業界研究

システムエンジニア(SE職)ってどんな仕事?文系でも活躍できる

SE職についての理解を深め自分に適した職業かどうかを判断しよう

SE(システムエンジニア)という職種を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし仕事内容や年収について詳しく理解している人は少ないでしょう。

そこでこの記事では上記のような疑問をお持ちの方に向けてSE職について詳しく解説していきます。

「se職について興味があるがどんな仕事なのかわからない」
「年収はどの程度なのかを知りたい」
「文系でもなれる職業なのか」

システムエンジニアの仕事内容や年収のみならず、向いている人の特徴まで詳しく解説します。仕事内容や向いている人の特徴を知ることで、自分がシステムエンジニアとして活躍できる適性があるかどうかを判断できます。是非この記事を参考にSEについて理解を深め、自分に適した職業かどうかを判断しましょう。

システムエンジニア(SE職)とは

そもそもシステムエンジニアとは、依頼されたシステムを作り上げ、そのシステムを管理する職業です。そしてシステムエンジニアの頭文字を取り「SE」と略されます。

なじみのある「インスタグラム」を例に挙げて解説します。インスタグラムには写真やストーリーをフォロワーにシェアする機能があります。そしてこの機能を構築・管理・アップデートをする仕事がシステムエンジニアなのです。システムエンジニアは依頼されたシステムを作り上げ、そのシステムを管理する職業だと覚えておくと良いでしょう。

そして多くの場合自社のシステムを開発するのではなく、顧客から依頼されたシステム開発を行うことが多いです。覚えておきましょう。

あなたがエンジニアに向いているか、確認してください

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システムエンジニア(SE職)の仕事内容は2種類

システムエンジニア(SE職)の仕事内容は2種類を表した図

ここからはシステムエンジニアの仕事内容について見ていきます。システムエンジニアの仕事は大きく2種類あります。

1.客先常駐開発の場合

まずは客先常駐開発の場合です。客先常駐開発とは、自分の所属している企業の開発を行うのではなくお客様から依頼されたシステム開発作業を顧客の事業所で業務を行うことです。そしてシステムエンジニアは自社のシステム開発を行うよりも、お客様に依頼されたシステム開発業務が一般的です。これを受託開発と言います。働き方をイメージする参考にしてみてください。

2.自社開発の場合

次に自社開発の場合です。自社開発とはIT用語辞典e-wordsによると、「自社で企画した情報システムやソフトウェアなどを、外部に委託せず自社で開発すること。他社が企画したシステムの開発を請け負う「受託開発」の対義語。」とあります。

つまり自社開発とは、自社システムを自社内で開発する仕事です。しかし前途の通りシステムエンジニアの仕事は自社開発よりも受託開発が一般的です。そのため自社開発を希望する就活生は、企業説明会等で自社開発に携われるかを質問すると良いでしょう。

システム開発には7つの工程がある

ここからは一般的なシステム開発の工程についてご紹介します。システム開発の工程は客先常駐開発・自社開発ともに共通していることが多いです。どちらの開発方法でも参考になるので是非覚えておきましょう。

またシステム開発の工程を理解することで、システムエンジニアがどこからどこまでの工程を責任範囲として仕事に従事することになるのかがわかります。つまりシステムエンジニアの仕事内容を具体的に理解しイメージできます。是非参考にしてみてください。

システムエンジニアの責任範囲

  1. 要件ヒアリング
  2. 要件定義
  3. 基本設計
  4. 詳細設計
  5. プログラミング
  6. テスト
  7. 実装

1.要件ヒアリング

まずは要件ヒアリングです。要件ヒアリングは、どのようなシステムを構築したいのかを依頼者からヒアリングを行う工程です。

基本的に依頼主はシステムに詳しくない場合が多いです。そのため現在のテクノロジーでは依頼主が望むシステムを実現できない場合もあります。そのため要件ヒアリングはシステム開発を行う上で最も重要な項目になります。

一般的な要件ヒアリングでは、依頼主の構築したいシステムの理想像に対して、システム開発期間や実現する手段、加えて費用を依頼主と相談しながら議論を進めます。

このように要件ヒアリングは、どのようなシステムを構築したいのかを依頼者からヒアリングし、実現に向けて詳細を決めていく工程となります。

インスタグラムを例に挙げると、「人々にインスタグラムを利用してもらうためのシステムを○○年〇月までに○○万円で構築したい」という依頼をヒアリングする工程です。

2.要件定義

要件定義とはコトバンクによると、「ソフトウエアや情報システムの開発において、必要とされる性能や実装すべき機能などを定義すること。この前段階として、発注者が何を求めているかを明確にする作業を要求定義とよび、区別する場合がある。」とあります。この要求定義をこの記事では要件ヒアリングと読んでいます。

つまり要件定義とは、要件ヒアリングで明らかになった依頼主の構築したいシステムを分析し、定義すること。そして定義した内容を書類にまとめる作業です。定義とはOxford Languages によると「ある概念内容・語義や処理手続をはっきりと定めること。それを述べたもの」です。

インスタグラムを例に挙げると、「アプリ離脱率を下げるために写真を投稿するシステムを構築する」などの定義を要件定義の工程で行います。

3.基本設計

基本設計とはコトバンクによると「建築や都市計画などの設計過程で、条件に合うように基本的な事項を決定し、図面・仕様を作製すること。工事費の概算が明らかにされ、実施設計のもとになる。」とあります。

これをシステム開発に置き換えると基本設計とは、システムの設計過程で条件に合うように基本的な事項を決定し、仕様を作製することです。

つまり要件ヒアリングや要件定義で決めた定義をもと、システムの基本的な機能や表示方法・操作方法を決める工程です。

インスタグラムに例えると、「写真を画面いっぱいに表示し、スワイプすることで様々な写真を見ることができるようにする」などの仕様に決定する工程です。

4.詳細設計

詳細設計とは基本設計で決めた仕様をどのような技術を用いて実現するのかを決める工程です。システムの開発はプログラマが行います。システムエンジニアが直接コーディングすることはありません。

つまり詳細設計はプログラマがどのようにコーディングすれば、基本設計で決めた仕様を実現できるかをシステムエンジニアが決める工程と言い換えることができます。

インスタグラムに例えると、「写真を画面いっぱいに表示するために使用するプログラミング言語をシステムエンジニアが決定する」などの工程です。

5.プログラミング

依頼主が求めるシステムを開発するために、詳細設計までシステムエンジニアが詳細を決め終えると、開発のバトンはプログラマに移ります。前途の通り、システムエンジニアがコーディングすることはありません。コーディングはプログラマが行います。

そのためシステムエンジニアの仕事は、プログラマの進捗管理や相談を受け付けることです。

6.テスト

テストはプログラマが構築したシステムが、依頼主が望む通りに動作しているかをシステムエンジニアがチェックする工程です。

このテストもシステムエンジニアの仕事です。

7.実装

システム開発最後の工程は実装です。実装とは開発したシステムが実際に稼働する段階です。システムが問題なく稼働していれば、システム開発すべての工程が修了します。

新卒の場合は文系でもシステムエンジニア(SE職)になれる

ここまでシステムエンジニアの仕事内容について詳しく解説してきました。「プログラミングをしたことがないから自分にはできない」や「理系じゃないとSEになれないのではないか」と感じている就活生は多いでしょう。結論をお伝えすると、新卒の場合は文系でもシステムエンジニアになれます。

IT人材白書2017によるとIT技術職の30%以上は文系出身者であることがわかります。全体の7割が理系出身者と文系の数は多くないものの、活躍できる可能性は十分あるでしょう。このように文系出身者であっても、システムエンジニアになることができます。

しかし文系出身者は理系出身者と比較すると、数式や専門用語を知らない人は多いでしょう。そのため入社後に勉強をする必要があります。勉強をする覚悟は必要でしょう。

また近年、IT技術者を志望する就活生が減少しているため、システムエンジニアは慢性的な人材不足となっています。そのため理系出身者はもちろんのこと、文系学生も採用して人材不足を解消しようと動いている企業が多いです。

そして多くの企業では文系出身者をシステムエンジニアとして活躍してもらうために、入社後の研修制度を充実させている企業が多いです。そのため文系出身者であっても研修制度が整っている企業を選べば、入社後に活躍できる可能性は高いでしょう。

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就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

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適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

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システムエンジニア(SE職)の平均年収は550万円

システムエンジニア(SE職)の平均年収は550万円を表した図

国が統計を取り作製している賃金構造基本統計調査によると、システムエンジニアの平均年収は約550万円となっています。全職種の平均年収は約454万円です。そのため全職種の平均年収とシステムエンジニアの平均年収を比較すると、SE職は平均よりも年収が高いことがわかります。

システムエンジニアの平均年収が高い要因は2つあります。1つ目に慢性的な人材不足がです。近年、多くの産業においてDX化が進められています。そもそもDXとは、デジタル技術を用いることで、現状の生活やビジネスを変化することです。つまりデジタル技術を用いて生活やビジネスの効率化を測ろうという動きと捉えておきましょう。

そしてDXを推し進めるためには、数多くの技術者の手が必要になります。その技術者がシステムエンジニアなのです。そのためDXというニーズに対して、システムエンジニアは慢性的な人材不足となっているのです。

人材不足になると、多くの企業は給料を多く出してでも優秀な人材を確保しようとします。そのため平均年収が他業種よりも高くなっているのです。

2つ目に残業が多いことが挙げられます。システムエンジニアは依頼されたシステムを決められた期間内で作り上げ、管理する職業です。これは言い換えると、つねに期日に追われる仕事なのです。

そして期日内に依頼されたシステムの開発が難しい場合、残業をすることで期日に間に合うよう調整します。そのため結果的にシステムエンジニアは残業が多い職種となっています。

残業が増えると年収は増加します。なぜなら残業代は給料に上乗せされ、本人に支給されるからです。そして通常の給料に加えて残業代を含んだ収入が年収となります。そのため残業が増えると、平均年収を押し上げる結果になるのです。したがって残業が多いことがシステムエンジニアの平均年収が高い要因となっているのです。

このように平均年収が高い職種はそれなりの要因があります。そのメリットデメリットを理解し、両者を天秤に掛け目指す職種を選択することが重要です。是非参考にしてみてください。

システムエンジニア(SE職)に向いている人の特徴3つ

システムエンジニア(SE職)に向いている人の特徴3つを表した図

ここからはシステムエンジニアに向いている人の特徴を3つご紹介します。この特徴と自分自身の特徴が一致している数が多ければ、システムエンジニアとして活躍できる可能性が高いと判断できます。自分自身の特徴と比較検討してみてください。

1.ITやIT技術に関して興味がある人

まずはITやIT技術に関して興味がある人は向いているでしょう。そもそもIT技術は日進月歩で進化していきます。そのため日々ITトレンドやIT技術に対する知識を身に着けるために勉強をする必要があります。

そしてITやIT技術に関して興味がある人であれば、進んで勉強できるでしょう。さらに勉強をして新しい技術を知ることに楽しさを見出すことができるでしょう。その結果システムエンジニアとして活躍できる可能性が高いです。そのためITやIT技術に関して興味がある人は向いているでしょう。

仮にITやIT技術に関する興味がないと、勉強をすることを苦痛と感じる可能性が高いでしょう。その場合、システムエンジニアとして活躍できる可能性は低いと言えます。そのため向いていないでしょう。

IT業界についてはこちらの記事で確認しておきましょう。

2.傾聴力がある人

2つ目に傾聴力がある人はシステムエンジニアに向いているでしょう。そもそも傾聴力とはコトバンクによると「傾聴とは、相手のいうことを否定せず、耳も心も傾けて、相手の話を聴く会話の技術を指します。」とあります。

つまり傾聴力とは、相手の話を遮らずに最後まで聞き相手の伝えたいことを理解する力です。そしてシステムエンジニアに傾聴力があると向いている理由は、システムエンジニアとして仕事をする上で必要不可欠な能力として求められるからです。

システム開発の工程のファーストステップとして要件ヒアリングがあります。この要件ヒアリングは依頼主がどのようなシステムを開発したいのかを聴く仕事です。そのため傾聴力が必要不可欠な能力として求められます。したがって傾聴力がある人はシステムエンジニアに向いているでしょう。

「傾聴力」についての記事はこちらです。併せて読んでみてください。

3.コミュニケーション力がある人

コミュニケーション力がある人もシステムエンジニアに向いているでしょう。そもそもシステムエンジニアに求められるコミュニケーション力とは、依頼主に伝えたいことをわかりやすい表現で論理的に伝える能力です。

依頼主は基本的にシステムについて詳しくありません。つまり専門用語を知らない場合がほとんどなのです。加えて、開発したいシステムの理想像はあるが、どのように実現するのかについては知らない場合がほとんどです。

そのためシステムエンジニアは依頼主に専門用語ではなく一般的な用語に言い換える必要があります。加えて論理的に伝えることで難しいシステムの話を理解しやすい形で伝えます。このコミュニケーション方法を依頼主と取ることができる人はシステムエンジニアに向いているでしょう。

一方で自分の話したいことを自分のペースで話すことが得意な人は、依頼主に伝わるコミュケーションは取りづらいでしょう。そのためシステムエンジニアに求められるコミュニケーション力がない人は向いていないと言えるでしょう。

「コミュニケーション能力」について詳しく説明している記事もあるので、併せて確認してみてください。

システムエンジニア(SE職)は景気に左右されにくい

システムエンジニアは景気に左右されにくい職種です。つまり一般的に安定していると言われています。システムエンジニアは技術職と言われる職種です。そして技術は一長一短で身につくものではなく、日々の勉強をはじめとする努力によって身につく物です。これは捉え方を変えると、誰もが身に着けられるスキルではないことがわかります。

加えて、人が何かデジタルな物を開発しようとする場合必ず必要になるのが、技術です。そのため技術は今後もニーズが常にあるのです。

つまり技術は身につきづらいこと、技術を活用したいというニーズはなくなりづらいという2つの側面から、システムエンジニアは景気に左右されにくい職種と言われています。安定している仕事をしたいと考えている就活生はSEを視野に入れてみると良いでしょう。

システムエンジニア(SE職)に就く方法

システムエンジニア(SE職)に就く方法を表した図

ここからはシステムエンジニアに就く方法を2つご紹介します。「システムエンジニアになりたいけど、どのように探せばSE職を募集している企業を見つけられるのだろう」と悩んでいる就活生はぜひ参考にしてみてください。

ナビサイトを活用する

まず一つ目はナビサイトを活用することです。ナビサイトとは、就活時に利用される求人検索閲覧サイトの中でも、企業の説明会・インターン・選考にエントリーする機能がついているサイトのことです。例えばリクナビ・マイナビなどが挙げられます。

そしてナビサイトの特徴は求人情報を載せている企業数が多いことです。そのため様々な企業からシステムエンジニアの求人情報を知ることができます。加えて、ナビサイトには詳細検索機能がついている場合が多いです。

詳細検索機能から勤務地・勤務時間・希望職種など、自分の希望にあう企業だけを表示することができます。そのため効率的に企業の求人情報を知ることができるでしょう。是非活用してみてください。

エージェントを利用する

2つ目にエージェントを利用することです。就活においてエージェントとは、就職活動を無料でサポートするサービスのことです。具体的には、就活生の悩み相談や、求人情報を探してくれたり、選考対策を考えてくれることが挙げられます。

エージェントの特徴はなんといってもサポートしてくれる人がいるため、安心して就活を進められるということです。特に文系学生がシステムエンジニアを目指す場合、企業の採用サイトに書いてある専門用語を目の当たりにして、心が折れてしまうという人は多いでしょう。そんな時、エージェントがわかりやすく解説してくれるでしょう。

またエージェントは就活のサポートの一環として、就活生の要望に沿った求人情報を探してくれることが挙げられます。そのためナビサイトでは自分の望む求人情報が見つからなかったという方は、エージェントを利用すると良いでしょう。是非活用してみてください。

就職エージェントについて知りたい場合は、こちらの記事がおすすめです。ぜひ読んでみてください。

システムエンジニア(SE職)についての理解を深め自分に適した職業かどうかを判断しよう

システムエンジニアについて詳しく解説してきました。システムエンジニアの仕事内容や、向いている人の特徴を理解して、自分に適した職業かどうかを判断してみてください。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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