。

就活生に聞いた! ガクチカを書く際に工夫したこと

ガクチカを書く際に工夫したこと

ただ選んだエピソードを述べるだけでは、評価されやすいガクチカにはなりません。企業側の気持ちを考えて文章を構成しなければ、心に刺さるガクチカは作れないからです。

今回は、ガクチカを書く際に工夫したことについて、学生にアンケートを取りました。うまく文章がまとめられずに困っている人は必見です。

シンプルな文章構成を意識する意見が多数

多くの学生が、シンプルで読みやすい文章を意識したと回答しました。

文章を短く区切って端的に説明することや、結論を先に述べることなどを守っている人が多いですね。

抽象的な表現を避けて、定量的なデータを説明することにも支持が集まっていました。はじめてガクチカを読む人でもすぐに内容がイメージできるような、わかりやすさが大切です

企業とマッチするエピソードを選ぶという意見も

応募する企業の特徴に合ったエピソードを選ぶことも、ガクチカには必要です。

応募企業の社風や企業理念についてよく調べ、企業側が興味関心を持ってくれそうな内容を厳選しましょう。ガクチカの使い回しは控えて、毎回最適なものを選んでください

ガクチカを書く際の注意事項

ここからは、ガクチカを書く際に気をつけたい注意事項について解説します。じっくり時間をかけて作成したガクチカが高評価を受けるには、策略的なコツも必要です。

今回は主な注意事項を4つピックアップするので、ぜひ参考にしてくださいね。

頑張ったことのみを書かない

ガクチカには、頑張ったことのみを書いてはいけません。企業側からすると、自慢話をされているような気持ちになるからです。

これは、多くの人が失敗しがちなポイントでもあります。「学生時代に力を入れた経験から、自分は何を得たのか」という「過程」を入れ込みましょう。

ガクチカに求められるのは、「自分の魅力をどう伝えるか」ということです。コンテストでの優勝、インカレ出場経験、長期留学など、華々しい経歴を持っている学生は大勢存在します。

しかし、物事に取り組む過程から自分の人柄を企業側にしっかりとアピールできれば、どんなガクチカでも内定は獲得できます。どのエピソードを選ぶかと同じくらい、「過程をどう表現するか」という観点にも力を入れましょう。

他者を落とす表現をしない

他者を落とす表現をはじめとした、ネガティブな要素をガクチカに入れてはいけません。たとえば、以下のような例が挙げられます。

ガクチカで控えたい表現例

・サークルのメンバーを引き合いに出し、「○○さんはできなかったことを実現できた」などと表現する

・自分が在籍している組織の悪口を言う

・自分の研究内容を凄いと思わせるために、ほかのゼミ生の研究を批判する

自分の評価を上げるために他者を悪く言うような人材を、企業側は魅力的だと感じません。一度不信感を持たれてしまうと、この状態のまま内定を獲得することは厳しいです。

自己PRと同じ内容を書かない

ガクチカと同じ内容を、自己 PRに書かないようにしましょう。同じ内容を記載していたことが、不採用の理由にはなりません。しかし、それぞれ別のトピックを取り上げたほうが、より多くの魅力を伝えられます。

もしも取り上げられる内容が1つしかない場合は、アプローチ方法を変えることでガクチカと自己PRの書き分けができます。たとえば、「バドミントン部でインカレ出場を目指した」というエピソードを使う場合は、以下のような書き分けをおこないましょう。

ガクチカと自己PRを書き分ける際の表現例

・ガクチカ……インカレ出場を目指し、効率的な練習方法を1から考えて導入した

・自己PR……論理的に考え、確実に効果を出すために努力できるところが自分の強み

自己PRについては、こちらの記事もおすすめです。

企業に関係ない内容を選ばない

応募する企業と無関係なガクチカを選ばないことも大事です。たとえば、IT系企業の選考で「宅地建物取引士」取得についてガクチカで語っても、あまり良い印象は得られません。

「どうして不動産業界ではなく、IT業界を目指したのだろう?」と不審に思われてしまいます。

また、チームプレイを重視する社風の企業に、「1人で関連書籍を数百冊読み、研究に打ち込んだ」というガクチカを選んでも、企業の求める人物像とずれてしまう可能性があります

内定を獲得するには、企業側が親近感を持ってくれるような内容を選ぶ必要があります。まず学生時代を振り返って、より多くのエピソードを思い出してみましょう。

トピック別に解説! ガクチカの例文10選

ガクチカのイメージがなかなかつかめない人は、例文を読むことをおすすめします。最初のうちは、例文の各要素を自分の情報に当てはめて、文章を作る練習をしてみてもいいですね。

ここでは、エピソードのジャンル別に、ガクチカの例文を解説します。

例文①ゼミのガクチカ

私が大学で力を入れたことは、ゼミ活動です。経済学部・ブランドマーケティングゼミに所属し、「アパレル産業におけるブランドマーケティングの歴史」について研究しました。最初はゼミメンバーの中で、積極的に意見を述べることができませんでした。しかし、アパレルメーカーへの調査や、卒業論文の執筆が始まると、自分の研究に自信が持てるようになり、自分から手を挙げて発言できるようにもなりました。ほかの学生や教授の意見もポジティブに受け入れられるようになり、研究のレベルも向上しました。ゼミ活動を通して私は、「考えるだけではなく行動に移すことが、自分のスキルを高める」ということを学びました。

就活生

ゼミ活動の説明だけでなく、「ゼミを通して学んだこと」を端的に説明することが重要です。ゼミの概要説明だけで終わらないようにしましょう。

例文②研究(理系)のガクチカ

私は大学で、「醸造発酵における苦味の発生」について研究を進めました。テーマを選んだ理由は、もともとビールを飲むことが好きだったからです。しかし、先行研究の少なさによって、研究スケジュールに遅れが発生しました。そこで私は、まったく新しいアプローチ方法でテーマを再考し、新規性の高い研究にブラッシュアップしました。先行研究を調査する時間を削減できたため、そのぶん充実した研究をおこなうことができました。もし想定していた予定通りに物事が進まなかったら、考え方を1から変えてみることの重要性を知りました。御社に入社できたら、固定観念を打開して業務に取り組んでいきたいです。

就活生

理系の研究内容は、説明に長い時間を要することが多いです。なるべく平易な言葉を使い、わかりやすく説明できるように心がけてください

例文③サークルのガクチカ

私が学生時代に力を入れたことは、サークル活動です。私は、1年生の時からバスケットボールサークルに入っています。エリアが近い大学の同サークルと定期的に試合をおこない、交流を図っていました。大学3年生になった年に、私はサークル長に選ばれました。しかし、他校と試合をおこなう初日に、体育館が使えないというトラブルが発生しました。今までなら他の日に変更するのが一般的でしたが、その日しか参加できない留学生がいました。彼のために、私は地区内の体育館や練習場をまわり、試合会場をセッティングしました。その甲斐あって、留学生は非常に試合を楽しんでくれました。このように「全員でバスケを楽しむために、全力で努力する」ということをモットーに、サークル活動を進めています。

就活生

サークルのガクチカはライバルと内容がかぶることが多いです。個性を見せられるように、より具体的なエピソードを提示するようにしましょう

例文④部活のガクチカ

私は、剣道部での活動にもっとも力を入れました。入部当時からの目標は、インカレ出場です。目標達成のために日々練習に励んできましたが、3年生の年に大怪我をしてしまいました。そのため、大会への出場は絶望的となりました。しかし私は、ほかの部員のサポートに全力を出しました。ドリンクの用意、スケジュール管理、怪我の手当など、自分にできることはなんでもおこないました。結果的に、同学年の部員がインカレ出場を果たしました。自分の夢は叶いませんでしたが、大切な仲間のために全身全霊を注ぐ喜びを知ることができました。社会人になってからも、この献身的な姿勢を忘れずにいようと思っています。

就活生

部活のガクチカでは、できる限り感動的なエピソードを披露できるといいですね。「目標を達成できなかった」というエピソードも、話し方によっては印象に残りやすくなります

例文⑤アルバイトのガクチカ

私が学生時代に力を入れたことは、家庭教師のアルバイトです。中学生の指導を担当し、主に数学と理科を教えました。最初は平均以下の点数しか取れなかった生徒が、私の指導を受けることによって、学年トップクラスの成績を取ることに成功しました。そして最終的には、第一志望の高校に入学を決めました。合格が決まった日、生徒からもらった感謝の手紙は今も大切な宝物です。私はアルバイトの経験を通して、「他者のために働く喜び」を学びました。御社に入社できたら、顧客のために全力を尽くして企画提案に励みたいと思います。

就活生

アルバイトのガクチカは、入社後の業務と内容を結びつけやすいところがポイントです。アルバイトの内容は簡単に説明し、「経験からどんな学びを得たか」について詳しく述べるようにしましょう。

例文⑥ボランティアのガクチカ

私は、学生時代ボランティア活動に尽力しました。豪雨によって甚大な被害を受けた○○県○○市に2週間滞在し、家財の運搬、がれきの撤去、室内清掃などをおこないました。ボランティアの参加に当たって気をつけたことは、「自己満足の行動を慎むこと」です。被災者の方のニーズを汲み取り、本当に求められた内容のみをおこなうようにしていました。勝手な思い込みで行動に移すと、被災者にとっては迷惑になることもあるからです。実際に被災者の方から、「こうしてもらったほうがありがたい」という意見をいただき、自分の行動をブラッシュアップすることができました。このボランティア活動で、「相手の感情を考えて行動すること」の重要性に気づきました。社会人になってからも、この精神を忘れずに業務に取り組もうと思います。

就活生

ガクチカでは、実際におこなったボランティア活動を詳しく説明しましょう。そのうえで、学んだ精神や考え方について説明するとわかりやすいです

例文⑦インターンのガクチカ

私が学生時代に力を入れたことは、インターンです。御社の長期インターン(半年間)に参加いたしました。事務作業や電話対応を主に担当し、貴重な経験をさせていただきました。インターン参加中、私は常に「自分の業務が、会社全体の信頼を形成する」ということを考えていました。作成した書類にミスがあったり、電話対応で失敗したりすると、会社の名前に泥を塗ってしまいます。その意識づくりの甲斐あって、インターン終了頃には、自分の事務スキルや電話応対スキルが半年前より大幅に向上していました。御社に正社員として入社できたら、この精神を継続して持ち続けたいです。

就活生

インターンは、入社後の業務と内容を直結できるトピックです。企業側が入社後の姿を想像しやすいように、インターンで得たスキルや担当した業務を具体的に説明しましょう

例文⑧留学のガクチカ

私は大学2年生の春から1年間、オーストラリアへ留学しました。そこで、現地の学生たちと一緒に国際交流イベントを企画しました。最初は互いにうまく会話ができませんでしたが、次第に心の距離が近づいていきました。もし相手の発言で聞き取れない部分があったら、ごまかさずにその場で聞き返すことを心掛けていました。そしてイベント当日には、親友と呼べるほど仲が良い仲間ができました。たとえ生まれた国が違っても、誠心誠意向き合えば、心は通じ会えるということを知りました。御社に入社できたらこの留学経験を活かして、海外支部での関係づくりに尽力したいです。

就活生

留学先で体験したエピソードを、入社後の意気込みとうまく結びつけることが大切です。スケールの大きな目標を持ちすぎないように気をつけてください。

例文⑨資格のガクチカ

私が学生時代もっとも力を入れたことは、資格取得です。ITエンジニアになりたいという目標を達成するために、ITパスポート試験の合格を目指しました。勉強を始めたのは2年生の頃であり、当初はほぼ初心者の状態でした。しかし、毎日大学の授業やアルバイトが終わったあとに図書館に通って反復学習で知識を身につけました。約1年間勉強した結果、無事に合格できました。この経験を通して、「毎日継続して勉強をおこなうこと」の重要性について学びました。どんなに困難な目標でも、勉強し続ければ達成できるということも知りました。ITエンジニアとして御社に入社できたら、この向学心をもとに、多くの現場で活躍したいです。

就活生

資格取得にかかった時間や、実際におこなった勉強内容などを、具体的に説明するようにしましょう。そうすれば、今までの努力を過不足なく企業側に伝えられます。

例文⑩趣味のガクチカ

私の趣味は、海外旅行です。学生時代もこの趣味に力を入れ、この4年間で10カ国を旅しました。充実した海外旅行がおこなえるように、私はさまざまな努力をおこないました。まず、3つの外国語(英語、フランス語、韓国語)を勉強し、日常会話なら問題なく話せるレベルまでスキルアップしました。次に、旅行資金をつくるために毎月3万円の貯金をおこないました。また、海外旅行中の様子をブログやSNSで発信しました。アカウントは人気が集まり、今や1万人のフォロワーが存在します。海外旅行に対する情熱や発信力を活かして、御社のSNS事業でも大きく活躍したいと思っています。

就活生

ただ趣味を説明するだけでなく、「企業側が高く評価してくれそうなトピックを意図的に選ぶこと」が大切です。具体的な数値などを出して、わかりやすい説明を心がけてください。

ガクチカがない人は今すぐに行動を起こしてまずは題材を見つけよう

「ガクチカがない」と悩む学生は大勢存在します。しかし、今回紹介したような方法で使用するエピソードを探したり、1からガクチカを作ったりすれば、誰でも魅力的なガクチカを作って就活を戦えます

まずはなにか行動を起こしてみるだけで、風向きは変わるはずです。内定を獲得するために、今できることから取り組んでみましょう。

【ガクチカで話した題材に関する調査】

・調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
・調査日:2023年6月22日~28日
・調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
・調査対象者:24卒・25卒の就活会議会員の273人

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ