業界研究

【化学業界徹底研究】主要企業5社や志望動機例文|専門用語などもご紹介

化学業界とは

化学業界は、就活生にとって関心の高い業界です。三菱や住友などの財閥系や、TVCMなどでも聞くようななじみ深い企業の名があるのがその一因ともいえます。また、四日市などでみられる化学工場プラント群の壮大な景観から強い印象を感じている方も多いでしょう。

しかし一方で、「化学業界が具体的にどのような事業をおこなっているのかよく分からない」という声もよく聞かれます。化学業界を志すのであれば、まずは業界の基本的な情報を学ぶことから始めましょう。

化学業界

化学業界は、化学の技術を用いた関連産業の業界のことをいいます。その産業について簡単に説明すると、原料を化学反応させさまざまな工業に使用する素材を作ったり、それを用いた工業製品などを生産するものです。また、企業によって扱う化学技術や関連事業も大きく変わることから、それぞれの特色で競い合う業界ともいえます。

化学業界の歴史は古く、戦前から国内の経済の一端を支え続けてきました。化学研究の発達は今もとどまることを知らず、常にその発展に合わせて成長を続ける業界です。しかし近年では、中東や中国などが安価な製品を武器に目覚ましい躍進をみせていることから、国内の化学業界は新たな転換期に差し掛かっているといわれています。

化学業界の業績推移について

  • 業績規模:28兆5,217億円
  • 平均年収:631万円
  • 平均継続年数:15.9年

化学業界の業績規模は28兆5,217億円と大きいですが、業績の推移はこの十年で激しく動きました。ここ十年間の推移でみると、アジア市場の活況で数年間は好調でしたが、その後の原油価格の高騰や経済危機により業績は悪化しました。その後、ここ数年は再び持ち直し、微増をみせています。

化学業界の細かい職種分類について

  • 研究開発
  • 生産
  • 営業

化学業界にはさまざまな職種がありますが、その中でも代表的なものを3つ紹介します。研究開発はいくつかに分類され、商品を開発する前段階の基礎研究、実際に商品を作るための工業化研究とよばれるものなどがあります。生産の仕事は、製造そのものやその設備の管理や保守、物流にいたるまでの業務です。

また、営業は他の業界と同様に、商品の営業や提案などを顧客に働きかける仕事を請け負います。化学業界では特に技術系の職種の専門性が高く、大学や大学院での化学専攻の研究生などの登用が多いようです。その一方で、営業に代表される一般的な事務系の仕事も幅広くありますので、自身にあった職種を探しましょう。

化学業界の業界・企業研究を進めよう

化学業界で働きたいという就活生は、仕組みや各企業について把握することが大切です。業績推移や各社の強みを知っておくことで、「この企業でなければならない」という入社意欲を志望動機に反映させることができるでしょう。

そこでおすすめなのが「化学業界大研究Book」です。三菱ケミカルホールディングスや住友化学などの企業やトピックスに目を通して理解を深めましょう。無料でダウンロードできるため、効率的に業界・企業研究を進めたい就活生におすすめです。

主要企業5選紹介

化学業界は国内産業の黎明期から発展成長をしてきました。そのため数多くの企業が存在し、企業によってさまざまな事業を展開しています。ここ数年での業績は好調ですが、中東や中国を始めとした海外企業の躍進により、国内各社とも危機感を募らせているのが現状です。

そうした厳しい現状であればこそ、化学業界における主要企業の強みや取り組みを知ることは重要です。主要企業の特徴や動きを知ることは、化学業界の今後を見通す見識につながります。主要企業をみることは単にその企業を知るだけでなく、質の高い業界研究にもつながりますので、ぜひ活用して下さい。

①株式会社三菱ケミカルホールディングス

  • 企業名:株式会社三菱ケミカルホールディングス
  • 代表執行役社長:越智 仁
  • 従業員数:69,291名(連結)
  • 設立年月日:2005年(平成17年)10月3日

株式会社三菱ケミカルホールディングスは、国内最大手の化学系企業グループです。主力の三菱ケミカル株式会社は三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの合併により発足しており、この統合は経営資源の最大限活用と競争力の強化が狙いといいます。

三菱ケミカルの主要事業は多岐にわたり、食品や医療品のためのラベルやフィルム、自動車や航空機に用いる高機能ポリマーなどが有名です。グループには他にも田辺三菱製薬や大陽日酸などを保有していますが、今後の成長についても余念がなく、東南アジアを始めとした海外進出の計画も推進しています。世界トップレベルの化学研究をおこなう企業なので、化学系の研究生にとってはもっとも気になる職場のひとつです。

②住友化学株式会社

  • 企業名:住友化学株式会社
  • 代表取締役兼 社長執行役員:十倉 雅和
  • 従業員数:5,867名(単独) 32,536名(連結)
  • 設立年月日:1925年(大正14年)06月01日

住友化学株式会社は、戦前から化学業界をリードしてきた歴史ある国内有力企業です。ポリエチレンなどの合成樹脂や合成繊維原料などの石油化学製品を主力事業として、国内のみならずシンガポールやサウジアラビアなど海外への進出も盛んです。

また、高い研究開発力をさらに活かした成長戦略をとっており、近年では情報電子事業など将来性のある事業にも注力しています。住友化学のコーポレートスローガンは「豊かな明日を支える創造的ハイブリッド・ケミストリー」です。革新的な技術をもとに社会に広く貢献することをやりがいとする人材を求めています。

③三井化学株式会社

  • 企業名:三井化学株式会社
  • 代表取締役社長:淡輪敏
  • 従業員数:13,447人(連結 2016年3月31日現在)
  • 設立年月日:1955年(昭和30年)7月1日

三井化学株式会社は、三井財閥系の総合化学企業です。石油化学を主力事業としており、中でもポリプロピレンに関しては国内首位の売上を誇っています。また、自社の製品を通して環境問題や社会問題の解決に貢献することで、自社の持続成長の実現を目指しています。

注力している製品として、白色印刷が不要な食品包装用フィルムなどの環境に配慮した製品や、高齢化問題に配慮した紙おむつ用の不織布などが挙げられるでしょう。トップメッセージでは、このような社会ニーズの変化に対応するには、まだまだ社風が真面目すぎるとして意識改革を提言しています。

④信越化学工業株式会社

  • 企業名:信越化学工業株式会社
  • 代表取締役社長:斉藤 恭彦
  • 従業員数:19,206人(連結)
  • 設立年月日:1926年(大正15年)9月16日

信越化学工業株式会社は、1926年に設立された信越窒素肥料株式会社としてスタートした、化学企業です。もとは窒素肥料を主力とした事業をおこなっていましたが業態を転換させ、今では塩化ビニル樹脂・半導体シリコーンウェハーの分野で世界トップの企業となっています。

社名に違わず新潟や福井、茨城や群馬など甲信越地方に工場を多く保有しているのも特徴です。国内のみならず世界中に生産拠点を持ち、売上高の7割強は海外での成果とのことです。今後に向けた成長プランとして、主力製品の安定した収益のもと、新たな価値を生み出す製品の研究開発に取り組んでいます。

⑤旭化成株式会社

  • 企業名:旭化成株式会社
  • 代表取締役社長:小堀 秀毅
  • 従業員数:33,720名(連結)
  • 設立年月日:1931年(昭和6年)5月21日

旭化成株式会社は、歴史ある総合化学企業の代表格です。旭化成の企業名は、同社陸上部や柔道部のオリンピックなどの活躍を通して知った方も多いでしょう。その他にも家庭用ラップ製品などで一般的な知名度の高い旭化成ですが、手がける事業は多彩をきわめています。化学成品や繊維にはじまり住宅・建材や電子部材、医薬・医療事業にいたるまで幅広く展開しています。

社会の変化や経済の状況に合わせ、事業ポートフォリオを転換しながら成長するのが、旭化成の一貫した経営方針です。今後は国際的な競争力を高めるために、独自性を強みとした高付加価値型事業を目指しています。

化学業界の内定をもらうために覚えるべき用語

どの業界にも話題を集める重要なキーワードというものがあります。化学業界も例外ではありません。ここでは、化学業界に身を置くなら必ず覚えておきたい用語を解説します。こうした用語を知っておくと、それを軸とした深い業界研究が可能になります。また、面接や志望動機で専門的な用語を用いることで、業界についての高い理解度をアピールできるでしょう。ぜひ参考にしてください。

高生産量既存化学物質

高生産既存化学物質とは、一国につき少なくとも年間1,000トン以上生産される化学物質のことで、これはOECD(経済協力開発機構)がリストアップしています。OECDでは加盟国に高生産既存化学物質の安全性やリスクの確認を呼びかけており、日本でも官民が連携して情報収集に取り組んでいます。

通称Japanチャレンジプログラムと呼ばれるこの取り組みに、これまで業界団体や多くの企業がスポンサーという形で協力をしてきました。このプログラムは、国際的取り組みへの協調という側面だけでなく、化学物質の安全性情報を広く国民に発信するという大きな意義があります。公害や環境問題対策に常に向き合わなければならない化学業界が、社会的信頼や理解を得るために、今後とも注力すべき取り組みといえるでしょう。

持続可能な開発目標

「持続可能な開発目標」(SDGs)とは、貧困解消や環境保全など、現在および将来に配慮した節度ある開発、つまり持続可能な開発にあたっての国際的目標のことです。2015年国連総会で採択されました。過去の環境汚染など苦い経験を持つ化学業界は、SDGsへの積極的な姿勢を早くから示してきました。

業界団体である日本化学工業協会がSDGsに貢献するためのビジョンを発表している他、多くの企業が自社技術や製品によるSDGsへの貢献や計画を打ち出しています。持続可能な開発を支えるさまざまな分野を抱えているのが化学業界です。SDGsへどれだけ貢献できるかは今後の化学業界の成長発展を大きく左右する最重要課題といっていいでしょう。

 IoT

IoT(Internet of Things)とは、あらゆるモノをインターネットにつなげて、制御や情報交換に活用する取り組みのことです。IoTは今や産業界全体の新たなステップを握る鍵として注目を集めており、化学業界も例外ではありません。化学業界でのIoTの活用法は主に2つあります。

1つは生産プラントの制御です。プラントはこれまで多くの部分を自動化してきましたが、安全性や最適化などの細かい部分は人間の判断による微調整が必要でした。そうした領域をIoTやビックデータ解析などを用いることで、代替や改善を図ります。

もう1つは設備の保全へのIoT活用です。設備に取り付けたIoTのセンサーで故障や不具合を未然に防ぐ予知保全に取り組むことで、コストを削減しつつ安全に設備を操業しようという動きがあります。

化学業界研究のおすすめ書籍紹介

化学業界を知るためにはネットやニュースなどのトピックを調べるほかに、書籍を用いた研究方法もあります。書籍を手に入れるにはお金がかかりますが、その分有用な情報が得られるといってよいでしょう。ニュースやネットなどに比べ、書籍は慎重に時間をかけて取材されているものが多く、その意味で信頼性が高い情報が得られるといえます。

化学業界へ就職するには、質の高い業界研究が必須の課題です。質の高い業界研究をおこなうために、ぜひ書籍を活用しましょう。

①図解入門業界研究 最新化学業界の動向とカラクリがよ~くわかる本

図解入門業界研究 最新化学業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』は、業界の仕事の内容やその全体像を、図解を用いながら分かりやすく解説した定番の業界入門書です。化学業界のしくみから、石油化学などの主要分野、職種や関連する法規制などを、網羅的に知ることができます。

化学業界で内定を獲得するためには業界研究が欠かせませんが、業界のしくみは複雑で専門用語も多く、とっつきがよいものとはいえません。しかし本書では化学業界は一般的になじみがうすいという前提のもとに書かれています。順を追って読み進めば、今後の就活に役立つ知識がきっと得られることでしょう。

②世界の化学企業: グローバル企業21社の強みを探る (科学のとびら)

世界の化学企業: グローバル企業21社の強みを探る (科学のとびら)』という本は、グローバルに展開する世界の化学企業21社について書かれているものです。経済のグローバル化により、日本の化学業界は海外の有力な企業と競わざるをえない状況にあります。

そこで本書では、欧米などの名門化学企業や、存在感を強めつつあるアジア・中東の新興化学企業などの代表的な21社の強みについて解説しています。化学業界で生き残るためには、台頭する海外勢の動向は必須の情報です。本書を読めば、世界で躍進する企業の経営方針や研究開発力を知ることができます。就活対策にとどまらない今後にも生かせる知識が得られる格好の一冊です。

化学業界を深く知って就活を有利に進めよう!

化学業界は日本経済への影響力も高く、事業も法人から一般まで幅広く関わる製品を扱うので、非常にやりがいのある仕事だといえます。

就活生にとって見逃せない業界の1つといえますが、今後の展望が見えにくい面もあります。そのため、化学業界を目指すのであればできるだけ質の高い業界研究をおこなうことがおすすめです。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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