内定について

【内定の承諾書とは】同意書との違いと法的効力について解説

承諾書の重要性とは

内定承諾書とは、企業によっては入社承諾書や入社誓約書と呼ばれることもありますが、基本的にはどれも学生が企業からの内定を承諾し、その企業へ就職すること表明する書類のことを指します。学生側からすれば提出先の企業に就職する意思を表明する一方、企業としては学生の入社意思を確認し、最終的に内定を承諾する学生を確定させるものとしてとても大切な書類です。したがってこの書類を企業側が受け取った後は、確実に入社するものとして企業側は準備を開始します。

よって、あまり重要性を理解せずサインをして提出してしまうと、後々思わぬトラブルになることがありますので、承諾書を受け取った際には、本当にサインをしていいのかを十分検討し提出するように心がけましょう。

内定承諾書の役割

では、内定承諾書にはどのような役割があるのでしょうか?内定承諾書の役割はとても明確で、主に2つあります。1つ目は内定が決定したことを学生側に伝えるためのもので、2つ目には学生に入社を決意させる契約書としての役割があります。

特に2つ目の入社を決意させるための契約書という役割から、内定承諾書を受けたっと後はできるだけ早く、遅くても受領から3日以内には企業側へ返信するようにしましょう。ここからは以上の2つの役割についてより詳しく説明してきます。

内定が決定したという通知

内定承諾書とは、学生に内々に採用する事が決定した旨を知らせる通知に対して、やむを得ない事情がない限り入社をするという意思表示をしてもらうための書類です。学生が就職活動に膨大な時間と労力を費やすのと同様に、企業側もそれ以上に多くの時間と労力、そしてお金を費やして採用活動を行なっています。

企業としては、せっかくそれだけの投資をしていい人材を見つけたのであれば、内定辞退はどうしても避けたいと考えるのは当然のことでしょう。内定早々に書類の提出を求めることで、自社が採用したい学生を早い段階で囲い込む目的があります。

学生に入社を決意させる契約書

・この企業に就職します。
・正当な理由以外では、承諾書の内容に反することはしません。

内定承諾書は、記載内容に対して学生自ら著名をすることで、彼らが他の企業へ入社せず自社に入社するよう決意と意欲を高める役割もあります。基本的に承諾書では、学生に対して上記2つの記載項目に同意することが求められます。

場合にはよってはそれ以外の内容が記載されていることもありますので、注意して内容を確認しサインするようにしましょう。これは、企業側が最終的な内定者数を確認するためだけでなく、承諾したことを文章として残すことで学生側に入社をしてもらえるようプレッシャーをかけることも目的としています。

企業が作成して送ってくれることも多い

内定承諾書については基本的に、自分で作らなくてもいい場合が多いです。というのも、内定承諾書の場合は基本的に、専用の用紙を企業が作成して送ってくれることが多いからです。もちろん企業が作成するのは、ビジネス文書として基本的な部分のみになります。自分の名前や日付など、企業が求めている情報については、自分で承諾書に記入することになります。

企業作成の承諾書は、サイン欄と捺印欄に加えて、承諾にあたっての注意が記載されていることが一般的になります。これら記入欄については、履歴書と同じく黒のペンで記入するのが好ましいでしょう。

また承諾書が企業から送られてきた場合は速やかに返送し、できれば承諾書と一緒に添え状を同封しておくのがマナーとなっています。

承諾書と同意書の違い

一見同じように見える承諾書と同意書ですが、実際は内容の拘束力などに違いがあります。同意書というのは基本的に「提示された内容に対して同意した」ということを証明する書類になります。例えば、高校生のアルバイトの際、保護者に対してアルバイトについての同意書を雇用先から求められることになります。これは保護者に「お子さんが弊社でアルバイトをしますよ」ということを同意してもらうためです。

一方承諾書は、相手の要望などに対して「了承したことを証明する」書類です。承諾書に書かれた内容について「この件について私も可能な限り協力いたします」という肯定する意思を示すことが大事なのです。つまり、承諾書の内容を「聞き入れたかどうか」が大事になってきます。

企業側が承諾書が必要な2つの理由

では、なぜ企業側は早い段階で学生に内定承諾書を提出してもらう必要があるのでしょうか?理由は大きく2つあります。1つ目は採用には膨大なコストがかかることが挙げられます。そして2つ目としては、採用担当者には採用人数の目標値があることです。以下、詳しく見ていきましょう。

採用にはコストがかかる

人材採用には、採用担当者だけでなく管理職、役員クラスが採用説明会や面接に割く時間の他にも様々なコストがかかっています。求人広告を出したり、面接をするだけでも膨大なコストがかかりますが、学生の間ではあまり広く知られていないようです。主な採用コストとして挙げられるのは広告費、会社案内やホームページなどの採用ツール作成と維持費、セミナー運営費、各種資料代など、ざっと挙げただけでもこれだけの経費がかかります。

これを新卒一人あたりにすると、50万円前後の費用がかかっていると言われています。したがって企業側としては、これだけ多くの時間とお金をかけて採用した学生を逃したくないという考えるのは当然だといえるでしょう。

採用人数のノルマがある

通常、採用に際して企業の人事部は新卒を何人採用するかという数値目標を持っています。これは人事部のみで決められた数字ではなく、その企業の経営戦略に沿って今後の事業を推進していくために必要な人員数が割り出されており、経営幹部会などで最終的に決定、承認されます。営業部が業績向上のために売り上げ目標を達成しようとするのと同様に、採用数値目標を達成することは人事部の使命であるともいえるでしょう。

なぜなら全社として経営目標を達成するためには、優秀な人材の確保とその育成が必須だからです。よって、人事部としてそのノルマを達成するためには当然、学生の内定辞退、特に承諾後の辞退はどうしても避けたいと考えるでしょう。

提出後にも辞退はできる

では、内定承諾書提出後は絶対に辞退はできないのでしょうか?それほど大切な書類であれば、承諾書を提出した後に内定を辞退することはできないように思われてしまうかもしれませんが、実際のところ書類提出後であっても辞退をすることは可能です。ただし既に述べた通り、内定を出してくれた企業の採用計画を狂わせる可能性もあるため、安易に提出し辞退をするというのは絶対に避けるべきでしょう。

なんらかの理由で、どうしても辞退が必要になってしまった際には「できる限り早めに企業側に連絡を入れる」「必要に応じてお詫び状を作成する」といった対応は、内定先の企業に対する社会人としての最低限のマナーです。また、その他に3つ注意しておくべきことがありますので、以下の項目で詳しく見ていきたいと思います。

法的な拘束力はない

先に内定承諾書提出後でも内定辞退はできると書きましたが、承諾書はあくまで入社の意思確認の書類であるため、法的な拘束力はなく、何らかの事情で入社する事ができない場合は承諾書を提出した後であっても辞退する事はできます。辞退を理由に、その後企業側から損害賠償を求められるということはありません。

しかし、だからといって気軽にサインをして提出をしていい書類ではありません。承諾まで少しの間企業側に待ってもらいたい場合は早めに連絡をし、期間を調整をするようにしましょう。

企業に多大な迷惑をかけてしまう

企業にとっても学生にとっても、内定辞退は避けがたいものであるのは事実です。いくら法的な拘束力がないとはいえ、正式に決定した「契約」を覆す事に変わりありません。承諾書を提出した後の辞退は、企業側に多大な迷惑をかける事を自覚しなければいけません。企業側は採用に対して多大な投資をしています。

特に内定を出してもらった企業に対して誠意を持った対応ができないのは、社会人のマナーとしては失格です。全く就職する気もない企業の内定を受けたまま放置したり、辞退する権利があると上から構えてはいけません。特に承諾書を提出してしまった後に内定辞退をする場合は、電話で速やかにその旨を採用担当者に伝えるとともに、極力即日でお詫び状を作成することをお勧めします。

推薦の場合は辞退のリスクが大きい

内定を辞退する際に、特にお世話になった教授などの推薦で応募をしていた場合には特に注意が必要です。辞退をしなくて済むように就職活動が進めばよいですが、どうしても内定が重なり、教授推薦で応募した企業からの内定を辞退する場合は企業から大学への信頼にも関わってくるためスムーズに進まないケースが多く、辞退することに対するリスクが大きくなります。

つまり、その翌年以降の教授からの推薦者数が減らされてしまったり、企業と教授や大学との関係性が悪くなってしまう可能性が十分にありますので、この場合は事前に教授に相談をするなど通常の内定辞退以上に慎重に行う必要があるでしょう。

内定後の悩みは「キャリアパーク!就職エージェント」

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入社承諾書の例文

私は、貴社の令和○年○月○日付け採用内定通知書を正式に受領いたしました。

つきましては、入社取り消しなどの貴社へご迷惑をおかけするような行為をしないことをここにお約束し、貴社へ就職することを承諾いたします。ただし、内定期間中に下記事項に該当することとなった場合は、内定を取り消されても異存ございません。

・令和○年○○月に学校を卒業できなかった場合
・採用にあたり提出した書類に虚偽があった場合
・病気、事故などにより、貴社での正常な勤務に堪えられない場合
・犯罪行為またはそれに類する非行を犯し、もしくは貴社の社員として不適切ないし品位を害する事由が生じた場合
・その他前各号に準ずる、採用内定を取り消されてもやむを得ない事由が生じた場合

入社承諾書が送られてこない場合は、自分でビジネス文書の形式に従って作成します。上記は、自分で作成する際の参考文例です。上記内容のように、内定の承諾と「こういった自体が起きた場合は内定を取り消されても構いません」という意思を示すのが、入社承諾書の基本的な内容になります。

承諾書とは入社を決意させる契約書であり重要性が高い

ここまで、内定承諾書の目的や重要性などを解説してきました。就職活動では学生側として内定辞退はどうしても避けることはできませんが、企業側としても学生の事情は十分に理解しています。しかし、先に述べた通り人事部としての採用コストや目標採用人数を確保するために、承諾書という手段を通じて内定者を早めに確定させたいという企業側の事情も学生側は理解しておくべきです。

止むを得ず辞退する場合は承諾書提出以前がベストですが、もしそれ以降になってしまった場合でも、社会人としての基本的なマナーや常識として、内定を出してもらったことに対する感謝と誠意を持って対応するように心がけましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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