目次
毎年人気の高い不動産業界
世の中には様々な業界がある中で、不動産業界は毎年志望する人も多く、人気の業界の一つです。どこか華やかなイメージや、大きな規模の仕事ができるような印象があることから、憧れの業界とされています。
しかしながら、漠然と「どこか華やかなイメージがあるから」「大きな規模の仕事ができるから」というイメージで選考に進んでしまうと、入社前の理想と入社後の現実のギャップに苦しんだり、選考で落とされてしまう可能性もあります。
本記事では不動産業界の基礎知識から内定を得るためのポイントまで解説しております。不動産業界の業務内容や動向、福利厚生などを知ることで、業界研究や企業研究を進めることができ、自分に合っているかどうか判断することができます。また求める人物像や内定を得るためのポイントをしっかりと理解することで、企業に対して的確なアピールをすることができるため、選考も有利に進めることができます。
不動産業界の基礎知識から内定を得るためのポイントまで理解し、就職活動を優位に進めましょう。
不動産業界とは
不動産とは土地や土地に定着している住宅やビルなどを指す言葉です。反対に動産という言葉も存在し、車や現金など、不動産以外のすべての財産を指す言葉として定義されています。不動産は法律によって定められている権利関係も多いため、不動産を扱う業界は民法や宅建業法などに則り、厳正に仕事を行う必要があるとされています。
不動産業界は我々もなじみがある「住宅」や「マンション」「ビル」「商業施設」などを竣工し、安心して生活を営めるよう管理しています。竣工とは工事が完了して、建物が出来上がることです。このように不動産業界は我々が生きていくうえで欠かせない存在になっています。
それでは不動産業界は具体的に何を行っているのでしょうか。「不動産業界が何を行っているのか」「どのように利益を出しているのか」を知ることで、不動産業界の業界分析や企業分析がしやすくなるため、ぜひ理解しておきましょう。
不動産業界のビジネスモデル
不動産業界は「不動産ディベロッパー」「不動産販売業者」「不動産賃貸業者」「不動産管理業者」を含めた総称として定義される場合が多いです。
不動産ディベロッパーはゼネコンなどと協力し不動産などを開発します。その中でディベロッパーは「企画」、ゼネコンは「建設」と領域がはっきりしており、お互いに連携して事業が進められます。ゼネコンも実際に工事を行うことはありますが、多くは下請けと呼ばれる建設業者に委託され工事が進められます。完成した不動産はディベロッパーに納品され、不動産販売業者へ販売されます。ディベロッパーが不動産販売業者に不動産を委託しているので、販売手数料が発生し、ディベロッパーの利益となります。
不動産販売業者や不動産賃貸業者は個人や法人などの顧客に対して、不動産の分譲や賃貸の販売を行います。分譲とは土地を区分けして販売されることで、土地や建物が購入者の所有権わたることを指します。一方賃貸はフロアごとに販売されることであり、土地や建物が購入者の所有権となりません。また不動産販売業者を通さず、直接ディベロッパーが販売する場合もあります。
不動産管理業者は顧客に対して、不動産所有者に代わり、管理業務を行います。不動産所有者はオーナーや大家さんと呼ばれることが一般的です。不動産所有者に代わりに、賃料回収やトラブルの対応などを行うことで、不動産所有者から委託料を得るといった仕組みになっています。また顧客と不動産所有者の間に入ることで、顧客から家賃等と一緒に仲介手数料が発生し、収益源となるケースもあります。
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ゼネコン、下請け業者とのつながり
ゼネコンとは工事の元請け業者として、工事全体を取りまとめる建設業者です。ゼネコンが建設を行うこともありますが、ほとんどの場合が下請けの建設業者が工事に関わる施工管理や安全管理を行っており、ゼネコンはそういった下請け業者の管理や工事の発注を行うことがメインの業務になります。
ディベロッパーが不動産の開発者である一方、ゼネコンは不動産の建設工事を請け負う業者です。つまり、ディベロッパーが都市開発や企画を行い、ゼネコンがそれを基に建設工事を行っております。その中で一部、企画から建設まで全てゼネコンが行う場合があります。
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不動産業界の3分野と仕事内容
不動産業界には大きく分けて「開発」「流通」「管理」の3つの分野に分けることができます。それら3つの領域の仕事内容を紹介していきます。これらを知ることで不動産業界に対する基礎知識が身に付き、業界研究や企業研究がしやすくなります。
不動産業界の業務内容は「不動産の企画や開発」「不動産仲介」「住宅や土地の販売」「不動産の管理」というように、事業の流れによって担当範囲が分かれています。これらは機能ごとによって会社が分けられていることが多く、「開発」「流通」「管理」をすべて1社で行う企業は少なくなっています。
1.開発
不動産の開発では、土地の調査から事業用地の取得、開発コンセプトの議論、ゼネコンへの工事委託までを企画する分野になります。また不動産における開発は、ディベロッパーと呼ばれることが多くあります。ディベロッパーが工事を行うことはありませんが、ゼネコンに工事を委託した後も、関係者を牽引しマネジメントやプロジェクトの進捗管理などを行います。
例えば、三井不動産では「柏の葉スマートシティ」の開発として、世界の未来像をつくる先進の街づくりをコンセプトとし、もともとゴルフ場であった広大な土地を活かして「ららぽーと」や地上36階建ての「ゲートタワー」が竣工されました。このようにその土地の歴史や環境から、開発の方向性やコンセプトを企画し開発が進められます。
デベロッパーは街をよりよくするために不動産を開発し、「どうすれば街を発展することができるか」「何が必要なのか」を考える仕事になります。ディベロッパーの中でも、マンションやオフィスビル、商業施設、ホテル、リゾート、住宅などさまざまな種類の開発を行う「総合ディベロッパー」と、ある事業に特化した開発を行う「専門ディベロッパー」に分けられます。不動産の開発では、下記のような仕事内容を行っています。
・不動産会社や地権者などから土地に関する情報を収集
・開発によるメリットや、そもそも発展の可能性があるかどうかの分析と検討
・その土地の持ち主である地権者と買収価格やそもそも開発が可能であるかと交渉
・土地の歴史や周囲の環境などを調査
・開発の方向性やコンセプトを議論
・建物の設計図や、外観や内装のデザインの設計
・ゼネコンへの建設工事を委託
また不動産開発の主要企業もあげておりますのでぜひ確認しておきましょう。
不動産開発の主要企業
・野村不動産
・三井不動産
・三菱地所
・住友不動産
・東急不動産
2.流通
不動産の流通では、不動産の販売やテナントに対する営業、不動産の持ち主と顧客のマッチングを行う分野になります。テナントとは、オフィスビルや商業施設などの一部の区画を借りて、事務所や店舗として使用する借主のことを指します。
この不動産の流通を主軸とする不動産会社も多いですが、先ほどのディベロッパーがこの流通の仕事も行う場合があります。また不動産における流通は不動産賃貸業や不動産販売業者と呼ばれることが多くあります。前者は顧客に不動産を賃貸することにより賃貸料を得ており、後者は分譲により購入料を得る仕組みになっております。
例えば、三井不動産リアルティでは「三井のリハウス」は全国的に人気の不動産賃貸を行っており、「センチュリー21」は家賃等が比較的安価であることから、学生を中心に人気の不動産賃貸業者です。
不動産の流通では、宅地建物取引業にのっとり「自らの売買」「売買の代理と媒介」「貸借の代理と媒介」を行います。ディベロッパーが不動産の開発者、ゼネコンが建設工事業者である一方、不動産の流通ではディベロッパーとゼネコンが完成させた物件を顧客に賃貸や分譲を行う専門業者になります。不動産の流通では、下記のような仕事内容を行っています。
・開発を行っている不動産に入居の可能性のありそうな企業や、商業施設への出店しそうな飲食店や小売業者(テナント)などの調査
・それらの事業会社への営業
・不動産オーナーと顧客の仲介
また不動産流通の主要企業もあげておりますのでぜひ確認しておきましょう。
不動産流通の主要企業
・三菱不動産リアルティグループ
・住友不動産販売
・東急リバブル
・野村不動産グループ
・センチュリー21
3.管理
不動産の管理では、開発した不動産の周辺地域を活性化や良好な関係を築くことを目的とした分野になります。このような管理業務は不動産所有者だけでは対応することは難しく、不動産所有者に代わって、主に管理会社が業務を行います。
例えば、「SankeiBiz」によれば三菱地所は首都圏でご当地マルシェを、長谷工コーポレーションはウォーキング大会を実施して住民コミュニティーを活性化の促進をはかりました。このように管理業務も不動産販売業者が行う場合が多いですが、ディベロッパーが直接行うこともあります。不動産の管理では、下記のような仕事内容を行っています。
・地域住民やテナントと良好な関係を築くため、イベントやマルシェなどを開催し、地域活性化を促進
・賃料回収やトラブルの対応
また不動産管理の主要企業もあげておりますのでぜひ確認しておきましょう。
不動産管理の主要企業
・大京
・三井ホーム
・大和ハウス
・日本管財
・エフ・ジェー・ネクスト
不動産業界の3つの領域
一口に不動産と言っても、世の中には様々な不動産が存在します。その中でも「住宅、マンション」「ビル」「商業施設」の3つの領域に分けることができます。それぞれの領域ではターゲットや事業規模が異なるため、それらの違いを理解することで、業界研究や企業研究を通じ「自分にあった事業領域」を確かめることができます。
1.住宅、マンション
不動産の住宅、マンション事業では、「戸建住宅」や「賃貸住宅」「高齢者向け住宅」「中高層マンション」などがあり、顧客にとっての理想の住まいを提供している領域になります。
例えば、東急不動産では、田園調布を中心とした高級賃貸マンションで人気の「BRANZ(ブランズ)」が有名です。また野村不動産の「PROUD(プラウド)」は、関東地方では首都圏を中心に人気の高い物件となっています。このように不動産の住宅、マンション事業では、一般消費者に大きくかかわる領域であり、BtoCのビジネスモデルであります。
2.ビル事業
不動産のビル事業では、主に「オフィスビル」の竣工があげられます。例えば、住友不動産では「新宿グランドタワー」や「東京日本橋タワー」などが有名です。
「【東京23区】オフィスピラミッド2019 | ザイマックス総研の研究調査」によれば、東京23区内だけでオフィスビルは9,206棟あり、サラリーマンや企業数が多いことから、オフィスビルの需要は高いと言われています。またビル事業では主にテナントとのやり取りが多くなるため、BtoBのビジネスモデルとなります。
3.商業施設事業
不動産の商業施設事業では、「ショッピングセンター」や「飲食施設」「遊技場」などを扱っている事業領域になります。
例えば、三井不動産では「ららぽーと」や「アウトレットパーク」などが有名です。一般消費者の暮らしや娯楽を提供している領域になります。またテナントとのやり取りも多くなる事業であるため、BtoCとBtoBどちらも経験できるような事業領域になります。
不動産業界の動向
次に不動産業界の動向について解説します。物流業界の動向について理解することで、「業界全体ではどんな課題があり、どのような人物を求めているのか」「今後の展望により、就職することでどのようなメリットやデメリット」などが分かります。
そのため、自分にあった企業を探すための業界研究や企業研究を進めることができます。不動産業界を理解するためにも、現状の課題や今後の行方にもしっかり注目しておきましょう。
今までの変革
不動産の歴史は、平安時代の「荘園」による土地の管理が始まりとされています。そして江戸時代には、長屋に住む店子と提供する大家という関係ができており、明治初期ごろに「不動産」という言葉が誕生しました。その後「東京建物」をはじめとした不動産会社が続々と設立しました。
また不動産業界のなかでも「開発」「流通」「管理」などと事業が分散していき、「開発」を専門に行う不動産ディベロッパー、「流通」を専門に行う不動産賃貸業者や不動産販売業者、「管理」を専門に行う不動産管理業者と呼ぶようになりました。
このように役割を分担してきた歴史から、不動産業界では同じ不動産を扱っていても別の企業である場合が多くなります。そのため、様々な年代や業種の人と円滑にビジネスを進めていけるように、コミュニケーション能力に長けた人物を求める傾向にあります。
現状の課題
空き家問題
近年、オフィスビルの増設による供給量過多が原因で「空き家が多い」ことが問題とされています。その要因は少子高齢化であり、年々の人口減少により「国立社会保障・人口問題研究所」によれば2030年には日本の総人口が1億1,900万人に減少すると予想されているほど深刻な問題となりました。
このような人口減少によって年々空き家やオフィスビルの空室や住宅の空き家が増えるようになり、収益源が減少傾向にあります。そのため不動産は、従来のオフィスビルや住宅などの不動産事業以外にも、収益源の多様化に向けて、商業施設やホテル、物流施設や海外事業に注力する動きがありました。
新型コロナウイルスによる収益低下
新型コロナウイルスの影響により、不動産需要の低下にさらなる追い打ちをかけました。「テレワーク化でオフィス需要が大幅減に|日本総研」によれば、リモートワーク普及により、都心オフィスの空室率が現在2%から15%まで上昇する見込みと発表しました。
これによりテナントの撤退による収益源の低下や、飲食店などのテナント入居者からは、営業自粛の影響を受け、家賃減免措置を求める動きが多発しました。
さらに商業施設やホテル事業などの収益低下により、事業の多角的に行っている企業は、リスク分散や収益拡大への動きがマイナスの影響となってしましました。
今後の行方
2022年問題への対応
不動産業界では2022年に大きく法律が変わろうとしています。それは生産緑地に関わる法律の改正であり、通称「2022年問題」といわれています。
2022年問題とは生産緑地という「増加する都市化によっておこる住環境の悪化、地盤保持や保水のために保存すべき農地」の税制優遇と制限が失効することです。つまり、2022年に生産緑地の制限が解除されることによって、その生産緑地を自治体や流通市場に売却することが可能になります。
これにより、生産緑地の土地所有者の多くが土地を売却する可能性が高く、土地の供給過多が起こり、不動産の価値が下がることで不動産価格の暴落が予想されます。
不動産業界は、ビル・マンション・集合住宅・商業施設の建設を目的に土地を買っているため、不動産価格が下落することで、その差分利益の損失となります。都心と地方の家賃をイメージしてみてください。同じ1Kのアパートでも賃料に大きな差があります。それと同様に、不動産価格が下がることで、テナント等による賃料収入が減少するため、不動産業界の2022年問題への対応が懸念されています。
新技術の活用と浸透
近年IT業界を中心に「X-Tech(クロステック)」という動きが各業界で活発化しています。不動産業界も例に漏れず、「不動産×テクノロジー」略して「不動産テック」と呼ばれる仕組みが活用されようとしています。
不動産テックにより、インターネットを利用した不動産と消費者を結ぶ「マッチング」、人工知能を利用した「物件価格の可視化と査定」、IoTを利用した「スマートロック」、VRやARを利用した「内覧システム」などが可能となります。
このように人工知能やIoT、VRといった先端のIT新技術を活用することで、従来の不動産を変えようという動きが出てきました。
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不動産業界の待遇
不動産業界の待遇について解説します。「年収」「勤務時間」「福利厚生」のカテゴリーに分け、それぞれの詳細を見ていきます。不動産業界の気になる待遇面を理解し、納得いく就活にしましょう。
年収
各企業の「有価証券報告書」によれば、平均年収の上位5社は以下のようになります。
サラリーマンの平均年収が441万円であり、不動産業界の平均年収がかなり高いことがわかります。不動産の社員は規模が大きい商材ということで、扱う金額が大きくなり、それに伴って責任も多くなります。また営業や販売はテナントの販売ノルマがあるため、忙しく働かなくてはならないことからこれほどの年収になると言われています。
勤務時間
不動産業界の1日はそれぞれの分野によって違いがあります。
開発分野で事業用地を取得する事業部担当の1日
9:00 出勤
10:00 事業予定地の視察
12:00 休憩
13:00 地域住民への都市開発の説明会
16:00 各役所で事業の許認可を得るための書類を作成
18:00 部門会議
20:00 退勤
流通分野で店舗で不動産仲介担当の1日
9:00 出勤
10:00 店舗開店、来客対応、電話対応
13:00 休憩
18:00 閉店
19:00 報告資料作成等の事務作業
20:00 退勤
管理分野で働く社員の1日
9:00 出勤
10:00 オーナーへの修繕工事の提案書類作成
12:00 休憩
13:00 オーナーとのミーティング
15:00 管理物件の定期巡回
17:00 入居者のクレーム対応
20:00 退勤
不動産業界は勤務時間が長いことがあげられます。また営業の部署においてはテナントの販売ノルマ達成のため、残業のみならず休日に出勤する人も少なくはないようなので、勤務時間は一般的な企業より、かなり長いようです。
福利厚生
企業によって福利厚生に違いはあります。不動産業界においては、一般的な健康保険や社会保険、育児休暇、介護休暇など他にも、以下のような福利厚生があります。
・社宅や寮
・最大9割の家賃補助
・車の借り上げやガソリン代の補助
このように従業員の生活の安定のために、福利厚生が整っているのも不動産の特徴です。高い年収の他にもこれらの福利厚生が充実しているのは、不動産ならではでないでしょうか。企業選びで福利厚生を重視している人にとって、不動産業界はおすすめの業界となっています。
不動産業界の主要企業の売上高ランキングと特徴
不動産業界の売上高のランキングは以下の通りです。それぞれの企業にどのような特徴があり、どこに位置づけいるか把握することで、企業研究を優位に進めましょう。なお各企業の売上高は2020年3月のデータで統一しております。
不動産業界の2つの求める人物像
不動産業界の求める人物像を解説します。求める人物像を知ることで不動産業界についてより理解が深まります。大手総合不動産の求める人物像は以下の通りです。
三井不動産「何事にも本気で向き合える人、人との関わりを大事にする人」
三菱地所「多様な関係者と信頼関係を構築しリーダーとして事業を推進できる人」
住友不動産「前例に囚われず自らの頭で考え、リーダーシップを持って仕事に取り組める人
以上より大きく分けて次の2つのポイントをあげることができます。
1.コミュニケーション能力がある人
人との関わりや信頼関係を構築できる人材に重きをおいています。これは様々な人と関わる不動産業界ならではの特徴ではないでしょうか。プロジェクトは他業種の会社とのやり取りも非常に多く、立場も年齢も違う人とうまくコミュニケーションを取らなければ数億円のプロジェクトが失敗してしまします。そのためコミュニケーション能力に長けている人物を求めていると言えます。
「コミュニケーション能力」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「コミュニケーション能力」について詳しくなることで、より採用担当者の印象に残る自己PRの作成ができるでしょう。
2.リーダーシップがある人
リーダーシップを持ち、積極的な挑戦ができる人を求めていると言えます。不動産業界には「開発」「流通」「管理」とさまざまな事業があり、1つの不動産を複数の会社によって運営している形になります。
そのため、それぞれのリーダーと協力してプロジェクトを推進していけるようなリーダーシップを発揮できるが必要になります。そういった他者に働きかけることができ、失敗を恐れず挑戦できる人材を求めていると言えます。
「リーダーシップ」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「リーダーシップ」について詳しくなることで、より採用担当者の印象に残る自己PRの作成ができるでしょう。
不動産業界で内定を得るための2つのポイント
不動産業界で内定を得るためのポイントを解説します。ポイントは2つあり、しっかりとおさえることでより内定へ近づくことができます。
1.なぜその不動産会社なのかを明確にする
「なぜその不動産会社なのか」を明確にしましょう。不動産業界には様々な事業領域があり、それぞれに異なる業務内容があります。そのため自分の志望動機が「不動産業界以外でも実現できる内容になっていないか」とチェックする必要があります。
まず「なぜ不動産業界なのか」を明確にし、そして「その中でもなぜその不動産会社なのか」という順番に明確化しましょう。そうすることであなたの志望動機に一貫性ができ、より納得感が増します。「なぜその不動産会社なのか」というポイントは、不動産会社が一番重要視するポイントであるためしっかりと準備をしましょう。
また「なぜ不動産業界なのか」や「なぜその不動産会社なのか」を明確にするためには、自己分析をすることが重要です。自己分析をすることで「自分の強みや弱み」「適性や興味のあること」「やりたいことややりたくないこと」を見つけられます。物流業界を志望するヒントを探すために、まずは自己分析を行い、自分の特徴を理解することから始めましょう。
「自己分析」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「自己分析」について詳しくなることで、より採用担当者の印象に残る自己PRの作成ができるでしょう。
2.正しい就活スケジュールの把握
正しいスケジュールを把握しておきましょう。正しいスケジュールを把握しておかないと、インターン参加からの特別選考ルートを逃がしたり、最悪の場合、本選考へのエントリーに漏れてしまうこともあります。
基本的に経団連に加入している不動産会社は、経団連の定める就活スケジュールに沿って採用活動が行われます。不動産業界の採用スケジュールは以下の通りです。
企業によって採用スケジュールやフローについては違ってくるので、自分が目指す企業の詳細をしっかりと確認するようにしましょう。
不動産業界に就職するメリットとデメリット
不動産業界に就職するメリットとデメリットを解説します。メリットとデメリットを予め把握していないと、入社後にミスマッチを生む原因となります。そうならないためにも、しっかりと不動産業界に就職するメリットとデメリットを把握しておきましょう。
3つのメリット
1.大きな金額を動かせ、インセンティブも大きい
不動産業界では他の業界と比較して大きなお金が動きます。土地を買う原価、建物を建設するときに必要な資材にかかる費用、人件費など、大きなものを作るにはたくさんのお金が動きます。
大きな金額が動くからこそ、インセンティブ制度を取り入れている会社も多く、給料が頑張りに応じて増えるのはメリットでしょう。
住宅販売では1軒売るごとに、賃貸業者では1件の契約が取れるごとに、ディベロッパーでは不動産を売るごとに社員はインセンティブを受け取ることができます。
仕事の成果に応じて報酬が増えていくインセインティブ制度は、たくさんお金を稼ぎたい人にはメリットといえるでしょう。
不動産業界は土地や建物を扱うため、非常に大きい金額を動かす仕事になります。多くの人にとって不動産とは、一生に一度の大きな買い物であり、必然的に扱う金額が大きくなります。例えば、住宅販売であれば1家族あたり数千万円、ディベロッパーであれば1つのプロジェクトで数兆円の金額が動く仕事になります。
そのため扱う金額が大きくなればなるほど、ボーナスとして報酬にそのまま返ってくることも多く、たくさんのお金を稼ぎたいといった人には向いている業界でしょう。
2.大規模なプロジェクトに関われる
不動産業界は住宅やマンションにとどまらず、オフィスビルや商業施設など街を大きく変えてしまうほどの大規模の大きなプロジェクトになる場合が多いです。
例えば三井不動産では「柏の葉スマートシティ」の開発ではもともとゴルフ場であった広大な土地を活かして「ららぽーと」や地上36階建ての「ゲートタワー」が竣工されました。
このように人々の生活や人生まで変えてしまうようなプロジェクトに関われることは、不動産業界のメリットと言えます。規模の大きさにやりがいを感じたい人にとっては向いている業界でしょう。
3.若手でも責任のある仕事を任せてもらえる
不動産業界は実力主義の会社が多いです。年齢が若くても、目標を超える売上や成果をあげることで、評価され出世やボーナスアップの可能性が高い業界になっています。また不動産業界の社長や経営陣も若い人が就任するケースが多いです。
「上場不動産会社役員の平均年齢ランキング 1~30位│リビンマガジンBiz」によれば、上場している不動産会社の内、上位8位の役員平均年齢がいずれも40代という結果でした。
そのため、実力主義の風土がある会社で働きたい人にとって向いている業界でしょう。
2つのデメリット
1.景気に左右されやすい
先述の通り、不動産は非常に大きい金額です。そのため不動産業界は景気の影響をうけやすい業界となっています。景気が悪くなると企業や家庭も出費を控えるため、購入や売却などの不動産取引が減少する傾向があるからです。
不況になればなるほど、給料は上がらず、ボーナスが減るといった状態になるため、景気に左右されにくい安定した企業に就職したい人にとっては向いていない業種かもしれません。
2.ノルマが厳しい
不動産業界には営業や販売において厳しいノルマがあると言われています。具体的な数字は企業によりますが、休日も出勤し働く社員も少なくないようです。企業体質が古いということもありますが、不動産にとっての一番の収益源であるからこそ、厳しいノルマがあるようです。
そういった厳しい文化に馴染めない人にとっては厳しい業界なのかもしれません。
不動産業界について理解し就活に挑もう
不動産業界について、以下に簡単にまとめます。
・不動産業界の業務内容は「開発」「流通」「管理」の3つに分けれらる。
・不動産業界の事業領域は「住宅、マンション」「ビル」「商業施設」の3つに分けられる。
・不動産業界は「コミュニケーション能力がある人」「ホスピタリティ精神がある人」を求めている。
・不動産業界へ内定を得るためには「なぜその不動産会社なのかを明確にすること」と「正しい就活スケジュールの把握」である。
・不動産業界に就職するメリットは「大きな金額を動かせる」「大規模なプロジェクトに関われる」「若手でも責任のある仕事を任せてもらえる」であり、デメリットは「景気に左右されやすい」「ノルマが厳しい」である。
いかがでしたか。不動産業界について、自分の憶測や思い込みでイメージしてしまっているところも多かったのではないでしょうか。不動産業界も毎年就活生にとって人気の業界です。しっかりと業界研究をして、就職活動に挑みましょう。