目次
メーカーに就職するにはライバルに打ち勝つ知識や準備が必要
多くの学生が就職活動をするといっても、その進路は民間企業・官公庁などとさまざまです。その中でも、毎年特に人気が集中する業界のひとつが「メーカー」にです。
「メーカー」は志望人数が多く、選考を勝ち抜くために、徹底的な業界・企業分析をしておく必要があります。
この記事では「メーカー」に焦点をあて、就職するメリットやメーカーの種類、そして代表的な企業をまとめてご紹介します。ぜひ業界研究の参考にしてみてください。
メーカーの4分類と業界の仕組み
「メーカー」とは、製造をおこなっている企業のことを指します。何を製造するかは企業によって異なりますが、「自分が扱いたい商品はどういった企業が扱っているのか」を事前にしっかりと調べておきましょう。
ここからは、メーカー業界の中でも「素材メーカー」「部品メーカー」「加工・組立メーカー」「自社生産・加工メーカー」の4つのメーカーについてご紹介していきます。
上記の図のように、「素材メーカー」が製造した「素材」をもとに、「部品メーカー」が「部品」を作り、それらの「部品」を加工し組み立てる「加工・組立メーカー」が存在します。
またそれらの工程をすべて自社でおこなう「自社生産メーカー」も存在しています。
①素材メーカー
主要な素材
・鉄鋼
・非鉄金属
・ガラス
・セメント
・紙、バルブ
・繊維
・化学
・電線
「素材メーカー」とは、さまざまな製品のもとになる「素材」を製造するメーカーです。上記のような素材が主にあげられます。素材メーカーでは、素材を製造するために、原材料を世界各国から調達しています。
数多くの業種がある素材メーカーですが、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか。なぜなら販売する相手が我々消費者ではなく、素材をもとに製品を作る企業が相手の、「BtoB」の業務形態をとっていることがほとんどだからです。
素材メーカーなくしてはこの世に生まれない製品もあるため、私たちの生活を陰から支える、なくてはならない存在だといえるでしょう。
「BtoB」については、あとの見出しで詳しく解説しますが、「企業」から「企業」に向けた取引を基本としていることから、一般の消費者にはなじみがない企業が多くなっています。
素材メーカーの有名企業
・日本製鉄
・JFEホールディングス
・旭硝子
・信越化学
素材メーカーについてはこちらの記事でより詳しく紹介しています。ぜひ読んでみてください。
②部品メーカー
主要な部品
・自動車部品
・半導体
・電子部品
「部品メーカー」とは、素材メーカーが製造した素材をもとに、完成品メーカーの部品を開発・生産し納品する企業です。完成品メーカーとは、自動車メーカーや家電メーカーのような完成品を製造しているメーカーがあげられます。
たとえば「自動車」は、「エンジン」や「座席」「タイヤ」など、さまざまな部品からできています。それらの部品を製造し、完成品メーカーへ販売しているのが「部品メーカー」になります。
会社の規模は小さくても世界シェアトップを誇ることも珍しくありません。完成品メーカーが発売する新商品の技術の中には、部品メーカーが開発をおこない採用される場合が多く、部品メーカーは商品開発の重要な役割を担っています。
また、部品の納入先である完成品メーカーから求められる仕様・コスト・品質などに対応することも重要です。部品メーカーの中には「二次サプライヤー」「三次サプライヤー」と言って、部品メーカーに部品を納めている企業もあります。
「部品メーカー」について詳しく説明している記事もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
あなたがメーカーに向いているか、確認してください
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③加工・組立メーカー
「加工・組立メーカー」とは、ひとつの製品に仕上げるメーカーのことです。素材メーカーで生産されたモノを部品に加工し、それぞれのパーツを組み合わせる仕事になります。
部品メーカーでつくられた部品を組み立てて販売する完成品メーカーや、原料を加工し食品をつくる食品メーカーも含まれます。
「加工・組立メーカー」は、「加工組立産業」や「製造業」とも呼ばれているもので、基本的には「BtoB」の業務形態をとっています。
④自社生産メーカー
「自社生産メーカー」は、自社で素材となるモノを研究・開発・生産し、それをもとにパーツを組み立て、ひとつの製品に仕上げるということを一貫しておこないます。
自社で素材を研究し、加工までを手掛けるメーカーとして代表的なのが、「化粧品メーカー」や「医薬品メーカー」です。さらには、消費者に販売するところまでを一括しておこなっている企業も多く存在します。
とくに化粧品メーカーは、百貨店などに出店し直接お客様に販売する「BtoC」の業務形態を取っていることが多いです。
自社生産・加工メーカー
・花王
・ジョンソン&ジョンソン
・武田薬品工業
・アステラス製薬
・エーザイ
「化粧品メーカー」について詳しく説明している記事はこちらです。
メーカーの2つの販売相手
ここまで企業がどのような製品・モノを作っているかによって、メーカーを4つのカテゴリに分類してご紹介しました。
そのほかにもメーカーを分類する方法はあり、「誰もしくはどこを販売相手にしているか」によって2つの業務形態に分けることができるのです。
ここでは、そのターゲットによって分類したメーカーのカテゴリを、それぞれ解説していきます。同じメーカーでも、どちらの形態を主にしているかによって仕事が異なりますので、以下で登場する情報を参考にしてみてください。
1.BtoB
「BtoB」とは「Business to Business」の略で、「企業を相手に取引している」業務形態を指します。企業が企業に対して、モノやサービスを提供するビジネスモデルになっています。
そのため国内のみならず、世界各国の企業とやり取りしている企業も少なくありません。また顧客が企業になるため、1つのプロジェクトの単価が高いことが多くなります。たとえば、製造機械の取引は数億円にのぼることも多々あります。
さらに、企業と企業が取引をおこなうため、1つのプロジェクトが長期的になる場合が多く、継続的な取引になりやすいです。以上が「BtoB企業」の特徴になります。
BtoBメーカー
・素材メーカー
・ITメーカー
・半導体メーカー
・部品メーカー
2.BtoC
「BtoC」は「Business to Consumer」の略で、「消費者を相手に取引をしている」業務形態を指します。企業が消費者に対して、モノやサービスを提供するビジネスモデルになっています。
顧客が消費者一個人になるため、1つのプロジェクト・商品の単価が低いことが多くなります。さらに企業と個人の取引のため、消費者が企業の商品を買うという取引関係は、その場限りの断続的な関係になりやすいです。
BtoCメーカー
・サービス系会社
・運送会社
・食品メーカー
・飲料メーカー
・電子機器メーカー
メーカーに就職する2つのメリット
ここまで業界内の分類や仕組みについて紹介してきましたが、そんなメーカーに人気があるのはそれだけのメリットがあるからです。
世の中には、原料を製造する第一次産業に属する産業から、製造された製品を販売する第三次産業に属する産業までありますが、メーカーは第一次産業と第二次産業の橋渡しをする第二次産業に属します。
メーカーがなくなってしまうと、第一次産業で生産した原料は加工されないまま私たちの目の前にやってきますし、第三次産業はサービスを提供することが難しくなるでしょう。その需要から、好条件での就職が期待できる企業も少なくありません。
そんな、メーカー業界に就職するメリットについて詳しく見てみましょう。
1.やりがいを感じられる
メーカーは、これまでの世の中になかったモノを作ることで、私たちの生活をより便利で豊かにしていくことができ、やりがいを感じられます。
存在しなかったものを生み出すということは、想像力も創造力も必要になる仕事です。それを生み出したことによる影響や反響を考え、さまざまな人との折衝を重ねたうえでようやく成し遂げられることです。
しかし、難しいからこそ、それを成し遂げられたときの達成感と、製品が手に渡ったユーザーからの反応を得られたときの喜びは、メーカーならではのものです。創造的な仕事に就きたい人や、その反応を肌で感じたい人にはおすすめの仕事です。
2.給料水準が高い
特に大手メーカーの場合、給与水準が高く安定して長期的に働くことができるメリットがあります。
大手のメーカーは取引している企業も多いため、それだけ多くの人から信用される立場です。国税庁によると、給与所得者の平均給与が433万円であるのに対し、メーカー従業員(製造業)の平均給与は501万円と、平均よりも高い給与が貰えているという結果が出ています。
給料についてはこちらの記事でもまとめているので、併せて読んでみてください。
就活生に聞いた! メーカーを志望した理由
多くの就活生が志望するメーカー。果たして就活生の皆さんはどのような理由からメーカーを志望しているのでしょうか。今回は、メーカー志望の就活生の皆さんに、志望した理由を聞いてみました。回答結果を見ていきましょう。
やりがいや社会貢献ができるという理由を挙げる回答が多数
集まった回答の多くは、ものづくりのやりがいや、社会に貢献できるという理由でメーカーを志望したというものでした。
メーカーが社会に対して担う役割や、ものづくりのやりがいに魅力を感じ、志望している就活生が多くいました。なかでも、理系の学生が自身の研究内容を活かせると考え、メーカーの開発や企画職を目指しているようです。
身近でイメージしやすかったという声も多数
製品を普段使ったり、コマーシャルを知っていて企業のイメージがしやすかったことを理由に挙げた回答も多くありました。
普段から愛用している製品や、興味のあるコンテンツにかかわる製品作りに携わりたいと考える就活生も多いようです。そのため、思い入れやエピソードを志望動機に盛り込みやすいといえるでしょう。
ただし、有名なメーカーであるほど、同じような体験や想いをもった応募者がいることも考えられるため、志望動機のオリジナリティや、強みなど別の項目で差別化することが大切になりそうです。
有名なメーカー企業10選
ここでは、国内にあるメーカーを10社取り上げます。企業の特徴なども1社ずつ解説していきますので、業界研究をする際の情報のひとつとして役立てていただければ幸いです。
※売上高等の企業情報は、2020年3月の有価証券報告書等を参考にしています。また各情報は、各証券会社の親会社になるためご注意ください。
1.トヨタ自動車
売上高:29兆9,299億
従業員数:359,542名
平均年齢:39.6歳
平均勤続年数:15.8年
平均年収:865万円
「トヨタ自動車」は、日本のみならず世界的にも有名な大手自動車メーカーです。トヨタ自動車は主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
豊田(とよだ)佐吉氏が創業した「豊田自動織機製作所」の中で1933年に設置された自動車部門がその起源です。1937年に「トヨタ自動車工業株式会社」として独立しました。
主な事業は「自動車の製造」で、「トヨタ」、「レクサス」、「GR」などのブランドを展開しています。それ以外にも、個人向けプレジャーボートを造船する事業もおこなっています。
また2018年に、豊田章男社長が「トヨタを、車を作る会社から、モビリティー(移動手段)にかかわるあらゆるサービスを提供する会社にモデルチェンジする」と発表しました。
自動車を作るだけでなく、その先のサービスを通じて多角化する動きが、近年見られています。
2.サントリーグループ
売上高:2兆5,692億
従業員数:40,210名
平均年齢:44.5歳
平均勤続年数:18.9年
平均年収:1,149万円
「サントリーグループ」は、主にアルコール飲料・清涼飲料水を手掛けるメーカーです。サントリーグループは主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
1899年に鳥井信治郎氏が創業したワインの製造・販売を手掛ける「鳥井商店」が母体となっています。現在の社名にもある「サントリー」は、1963年から用いられています。
主な事業としては、ウイスキーやビール、ワインといった「酒造」や「清涼飲料水事業」が挙げられます。
お酒は「ザ・モルツ」や「金麦」、「トリス」などが、清涼飲料水は「サントリーウーロン茶」や「伊右衛門」、「なっちゃん」などのブランドが有名です。
そのほか、とんかつ店「まい泉」の展開やエイジングケア基礎化粧品「F.A.G.E.(エファージュ)」シリーズの販売などもおこなっています。
3.資生堂
売上高:1兆0,940億円
従業員数:40,000名
平均年齢:39歳
平均勤続年数:11.9年
平均年収:716万円
「資生堂」は、化粧品の製造・販売を主な事業としているメーカーです。資生堂は主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
1872年に福原有信氏が東京に開設した、国内初の民間の洋風調剤薬局「資生堂薬局」がその源流となっています。化粧品業界へは、1897年に「オイデルミン」という化粧水を発売することによって進出しています。
その後、1916年ごろからは化粧品事業に本格転換し、今や世界でも有名な化粧品メーカーとして国内外問わず多くの消費者に愛されるようになりました。
ちなみに、化粧品の国内シェアでは1位を誇っています。また、世界市場でも健闘しており、美容ブランドの世界7大企業唯一の日本企業です。
大学3年生におすすめ!
あなたとメーカーの適性を確認してください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
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4.ソニー
売上高:8兆6,656億円
従業員数:111,700名
平均年齢:42.4歳
平均勤続年数:16.6年
平均年収:1,057万円
「ソニー株式会社」は、1946年に井深大氏と盛田昭夫氏によって創立された電機・電子機器メーカーです。ソニーは「BtoB商品」と「BtoC商品」の両方を扱うメーカーです。
創業当初は「東京通信工業株式会社」という名前で、真空管電圧計の製造・販売をおこなっていました。
扱っている製品の種類が非常に多く、TVやラジオなどの映像機器・音響機器から、ゲーム機、PC、スマートフォン、IT関連機器などの製造・販売をおこなっています。
また、メーカーとしての顔以外にも、音楽や映画、ゲーム、アニメなどのメディアコンテンツの配信や、保険や銀行などの金融事業もおこなっており、これら3つの事業がソニーの主な業務とした数えられています。
5.明治グループ
売上高:1兆0,495億円
従業員数:10,648名
平均年齢:44.1歳
平均勤続年数:20.1年
平均年収:1,020万円
「明治グループ」は、1916年に設立された東京菓子を前身に持つ、国内大手のメーカーです。明治グループは主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
明治ホールディングス株式会社のもと、「株式会社明治」と「Meiji Seika ファルマ株式会社」の2つの部門に分けた経営体制がとられています。
「株式会社明治」は、食品を主に扱うメーカーです。「明治ミルクチョコレート」や「果汁グミ」などの有名な菓子製品はもちろんのこと、ヨーグルトやバター、牛乳などの乳製品・発行乳製品を主に扱っています。
一方の「Meiji Seika ファルマ株式会社」は、製薬を扱っている会社です。感染症治療薬や中枢神経系疾患治療薬、ジェネリック医薬品の製造・販売を企業の柱にしているほか、農薬や動物薬も製造しています。
6.富士フイルムグループ
売上高:2兆3,200億円
従業員数:73,906名
平均年齢:42.7歳
平均勤続年数:17.2年
平均年収:1,002万円
「富士フイルムグループ」は、東京都港区に本社を持つ精密化学メーカーです。富士フィルムグループは「BtoB商品」と「BtoC商品」の両方を扱うメーカーです。
1934年に、大日本セルロイド株式会社の写真フィルム部の事業の一部を分離継承する形で誕生しました。
富士フィルムでは、カラーフィルムやインクジェット用材料のほか、オフィス複写機・複合機、プリンター、エックス線写真など、主に写真に関する機器を多く扱っています。
近年ではデジタルカメラの台頭によって、フィルム関連の事業の売り上げで苦戦を強いられていましたが、培われた技術を応用した化粧品や健康食品を製造・販売することによって、売り上げを伸ばしています。
ちなみに、正式社名は「富士フイルム」です。「イ」は大文字なので、履歴書などを書く際には間違えないようにしてください。
7.バンダイ
売上高:2,403億円
従業員数:9,052名
平均年齢:45.4歳
平均勤続年数:16.5年
平均年収:1,053万円
「バンダイ」は、バンダイナムコグループのコンテンツに関連する玩具や模型、アパレル用品、生活用品などを製造・販売するメーカーです。バンダイは主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
山科直治氏が1950年に、セルロイド製玩具を中心とした金属玩具や、ゴム製浮き輪などの販売をおこなう「株式会社萬代屋」を設立したことからバンダイの歴史は始まりました。
具体的な事業としては、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズ、ガンダムシリーズ関連のキャラクター玩具を製造しているほか、たまごっちシリーズなどのオリジナルコンテンツの玩具の製造・販売も手掛けています。
社名の由来は「萬代不易」という古い中国の言葉です。ここには、「いつの世でも人々の心を満たす商品を作り。やむことのない企業の発展を願う」という想いが込められています。
8.味の素
売上高:1兆1,000億
従業員数:32,509名
平均年齢:43.9歳
平均勤続年数:19.9年
平均年収:955万円
「味の素」は、東京都中央区に本社を構える食品メーカーです。味の素は主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
CMなどで「Eat Well, Live Well.」というスローガンを見たことのある方は多いのではないでしょうか。味の素の歴史は、1907年に鈴木三郎助氏が合資会社鈴木製薬所を設立したことから始まりました。
その後、現行の「味の素株式会社」という社名には、1946年に変更されています。主な事業内容は、食品、アミノ酸、医薬品などの製造・販売です。食品事業では「味の素」や「ほんだし」、「クノール」、「Cook Do」の製品が有名となっています。
そのほか、アミノ酸事業では「アミノバイタル」という栄養食品の製造・販売、画薬事業では髄液栄養透析分野・消化器病分野・生活就活病分野の3領域でさまざまな医薬品を開発しています。
9.ワコール
売上高:1,867億円
従業員数:20,984名
平均年齢:46.9歳
平均勤続年数:20.6年
平均年収:585万円
「ワコール」は、京都府京都市に拠点を構えている衣料品メーカーです。ワコールは主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
1946年に塚本幸一氏がアクセサリー販売を手掛ける「和江商事」を設立したことから、その歴史は始まりました。その後、1948年にブラジャーと出会い、それ以降は女性用下着の製造・販売を手掛けています。
ワコールの主力となっている商品は主に女性向け下着で、メインブランドの「ワコール」と、少し価格帯を低くした「ウイング」の2つのブランドが軸になっています。そのほか、ナイトウエアやスポーツウエア、男性用下着などの製品も製造・販売しています。
ちなみに、現在の社名である「ワコール株式会社」へは、1957年に変更しました。それまでの社名が他社と重複していたことから変更したのですが、ここには「和江の名前を永遠に留める」という意味を込めています。
10.タニタ
売上高:約200億円
従業員数:約1,200名
平均年齢:不明
平均勤続年数:不明
平均年収:約500万円
タニタは、体組成計などの計測器、精密機器を製造している大手メーカーです。タニタは主に「BtoC商品」を扱うメーカーになります。
1923年に谷田賀良倶(たにだ かろく)氏が、「谷田賀良倶商店」を創業したことによってその歴史は始まるのですが、当時はシガレットケースや貴金属宝飾品などの製造・販売を手掛ける金属加工メーカーでした。
その後1959年には、日本国内で初めて家庭用の体重計を製造します。現在では体脂肪計や体組成計が主力製品となっており、そのほかには料理はかりやタイマー活動量計、歩数計などの製造・販売をおこなっています。
近年では、テレビ番組や「体脂肪計タニタの社員食堂」をはじめとした書籍・雑誌などの影響によって、製品以上に社員食堂が一躍脚光を浴びました。それもあり、社員食堂をイメージした店舗を全国にオープンさせています。
就活生に聞いた! メーカーの企業研究のコツ
メーカーといっても生み出す製品や販売経路などは企業によってさまざまで、いかに自分の興味や強みに合った企業を見つけるかが重要になります。
そこで大切になるのが、企業研究ですが、メーカー志望の皆さんは特にメーカーを研究するときにどのようなことを意識しているのでしょうか。ここで、調査結果を確認しましょう。
多くの就活生が特に似ているライバル会社との違いを探したと回答
特にライバルと言われるような同業他社間の違いを研究したという回答が多く寄せられました。
近い用途や役割の商品が販売されている場合でも、企業ごとの狙いや商品の強み・狙いは少しずつ違います。その差分に焦点を当てることで、より自分の考えやビジョンに近い企業に出会うことができるでしょう。
より自分のやりたいことを実現したり、入社後のミスマッチを防ぐためにも、同業他社と見比べながら企業研究を進めることが大切です。
企業の将来性も確認したという回答も寄せられる
集まった回答の中には、企業や製品の将来性を確認したというものもいくつかありました。
ものづくりは時代の流れによって求められるものが常に変わっていきます。その変化に合わせられる柔軟性や、時代にかかわらず求められるロングセラー商品の有無など、めーかーは他業界に比べ、企業間のの将来性の差は大きいといえます。
今後注目されていく分野にどれだけ力を入れようとしているか、企業の展望はどのようなものか、併せて確認しておくことは、入社後を考えると大変重要になりそうです。
メーカーに就職するためには業界研究でライバルに差をつけよう
メーカー業界でもさまざまな企業とメリット、志望動機の書き方について見てきました。ここでは大手のメーカーを例にとって見てきましたが、メーカーと言っても企業規模も扱っている商品も千差万別で、どこを選ぶかによって働き方も全く変わってきます。
少しでも面白そうだな、と思ったらまずは業界研究をしてみましょう。業界研究をしていくことで、どんな業界なのかといったことが立体的に見えてきます。
もし自分に興味のある製品を扱っているメーカー業界があったら、勤務条件や給与面だけでなくどんな企業があるのかやシェア率などを詳しく深掘りしてみましょう。そうすることで、長く働ける企業との出会いに一歩近づくことができます。
【メーカーへの就職に関する調査】
- 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
- 調査日:2022年7月22日~27日
- 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
- 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の252人