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時代に左右されない音楽業界の人気
音楽業界は時代に関係なく、憧れる人の多い業界です。電車での移動中はスマホで音楽を聴いている光景をよく見かけ、好きなアーティストのライブやコンサートに行くことを趣味としている人も多くいます。
そんな音楽を創り出し、たくさんの人の耳に届けるのが音楽業界です。音楽は感動を与え、ときには人の人生に大きな影響をもたらすこともあります。
「自分が音楽を創り、届ける側として働きたい」と考える人はいつの時代も多く、人気の高い業界です。しかし、憧れているだけでは不十分で、実際に働くためには業界の基礎知識や職種・業務内容について理解する必要があります。知識のない曖昧な状態で選考に臨んでも、志望度の高さや熱意を伝えることは難しいです。
この記事では、音楽業界を目指すうえで知っておくべき知識や、主な職種の内容について解説していきます。音楽業界を正しく理解し、就活を優位に進めましょう。
音楽業界の課題と今後の展望
音楽業界を目指すうえで、まず業界の現状を把握することが大切です。間違った認識をもって入社してしまうと、憧れと現状にギャップを感じ、やりがいを感じられなくなってしまう可能性があります。
まずはわかる範囲の情報から現状について知り、音楽業界で自分自身がどのように働きたいのかを、少しずつ具体的に考えていきましょう。ここでは、音楽業界の現状の課題や将来性について解説していきます。
業界における課題
音楽業界はここ数年、市場が縮小傾向にあります。これまで、音楽業界はアーティストがヒット作を出し、そのCDがたくさん売れることで多大な利益を出してきました。
しかし、現状では「CDの売り行きが良くない」という課題が発生しています。こちらのYahooニュースの記事によると、CDをはじめとした「音楽ソフト」の売り上げは、年々減少傾向にあることがわかります。
インターネットから音楽データをダウンロードする「音楽配信」は2014年より売り上げが増加していますが、それに対し音楽ソフトの売り上げが減少し、市場全体としては縮小傾向にあります。
音楽データのダウンロードは一曲200円程度ですが、CDはシングルでも1000円以上、アルバムだと3000円前後の価格になっています。そのため、音楽配信の売り上げが増加しても、CDの減少分をカバーしきれていないのが現状です。
昨今では、インターネットやスマートフォンの普及により、動画やバーチャルリアリティが多くの人に親しまれるようになりました。そういった趣味や娯楽の多様化が進み、以前に比べ音楽を聴くことを日常の楽しみとする人が減ってしまっています。
また、無料で音楽を聴けるサービスが増えたことも、CDの売り上げが減少した理由のひとつです。聴ける曲は限られますが、娯楽の多様化により音楽離れが進んだため「これで充分」と感じる人も増え、わざわざCDを買うこともなくなってしまいました。
中には違法でアップロードされたものもあり、音楽業界で問題になっています。無料の音楽配信サービスは、そこからさらに楽曲を聞きたくなり、有料版データやCDの売り上げにつなげることが可能です。
しかし、違法アップロードされたデータは正規の販売につなげる仕組みもなく、ただ私利私欲のために楽曲が配布されています。アーティストをはじめとした、音楽業界の方々の努力の結晶を自分の都合でばらまくのは、決して許されざる行為です。
このように、市場を支えていた「CDの売り上げ」が様々な要因で減少したことは、音楽業界の大きな課題といえます。
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今後の展望
CDの売り上げが減少して市場全体としては縮小傾向にありますが、前述したように音楽配信サービスの売り上げは近年増加しています。
現在スマートフォンが普及し、生活の必需品として誰もが普段から持ち歩いている時代になりました。データをスマートフォンにダウンロードすることでどこでも好きな音楽を聴けるようになるため、音楽配信サービスは順調に市場を拡大しています。
CDに比べ安価ですが、その分気軽にダウンロードでき、店に出向く必要もなく自宅で購入が可能です。音楽業界でCDに代わる売り上げとして、今後が期待されています。
また、データで音楽を手軽に楽しめる時代になったことで「データではなくリアルで楽しみたい」とライブやコンサートといった音楽イベントの価値が上昇しました。しかし、コロナウイルス感染症の影響でイベントの開催が制限され、今後の見通しが立たない状態です。
現在は無観客でライブを行い、オンラインでその様子を生配信することで、疑似的に音楽イベントを体験できるサービスが注力されています。外出自粛が推奨される今の時代において、家で楽しめる娯楽として高い需要を誇り、世間でも注目されているサービスです。
音楽業界の今後としては、音楽配信サービスやオンラインでの音楽イベントを主軸に、市場の拡大を目指すことが考えられます。
音楽業界の主な職種
音楽業界を目指すにあたり、どのような職種があるかを理解することが必要です。
音楽業界と一口に言っても、音楽が生み出されてから消費者に届くまでにはたくさんの人が関わっています。自分が音楽業界で何をしたいのかをはっきりさせなければ、選考でも熱意が伝わりません。
この項では、音楽業界の主な職種についてそれぞれ紹介していきます。それぞれの業務内容について理解し、自分が何を仕事としたいのか明確にしましょう。
また、何がしたいかを明確にしたら、志望動機として文章にして伝えることが必要です。こちらの記事では、志望動機の正しい書き方について解説してあります。併せて読んで参考にしてください。
①音楽を制作する職種
音楽業界としてまずイメージが浮かぶのは、自分が音楽を歌唱・演奏してスポットライトを浴びる立場の「アーティスト」です。アーティスト系の職業は実力が全てで、ほんの一握りの人しか就くことはできません。就職活動で目指す職種としては、方向性が違います。
音楽を演奏するアーティストがいる一方で、その音楽を生み出したり、作り上げたりしながら音楽に携わっていく仕事も多く存在します。
具体的には、以下の3種類です。
- 作詞家・作曲家
- プロデューサー・ディレクター・アシスタント
- レコーディングエンジニア
アーティストとお客さんの感動を作り上げる縁の下の力持ちとして音楽に携わっているのが、これらの制作側の職種です。ここでは、具体的な業務内容について解説していきます。
作詞家・作曲家
作詞家・作曲家は、音楽業界の職種の中でもとても人気があります。
業界内でも専門的な仕事で、作詞家は歌詞を、作曲家は曲を作ります。両者ともに時代を捉える鋭い感性が求められるクリエイティブな職種です。将来的に独立してフリーで活動している人も多く、様々な働き方が可能になります。
年齢や経験年数などに関係なく、実力次第でチャンスを掴める職種である点も大きな特徴です。
しかし、高い実力が求められる分、作詞家・作曲家になるのは困難です。基本的には、オーディションに応募したり、自分で作品を持ち込む必要があります。実力があると判断されれば、音楽事務所やレコード会社に所属し、仕事をもらうことが可能です。
作詞家・作曲家になるには様々な音楽の知識・技術が必要になります。実力主義で学校での専攻は関係ありませんが、目指す場合は音楽大学などで専門的な知識を身につけるのが一般的です。
プロデューサー・ディレクター・アシスタント
日本の有名音楽プロデューサーは、音楽業界でも憧れの職種として挙げられます。
プロデューサーは、音楽の制作活動全般を統括する責任者です。アーティスト本人を含めた制作陣と協議し、音楽の方向性や売り出し方をプロデューサーが決定します。
また、プロデューサーのもとで現場を仕切るのがディレクターです。プロデューサーの意図のもと、具体的な制作活動を指揮します。音楽戦略を練ることからレコーディング、新人育成など、ディレクターの仕事は多岐に渡ります。
プロデューサーもディレクターも初めからなれるものではなく、音楽業界での実績を積むことで就くことのできる職種です。前述した作詞家・作曲家からプロデューサーになるパターンもありますが、基本的にまずアシスタントとして現場に入ります。
アシスタントは、ディレクターの指揮のもと、音楽制作の現場の業務・雑務を行う仕事です。ディレクターの補佐をしつつ、その仕事を学びながら将来的な昇進を目指します。
プロデューサー・ディレクター・アシスタントは、実際の音楽制作活動に深く関わることのできる仕事です。一般的に、まずはアシスタントとして音楽業界に就職し、将来的にディレクター・プロデューサーを目指します
レコーディングエンジニア
レコーディングエンジニアは、音楽制作の場で技術的な役割を担います。
レコーディング時の音響機器・設備の設定や、各歌唱・演奏の録音を調整し、一つの曲としてまとめる技術的な仕事です。アーティストが求める音楽をいかに作れるかはレコーディングエンジニアにかかっているといっても過言ではなく、曲の作成に深く関わるやりがいを感じることができます。
レコーディングエンジニアになるためには専門的な機器の操作や様々な知識が必要です。そのため、一般的には専門学校で特殊な技術を学び、アシスタントとして就職し、そこからレコーディングエンジニアを目指します。
また、フリーランスとして自分でスタジオを持って独立することも可能で、様々な働き方のできる職種です。
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②音楽を教える・伝える職種
音楽を演奏・制作するだけでなく、教える・伝える仕事もあります。
自身の高い音楽技術・知識はもちろんのこと、個々のレベルに合わせて指導するための技術や、コミュニケーション能力なども必要です。具体的には、以下の3種類があります。
- 音楽教室の講師
- 音楽のある環境での販売職
- 音楽雑誌の編集・ライター
職場で自分の音楽性を共有でき、教えた生徒・お客さんが成長していくことにやりがいを感じる仕事です。ここでは、具体的な業務内容について解説していきます。
音楽教室の講師
音楽教室の講師も、音楽業界で人気のある職種の一つです。
音楽の楽しみ方は聴くだけではなく、実際に楽器を演奏することも含みます。音楽教室には様々なニーズがあり、需要も高いです。
音楽に多くのジャンルがあるように、音楽教室で教える内容も幅広く、自分の得意分野を選んで働くことができます。小さなお子さんの教育を目的としたところもあれば、社会人や学生が趣味として音楽を楽しむための教室もあります。
そういった場で生徒に知識・技術を教えるのが、講師の役目です。自分と音楽性の合う人たちと職場で関われるのも、音楽教室の講師の魅力といえます。
ただし、人に教える以上、高い技術が求められます。音楽教室の講師になる場合は、目指すジャンルの腕を磨いておきましょう。
音楽のある環境での販売職
音楽を演じたり、制作したりではなくとも、何らかの形で音楽に携わっていきたいと考えるのであれば、音響機器や楽器メーカー販売の仕事をするのも一つの方法です。
自社製品の魅力や特徴を顧客に伝えるのが仕事で、実際に楽器の販売をおこないます。音楽に興味のあるお客さんに楽器の楽しさを伝える、やりがいのある仕事です。
自分の好きな楽器や店内BGMに囲まれながら仕事に取り組めます。職場の仲間も共通の趣味や同じ好みを持つ人が多く、お客さんと仲良くなれるのも魅力の一つです。
音楽業界の他の職種に比べ、初めから専門的なスキルはあまり求められないため、入社時の給与面は低めの傾向にあります。しかし、その分就職の難易度も低く、音楽業界を目指すうえでの一つの選択肢として有効です。
こちらの記事では、販売職について詳しく解説してあります。併せて読んで参考にしてください。
音楽雑誌の編集・ライター
音楽雑誌の出版社に勤めることで、音楽の良さを伝える方法もあります。
音楽雑誌の編集の仕事としては、雑誌を作り上げる為の作業全体を担当します。記事内容を決めたり、ライターとの打ち合わせ、取材、写真選び、デザイン発注や校正など、業務内容は多岐に渡ります。
編集者になるには、ライターとしての能力も必要です。音楽ライターは、話題の曲やコンサートの評価を文章として書いたり、アーティストへのインタビューを行って記事を作成します。
音楽雑誌の編集・ライターは、雑誌を通じて読者に自分の音楽観や、知ってほしい楽曲・情報を伝えることができるのがやりがいです。雑誌を作るうえで、有名アーティストに直接関われるのも魅力として挙げられます。
しかし、音楽雑誌に限らず出版関係は非常に人気の業界です。有名大学の学生も多く応募するため、狭き門になります。音楽と出版の両方に興味がある場合は、入念に対策をして選考に臨みましょう。
出版業界については、こちらの記事で詳しく解説してあります。併せて読んで参考にしてください。
③音楽イベントを運営する職種
お客さんが音楽を楽しむために、イベントを運営する仕事もあります。
音楽イベントとは、アーティストのライブ・コンサートや音楽フェスのことです。音楽イベントには様々な準備が必要で、それを運営する仕事があってこそ成り立ちます。具体的には、以下の2種類です。
- レコード会社のスタッフ
- ライブハウスのスタッフ
自分の運営するイベントで有名アーティストが演奏することや、多くのお客さんが楽しんでくれることにやりがいを感じます。ここでは、具体的な業務内容について解説していきます。
レコード会社のスタッフ
レコード会社のスタッフとして働くことで、音楽業界に深く携わることが可能です。
レコード会社のスタッフの仕事は様々であり、イベントに出演するアーティストのブッキングや宣伝活動、マネージャーとしてのスケジュール管理、CDの販売など多岐に渡ります。
多くの人と関わるため、コミュニケーション能力をはじめとした多くのスキルが問われる仕事です。しかし、その分有名アーティストをはじめ、音楽業界の憧れの存在と身近に仕事ができる点は魅力といえます。
レコード会社に就職するには、新卒採用でレコード会社の面接を受けて入社するのが一般的です。就活サイトにも求人は載っているため、興味のある方は探してみましょう。
こちらの記事では、レコード会社について詳しく解説してあります。併せて読んで参考にしてください。
ライブハウスのスタッフ
ライブハウスのスタッフとして働くことも、方法として挙げられます。
業務内容としては、イベント運営のための受付やブッキング、ドリンク提供、音響・照明・機材の操作など様々です。また、アルバイトを募集しているところもあります。興味があれば学生時代にアルバイトとして働き、一部実務を体験することも可能です。
ライブハウスでは、アーティストの成長を見届けながら仕事ができます。ライブハウスは有名なアーティストがイベント会場として利用するだけでなく、まだ無名な成長途中のアーティストたちも拠点として活動します。
レコード会社の方が有名なアーティストと関わる機会は多いです。しかし、ライブハウスは若手の新人アーティストたちの成長を実感でき、その成長を自分たちが身近に手助けしていることに大きなやりがいを感じます。
職場の規模は小さいですが、その分密接に音楽に関わることが可能です。一つの選択肢としてあることを、頭に入れておきましょう。
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音楽業界に就職するには
前述したように、音楽に関わる仕事は多くあります。それぞれ特徴はありますが、どの仕事に就くにしても、以下の2点は抑えておかなければ選考を突破するのは難しいです。
- 業界研究をおこなう
- 実力や経験を身に付ける
ここでは、それぞれの内容について解説していきます。正しい選考の対策をし、憧れの音楽業界に就職しましょう。
業界研究をおこなう
音楽業界に就職するには、まずは業界研究を行うことが大切です。
音楽業界はさまざまな企業が関わり合う業界です。楽器メーカー、音楽製作のためのソフトウェアメーカー、アーティスト事務所、オーディオメーカー、レコードレーベル、さらにインターネット関連企業やメディアも関わっています。
ただ「音楽業界で働きたいから」では企業への熱意は伝わりません。それぞれ職種・仕事に特徴があるため、なぜそこを志望するのか、その企業でなければならない理由を伝える必要があります。
業界研究をせずに就活に取り組んでも、曖昧な志望動機しか作成できず、人気の高い音楽業界の選考を突破することは困難です。
また、あらかじめ業界研究で志望先の企業について理解していないと、入社後に理想とのギャップを感じてしまい、仕事へのモチベーションの低下につながる可能性もあります。
自分の志望する企業は音楽業界でどのような役割を担っているか、業界研究を行って調べておきましょう。
こちらの記事では、業界研究・企業研究の方法について詳しく解説してあります。併せて読んで、参考にしてください。
実力や経験を身に付ける
音楽業界に就職しようと思った場合、熱意だけでなく実力や経験を身につけていくことも必要です。
職種によって差はありますが、マニアックな業界のため、音楽に関する専門的な知識・スキル・経験が問われます。曲の制作に関わる仕事はその傾向が強く、音楽大学をはじめとした専門学校からの就職が多いです。
特に作詞・作曲家は、専門的なスキルはもちろんのこと、音楽的なセンスや、時代のニーズを読み取るためのセンスといった感性も問われます。そういった感性を身に付けるためにも、専門学校での勉強や、実際に自分で音楽活動をして、経験を積むことが必要です。
また、専門的なスキルだけでなく、コミュニケーション力をはじめとした人との関係を構築するスキルも求められます。どの職種でも様々な人と関わるため、コミュニケーションが苦手だと選考を突破するのは難しいです。
現在、音楽業界でもインターンを行う企業が増えてきています。この他にもアルバイト、通信講座など、学生時代に実力・経験を身につけるチャンスはあるため、音楽業界を目指す場合は挑戦してみるましょう。
実力を身につけても、それをエントリーシートや面接でアピールできなければ意味がありません。効果的にアピールするには、正しい自己PR法を理解する必要があります。こちらの記事では、自己PRの正しいやり方について解説してあるため、併せて読んで参考にしてください。
音楽業界に就職するなら概要を知っておこう
音楽業界はいつの時代でも人気のある業界です。音楽はたくさんの人に愛され、感動を与え、人生の支えになることもあります。そんな音楽に関わる仕事は、やりがいが大きいものが多いです。
その一方、音楽業界への就職を目指す場合、憧れだけでなく現状の課題を知っておくことも必要になります。また、職種への理解も深め、知識と実力を身につけることも大切です。
自分に合った職種を把握し、そのために必要な実力・経験を身につけ、憧れの音楽業界への就職を目指しましょう。