業界研究

【海運業界の業界研究】知っておきたい現状と大手5社の特徴

海運業界とは

海運業とは、一言で説明すると「船で物資を運ぶ仕事」のことです。海運業は日本の物流において9割以上を占める、重要な役目を担った業界です。日本の貿易に関わって世界を舞台に働き、日本経済を支える一翼を担いたいと海運業界を志望する就活生も多いです。

海運業で取り扱う海上輸送は「内航海運」(国内)と「外航海軍」(海外)に分かれており、輸送をおこなう物の種類によってコンテナ船、バラ積み船、タンカー、自動車船、LNG船など、様々な船を使い分けます。また客船やフェリーなどの業務に着手している企業も存在します。

しかし海運業界は世界経済の影響を受けやすいことが特徴で、リーマンショック時の最悪期は脱出しましたが、売上は増減しており現在業界再編の過程にあるのですが、新興国経済の発展に伴い、今後も拡大を続ける業界と考えられています。

海運業界の現状

海運業界は市場規模を拡大しており、2018~2019年では4兆4,099億円もの市場規模となっております。世界的な不景気によって業界規模は下落が続いていましたが、最悪の状態からは脱し、2020年現在では業界利益も増減を繰り返しています。

景気に左右されやすい開運業界は、国内はもちろん、海外の状況によっても業界規模の拡大と縮小の影響を受けると考えましょう。需要と供給のバランスによって利益の増減が決まり、新興国の成長によって海運需要が高まると、一気に業界規模が拡大することも少なくありません。

現状では業界推移は横ばいから多少増減を繰り返す程度ですが、今後もさまざまな要因による影響を受ける可能性があるため、油断はできない状態といえます。

コロナ自粛中に、自己分析をやり直そう

コロナウイルスで就活も自粛の傾向になり、選考が進まず、不安になっていませんか?

そんな時は、自己分析ツール「My analytics」を活用して、自己分析をやり直してみましょう。

My analyticsを使えば、36の質問に答えるだけであなたの強み・弱み→それに基づく適職がわかります。

コロナで就活自粛中の今こそ、自己分析を通して、自分の本当の長所・短所を理解し、コロナ自粛が解けた後の就活に備えましょう。

海運業界ではグローバルな仕事ができる

海運業界で働くことの大きな魅力は、「グローバルな仕事ができる」というポイントです。日本と海外、海外と海外を結ぶ仕事なので、グローバルな視野で仕事ができ、世界とつながる仕事がしたいと考えている人には適した業界といえます。

海運業界の業務は通常「陸上業務」と「海上業務」に分かれており、海外との関わりがより深いのは、主に海外と連絡を取りやりとりをする「陸上業務」になります。陸上業務の場合、勤務中に海外出張や海外赴任を命じられるケースもあります。「海上勤務」の場合は航海・通信・機関・電子通信分野で、航海士として任務にあたる形が主流です。

日本経済を支える仕事ができるという大きなやりがいがある一方、原油価格・ドルレートの影響を受けやすいことはマイナス要素と考えられます。しかし、世界を舞台にエキサイティングな仕事がしたいと、考えている人にとっては、そういったやや不安定な要素も乗り越える課題のひとつとして楽しむことができるのではないでしょうか。

ただし世界情勢や原油価格に左右されやすい

海運業界では世界にまたがって仕事ができる点が魅力ですが、反面世界情勢に業界の景気が左右されやすいことは覚えておきましょう。国内での経済的な問題はもちろん、海外の経済や政治にも影響を受けてしまうため、世界の情報にも目を配らなければなりません。

また、海運の仕事では原油価格も重要であり、これが高騰すると輸送の際のコストが上がり、利益に打撃を与えてしまいます。海運の需要と供給はもちろん、世界的な経済の変動の影響が大きく反映されるため、利益の増減が多い業界であることは覚えておきましょう。

そのため、就職する際にはベストな状態であっても、就職してからすぐに不景気になることもあります。反対に悪い時期に就職しても、その後好景気になる可能性もあるでしょう。

世界の海運市場の現状

海運業界への就職を考えているなら、国内だけではなく世界の市場にも目を向けることが大切です。世界的な海運市場は世界経済の影響を受けるため、国内よりもさらに増減は大きいと考えましょう。世界的な不況に見舞われると海運業界の市場は業績が下がり、不景気になります。

世界的に見ると概ね成長傾向で推移しており、これは新興国の輸出入の増加が関係しています。つまり、世界のどこかの国が成長傾向にあると、それに応じて経済が潤滑に回り、海運業界にも利益をもたらすといえます。

現状では概ね成長傾向で推移していますが、今後の世界情勢次第ではどのような変化が起きるかはわかりません。そのため、海外の状況にも目を向けておき、常に最新の情報を集めておくことが大切です。

英語はどの程度必要か

海運業界では主に海外との取引がメインになってきます。取引先や税関などとのコンタクトも多く、英語に触れる機会は他の業界に比べかなり頻度が高いといえるでしょう。海運業界の中でも大手の企業に就職すると、その分取り扱う書類の量も多くなり、そのほとんどが英語ということもあり得ます。

海運会社の中には中国の船会社と取引をおこなっているところもあり、一見取引は中国語でおこなわれるかと思いがちですが、ここでもやはり使用言語は英語となっています。それでは果たして実際どのような業務で英語を使用し、どの程度の英語力が必要とされているのでしょうか。

①日常業務で英語が必要

海運業界で働く際、メールや電話、書類作成などで英語を使う機会は頻繁にあります。基本的にはリーディングとライティングが中心となります。海運業界は世界経済や世界情勢の動向により変動が大きい業界です。

早急な対応が求められる場合に備え、英語を早く・正確に読む速読・読解能力と情報を正確に伝えられるライティング能力が必要になって来ます。また日常会話で使う英語よりも、専門用語の知識を中心とするビジネス英語の習得が求められます。

②就活時には高い英語力は求められない場合も

英語を日常的に使用する業界ということで、帰国子女など海外経験者の志望が多く見られます。もちろん英語ができることに越したことはないですが、実際の現場では英語力そのものよりも、海外を相手に仕事をする意欲と柔軟さが重視されます。

現時点の英語力が高くないからといって諦める必要はありませんが、就活前にTOEICでできる限り高い点数を取っておけば、選考の過程で企業側に良い印象を与えることができるでしょう。

海運業界の主要企業の特徴

・日本郵船
・商船三井
・川崎汽船
・NSユナイテッド海運        
・飯野海運

海運業界への理解を深めるには、企業の特徴を知ることも大切です。海運業界の代表的な企業は、上記の5つがあげられます。

業界をけん引している企業の特徴を知ることで、より業界への理解は深められます。代表的な企業がどのような事業をおこなっているのか、いかなる取り組みをしているのかを知ることが大切です。企業ごとの特徴の違いを知り、海運業界についてさらに知っていきましょう。

日本郵船

日本郵船はコンテナ輸送事業や物流事業、自動車輸送事業などを展開している企業です。事業領域は幅広く、他にもバルク・エネルギーの輸送事業や客船事業、港湾事業などを中心にして、陸海空すべての物流サービスを提供しています。

郵船という名前から海運のみとイメージされやすいですが、実際には総合的な物流サービスを提供している企業であることは覚えておきましょう。日本郵船はグループで世界中に人材を抱えており、世界55,000人の従業員がいるグローバル企業でもあります。

海運業界では国内だけではなく、世界的に活躍する人も多い点が大きな特徴です。国内外で広く活躍したい人や、海運以外の物流サービスの担い手となりたい人におすすめの企業といえます。

商船三井

商船三井は海洋事業を中心に展開している企業であり、モノの輸送だけではなく、エネルギーの輸送もおこなっています。製品物流の分野に強みがあり、海上だけではなく、陸上でのサービスも展開している点が大きな特徴です。陸上ではコンテナサービスを実施しており、企業規模は非常に大きく、444のグループ企業を持っています。

また、海外拠点も非常に多く、約50ヶ所に拠点を持ち、847隻もの船舶を所有している点も大きな特徴でしょう。運行管理や船舶の整備、船舶の設計など幅広い業務範囲があり、文系から理系まで求人があります。また、自社育成の海上社員も採用しており、就職してからスキルを身につけて、外航船舶の運航業務にもチャレンジ可能です。

川崎汽船

川崎汽船は、陸上から海上、空輸まで幅広く物流サービスを提供している企業です。事業領域は多岐にわたり、海上運送業から陸上運送業、航空運送業や港湾運送業までは幅広い分野で活躍しています。モノだけではなく、エネルギーの輸送をしている点も特徴であり、物流業界全体で活躍している企業といえるでしょう。

国内外で活躍するグローバルな企業でもあり、若手のうちから海外勤務にも積極的に挑戦できます。総合職だと約5人に1人が海外勤務となっており、若いうちからキャリアを積みたい人にもおすすめでしょう。

国内では本社を東京に構え、本店と支店の両方が神戸にあり、名古屋にも支店があります。海外法人も多く、アジアからヨーロッパ、アメリカまで幅広いエリアで活躍しています。

NSユナイテッド海運        

NSユナイテッド海運は、鉄鋼原料輸送から資源エネルギーの輸送、不定期船サービスや近海水域サービスなどを事業として展開しています。国内だけではなく、海外にも拠点を持ち、アジアを始め、アメリカやヨーロッパなどでも活躍しています。

また、海運の事業だけではなく、不動産や情報処理などの分野でも活躍しており、事業領域の広い企業といえるでしょう。世界の市場を対象にしたビジネス展開をしており、グローバルに活躍したい人にもおすすめの企業です。

人を育てる風土や環境も整っており、「仕事を通じて人が成長する会社」を目標として掲げています。向上心の高い人や、仕事を通じた成長を強く望む人に向いている環境にあり、成長意欲の高い人が集まる企業といえます。

飯野海運

飯野運輸は海運と不動産の2つを軸に、事業を展開しています。海運事業では、原油や石油製品、石油化学製品や液化天然ガスや液化石油ガス、石炭や肥料など、多岐にわたるものを海上輸送しています。

不動産事業では、都内5棟のオフィスビルの管理や賃貸に加えて、不動産開発や不動産関連事業として撮影スタジオの運営をおこなうなど、事業領域は幅広いです。海は海運、陸は不動産事業と、バランスよく経営をおこなっている点も特徴です。

2軸の経営となっているため、事業は安定しており、両方で利益を獲得できるのは大きな強みでしょう。幅広い事業をおこなっていますが少数精鋭であるため、若いうちから活躍できる風土にあります。若年層でキャリアを築きたい人にもおすすめであり、成長意欲の高い人におすすめです。

日本と世界を結ぶグローバルな仕事を目指そう!

海運業界は世界経済の影響を否応にも受ける業界ですが、今後も成長・発展を続けていく業界であることは確かです。経済だけでなく有事リスクやテロなどの影響も大きく受けるので、状況の変化に合わせ、柔軟に対応できるスキルを身につけていかなければなりません。

しかし業務ひとつひとつの重要性が大きいからこそ、その分、毎日やりがいと達成感を味わいつつ、仕事ができる業種でもあります。特に「日本と世界を結ぶグローバルな仕事をしてみたい」「海外赴任等を通して自分の仕事の成果を肌で感じたい」と希望している人には、とても適している魅力的な業界といえます。きっと世界との繋がりの中で切磋琢磨する、刺激的で充実した毎日が待っていることでしょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ