職種研究

【営業事務とは】仕事内容や求められるスキルを解説

営業事務は営業をサポートする仕事

営業事務とは、営業に関するさまざまな事務の仕事を行う職種になります。営業専門の事務担当と考えると想像しやすいでしょう。

営業事務の業務内容は、主にファイリング、メール、電話応対をします。また、営業担当者から依頼された資料の作成や、営業の受注や発注作業、会社の商品の在庫管理をおこなうなど、営業に関するさまざまな業務となります。

さらには顧客の電話応対や直接担当者と話すことも多いため、一般事務とは違い、より専門的な知識が必要な仕事が多くなります。

このように営業事務の仕事は、事務職と専門知識の両方が必要な職種になります。営業事務の仕事を理解して、就活を優位に進めていきましょう。

一般事務との違い

一般事務とは、事務作業全般で幅広く活躍する職種になります。一般事務は、部署に限定されず、職場の事務仕事であるさまざまな庶務、経理、ファイリング、電話の対応までおこないます。

各企業によって業務内容に多少の差はあるものの、多岐に渡り仕事を持つという点であらゆる事務作業をこなす能力が必要です。

また事務処理のスキルに加え、業務上人と接することも多く、コミュニケーション力や協調性も円滑に仕事をしていく上で欠かせません。総合的な事務職をこなすには、あらゆる臨機応変な対応ができる社交性が備わっていることが大切といえるでしょう。

対して営業事務は営業担当者の仕事がスムーズに進むようにサポートするのがメインの業務になります。一般事務とは異なり、社内だけではなく社外の人にまで目を向ける視野の広さと柔軟性が求められる仕事です。

主とする業務に違いがあります。しかしどちらも、相手を思いやりサポートをすることが役目になります。

一般事務について知りたい場合は、こちらの記事を読んでみてください。

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営業事務の4つの仕事内容

営業事務の4つの仕事内容を表した図

そもそも「営業」とは、顧客に対して自社の製品やサービスの購入を促して、売買契約を行う職種になります。営業は基本的に製品やサービスを取り扱う業界であれば、どこでもある職種です。

営業事務の仕事内容は、社内外問わず多岐にわたります。しかし事務というカテゴリーに属する職種になるため、どちらかと言えば社内での業務が多くなる傾向にあります。

企業が提供している商品やサービスによっても変わってきますが、業務としては資料作成や来客、電話応対などが挙げられます。

また資料作成の内容は、顧客に対するプレゼンテーション用の資料や提案書、請求書や見積書といった少し専門性の高い資料作成が多くなってくるでしょう。

こちらの記事で、営業について詳しく説明しています。ぜひ読んでみてください。

1.管理業務

管理業務は、事務のサポートをするだけではなく、営業の進捗状況の管理をすることもあります。営業は目標の金額やアポ件数、訪問数、契約数などの達成に向けて予定を組んでいます。その目標を達成するために、訪問日程の調整、資料作り、細かな事務作業等を計画的に実行されているか管理する仕事になります。

また訪問件数が多い場合、それらの進捗状況の管理も煩雑になるため、これも営業事務がサポートをします。

具体的には、「●●社さんへの書類の提出は明日までですよ。大丈夫ですか?」「◯◯に訪問するためには、◯日までに終わらせておかないと間に合わなくなってしまいます。手伝いましょうか?」などの声掛けになります。また進捗状況管理のためのシートを作って営業と共有することも仕事内容になります。

管理業務の仕事内容
・受発注業務
・入金チェック
・契約管理
・売上管理
・納品管理
・在庫管理
・営業日程の調整
・経理
・営業の交通費精算

2.資料作成

営業事務の代表的な仕事の一つとして、書類の作成があります。企業が営業活動をする上で、製品の提案や契約書など、多くの資料や書類が必要になってきます。

例えば、営業が営業先に売り込みに行くには、売り込むための書類、契約書、請求書、等様々な書類が必要です。

これらを手続きの先を読んで作成することが仕事になります。しかし書類は「作って終わり」「出して終わり」ではなく、必要な時に引き出せるようにファイリングをしておくことも重要となっています。ジャンル別、日程別等、その書類の種類にわけ、検索しやすい方法で保管をするといった仕事もあります。

資料作成の仕事内容
・提案書作成
・見積書作成
・請求書作成
・納品書作成
・営業資料作成
・伝票作成
・データ入力

3.クライアント対応

来客や電話応対においては、営業担当者の不在時に担当者の代わりに顧客の対応をすることもあります。

業種によっては商品の受発注や在庫、そして納期管理などもおこなう専門性が高い仕事もあります。海外に取引先を持っている企業では、営業事務の人も英語やその他の言語を用いたコミュニケーションが必要になるでしょう。

電話や来客というと、「コニュニケーションは、無難にやっておけば良い」と思われるかもしれません。しかし、顧客にとって電話の印象は、会社への印象を左右することになります。

電話や来客で対応する事務職の印象が良ければ、「この会社は対応のよさそうな会社だ」と思われます。反対にぞんざいであれば「この会社を利用するのはやめよう」と思われてしまい、顧客を損失することになります。そのため、自分が会社の顔であると認識し、対応することが大切な仕事になります。

クライアント対応の仕事内容
・カタログや書類などの送付
・商品(サンプル)送付
・電話、メール対応
・展示会の企画、準備
・顧客からの注文受付

4.電話対応

営業事務では電話対応も仕事の1つです。これはこちらから能動的に電話をかけるのではなく、受電への対応をおこなうことが業務内容になります。

電話対応の内容は、商品の注文受付から故障受付、相談やクレーム対応まで多岐にわたります。故障受付や相談において、お客様の悩みを解決へ導くことで感謝の言葉をお客様からもらうこともあるでしょう。このような点にこの業務のやりがいを感じる人が多いです。

一方、クレーム対応は非常に大変な業務になります。電話を受けた時点でお客様は既にヒートアップしているケースも多いです。中には理不尽と思えるようなクレームもあります。

電話越しとはいえ、罵詈雑言を浴びせられることもあり、そのような点で精神的な負担の大きい業務ということができるでしょう。

電話対応の仕事内容
・在庫の問い合わせ
・クレーム対応

営業事務の1日のスケジュール

営業事務の1日のスケジュールを表した図

営業事務の仕事内容は企業によって異なります。多くの企業が、9時頃に始業し、退勤は18時頃になります。一般的な流れを例を挙げてみてみましょう。

まず、朝出勤したらメールのチェック、その日のタスクを確認します。その後、担当営業のスケジュール確認をおこないます。見積書の作成や電話対応が午前の主な仕事です。

午後は、伝票処理、受注処理、発注対応などの業務があります。必要に応じて、資料の作成や補充をして、終業前には翌日のタスク確認・整理などをします。

営業事務の残業は少ない傾向にありますが、担当営業マンや時期によっては多くなることもあります。

営業事務に就職する4つメリット

営業事務に就職する4つのメリットを表した図

営業事務は営業担当者から依頼された資料作成をおこなったり、顧客からの電話対応、注文処理、発注処理などをおこないます。そのため、毎日の業務の中で必要となるパソコンスキルが自然と身に付いてくるでしょう。

また、電話や来客応対を通して、コミュニケーションスキルの向上も見込めます。営業事務を経験することで、将来的なキャリアアップも可能です。ここでは、営業事務のメリットを詳しく解説していきます。営業事務を志望する際に参考にしてみてください。

1.社内外問わないコミュニケーション能力が身に就く

営業事務の仕事では、資料をパソコンで作成するだけではありません。内容を分かりやすく相手に伝えるためのプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力も必要になります。

「どのように伝えれば相手に分かりやすくなるか」「説明の際のポイントはどこか」など、相手の立場になって考えながら仕事を進めていくことで、営業事務で重要となるコミュニケーションスキルが磨かれるでしょう。

また、営業事務は電話やメールに応対する機会が多いため、ビジネスマナーも身に付けることができます。業務をおこなう上では顧客だけでなく、営業担当とのコミュニケーションも大切です。

社内外の人との幅広い関わりの中で、相手の要望を正確に汲み取るためのコミュニケーション能力を向上させることができるでしょう。

コミュニケーション能力については、こちらの記事を参考にしてみてください。

2.多様な事務処理能力が身に就く

営業事務は、パソコンを使い資料作成をおこなう機会が多くあります。文章作成のために使うWordや表計算などをおこなうExcel、プレゼンテーションなどに活用できるPowerPointなど、ビジネスに必要なパソコンスキルを身に付けることができるでしょう。

日々の業務の中で、ビジネスマナーや相手に伝わりやすい文章のコツ、分かりやすい資料作成の方法など、多様なスキルが身に付きます。ビジネスでのPCスキルはさまざまな業界・企業で役立ちますので、将来的に部署移動や転職などがあった際にも活用できます。

また、効率よく作業を進めていく自分なりの仕事のやり方や、仕事で使えるPCの技術なども毎日の業務の中で自然に身に付けられることもメリットでしょう。

パソコンスキルについて詳しく説明している記事もあるので、併せて確認してみてください。

3.経験を活かしたキャリアアップができる

営業事務を経験すると、PCスキル、コミュニケーション能力など様々な技術が身に付くため、将来のキャリアアップに役立ちます。

例えば、経理事務は請求書・見積書などの書類作成、売上管理などの業務があり、営業事務の経験が活かせます。また、語学力があれば、英文事務・貿易事務などへの転職も可能です。営業事務と同じくPCスキル、事務処理能力、コミュニケーション能力が求められます。

ほかにも、人へのサポートにやりがいを感じるなら、秘書技能検定を取得して、秘書を目指す選択肢もあります。

営業事務の経験で得られるパソコンスキルやコミュニケーション能力は、幅広い業界・企業で通用する技術です。この先のキャリアアップを見据えて営業事務を志望する人も多くなっています。

4.仕事内容が明確である

営業事務の仕事では、やるべきことが明確になっている場合が多いです。そのため今日やるべきことから今週のやるべきことまで明確かされていることがあります。それらを淡々とこなせることで、仕事に対してやりがいを感じやすくなります。

例えばクリエイターと呼ばれる職種では、顧客や市場が求める製品やサービスを1から創り出す仕事になります。この場合、何をやるべきか明確に定まっていないことがあり、思考やアイデアを模索する時間が多いため、仕事に対するやりがいや充実感を味わえないという人も多いです。

そのため仕事内容が明確化されており、業務を淡々とこなしたい人にとっては向いている職種であると言われています。

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営業事務に就職する4つのデメリット

営業事務に就職する4つのデメリットを表した図

営業事務は営業担当者によって働き方が左右されやすく、時期によって仕事量が変わる職種でもあります。また、主体性を発揮する機会が少なく、給与も低い仕事と言われています。

ここでは、営業事務のデメリットを詳しく解説していきます。営業事務を志望する際に参考にしてみてください。

1.営業担当者によって働き方が左右されやすい

営業事務は企業によっては、「営業1人に対して営業事務1人」といった体制をとっています。そのため営業担当者の状況や要望にあわせて、業務を遂行することになります。営業担当者との相性によっては、そもそも話がかみ合わなかったりと、業務上でトラブルが多くなる可能性が高いです。

また、営業担当者が外出中に連絡がつながらなくなるというケースもよくあります。その場合、お客さんから「連絡が取れない」「はやくしてほしい」などと、クレームの電話が入ってしまい余計な対応をしなければなりません。

このように営業担当者によって、営業事務の働き方が左右されるといったデメリットがあります。

2.時期により仕事量が左右される

「営業1人に対して営業事務1人」のデメリットは、相性や忙しさだけではありません。営業担当者のスキル不足や要領が悪いと、その分の仕事を営業事務がおこなうというケースも多いです。

また月末や繁忙期などは、どうしても業務量が増え忙しくなります。そうなると営業事務の残業も増えてしまいます。

そのため定時に帰宅したい人や、プライベートの時間を大切にしたい人にとってはデメリットとなってしまいます。

3.主体性を発揮する機会が少ない

主体性とは自ら行動を起こし、現状をよくしたり、問題の解決を目指すことを指した言葉です。営業事務の仕事では、メリットとして挙げたように、やるべきことが明確になっている場合が多いです。

しかし、これは主体性を発揮できる機会が少なくなってしまうということでもあります。例えば、自分で新しい顧客を獲得し市場を拡大したり、制作物や作品を創作、製造するようなことは、営業事務においてはできません。

そのため自分の意思で行動したい人や、自分の考えを形にしたい人にとって、営業事務はデメリットとなります。

主体性についてはこちらの記事で確認しておきましょう。

4.給与が低い可能性がある

営業事務のデメリットとして、給与が低い可能性があることも挙げられます。DODAの平均年収ランキング2017」によると、営業事務の平均年収は327万円です。職種別であれば、営業や企画等の他職種の平均年収と比較すると、販売職に次いで年収が安い職種となっています。

また日本人のサラリーマンの平均年収が400万円程度と言われているため、平均と比べると低めとなっています。そのため給与が低いことが、営業事務のデメリットとしてあげられます。

ただし、秘書業務の場合は333万円、貿易事務の場合は368万円など、専門スキルや語学力を活かすことで付加価値をつけ、年収を上げることもできます。

給与について詳しく知りたい場合は、こちらの記事を併せて読んでみてください。

営業事務に求められる3つの能力

営業事務に求められる3つの能力を表した図

営業事務の仕事は営業のサポートをし、専門性も高く多くの業務を求められる事務の仕事です。「具体的にはどんなことができる人が求められているのか」「どの程度のスキルが必要なのか」「一体どんな人が向いているのか」などが気になる人も多いでしょう。

ここからは、実際に営業事務の業務に求められるスキルやこの仕事に向いている人など、もう少し深く営業事務についてみていきましょう。

1.客観的な視点

営業事務の仕事は専門性の高い事務職でありながら、その業務内容は多岐にわたり、あらゆる業務に関わります。

営業担当者は顧客や製品管理担当者など、社外や社内の別部門の人など関わる仕事相手や業務も多いです。それらの業務の現状を、客観的な視点で把握しておくことは非常に大切になります。

例えば顧客との問題が発生した際は、「どういう顧客だったか」「どういう営業をしていたのか」を客観的に把握しておくことで、「何をどうすれば問題は解決できるのか」と、冷静に問題に対処できるようになるからです。

また、こういった広い視野を持っておくことで、どのタイミングでどのようなサポートをすれば業務が円滑に進むかもみえてきます。少し引いた視点から客観的に業務を捉えて改善点を見付けだし、解決することができる人がこの仕事をする上でとても大切です。

2.臨機応変な対応

事務職では臨機応変な対応力も必要です。電話や来客の対応では、イレギュラーな事態が発生することも少なくありません。対応マニュアルはあっても、人間関係はすべてその通りに進むとは限らないため、その場の状況に合わせた対応力が求められます。

事務職は書類仕事が多いことから、ルーティンワークというイメージを持つ人は多いです。しかし、実際にルーティンワークも数多くありますが、一部の業務では状況に合わせた行動を取らなければなりません。

臨機応変な対応力は一朝一夕で身につくものではないため、選考時点で能力があると高く評価されます。事務職は柔軟性の高さが求められる仕事であることと、臨機応変な対応力が重要視されることは理解しておきましょう。

「臨機応変に対応」できることを自己PRしたい場合は、こちらの記事を読んでみてください。

3.ホスピタリティ精神

「ホスピタリティ」とは、相手のこと深く考え厚くもてなす気持ちのことで、日本では「おもてなしの心」のことを示します。営業担当者は営業事務がいないと売上に繋がらないことが多いため、大変頼られる存在となります。

そのため、相手によってどの様な対応やサポートをすればよいのか、相手が望むものを汲み取り必要な対応をとる能力が求められてきます。

これは人によっては、なかなか難しいと感じることではあります。しかし相手の立場で考え、動きやすいように心遣いを持って業務に当たれなければ、会社としての連携がうまく取れず、営業事務として働くことは難しくなるでしょう。反対にホスピタリティのある人は、営業事務に最適な人物になります。

営業事務を理解し就活を優位に進めよう

営業事務の仕事は、営業の業務を円滑に進めるためのサポートです。様々な専門スキルや、臨機応変な対応が求められる職種になります。

営業事務の仕事は「営業担当者のサポート」であり、女性も男性も多く活躍しているやりがいのある職業です。人の支えをして働いてみたいと希望を持っている人は、ぜひチャレンジしてみましょう。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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