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IT業界の志望動機は業務内容と求める人材像の把握が重要
いまや人々の生活から切り離せないところまで浸透し、高い成長を続けているIT業界。就活生からの人気も高まっています。
ライバルが多いなかで志望企業の内定を勝ち取るためには、強みを活かしてどのような利益がもたらせるかを効果的にアピールする必要があります。志望動機では、IT業界や業種の特徴を把握し、「IT業界のその企業だからこそ志望する理由」を明確に伝えることも必要です。また、志望企業が求める人材像を踏まえたアプローチで、社風にマッチした人材であることもアピールしましょう。
この記事では、IT業界の魅力的な志望動機を書くポイントなどについて解説します。業種ごとの例文も紹介しているため、作成する際の参考にしてください。
まずチェック! IT業界のおもな3つの特徴
志望動機では「なぜその業界・企業を志望するのか」を明確に伝えることが不可欠です。そのためには、業界や企業の特徴をしっかり把握しておく必要があります。
ここでは、IT業界のおもな特徴を3つ紹介します。まずはどのような業界なのか、特徴を把握するところからはじめましょう。
①社会に新しい価値観を提供できる
IT業界は、社会に新しい価値観を提供できる点が大きな特徴です。たとえば、スマートフォンの登場は日常生活を劇的に変化させました。オンラインショッピングやSNS、スマート家電、キャッシュレス決済など、IT技術によって新しいサービスがどんどん生まれ、生活はより便利に進化しています。
また、AI(人工知能)やブロックチェーンといった先進技術は、ビジネス環境にも変革をもたらし、医療や教育、環境問題といった社会の課題解決の面にも貢献しています。
こういった社会に新しい価値観を提供できる点は、IT業界の大きな魅力です。「自分が手がけたサービスで社会に新しい風を吹かせたい」と考える人には、挑戦しがいのある業界といえます。
②専門知識が身に付く
IT業界では日々新しい技術が開発されており、業務を通して高い技術力や知識が身に付きます。もちろん、自分で学ぶ姿勢は欠かせませんが、プログラミングやネットワーク、クラウド技術など、現代社会において価値の高いスキルを習得できる環境が整っていることは大きな魅力です。
高いスキルや知識が使いこなせるようになると、キャリアの選択肢も大きく広がります。グローバルに活躍することも可能です。
「成長し続けたい」「高いスキルを習得し、活躍したい」と考える人にぴったりの環境といえます。
③慢性的に人手が不足している
IT業界は就活生に高い人気があるにもかかわらず、需要が供給に追い付かず、深刻な人手不足に陥っています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)全体報告書」によると、IT人材が「大幅に不足している」や「不足している」と回答した中堅・中小企業の割合は77.5%(2023年度)に及んでいるほどです。人手不足の傾向はすぐに解消されることは難しく、今後も続くと予想されています。
そのため、多くの企業では未経験者や若手人材でも積極的な採用をおこなう傾向にあります。入社後は、意欲が高い人材であれば早い段階から大きなプロジェクトにかかわれることも少なくありません。若いうちからキャリアを積み、活躍したいと考える就活生にとって、非常に魅力的な環境といえます。
就活生に聞いた! IT業界を志望した理由
志望する就活生が多いIT業界で内定を得るためには、魅力的な志望動機を書くことが大切です。とはいえ、どういった志望理由が良いのか、迷う人もいるでしょう。そういう場合は、ほかの就活生の志望理由を知ると参考になりますよね。
そこで、今回は就活生のみなさんにIT業界を志望した理由をたずねてみました。
「将来性が高いから」との意見が多数
将来性の高さを理由とする意見が多数を占めました。
ITはもはや人々の生活と切り離せないものであり、IT業界が今後も伸びていくことはほぼ確実でしょう。成長産業に携われれば安定した環境で自身も能力を伸ばすことが期待できるため、将来性の高さを理由にする人が多いのも納得です。
ただし、志望動機では「将来性があるから」とそのまま伝えるのはやめましょう。採用担当者に「成長業界ならどこでも良いのか」と思われる可能性があるからです。「将来性のある業界や企業で何がしたいのか」をしっかり伝えるようにしましょう。
将来性をアピールするコツや注意点については、以下の記事でも紹介しています。参考にしてください。
「専門知識を活かせるから」との意見も散見された
大学でプログラミングを学んでいるなどで、専門知識が活かせる点を理由とする意見も見られました。
IT業界は専門性が求められる職種が多いため、具体的なスキルや学習経験をアピールすると、企業にとって魅力的な志望動機になります。
学んできたプログラミング言語や開発経験などがあれば積極的にアピールし、企業でどう活かしたいかまで伝えましょう。
志望動機の前に理解必須! IT業界の基礎知識
いざ志望動機を書こうと思っても、どんな内容を書けばいいのか、取っ掛かりが掴めない人もいるかもしれません。その場合、まずはIT業界への理解を深めることが大切です。
ここからは、IT業界の業種とトレンドについて詳しく解説します。IT業界志望なら知っておきたい基礎知識を学んだうえで、具体的な志望動機を考えていきましょう。
IT業界のおもな5つの業種と特徴
IT業界というと、ITを活用したサービスやシステムの開発企業をイメージする人もいるでしょう。しかし、IT業界はソフトウェアを開発する業種だけでなく、ほかにも大きく5つの業種があります。
それぞれの業種がどのような事業をおこなっているのかを理解し、志望動機に反映させましょう。
ここでは、5つの業種とそれぞれの特徴について解説します。
①インターネット・Web
インターネット・Web業界とは、インターネットを使ったサービスを提供する業界です。AmazonやGoogle、楽天などが有名です。
企業にもよりますが、おもな職種に以下があります。
上記以外にも、一般の企業と同じように広報や営業などの職種もあります。
新しい技術やアイデアを短期間で形にして提供することが求められ、柔軟性やスピード感のある人材が評価される傾向にあります。トレンドに対するアンテナ感度が高いことも大切です。
②通信
通信業界は、インターネットやネットワークを支える通信インフラを整備・運用する業界です。代表的な企業としては、NTTやソフトバンクグループ、KDDIなどが挙げられます。通信インフラの整備には巨額の資金が必要になることから、大手企業が主流です。
職種は事務系と技術系に分けられ、以下のような業務を担います。
新しい技術やツールを開発するため、高いモチベーションを維持し、継続して努力できる人が求められます。行動力や挑戦心がある人も評価される傾向にあります。
通信業界を志望する人は、業界について詳しく解説している以下の記事も参考にしてください。
③ハードウェア
ハードウェア業界は、パソコンやスマホ、サーバー、IoT機器といったさまざまなデバイスを設計・製造する業界です。大手では、Appleや東芝、日立製作所などがよく知られています。IT業界のほかの業種とはやや方向性が異なり、メーカー的な性質も強い点が特徴です。
おもな職種に以下があります。
もちろん、営業や事務などの仕事もあります。
顧客目線でのデバイス開発が必要になることから、共感力や分析力、コミュニケーション能力などのアピールも有効です。機械いじりやものづくりが好きな人にも向いています。
④ソフトウェア
コンピューターなどの機器を動かすのに必要なプログラムであるソフトウェアを開発する業界で、ハードウェアとはちょうど対になります。マイクロソフトや日本オラクル、トレンドマイクロなどが有名です。
ソフトウェアは大きく以下の2つに分けられます。
営業や事務などの仕事もありますが、ここでは代表的な職種を紹介します。
最新の技術をどんどん取り入れる必要があるため、知的好奇心の強い人が向いています。設計や運用をおこなうにあたっては、論理的思考力が求められます。
ソフトウェア業界を志望する人は、以下の記事にも目を通しておきましょう。業界の概要や動向が把握できます。
⑤情報処理サービス
企業の業務を支援するシステムの設計・開発・保守を担当する業界です。情報処理サービスはSI(System Integration/システムインテグレーション)ともいい、サービスを提供する企業はSIer(読み方はエスアイヤ―)とも呼ばれるので、覚えておきましょう。おもな企業にNTTデータやNEC、富士通などがあります。
企業が抱える課題を解決するシステムを提案し、契約後は必要なハードウェアの調達やソフトウェアの開発をおこないます。IT系のコンサルティング業務をおこなう企業も少なくありません。
代表的な職種を紹介しましょう。
企業の課題解決をメインとするため、ヒアリング力や課題解決力がある人が評価される傾向にあります。
就活生に聞いた! IT業界で志望した業種
もっとも多かったのはインターネット・Web業界で、38.5%でした。一方で、ハードウェアを選ぶ回答は0%と、興味深い結果になりました。
インターネット・Web業界を志望する人が多いのは、SNSやサイト、さまざまなオンラインサービスでなじみ深いことが背景にあるのでしょう。自ら開発したい、サービスにかかわりたいと思う人が多いことが推測できます。ハードウェア志望がゼロだったのは、メーカーとしての性質も強く、IT業界として認識されにくい面があることが一因かもしれません。
上記結果も参考にしつつ、自分の興味がある業種、やりたいことがかなえられる業種を選んでください。
IT業界のトレンド・重要トピック5選
IT業界を志望するなら、業界のトレンドや重要トピックもきちんと押さえておきましょう。業界の現状を把握するのに役立ちます。
また、面接では「IT業界で気になるニュースを教えてください」と問われる場合があります。トピックをいくつか押さえておけば、慌てず回答できるでしょう。スムーズに答えられれば、単なる憧れなどではなく、業界をきちんと理解したうえで志望していることが示せます。
志望動機に組み込めば、業界について深く理解していることが示せるでしょう。ただし、踏み込んだ質問をされることも考えられるため、志望動機に採用する場合はそのトピックについて自分でもよく調べ、正確な知識をもつようにしてください。
ここでは、業界の代表的なトピックを5つ紹介します。
①DX化
DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術を活用して業務プロセスや組織構造に変革を起こしたり、新しい事業を生み出したりする取り組みです。業務効率化を可能にしたり、顧客にとっての利便性を向上させたり、新しい事業や価値を創出したりとさまざまなメリットがあります。
DXにより創出した身近なサービスの例をいくつか挙げてみましょう。
これらは新しいビジネスモデルで、遠隔にいながら診療を受けたり講座の受講ができたり、現金を持ち歩かずとも支払いができたりと、ユーザーにとっても便利なサービスです。
②AI
AI(Artificial Intelligence/人工知能)は、人間の知能を模倣し、学習や推論をおこなう技術です。日常生活や業務のサポートなど、あらゆる場所での活用が進んでいます。
以下に例を挙げましょう。
AI技術はさまざまな分野で必要とされており、AIエンジニアの需要は今後も高まる見込みです。
③5GとIoT
5Gとは第5世代移動通信システムのことで、高速通信・低遅延・多数同時接続を特徴とします。
IoTはInternet of Thingsの頭文字を取ったもので、ざっくり訳せば「モノのインターネット」です。家電やウェアラブルデバイスといったモノをインターネットに接続させ、データを送受信することでモノ同士を連携させて作業を効率化させる技術です。
たとえば、以下のようなものがよく知られています。
5Gによりリアルタイムでのデータ通信が可能になったことで、これまで以上にIoT化が加速するとされています。ビジネスへの影響も広がっていくでしょう。
④X-Tech
X-Techはクロステックと読み、IT技術と従来の業界の業務を組み合わせることで、新たなビジネスや価値、サービスを生み出す取り組みを指します。
例をいくつか挙げましょう。
上記以外の業界でも、クロステックは広がりを見せています。高い注目を集める分野です。
⑤グリーンコンピューティング
グリーンコンピューティングは、情報技術を活用することで環境への負荷を減らそうとする試みです。「グリーン」は木々の緑を指し、地球環境を象徴しています。
グリーンコンピューティングには大きく次の2つがあります。
地球温暖化をはじめとする環境問題への対策として、注目を集めています。
就活生に聞いた! IT業界の志望動機を差別化するための方法
ほかの就活生に埋もれてしまわないように、志望動機は差別化を図る意識が大切です。とはいえ、実際にどのような点を意識すれば良いか悩みますよね。
そこで、今回は就活生のみなさんに、IT業界の志望動機で差別化のために工夫した点・意識した点についてたずねてみました。
強みを活かせることを伝えたとの意見が多数
アンケート結果では、自分の強みやスキルを活かせる点を伝えたとの意見が多数見られました。
「自分の強みを活かせる」点を志望動機に組み込むのは、差別化を図るのに効果的です。とくに、Pythonなど具体的なスキルを話せるとより有効ですね。
その強みを活かして入社後にどう貢献できるかまで話しましょう。たとえば「Pythonを使って〇〇の開発経験があり、経験を活かして貴社の〇〇事業に貢献したい」などです。自分の強みだけでなく、働く意欲や業務を理解していることのアピールにもなります。
やりたいことを伝えたとの意見が散見
アンケート結果では、自分が入社してやりたいことを伝えたとの意見も散見されました。
やりたいことやキャリアプランを明確に述べることで、志望度の高さややる気が伝わります。働くことを自分ごととしてとらえられていることも伝わるため、好印象をもたれるでしょう。
ただし、ほかの企業ではなく志望しているその企業だからこそかなう内容を述べることが大切です。
志望動機で押し出す! IT業界が求める3つの人物像
志望動機は、採用担当者に「一緒に働きたい」「採用すれば自社にとってプラスになりそうだ」と思わせる内容にすることが大切です。そのためには、志望企業が求める人材を踏まえた内容を作成する必要があります。
業種・企業ごとに多少の違いはありますが、一般的にIT業界で共通して求められる人材像をまずは把握しましょう。アピールできるような資質がある場合、志望動機で積極的に押し出してください。
①コミュニケーション能力が高い
IT業界では、一つの商品やサービスを設計・開発するのに、取引先やさまざまな部署との交渉や折衝、連携が必要になります。そのため、コミュニケーション能力の高い人材が求められる傾向にあります。
ビジネスにおけるコミュニケーション能力とは、以下のようなスキルです。
志望動機では、コミュニケーション能力を発揮して課題を乗り越えたエピソードなどを盛り込むと、良いアピールになるでしょう。
エピソードの内容は具体的に語り、どのような成果まで得たかを述べると効果的です。
以下の記事では、コミュニケーション能力を自己PRするポイントについて述べています。志望動機作成の場合でも参考になるので、ぜひ目を通しておきましょう。
②ロジカルシンキングができる
ロジカルシンキングとは論理的思考力ともいい、物事を筋道立てて体系的に考え、破綻なく結論を導き出す力を指します。ロジカルシンキングができると、問題解決や情報整理を効果的におこなえ、自分の考えをわかりやすく伝えることが可能です。
IT業界にはさまざまな業種があり、それぞれ事業内容には違いがあるものの、いずれも顧客ニーズをふまえて必要な開発をしたり、技術を提供したりするものです。そのため、論理的に思考してアイデアを形にしたり課題を解決に導いたりすることが欠かせません。
志望動機では、ロジカルシンキングによって課題を解決したり、物事を成功に導いたりした経験を盛り込むと良いでしょう。
面接での受け答えがしどろもどろだと、ロジカルシンキングをアピールしても信憑性がありません。ロジカルシンキングをアピールするなら、質問に回答するときもまず結論から述べ、論理的に話すことを意識しましょう。
ロジカルシンキングは鍛えることが可能です。以下の記事ではロジカルシンキング力を試す例題や、鍛えるのにおすすめの書籍を紹介しています。興味がある人は目を通しておきましょう。
③学習意欲が高い
IT業界の技術の進歩は目覚ましく、需要に応えられる人材になるためには日々の学習が不可欠です。忙しい業務を担いながら次々とでてくる技術を習得するためには、高い向上心や意識がなければ続きません。そのため、学習意欲の高い就活生は評価されます。
学ぶ意識の高さを示すエピソードがあるなら、積極的にアピールしましょう。
学習意欲の高さをアピールするなら、何をどのように学んだか、どのような成果があったかを説明すると説得力があります。
3段階で作成! IT業界の志望動機の基本の構成
志望動機を作成する際は、内容も大切ですが、構成にも気を配る必要があります。内容が良くても構成がイマイチでは、言いたいことがうまく伝わらない恐れがあるためです。
IT業界を志望する就活生は数多く、採用担当者は限られた時間で大量の志望動機に目を通さなければなりません。そのため、採用担当者が「わかりにくいな」と感じてしまえば、そこで読むのをやめてしまう恐れがあります。
志望動機は、相手がすんなり理解できる基本の構成があります。基本の構成は3段階からなり、その通りに作成すればわかりやすい志望動機を作成することが可能です。ぜひマスターしておきましょう。
志望動機の書き方については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
①IT業界やその企業を目指す理由
志望動機の冒頭では、IT業界やその企業を志望する理由を端的に述べましょう。これは、就活生の志望動機を通して採用担当者がもっとも知りたいことだからです。要点を最初に述べることで、採用担当者も何の話をするつもりかがすんなり理解できます。
また、業界や企業を志望する理由を述べることで、採用担当者に本気度や業界・企業への理解度の深さがアピールできます。
採用担当者が納得する志望理由を述べるためには、業界や企業の研究が欠かせません。志望企業については、以下のような方法で研究をおこない、理解を深めましょう。
業界の理解を深める方法については次章で説明するので、ぜひ参考にしてください。
業界研究をするときは、専用のノートを作るのがおすすめです。比較検討したり読み返して情報を頭に入れたりするのに役立ちます。以下の記事で解説しているので、目を通しておきましょう。
②志望したきっかけとなったエピソードや根拠
志望理由を端的に述べたら、次はそのように考えるにいたったエピソードや根拠を伝えましょう。志望理由を述べるだけでは、採用担当者にはどこまで本当か判断できません。志望するきっかけとなった具体的なエピソードを話すことで、志望理由に説得力が出て、採用担当者を納得させることができます。
これまでに印象に残った出来事を振り返り、自分がIT業界で働きたいと考えるきっかけとなったエピソードを探して深掘りしましょう。
エピソードは「数値にできるものは数字で表す」「固有名詞を入れる」などして具体的に語ることがポイントです。採用担当者がイメージしやすくなります。
③入社後にどのように活躍したいか
最後は、「入社後は何を実現させたいか」「どのような形で貢献できるか」について述べましょう。自分を採用すると志望企業にどのようなメリットがあるかを伝えることがポイントです。
とはいえ、まだ働いた経験がないため、具体的にイメージするのはなかなか難しいでしょう。以下のような方法で情報を集め、志望するIT企業で働くイメージをつかんでみてください。
志望理由との矛盾が起こらないように注意しましょう。たとえば、「貴社の〇〇サービスに強く魅力を感じ、開発に携わりたいと考え志望した」と述べておきながら、「営業として活躍し貢献する」と締めると矛盾していますね。必ず読み返し、一貫性があるかどうかチェックしてください。
志望動機に深みが出る! IT業界の理解を深める5つの方法
IT業界は進化が早く、速いスピードで環境が変化しています。IT業界を志望するなら日々情報を集めたいところですが、どのように学んだら良いのかよくわからない人もいるのではないでしょうか。
ここでは、IT業界の情報を収集するおもな方法を5つ紹介します。一つだけではなく多数の方法を併用し、業界理解を深めてください。
①SNSをチェック
X(旧Twitter)などのSNSは、情報を入手する手軽なツールです。IT企業やIT専門家のアカウントをフォローしてポストをチェックすることで、IT業界のトレンドや最新情報をキャッチできます。
IT専門家とは、たとえば以下のような人です。
「#エンジニア」や「#プログラミング」などハッシュタグを使って気になるワードで検索すると、ポストが引っかかります。気になる発信をしている人をどんどんフォローしていきましょう。フォローした人の発言が表示されるようになるので、情報を得やすくなります。
②動画・オンライン学習サイトで学ぶ
SNSは手軽ではあるものの、断片的に情報が入ります。ある程度体系立てて知識や情報を得たい場合は、YouTubeなどの動画サイトや、オンライン学習サイトを活用するのも一つの方法です。
YouTubeには数多くのIT解説動画がアップされています。「IT業界 解説」「IT業界について」などのワードで検索し、気になる動画を見てみましょう。
有料になりますが、オンライン学習サイトでITの入門講座などを受講するのもおすすめです。以下でいくつか紹介します。
サイトによって料金体系や使い勝手が異なるため、自分に合うところを選びましょう。
③ニュースサイトで確認する
ニュースサイトやニュースアプリは、IT業界の最新情報を手に入れるための基本的な方法といえます。隙間時間を活用してこまめにチェックして、情報のアップデートを図りましょう。
おすすめのニュースサイトには以下があります。
いくつか登録して実際に読んでみて、「自分に合う」「読みやすい」と感じたものを中心に活用するのがおすすめです。
④業界団体のサイトをチェックする
業界団体のサイトは、業界動向を把握するのに役立ちます。たとえば、以下のような団体です。
SNSや動画を利用して情報を集めると、発信者個人の主観による発言が混じることがあり、真偽に注意する必要があります。一方、業界団体が発行する白書やプレスリリースは信頼性が高い情報であり、間違った理解をしてしまう心配がありません。
業界全体の視点から動向をつかめるのも、業界団体のサイトをチェックするメリットです。専門的な内容でありながら、無料で公開されている資料が多いので、積極的に活用しましょう。
⑤業界セミナー・合同説明会に参加する
就活生向けに開催される業界セミナーやIT企業が集まる合同説明会に参加し、話を聞くのも参考になります。参加することで業界全体の概要が把握できるので、「志望するかどうかまだわからない」「なんとなく興味がある段階」といった人にもおすすめです。
イベントは各地で開催され、オンラインで実施しているものもあります。インターネットで「IT業界 就活イベント」などで検索しましょう。セミナーや説明会は予約が必要なものもあるので、気になったものは早めにチェックしてください。
【業種×強み別】IT業界の志望動機例文10選
IT業界の志望動機の書き方やポイント、理解の深め方などについて解説してきました。しかし、実際に志望動機をまとめるとなると、どうすれば良いかわからない人もいるでしょう。
そこで、ここでは業種×強み別に、志望動機の例文を紹介します。参考にしながら、自分の言葉で志望動機を作成してください。
例文①インターネット・Web×コミュニケーション能力
例文では、自分のプレゼンでシステムの導入が決まり、業務効率化に成功した事務所でのアルバイト経験から、入社後に働く姿勢につなげています。
コミュニケーション能力を活かして活躍する姿が浮かぶ志望動機です。
例文②インターネット・Web×ロジカルシンキング
例文では、企業を志望する理由を述べ、物事を分析して解決に導く強みを発揮してアプリ開発に成功し、ユーザーに便利だと喜ばれた経験について説明しています。
志望理由に説得力があり、強みについても示せている良い志望動機です。
例文③通信×学習意欲の高さ
例文は、通信業界で魅力に感じている点を述べ、インターンで接した営業社員の姿に感銘を受けた点を志望理由として説明しています。
通信業界に興味を覚えたきっかけとしてイベントでのトラブルを挙げています。トラブルのまま終わらず、しっかり勉強して次回以降は成功している点を説明しているのがよいですね。入社後も、トラブルがあっても負けずに活躍してくれる姿がイメージしやすい内容です。
また、入社後に活躍する具体的なイメージが浮かびやすい内容になっており、良い志望動機です。
例文④通信×コミュニケーション能力
例文は、「世のなかの人々が便利で快適に暮らせる社会を実現させたい」という仕事を通じてかなえたいことが志望企業でなら実現できること、そしてその理由を述べており、納得感のある内容です。エピソードも志望理由の補完になっていますね。
入社後も、うまく連携して成果をだしてくれるだろうと期待できる内容です。
例文⑤ハードウェア×コミュニケーション能力
ハードウェア業界や志望企業を目指す理由が明確で、業界・企業研究をしっかりおこない内容を理解していることが伝わります。サークルでの経験を具体的に説明しているのも良い点ですね。
入社後はコミュニケーション能力を活かして活躍する姿が目に浮かびます。
例文⑥ハードウェア×学習意欲の高さ
最先端の技術開発と製品の品質向上に注力している点を志望理由として挙げており、企業理解の深さが感じられます。
電子回路設計に取り組んだエピソードからは諦めずコツコツ学ぶ姿勢が伝わりますね。学習意欲の高さを活かして貢献したいとする入社後の意気込みに自然につながっているのも良い点です。
例文⑦ソフトウェア×コミュニケーション能力
例文は「多彩なソフトウェアを提供し、サポートも手厚い」「チーム制営業を採用している」など志望企業についてしっかり調べたことが伝わる内容です。
エピソードも具体的で、入社後は協働して成果を上げることが期待できる内容になっていますね。
例文⑧ソフトウェア×ロジカルシンキング
例文は、大学のゼミで国際的なプロジェクトを経験し、最先端技術を使ってグローバルに活躍したいと考えるようになったエピソードを述べ、海外事業を展開している企業への志望理由を補完しています。
入社後に海外事業で実力を発揮してくれそうな姿が期待できる内容ですね。
例文⑨情報処理×ロジカルシンキング
冒頭で業界・企業を志望する理由が明確に述べられているのが良いですね。大学祭実行員のエピソードから、課題解決に動いたプロセスが伝わり、説得力のある内容になっています。
入社後に営業として活躍する姿勢がイメージしやすい内容です。
例文⑩情報処理×学習意欲の高さ
中小企業をサポートしたいという志望理由と、大学のゼミ活動のエピソードがしっかり結びついており、説得力のある内容です。
また、入社後のキャリアパスについても明確で、入社意欲の高さも伝わりますね。採用後はしっかり働いてくれるだろうと期待できる内容です。
注意点を理解しよう! IT業界の志望動機NG例文
基本の構成に従って書けていても、内容に問題があれば採用担当者の心に響く志望動機にはなりません。どのような内容は避けるべきか、把握しておくことも大切です。
そこで、ここではNG例文を3つ紹介します。何が悪いか理解し、自身の志望動機を作成するときは同じようにならないように注意しましょう。
①どの企業でも通用する
私は「人の役に立てる仕事」を就職活動の軸にしており、さまざまな技術で世の中に恩恵を与えるIT業界を志望しました。
私が人の役に立つ仕事を志しているのは、多くの人に助けられて今があり、少しでもお返ししたいと考えているからです。我が家は経済的に進学するのが難しかったのですが、大学は奨学金をいただいて通うことができました。ありがたく思い、大学では情報学部で真面目に学んできました。
入社後は、大学で学んだ知識を活かし、人の役に立つツールの開発に携わりたいと考えています。
例文は、奨学金をもらって大学に通えたことを感謝し、お返しに人の役に立てる仕事がしたいということを志望理由として述べています。しかし、人の役に立てる仕事はほかにもたくさんあり、IT業界やその企業でなければならない理由になっていません。
IT業界のその企業で働きたいと考えた理由を深掘りし、明確にすることが必要です。
②意欲より待遇や環境を重視している
私は世界に大きな影響を与えるIT業界に魅力を感じています。そのなかでも、リモートワークの体制が整い、残業が少なく休日が多い点に惹かれて貴社を志望しました。
学生時代のアルバイトでは、人手が足らないからとお願いされて無理してシフトに入ったときはミスを多発してしまいました。適度にシフトを減らしてもらってからは、ミスなく完璧に働けました。ワークライフバランスのとれた働き方をすることは、良質なパフォーマンスに必要だと感じています。
貴社に入社したら、仕事とプライベートのメリハリをつけることで、効率的に働き結果を出したいと思います。
例文は、休日が多い・残業が少ない・リモートワークができるなど、待遇や環境にフォーカスしており、仕事への意欲があまり伝わらない内容になっています。エピソードも、無理をしてアルバイトに入ったところミスを多発したというもので、ネガティブな印象があります。
仕事では少なからず無理をしなければならないときもあるかもしれませんが、例文の内容からは頑張って働いてくれる姿を想像することはできません。
待遇や環境が大切なことは確かですが、働く意欲が感じられる内容に変える必要があります。
③学びたいなど自分本位な理由になっている
IT業界は最先端の技術を習得できる環境に大きな魅力を感じています。なかでも、貴社の教育体制は非常に充実しており、スキルアップしやすい環境が整っている点に強く惹かれて志望しました。
大学では、授業を受けるだけではなく、オンライン学習サイトを受講して積極的に知識の強化に努めてきました。インプットだけでなくアウトプットも大切と感じ、サイトを設計して運営するなど学んだ知識を実際に活かしてきました。
入社後は、貴社でしっかり学ばせていただき、成長したいと考えています。
例文では、IT業界で求められる学習意欲の高さはアピールできていますが、学ばさせていただきたいなど自分中心の内容になっています。
就活の選考では、自分を採用するとどのようなメリットがあるかを採用担当者にアピールすることが大切です。例文の内容では、そのメリットを提示できていません。
学習意欲の高さや学んだ知識を活かしてどのように活躍したいかなど、採用するメリットが伝わる内容にしましょう。
IT業界の志望動機は業界や業務内容を十分に理解して作成しよう
IT業界と一言で言っても、大きく5つの業種に分かれ、それぞれできることには違いがあります。まずは自分がやりたいことを明確にし、実現できる業種を選ぶことが大切です。まずは業界の特徴や業種ごとの違いをしっかり把握しましょう。
IT業界は、就活生の人気が高く、ライバルの多い業界です。人手不足であっても、意欲や熱意が伝わらなければ採用には至りません。志望動機では、IT業界のその企業でなければならない理由をしっかりと述べ、具体的なエピソードによって補完し、入社後はどのように貢献するつもりかまで説明しましょう。
記事で説明したことを参考にして魅力的な志望動機を作成し、志望企業の内定を勝ち取ってください。