業界研究

【海運業界の国内上位3社と年収】知っておきたい海運業界の魅力と展望を解説

海運業界とは

海運業とは、一言で説明すると「船で物資を運ぶ仕事」のことです。海運業は日本の物流において9割以上を占める、重要な役目を担った業界です。日本の貿易に関わって世界を舞台に働き、日本経済を支える一翼を担いたいと海運業界を志望する就活生も多いです。

海運業で取り扱う海上輸送は「内航海運」(国内)と「外航海軍」(海外)に分かれており、輸送を行う物の種類によってコンテナ船、バラ積み船、タンカー、自動車船、LNG船など、様々な船を使い分けます。また客船やフェリーなどの業務に着手している企業も存在します。

しかし海運業界は世界経済の影響を受けやすいことが特徴で、リーマンショック時の最悪期は脱出しましたが、売上は増減しており現在業界再編の過程にあるのですが、新興国経済の発展に伴い、今後も拡大を続ける業界と考えられています。

海運業界国内主要3社の売上高と平均年収

国内の大手海運会社は「日本郵船」「商船三井」「川崎汽船」の3社です。この3社の売上が占める割合は、なんと国内海運業界全体の売上の80%にも上ります。トップ3社がここまで全体のシェアを独占するのは稀で、少々特殊な例と言えるでしょう。

日本の物流・経済を支える海運業界。成功すれば大きな利益が生まれますが、前述した世界経済(景気)の影響だけでなく、有事リスク(戦争や紛争)や海賊の出現、テロなど業務においてリスクの高い要素が多く存在します。国内だけでなく国際情勢の動向も常に頭に入れておく必要が出て来ます。

世界規模で大きな責任を担った業種として、その年収も気になるところです。それでは早速、各会社の売上高と平均年収について詳しく見ていくことにしましょう。一般的な40歳(大卒)の平均年収は602.7万円とされているので、海運業界は他と比較して非常に高い水準の年収が得られる業種と言えるでしょう。

①1位日本郵船

  • 売上:2兆2,723億円(2015年度連結売上高)
  • 平均年収:1037万円(平均39.8歳)

日本郵船株式会社は1885年創業の日本最大の海運会社で、主な事業は物流・航空運送・定期船・不動産事業にも及びます。売上・年収も当然トップをキープしており、平均年収は過去5年間で増加傾向にあるようです。幅広い事業展開により、これからも安定した経営の継続が期待できる会社です。

②2位商船三井

  • 売上:1兆7,122億円(2015年度連結売上高)
  • 平均年収:1,000万円(平均37.7歳)

商船三井は日本第2位の商船会社。不定期専用船事業、コンテナ船事業、フェリー・内航事業などに従事しています。海運に特化しており、90%以上が海運事業による売上で経営を成り立たせています。日本郵船と同様、業績は増加傾向にあると見られています。鉄鋼原料船の保有数は世界トップ、日本郵船や川崎汽船に比べても、液化天然ガスなどを輸送するLNG船を多く保有しています。

③3位川崎汽船

  • 売上高:1兆2,439億円(2015年度連結売上高)
  • 平均年収:920万円(平均38歳)

川崎汽船はコンテナ船を主力としており、日本・アジア・ヨーロッパ・北アメリカを拠点としたサービスを展開しています。日本郵船や商船三井と違い非財閥系の会社であるため、常に様々な取り組みを模索しつつ、挑戦していく姿勢が特徴とされています。商船三井と同様全体売上の9割以上を海運業が占めており、他2社と同じく近年の業績は増加傾向にあるようです。

海運業界ではグローバルな仕事ができる

海運業界で働くことの大きな魅力は、「グローバルな仕事ができる」というポイントです。日本と海外、海外と海外を結ぶ仕事なので、グローバルな視野で仕事ができ、世界とつながる仕事がしたいと考えている人には適した業界と言えます。

海運業界の業務は通常「陸上業務」と「海上業務」に分かれており、海外との関わりがより深いのは、主に海外と連絡を取りやりとりをする「陸上業務」になります。陸上業務の場合、勤務中に海外出張や海外赴任を命じられるケースもあります。「海上勤務」の場合は航海・通信・機関・電子通信分野で、航海士として任務にあたる形が主流です。

日本経済を支える仕事ができるという大きなやりがいがある一方、原油価格・ドルレートの影響を受けやすいことはマイナス要素と考えられます。しかし、世界を舞台にエキサイティングな仕事がしたいと、考えている人にとっては、そういったやや不安定な要素も乗り越える課題の一つとして楽しむことができるのではないでしょうか。

英語はどの程度必要か

海運業界では主に海外との取引がメインになってきます。取引先や税関などとのコンタクトも多く、英語に触れる機会は他の業界に比べかなり頻度が高いと言えるでしょう。海運業界の中でも大手の企業に就職すると、その分取り扱う書類の量も多くなり、そのほとんどが英語ということもあり得ます。

海運会社の中には中国の船会社と取引を行っているところもあり、一見取引は中国語で行われるかと思いがちですが、ここでもやはり使用言語は英語となっています。それでは果たして実際どのような業務で英語を使用し、どの程度の英語力が必要とされているのでしょうか。

①日常業務で英語が必要

海運業界で働く際、メールや電話、書類作成などで英語を使う機会は頻繁にあります。基本的にはリーディングとライティングが中心となります。海運業界は世界経済や世界情勢の動向により変動が大きい業界です。

早急な対応が求められる場合に備え、英語を早く・正確に読む速読・読解能力と情報を正確に伝えられるライティング能力が必要になって来ます。また日常会話で使う英語よりも、専門用語の知識を中心とするビジネス英語の習得が求められます。

②就活時には高い英語力は求められない場合も

英語を日常的に使用する業界ということで、帰国子女など海外経験者の志望が多く見られます。もちろん英語ができることに越したことはないですが、実際の現場では英語力そのものよりも、海外を相手に仕事をする意欲と柔軟さが重視されます。

現時点の英語力が高くないからといって諦める必要はありませんが、就活前にTOEICでできる限り高い点数を取っておけば、選考の過程で企業側に良い印象を与えることができるでしょう。

日本と世界を結ぶグローバルな仕事を目指そう!

ここまで海運業界の詳細、日本を代表する3つの海運会社の売上・年収、そして海運業界でグローバルな仕事をしていくために英語力はどれくらい必要かについて、解説して来ました。

海運業界は世界経済の影響を否応にも受ける業界ですが、今後も成長・発展を続けていく業界であることは確かです。前述したように、経済だけでなく有事リスクやテロなどの影響も大きく受けるので、状況の変化に合わせ、柔軟に対応できるスキルを身につけていかなければなりません。

しかし業務ひとつひとつの重要性が大きいからこそ、その分、毎日やりがいと達成感を味わいつつ、仕事ができる業種でもあります。特に「日本と世界を結ぶグローバルな仕事をしてみたい」「海外赴任等を通して自分の仕事の成果を肌で感じたい」と希望している人には、とても適している魅力的な業界と言えます。きっと世界との繋がりの中で切磋琢磨する、刺激的で充実した毎日が待っていることでしょう。

監修者プロフィール

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吉川 智也 (よしかわ・ともや)
1988年2月、北海道生まれ。小樽商科大学卒業。 2010年4月に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。 IT・小売・外食など幅広い業界にわたって300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学の就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を行なう。 現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。