職種研究

【テクニカルライターとは】仕事内容と気になる給与事情を解説

テクニカルライターに向いている人は多い

コピーライターやWebライターを目指している場合でも、「テクニカルライター」という職業を知らない人が多いのではないでしょうか。この仕事は端的に言ってしまうと、電子機器、あるいはパソコンの「取り扱い説明書」を作成するライターです。

コピーライターのようにテレビ番組や新聞に作成したものが使用されるわけでもなく、Webライターのようにさまざまなネット媒体で誰もが目にする記事を執筆するわけでもありません。どちらかといえば表に出ることはなく、裏方のようなポジションでしょう。

本記事では、「テクニカルライター」についてご紹介します。テクニカルライターになるためのスキルや、なるための方法、向いている人を解説しています。

テクニカルライターは、ライターの中でももっともライティング能力が必要になると言われています。そのため、記者・コピーライター・Webライターなどを目指している人にとっても参考になる内容になっていますので、ぜひお役立てください。

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テクニカルライターとは

テクニカルライターの役割を表した図

テクニカルライターとは、より専門的な技術に関する文章を書くライターです。世の中には様々な製品が溢れており、その製品ごとに「取り扱い説明書」や「仕様書」があります。一度は読んだことがある人も多いのではないでしょうか。

テクニカルライターは、このように製品の取り扱い説明書を書く「マニュアルライティング」が仕事になります。そのため、テクニカルライターには、商品についてをきちんと理解し、誰にでも分かりやすく噛み砕いて書く能力が求められます。

またライティングを担当する製品も多岐にわたります。家電やパソコンのような電化製品、自動車など様々です。製品が違えば、必要な知識も変わるため、担当製品ごとの学習が求められます。

さらに、仕様書を担当する場合もあります。物事のやり方や、順序を書き記した文書です。例えば自動車の場合、販売会社の営業に特徴やメリットを伝えるものもあれば、整備士向けに整備方法やパーツの特徴を細かく記載したものなど、様々存在します。

これらの業務が、テクニカルライターの仕事になっています。

テクニカルライターについて

テクニカルライター

テクニカルライターがさまざまな「取り扱い説明書」を作成する旨を先ほどご紹介しました。それでは具体的にはどのような仕事内容で、スキル面では何を求められるのでしょうか。

「専門的な仕事に見えるので、年収は良いかもしれない」、そんな考えを持っている人も多いでしょう。

ここでは、テクニカルライターに求められるスキルと給与面をご紹介します。これらを知ることで、テクニカルライターへの理解を深められるでしょう。

幅広い理解力と豊富な知識が求められる

テクニカルライターの仕事は、文章を書くことです。一方で、ライティングの対象はバラエティに富んでいます。

電化製品、医療機器、OA機器、自動車など、さまざまな商品を扱い、それらのマニュアルを作成する際は、豊富な知識がなければ執筆することができません。また執筆する際は、製品の説明を受け、文字の大きさや説明図の位置までも考えることになります。

また、誰にでもわかるような文章が書ける能力が求められます。取り扱い説明書の読者は、先ほどのさまざまな商品について熟知しているわけではありません。

そのため、パソコンが不得意な人や専門用語を知らない人の気持ちを考え、理解できるように執筆しなければいけません。幅広い表現力や、多彩な語彙力が重要となってくるでしょう。

年収は企業や働き方によって差がある

こうした幅広い知識・文章力の高さが求められる仕事ですが、給与面ではどうでしょうか。結論としては、所属している企業によって、年収は異なってくるでしょう。目安としては、400〜800万円が平均年収と言われています。

このように大きく差が出てしまう要因としては、「企業がどれほどテクニカルライターを重要視しているか」があげられます。

例えば、新しい商品を毎月リリースしている会社であれば、その都度説明書や仕様書が必要です。そのため、テクニカルライターの需要も高いと言えます。。しかしその逆である場合、あまり高い年収は望めない場合が多いです。

このような評価基準があることから、テクニカルライターの年収は企業によって差が出る傾向にあります。

また企業に所属している正社員と、フリーランスのような働き方をしている人でも年収に差があります。このようにテクニカルライターは、働き方によっても年収は大きく変わる傾向にあります。

新入社員の平均年収については、こちらの記事で詳しく解説しています。

テクニカルライターと一般のライターの違い

テクニカルライターが、その他のライターと異なる点は「専門的な内容を、ゼロからわかりやすく読者に伝える必要がある」ということです。

テクニカルライターの書く文章は、常に商品を初めて手にとった消費者が読みます。そのため、読者は全くその商品への知識がない人と想定されます。

テクニカルライター以外の一般的なライターは、読み手に合わせてある程度表現や描写を省略できます。例えばSNSライターは、短い文章で読み手の興味を引き付けるスキルが求められるでしょう。しかし、テクニカルライターは絶対に表現を省略することはできません。

「これくらい書かなくてもわかるだろう」とライターが楽をすると、「使い方がわからない」というクレームに繋がってしまいます。

そのためテクニカルライターは、その他のライターとは違い、誰でも内容を理解できるように、情報を詳細かつわかりやすく説明しなければなりません。

テクニカルライターになるには

テクニカルライターになるにはを表した図

上記の内容から、テクニカルライターは「難しい仕事」という印象が強いのではないでしょうか。「興味はあるけど、自分にはできるか」と不安を抱いている人も多いでしょう。

ここでは、テクニカルライターの就職先となる業界や業種について解説します。テクニカルライターの就職先がわからなければ、エントリーが難しいでしょう。就職先について理解し、テクニカルライターを目指しましょう。

業界や業種について専門知識があると有利

テクニカルライターになるためには、志望先業界の専門知識があると有利になることが多いです。自動車メーカーなら「自動車整備」や「工学的な知識」を持っていると、即戦力として働けるでしょう。

一方で、そういった専門知識がないとテクニカルライターになれないというわけでもありません。テクニカルライターには必要な資格が存在しません。そのため、基本的に新卒採用では、専門知識の有無について募集時には求められない場合が多いのです。入社後の研修や、OJTを通じて専門的な知識を身に付けていきます。

そのため、専門的な知識がなくても、採用される可能性は十分にあります。しかし、専門知識があったほうが有利であることに変わりはありません。もし就活まで時間があれば、入りたい業界の専門知識について勉強してみましょう。

就職先となる業界や業種

テクニカルライターのメジャーな就職先
・IT関係
・メーカー

多くの場合、IT系企業やソフトウェアの会社、メーカー企業も就職先となるでしょう。そうした会社に入った際は、マニュアルを執筆する部署に配属されます。この仕事の特徴として、チームでその製品やサービスを担当し、執筆を行い、上司の方やメンバーの確認を経て、完成するケースが多いです。

そのため期限内に作成し納品するような、自分自身をマネジメントする能力や、商品知識を率先して吸収するような、向上心が求めらます。

仕事の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。

テクニカルライターに向いている人

テクニカルライターに向いている人を表した図

テクニカルライターの概要について説明してきましたが、ここからは「テクニカルライターに向いている人」についてご紹介していきます。

テクニカルライターという職業自体、知名度があまりなくイメージがつきにくい人も多いでしょう。「テクニカルライターにどんな人が向いてるのか」を知ることで、自分が向いているかどうか確認することができるでしょう。

テクニカルライターに向いている人の特徴を参考にして、あなた自身がこの仕事に向いているかどうかを判断する材料にしましょう。

1.文章を書くことが好きな人

まず「文章を書くことが好き人」はテクニカルライターに向いているでしょう。テクニカルライターに限らず、ライターはひたすら文章を書く仕事です。

そのような仕事である以上、「文章を書くのが嫌い」「文章を書くことが苦手」という性格の人では、仕事を続けられません。何よりも「文章を書くのが好き」、これが一番テクニカルライターに重要な資質です。

日頃から日記をつけていたり、読書感想文を書くことが好きな人にとっては向いていると言えるでしょう。

2.モノづくりが好きな人

次に「モノづくりが好きな人」もテクニカルライターに向いているでしょう。テクニカルライターは商品の細部の情報を把握し、その使い方や注意点を読者に説明していかなければなりません。

モノがどうやって作れられているか、どんな風に動くのかを把握している人でなければ、テクニカルライターは務まらないでしょう。そのため、「仕組みを理解することが苦手」「繊細な作業が苦手」というような人は、厳しいでしょう。

例えば、自動車や自動車関連のテクニカルライターを目指すなら、自動車の構造やエンジンの仕組み、タイヤの表面構造の特徴やブレーキの仕組みなど、自動車に関係する「モノづくり」に強い関心と興味がないと文章は上手く書けません。

したがって、テクニカルライターには「モノづくり」が好きな人ほど適性があると言えるでしょう。

製造業の志望動機の書き方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

3.教えることが得意な人

最後に「教えることが得意な人」もテクニカルライターに向いているでしょう。テクニカルライターは、製品の扱い方を知らない人に、説明書を通して教える仕事を担います。

常に製品を初めて手にとった人に向けて、分かりやすい文章を書かなくてはなりません。取り扱い説明書を読んでも、「使い方がわからない」なんてことがないように、丁寧に商品の使い方を説明してあげる必要があります。

例えば、学生時代の部活動で後輩に「教えるのが上手いですね」なんて言われた経験があれば、テクニカルライターの資質がある可能性が高いです。

このように、他人に自分の考えを上手に教えられる能力がある人は、テクニカルライターに向いていると言えるでしょう。

テクニカルライターとしての働き方

テクニカルライターとしての働き方を表した図

これまで、テクニカルライターの業務内容や求められるスキル、年収面についてまとめてきました。真剣に目指している人であれば、他にもさまざまな疑問がでてくる可能性もあるでしょう。

その中でも「ある種の専門職だけど、未経験はオッケーなのか」、「他のライティング業務のように在宅ワークを実現できるのか」など、気になることはたくさんあるのではないでしょうか。

最後に「未経験について」、「在宅ワーク」の2点を解説します。これらを理解することで、テクニカルライターへの疑問点を払拭しておきましょう。

未経験でもなれる

テクニカルライターは、専門的な職種でありながらも必須の資格はありません。そのため、新卒のような未経験の人もテクニカルライターになれます。

一方で、学生時代にやっておいた方が良いのが、「テクニカルライティング試験」のような資格を取得です。テクニカルライティング試験とは、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会が主催している試験です。

多くの企業の場合、一定の文章を書く能力は、入社前に求められることが多いです。特にテクニカルライターを募集している企業であれば、誰にでもわかるような文章を書かなければいけません。この能力を証明するためにも、資格取得は有効な手段となります。

在宅でも働ける

会社に出社せず、自分の家で仕事ができる「在宅勤務」は、就活生にとっても憧れの働き方ではないでしょうか。テクニカルライターは、Webライターのような他のライター業のように、在宅で働けるのでしょうか。

結論から先に述べると、在宅勤務は可能です。もちろんそのためには、1人でも仕事ができるように、扱う商材の知識が必要になります。「テクニカルライターになってからすぐに」というわけにはいかない場合もあるでしょう。

とはいえ、豊富な知識と経験さえあれば、「在宅勤務」も実現不可能ではありません。働き方としては、所属していた企業から仕事を請け負うケースや、クラウドソーシングを活用するケースがあるでしょう。

テクニカルライターについて理解してから目指そう

現在、テクニカルライターの仕事内容は、広がりつつあります。外国語でのマニュアル作成の他に、動画などを利用する「電子マニュアル」も存在感を高めています。文章を書く以外のパフォーマンスを期待される可能性もあるでしょう。

いずれにせよ、文章能力や幅広い知識を持つことは最低限の条件なので、これらを高めておくと良いでしょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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