目次
スポーツ栄養士の仕事について理解しよう
世の中にはスポーツ栄養士と呼ばれる職業があります。スポーツ栄養士は、管理栄養士が更に専門性を高めた仕事と言われています。
様々なアスリートが競技の世界で活躍できるように、栄養面からサポートする職業というとイメージしやすいでしょう。
また健康促進のために、食事と運動はとても大切です。病院や教育機関、民間のスポーツジムなどでもスポーツ栄養士の需要が高まっています。
そんな「スポーツ栄養士とはどんな仕事なのか」「スポーツ栄養士になるためにはどうすればいいのか」など仕事内容について解説していきます。
スポーツ栄養士とは
そもそもスポーツ栄養とは、一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)公式情報サイトによれば「スポーツにおけるパフォーマンスを最大限に上げるための栄養素」と定められており、アスリートに向けた栄養のことを指します。
スポーツ栄養士は栄養や食事面からアスリートをサポートする仕事で、正式名称は「公認スポーツ栄養士」です。
スポーツチームや競技団体においては、監督、コーチ、競技トレーナー、医療専門スタッフなど数多くの専門家と協力して成り立っています。公認スポーツ栄養士もその中の一つで、栄養面や食事面からの専門的なサポートや管理を行い活躍する仕事です。
アスリートが各競技において、より良い結果を残すために様々な指標があります。どのような栄養素を摂取すれば良いのか、どの程度の頻度なのか、量はどのくらいか、摂取方法は何かなどを考え、アスリートへ適切にアドバイスすることがスポーツ栄養士の仕事となります。
またスポーツ栄養士は「日本体育協会」と「日本栄養士会」の2つが共同で認定、管理しており、2019年10月の時点で、スポーツ栄養士の資格を有している人は374名となっています。
スポーツ栄養士の2つの仕事内容
スポーツ栄養士の仕事内容を解説します。スポーツ栄養士の需要は病院や教育機関、民間のスポーツジムなどで高まっていますが、はたしてどのような仕事内容なのでしょうか。スポーツ栄養士の仕事内容を理解することで、働くイメージを持ったり、自分にあった仕事かどうか判断しましょう。
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1.食事メニューの考案
スポーツ選手がパフォーマンスを向上させ、大きな結果を残すために食事は欠かせません。食事のメニューこそがスポーツ選手の肉体を支え、パフォーマンスに直結します。
例えば水泳選手の1日あたりの標準摂取カロリーは4,000キロカロリーと一般成人と比較し約2倍程度あります。そのため持久力を維持するため食事は炭水化物が多くなり、1日5〜6回の食事となります。水泳は全身運動であるため、様々なスポーツの中でもっともカロリーが高いスポーツと呼ばれています。そのため持久力を維持するため食事は炭水化物が多くなり、1日5〜6回の食事となります。
陸上の長距離選手の場合であれば、貧血を防ぐためにレバーやひじきを日常的に摂取するような食事となります。このように競技によって必要な栄養素が異なるため、各選手や競技内容に合った食事メニューを考案する仕事内容となります。
また食事の考案はスポーツの分野だけではありません。病院や医療現場でのリハビリには理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家がいます。スポーツ栄養士は彼らと連携し、食事の面でのサポートをします。
例えば、足の不自由な人をどうすればより早い回復ができるのかと考え、食事の面からサポートします。足の機能が回復する見込みがあるのなら、筋肉量を落とさない食事を提案したり、また残念ながら回復の見込みがない場合は、免疫力を上げたり義足や保護具に耐えるためなどの別の提案を行います。そういったリハビリの専門家と協力し、病院患者さんの社会復帰のお手伝いをすることも仕事です。
2.栄養のカウンセリング
食事メニューの考案以外にも、スポーツ栄養士としての知識を活かし、栄養に関するカウンセリングやマネジメントを行います。自身の健康のため食生活を見直したい場合、スポーツ栄養士に相談することで、適切な献立や料理のコツを知ることができます。
このような栄養のカウンセリングを行うスポーツ栄養士は病院や教育機関、スポーツジム等に勤務している場合が多く、幅広い人を対象としたカウンセリングが可能となっております。
例えばスポーツジムでのカウンセリングが代表的です。最近では生徒とマンツーマンでの指導を行ない、メンタルと食事指導を行なうパーソナルジムも増えてきました。一人一人の体調やライフスタイルに合わせたサポートを行なってもらえるため、健康志向者向けに近年では人気となっています。
またスポーツジム以外にもスポーツチームや実業団、選手専属のスポーツ栄養士としてカウンセリングを行うこともあるため、誰でもスポーツ栄養士に相談することができます。
スポーツ栄養士になるための2つの方法
スポーツ栄養士になるための方法を解説します。スポーツ栄養士として働くために、必要な資格や認定までの流れを理解しておきましょう。
1.審査に必要な申請資格を取る
スポーツ栄養士としての審査に必要な資格は以下の通りです。
1.管理栄養士であること
2.公認スポーツ栄養士養成講習会を受講しようとする年度の4月1日時点で満22歳以上であること
3.スポーツ栄養指導の経験があること、またはその予定があること
4.日本スポーツ協会と日本栄養士会が認めた者
上記の4つの条件を満たした者がスポーツ栄養士として認定されます。管理栄養士の資格はもちろん、年齢制限や資格使用用途などの項目も満たしておかなければならないため、注意しておきましょう。
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管理栄養士の資格を取得しよう
まず管理栄養士の資格を有していなければ、スポーツ栄養士になることはできません。管理栄養士の資格を得るためにはまず、栄養士養成施設、または栄養士養成課程のある大学や専門学校で学び、栄養士の資格を取る必要があります。その後管理栄養士の実務経験と国家試験の合格を経て、資格を取得することができます。
「その他就活に有利な資格」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「その他就活に有利な資格」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
2.認定までの流れを把握する
スポーツ栄養士として認定されるまでには必要な流れがあります。「公益社団法人日本栄養士会」によれば、以下のフローがあります。
1.日本スポーツ栄養学会が開催するスポーツ栄養ベーシックコース講習会を受講
2.必要書類を準備して日本スポーツ栄養学会へ提出*
3.受講決定通知受領後、公認スポーツ栄養士養成講習会を受講
4.共通科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ検定試験を受ける
5.共通科目の検定試験合格
6.専門科目集合講習会を受講
7.専門科目検定試験を受ける
8.「公認スポーツ栄養士」認定
2種類の講習を受講し、2回の試験を受けよう
講習は共通科目と専門科目の2種類を2回に分けて行なわれています。
まずは日本体育協会が主催する「スポーツ栄養ベーシックコース講習会」受講します。「トレーニング論」「運動生理学」「スポーツ医学基礎」など合計10科目についての講習があり、講習後は共通科目の筆記試験が設けられています。共通科目が合格することで、専門科目講習を受講することができるようになります。
専門科目の内容はインターンシップのような試験形式で、実際に栄養指導を行ないます。この専門科目の試験にはプレゼンテーションと口頭試問があり、両方とも合格することにより、スポーツ栄養士の登録資格が付与されます。
またスポーツ栄養士の認定は、講習を開始して5年位内に合格しなければ、再度講習から受講をやり直さなくてはならないため注意しましょう。
スポーツ栄養士の主な就職先3選
スポーツ栄養士の主な就職先について紹介します。スポーツ栄養士は主に「スポーツチーム、実業団、選手専属」「事務、フィットネスクラブ」「病院、教育機関」の3つの就職先に分類することができます。主な就職先を理解することでスポーツ栄養士として働くイメージを明確にしておきましょう。
1.スポーツチーム・実業団・選手専属
スポーツチームや実業団への就職があります。ジュニアやアマチュア、プロまで幅広い選手やチームへ、食事メニューの考案を中心にスポーツ栄養のサポートを行います。近年では、様々なスポーツにおいてジュニアやアマチュアの活躍により、若年層中心のチームが増加しました。
スポーツによっては、10代での食生活や体の成長により、今後のキャリアを左右してしまう場合があります。しかし、プロの実業団や選手専属のレベルでなければスポーツ栄養士が不在である場合があり、ジュニアやアマチュアのチームからスポーツ栄養士を求める場合が多くなっています。
このようにプロからジュニアまで幅広い世代に、食事メニューの考案を中心にスポーツ栄養のサポートを行うことが仕事内容となります。
2.ジム・フィットネスクラブ
スポーツ栄養士はジムやフィットネスクラブへの就職もあります。マンツーマンレッスンをメインとするパーソナルジムでは、個人レベルでの栄養管理が必要ですし、昨今の健康意識の高まりからスポーツ栄養士のニーズが高まっています。
例えば、ダイエットがしたいお客様に対しては、「日頃の食生活」などの栄養に関するカウンセリングを行い、ジムでの運動と食事を組み合わせたダイエットプログラムを立てたりします。またジムやフィットネスクラブの会員に対して、栄養に関するセミナーや個別の栄養相談も行っています。
「スポーツジム」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「スポーツジム」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
3.病院・教育機関
スポーツ栄養士は管理栄養士の資格も保持しているので、スポーツ分野以外でも活躍することができます。体の健康や栄養についての専門知識はスポーツ以外で重宝されており、サプリメントの開発や、リハビリテーションの現場でも活かすことができます。
「NPO法人日本スポーツ栄養学会」の調査によれば、公認スポーツ栄養士の勤務先は「研究教育機関(大学・短大・専門学校)」が24.5%と一番高い割合となっております。そのため大学や民間の研究施設や教育機関、病院、委託給食会社、各自治体の保健センターなど幅広く働くことができます。
「病院」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「病院」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
スポーツ栄養士の待遇
スポーツ栄養士の待遇について解説します。「年収」「勤務時間」のカテゴリーに分け、それぞれの詳細を見ていきます。スポーツ栄養士の気になる待遇面を理解し、納得いく就活にしましょう。
年収
スポーツ栄養士の明確な給与情報はありません。しかしジムであれば216万円、病院などであれば276万円、プロスポーツ選手専属のスポーツ栄養士であれば、週20時間働いて収入が月100万超えるケースもあると言われております。
そのため、明確な給与は各ジムやフィットネスクラブ、各病院、各実業団など働く場所によって大きく変動するため、スポーツ栄養士として平均年収は、おおよそ350万円であると言われております。
また同じ職場、職種でも人によって大きく年収が異なることも多いです。例えばジム内でのレッスンを多く受け持ったり、マンツーマンでの顧客を獲得できれば、その分給与は増えていきます。個人の働き方に応じて、年収アップが期待できるといった特徴は、スポーツ栄養士として働くうえでメリットではないでしょうか。
「平均年収」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「平均年収」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。
勤務形態
スポーツ栄養士は勤務先によって勤務形態が異なります。スポーツジムやフィットネスクラブなどの一般企業などは定時制の場合が多く、朝から夕方までの8時間などの定時制が基本となります。また病院や教育機関なども、定時制である場合が多くなっています。一方、スポーツチーム、実業団、選手専属として働く場合、選手やチームのスケジュールによって勤務時間が大きく変動するため、柔軟な働き方が求められます。
スポーツ栄養士について理解し就活に挑もう
近年はより一層健康志向が強まり、食事や運動の重要性の認識が、スポーツ分野以外でも広く浸透してきました。しかしまだまだその需要に対してスポーツ栄養士の数は足りていません。そのため、食事と運動、両方のスペシャリストであるスポーツ栄養士は今後ますます活躍の場が広がると予想されています。
スポーツ選手としての活躍は難しいけれども、スポーツが好きな人やスポーツの分野に関わりたい人、管理栄養士としてのキャリアにもっと専門性をもちさ様々なフィールドで活躍したい人などは、一度スポーツ栄養士を目指してみてはいかがでしょうか。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。