目次
- 教育業界の志望動機は論理性と企業への貢献をアピールしよう
- 志望動機を作成する前に確認! 教育業界とは
- 教育学部以外・教育免許なしでも教育業界に挑戦できる?
- 志望動機に具体性を持たせる! 教育業界で押さえるべき3つのトレンド
- 就活生に聞いた! 志望業界のトレンドの調べ方
- 教育業界の志望動機で大切なポイント3つ
- やりがいだけではNG! 教育業界の志望動機の注意点
- 具体的にどう書く? 教育業界の志望動機の基本構成
- 就活生に聞いた! 志望動機を差別化するために意識したこと
- 【アピールポイント別】教育業界の志望動機例文6選
- 教育業界だからこそ注意! NG例文も確認しよう
- 教育業界の志望動機はやりがいだけでなく企業側のメリットもアピールしよう
教育業界の志望動機は論理性と企業への貢献をアピールしよう
受験や学習塾に通った経験から、教育業界を志望している人も多いのではないでしょうか。教育業界は、人の成長を支えたり人生の重要な意思決定にかかわったりできる、やりがいのある仕事です。
しかし、利益を追い求める企業である以上、志望動機では熱意だけでなくどのように貢献できるかを示す必要があります。
この記事では、教育業界への就職を目指す学生に向けて、業界の基礎知識から志望動機の作成方法までを解説します。人に何かを教える仕事だからこそ、論理性を意識して魅力的な志望動機を作成しましょう。
志望動機を作成する前に確認! 教育業界とは
教育業界というと、幼い頃に塾や通信教育などを利用した経験から、子ども向けの教育サービスをイメージする人も多いのではないでしょうか。しかし実際は、学校教育や受験に限らず、社会人や企業をターゲットとした幅広いサービスが存在します。そして教育業界では、講師のほかにもさまざまな職種が活躍しています。
採用担当者の目を引く志望動機を作成するには、教育業界のなかでもなぜその企業を目指すのかをアピールすることが大切です。そのためにまず、教育業界のなかにどのような業種、職種があるのかを確認していきましょう。
教育業界への理解を深めたい人は、こちらの記事も読んでみてください。
教育業界のおもな業種
教育業界が提供するサービスには、子ども向けの塾や予備校のほか、社会人向けの資格講座や、企業内研修などの法人向けサービスなどがあります。指導方法は、対面の個人・集団指導、教材による通信教育、オンライン指導などさまざまです。
昨今では、社会人の学び直しである「リカレント教育」「リスキリング」が注目を集めており、少子化が進むなかで、社会人向けのパソコン教室やカルチャースクールが増えてきました。多様化する教育業界のなかで、どのサービスに携わりたいのかを改めて考えてみましょう。
塾講師を目指している人は、こちらの記事もおすすめです。
教育業界で活躍する職種
教育業界では利用者の目につきやすい「先生」と呼ばれる仕事が注目されやすいですが、そのほかにもさまざまな職種が協力することで成り立っています。生徒に直接かかわる講師だけでなく、使用する教材を用意したり、講師が指導に集中しやすい環境を作ったりすることも、教育業界の大切な仕事です。
ただし、組織によって役割分担は異なり、小規模な塾などでは講師が営業をおこなったりサポートスタッフが事務を兼ねたりするケースもあります。自分がどのように働きたいかを考えたうえで、志望企業の体制を確認しておきましょう。
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教育学部以外・教育免許なしでも教育業界に挑戦できる?
「教育業界=教育学部の学生が目指す」と考えている人もいるかもしれませんが、教育学部以外や教員免許がない人でも挑戦できます。
教員免許は学校の先生になるために必要な資格であり、教育業界の仕事では必須ではありません。また、教育にかかわる知識以外にも、語学やITなど専門家としてのスキルを求められるケースも多いですよ。出身学部や教員免許の有無にとらわれる必要はないので、仕事で活かせる自分の強みを積極的にアピールしていきましょう。
ただし、企業や職種によっては、教員免許が応募資格になっていたり教育学部で学んだ経験が選考でプラスになったりすることがあります。応募時には、募集要項をしっかりと確認しましょう。
教育学部の就職先が気になる人は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
志望動機に具体性を持たせる! 教育業界で押さえるべき3つのトレンド
教育業界は、社会の動きにともなってサービス内容や求められる姿勢も変化しています。志望動機で差別化を図るには、業界のトレンドを盛り込み、業界への理解度や仕事への熱意をアピールすることが大切です。
より具体性のある志望動機を作成するためのステップとして、教育業界のトレンドを確認しておきましょう。社会や業界の変化に対してどう対応したいのか、自分なりの答えを探しながら読んでください。
①少子化が進む反面一人あたりの教育費は増加
子ども向けの学習塾や通信教育を展開している企業において、昨今急激に進んでいる少子化は無視できない大きな問題です。実際に、苦戦している企業も少なくありません。
しかし、子どもの数が減っている一方で、一人当たりの教育費は拡大傾向にあります。ソニー生命が大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女に対しておこなった「子どもの教育資金に関する調査2023」によると、習いごとや家庭学習などの学校外教育にかける平均費用は以下のとおりです。
未就学児から大学生まで、いずれも子ども一人あたりの教育費が増加していることがわかりますね。子どもの将来のために、学校以外でも充実した教育を受けさせたいと考える親が多いようです。社会人向けの教育サービスが普及していることも踏まえると、急激に需要が減少する可能性は低いといえるでしょう。
②プログラミング教育や英語教育のニーズ拡大
学校教育においてプログラミング教育や英語教育が義務化された流れを受けて、教育業界でもそれらの学習ニーズが拡大しています。
ソニー生命の「子どもの教育資金に関する調査2023」では、子どものプログラミング教育にお金をかけたいと思う親の割合は約半数、英語教育は約6割にものぼりました。「プログラミング教育で論理的思考力を伸ばしたい」「幼少期から英語に触れて耳を慣れさせておきたい」という思いから、受験対策以外にも教育ニーズが広がっているようです。
また、プログラミングや英語は仕事や副業に役立つスキルであることから、社会人からの需要も高まっています。ターゲットの年齢にかかわらず、これらの教育サービスを拡大していくことが、業界全体の成長につながると考えられますよ。
③オンライン学習をはじめとしたサービスの多様化
昨今では、対面による教育だけでなく、スマートフォンやパソコンを利用したオンライン学習が普及しています。義務教育の現場でも、新型コロナウイルス感染症禍の一斉休校をきっかけとして、タブレット端末の配布が進みました。
特に社会人向けの教育サービスでは、すき間時間を活用して受講しやすいことからオンライン学習が人気を集めています。社内教育として「eラーニング」というインターネットを介した研修を導入する企業も少なくありません。
また、利用者一人ひとりの理解度や興味に合わせた適切なサポートができるとして、AI(人工知能)を活用したパーソナライズ化も進んでいます。ITスキルを持つ人材は重宝されるため、自信がある人は積極的にアピールしましょう。
就活生に聞いた! 志望業界のトレンドの調べ方
業界のトレンドを知ることは志望動機を作成するうえで非常に大切ですが、どのように調べれば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、就活生の皆さんに志望業界の動向や将来性をどのように調べたのかを聞いてみました。
企業ホームページやSNSなどで調べたという回答が多数
インターネットや書籍を使って業界の特徴や企業の位置付けを調べたという回答が多く見られました。
インターネットで調べるときは、企業ホームページや求人サイトに限らず、口コミサイトやSNSなどを利用することもおすすめです。企業が公表している表向きの情報だけでなく、ネガティブな面も含めたリアルな情報まで調べられますよ。
インターンシップやWebセミナーなど生の声を収集している人も
インターネットを使って個人的に調べる人が多い一方で、インターンシップやWebセミナーなどでその業界の関係者から話を聞いたという回答も複数ありました。
いまやパソコンやスマホは就活の必須アイテムといっても過言ではありません。裏を返せば、インターネットで調べられる内容は、誰もが知りうる情報ということです。そのため、業界研究で差別化を図りたいのであれば、実際にその業界・企業で働く人からの生の声を収集してみましょう。
トレンドを含めた業界研究のやり方については、こちらの記事で紹介していますよ。
教育業界の志望動機で大切なポイント3つ
業界への理解が深まったところで、次に志望動機の作成方法を確認していきましょう。志望動機は企業が最も重視するポイントの一つであり、書き方一つで印象が大きく変わることもあります。魅力的な志望動機を作成するためには、教育業界ならではのポイントを押さえることが大切ですよ。
小中学校のような公教育との違いを理解したうえで、求められる素養にマッチしたわかりやすい志望動機を作成しましょう。
①教育業界の仕事で求められる素養を理解する
教育業界の志望動機では、やる気や入社意欲だけなく、自分が教育業界に向いていると思う理由を伝えることも大切といえます。企業が求めているのは、教育サービスに興味があることは前提として、一緒に自社を成長させていける仲間だからです。
そして新卒採用は、スキルよりも人柄や業務適性を重視する傾向があるため、性格的な強みをアピールすると好印象につながりやすいですよ。では、教育業界の仕事ではどのような素養が求められるのでしょうか。企業によって求める人材は異なりますが、参考として下記3つを理解しておきましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は多くの業界で求められる能力ですが、教育業界は人に物事を教える仕事がメインとなるため特に重要です。たとえば、子ども向けの学習塾であれば、生徒はもちろん保護者と直接会話をする機会も多くあります。人とかかわることが好きで、教えたい気持ちを持っていることが大前提となります。
また、利用者と直接かかわらない職種でも、社内で円滑な人間関係を築き業務を遂行するためのコミュニケーションが欠かせません。
学生の時点で完璧なコミュニケーション能力を備えていないといけないというわけではありませんが、個人で黙々と仕事をしたい人にはマッチしていない可能性が考えられます。
コミュニケーション能力を向上させたい人は、こちらの記事も参考にしましょう。
相手に寄り添う傾聴力
教育業界で求められるのは、ただ一方的に情報や知識を押し付けるだけのコミュニケーションではありません。相手の気持ちに寄り添いながら、その人に合った指導をするための傾聴力が求められるのです。
特に子どもの場合、わからないことを自分の言葉で十分に説明できるとは限りません。みなさんも、学校や塾の授業で「何がわからないのかわからない」と感じたり、正直に「わからない」と言い出せなかったりした経験があるのではないでしょうか。
そのような場合に大切なのは、生徒の立場に立って質問しやすい雰囲気を作りつつ、質問の意図を汲み取って答えることです。相手の悩みや疑問に耳を傾ける力は、コーチング能力にかかわる重要なスキルといえます。
こちらの記事では、傾聴力のアピール方法について解説しています。
相手の立場に立って考えることをアピールしたい学生はこちらの記事がおすすめです。
長期的な視点で物事を見る力
教育の目的は、相手が新しい知識を受け取り自分のものにすることです。そこにたどりつくまでには数カ月、数年の期間を要することもあり、すぐに指導の成果が現れるとは限りません。そのため、短絡的な結果を求めるのではなく、長期的な視点で物事を見られる人に向いていますよ。
また、教育の主体はあくまで生徒であり、指導者ではありません。成績アップや試験合格といった目標を達成するためには、自分の指導力だけでなく生徒本人の能力ややる気も大きくかかわってきます。自分の行動でコントロールできない部分があることも、教育の難しさです。
「どうすれば生徒が理解できるのか」「どのようなサポートが必要なのか」というプロセスを重視し、忍耐強くサポートし続ける姿勢が求められますよ。
②論理的でわかりやすい伝え方を意識する
教育業界の志望動機で大切な2つめのポイントは、論理的かつわかりやすく伝えることです。人に何かを教える仕事である以上、相手が理解できるように説明する力は必須といえます。
採用担当者の立場になって考えてみてください。志望動機が何を伝えたいのかわかりづらい内容だと、「生徒にもうまく教えられないのではないか」と感じてしまいますよね。いくら素晴らしいエピソードや考え方を持っていても、伝え方次第でマイナス評価になることもあるのです。
そのため、教育業界の志望動機は論理的かつわかりやすい伝え方を意識しましょう。志望動機の構成については、こちらで詳しく解説していきます。
ロジカルシンキングを鍛えたい人には、こちらの記事もおすすめです。
③公教育との違いを理解する
「人に物事を教える仕事」という共通点から、小学校や中学校などの公教育と同じ視点で教育業界をとらえている人もいるのではないでしょうか。しかし、公教育と民間の教育産業は異なる目的を持つものです。
日本中どこでも平等に教育を提供する公教育に対し、教育産業ではニーズに合った独自性のあるサービスの提供が求められます。
公教育でもいえる内容だけに終始してしまうと、「それなら学校の先生になれば良いのではないか」「ビジネスを理解していない」と思われることがあります。そのため、公教育との違いを理解したうえで、なぜその企業を選んだのかを説明しましょう。
こちらの記事では、教員の志望動機の書き方を解説しています。教員にも興味がある学生はぜひあわせて参考にしてください。
企業に対してどう貢献できるかをアピールしよう
公教育ではなく教育業界を志望するのであれば、「仕事を通して企業にどう貢献できるか」というビジネス視点を意識して志望動機を作成しましょう。
公教育とは違い、教育業界の企業では利益を求めなければなりません。「人の役に立ちたい」「教えることが好き」という熱意はもちろん大切ですが、それはサービスを通じて利益をあげてこそ実現できるものです。そこを理解していないと、自社にとってメリットのない人材と判断されてしまいます。
民間企業である以上自社の利益追求が基盤となるため、自分が何をしたいかだけでなく、自分を雇うことで企業にとってどんなメリットがあるのかを考えてみましょう。
会社に貢献できることの伝え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
やりがいだけではNG! 教育業界の志望動機の注意点
教育業界の志望動機は、一生懸命自分の思いを伝えたつもりでも、かえってマイナス評価につながることがあります。たとえば、やりがいや理想の教育像ばかりを語ってしまうパターンです。そのような内容では、ほかの学生と差別化がしづらいだけでなく、視野が狭い印象を残してしまう可能性も考えられます。
教育業界志望の学生によくある2つのパターンから、志望動機を作成するうえでの注意点を確認していきましょう。
「子どもの成長を支えたい」だけでは不十分
「子どもとかかわることが好き」「子どもの成長をサポートしたい」という理由は素晴らしいですが、それだけでは志望動機として不十分です。
先ほども説明したように、企業の目的は生徒の成績アップや志望校合格ではなく、それらを通して利益をあげることです。また、少子化の影響を受けて社会人向けのサービスにシフトしている企業もあり、子どもだけが対象とは限りません。「子どもの成長」だけにフォーカスした志望動機は、視野が狭いと思われるリスクがあるため避けましょう。
そもそも教育業界は、「教えることが好き」であることが大前提です。多くの学生に共通する動機であることから、限られた時間・文字数のなかであえて深掘りする必要はないといえますよ。
理想の教育のありかたを押し付けすぎない
教育業界を目指す学生でよくあるのが、「こんな教育をしたい」「教育とはこうあるべきだ」など大きな理想を掲げているケースです。
信念を持つのは素晴らしいことですが、理想の押し付けにならないよう注意しましょう。教育に対して高すぎる理想や凝り固まった考えを持っていると、変化していくニーズに対応できない頑固な人だと思われることもあります。
たとえば、詰め込み教育からの脱却を目指して2002年に始まったゆとり教育は、学力低下などが問題視され、約10年で廃止されました。かつて正しいとされていたことが、時代の流れを経て変化することもあるのです。
教育業界では、こうした変化するニーズに対応する柔軟さが求められるため、自分の考えを一方的に主張する志望動機は避けましょう。
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ツールを使えば、志望動機が3分で完成します
志望動機作成ツールはもう試しましたでしょうか?ツールで実際に文章を作成してみてからブラッシュアップする方が効率的に受かりやすい志望動機を作成することができます。
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作った志望動機は選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される志望動機を完成させましょう。
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具体的にどう書く? 教育業界の志望動機の基本構成
教育業界の志望動機のポイントがわかったところで、次に具体的な作成方法について確認していきましょう。志望動機は、どの業界や企業でも言える内容では採用担当者の目にとまりません。大切なのは、「なぜ教育業界なのか」「なぜこの企業でなければならないのか」を明確に示すことです。
また、先ほども説明したように、教育業界では人に教えることがメインの仕事であるため、志望動機もわかりやすく書く必要があります。基本の文章構成を理解したうえで、そこに自分の思いや経験を盛り込みましょう。
志望動機の基本構成は、こちらの記事でもチェックしてみてくださいね。
結論:なぜ教育業界で働きたいのか
まずは、「貴社を志望する理由は〇〇です」という志望動機の主軸になる部分を述べましょう。
履歴書やエントリーシート(ES)は隅から隅まできちんと読んでもらえるとは限りません。多くの応募が集まる企業などでは、さらっと読んだだけで判断されてしまう可能性も考えられます。そのため、何を伝えたいのかを採用担当者がスムーズに理解できるよう、最初に結論を伝えましょう。
このときのポイントは、「人に教えることが好きだから」という自分本位の理由に終始しないことです。教えることを通じて企業や社会にどう貢献したいのかまで掘り下げると、差別化につながりますよ。
理由:その企業を選んだ理由やきっかけ
次に、教育業界のなかでもなぜその企業を選んだのかという理由やきっかけを説明しましょう。
同じ教育業界であっても、ターゲット層や目指すビジョンが異なります。どの企業でも通用するような内容や公教育でも言える内容だと「うちじゃなくても良いのではないか」と思われることがあるため、応募先企業の特徴を理解したうえで共感したポイントを伝えましょう。
また、その際には理由を裏付けるエピソードをつけ加えることがおすすめですよ。具体的なエピソードを交えることでオリジナリティや説得力が増すからです。大学で学んだことやアルバイト経験など、教育業界の仕事につながるエピソードがないか洗い出してみましょう。
志望する業界に関するエピソードを思い出すなら、マインドマップを作成するのもおすすめです。マインドマップについてはこちらの記事で紹介していますよ。
エピソードを振り返るなら、過去の経験を時系列順に思い出す自分史という方法もおすすめです。自分史についてはこちらの記事を参考にしてください。
今後:入社後どのように働きたいのか
最後は、入社後どのように働いて企業に貢献したいのかを伝えて締めくくります。
仕事において熱意や意欲は大切なことですが、それだけで活躍することはできないでしょう。そして教育業界の企業は、公教育と違って利益を追求しなければなりません。企業が求めているのは教育を通じて自社に貢献してくれる人材なので、先ほど説明した求められる素養を踏まえながら仕事に活かせる強みをアピールしましょう。
ただし、志望動機は自己PRではないため、過度に自分の能力をアピールしないよう注意してください。あくまでも企業目線で、どのように貢献できるかを伝えることが大切です。
就活生に聞いた! 志望動機を差別化するために意識したこと
就活はほかの学生との相対評価であることが多いため、いかに周囲よりも魅力的な志望動機を作成できるかが選考突破のポイントとなります。そこで今回は、志望動機を差別化するために意識したことや工夫したことを、就活生のみなさんに聞いてみました。
過去の経験や自身の考えをアピールしたという声が多数
自分ならではの体験をもとに志望動機を作成し、オリジナリティを出している人が多くいました。
調べればすぐにわかることや一般論は誰でも書けてしまう内容であるため、それだけでは差別化はできません。一方、自分とまったく同じ経験や考え方を持つ人はいないため、そこを志望動機の主軸とすることで差別化につながります。
企業に気に入られようと当たり障りのない内容にすると印象に残りづらくなるため、具体的なエピソードを盛り込みましょう。
企業理解度の高さをアピールしたという回答も散見
志望度の高さを示すため、さまざまな方法で収集したその企業ならではの情報を盛り込んだという回答も見受けられました。
企業理念や事業内容をそのまま書くだけでは、ほかの学生と被りやすくなってしまいます。そこから深掘りして自分の考えをまとめたり、社員から聞いた話を盛り込んだりすると、差別化につながりますよ。
企業理解を深めるなら、IR情報を参考にするのもおすすめです。IR情報の見方や企業研究への活かし方についてはこちらの記事で紹介しています。
【アピールポイント別】教育業界の志望動機例文6選
ここまで解説してきたポイントや注意点を踏まえて、アピールポイント別に教育業界の志望動機例文を紹介します。
志望動機は、自分ではうまく書けているつもりでも、第三者(採用担当者)にとって読みやすく魅力的な内容になっているとは限りません。採用担当者の気持ちになって客観的な視点から例文を読み、良いと思ったところはぜひ参考にしてくださいね。
①アルバイト経験
教育系のアルバイト経験をアピールする際は、「子どもが好きだから」「教えるのが楽しいから」というやりがいだけで終わらせないことが大切です。この例文は、アルバイトで感じた教育に対する価値観を事業内容や指導方針につなげ、企業への貢献をアピールできていますよね。
塾講師の志望動機例文をもっと見たい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
②コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は教育業界の仕事で重要な素養ですが、人によってとらえ方が異なるため、漠然とした内容にならないよう注意が必要です。たとえば、「私はコミュニケーション能力があります」というだけでは説得力に欠けてしまいます。
例文のように、コミュニケーション能力を発揮したエピソードや、コミュニケーション能力を活かしてどのように働きたいかを伝えるのがおすすめですよ。
コミュニケーション能力のアピール方法を知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみましょう。
③情報収集力
教育業界のなかでも、教材開発を志望する場合の例文です。教育業界のトレンドを盛り込んでいることからも、情報収集力の高さが伝わりますね。
教育業界は年々二ーズが変化し新しいサービスが生まれているため、高い情報収集や柔軟な考え方を持つ人は重宝されますよ。
④大学で学んだこと
大学で学んだことを主題とする場合は、スキルを過剰にアピールしないよう注意しましょう。社会人として成果をあげるには、大学よりもさらに高いレベルを求められることがあり、即戦力になれるとは限らないからです。
例文のように、入社後も研鑽に努める姿勢や仕事を通して成し遂げたいことを伝えましょう。
志望動機に大学で学んだことを盛り込みたいときは、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
⑤努力によって培った語学力
英語教育の指導者を目指す例文ですが、ネイティブスピーカーではないことを逆手にとり、強みとしてアピールしている点がすばらしいですね。自身で努力を重ねてきた経験を活かして生徒一人ひとりの気持ちに寄り添う姿勢は、どの企業でも重宝されますよ。
語学力の中でも英語力をアピールしたい学生はこちらの記事を参考にしてください。
⑥常に学び続ける向上心
教育学部の学生は教育に対する理解があると思われやすい一方で、「なぜ学校ではなくうちなのか」「本当は教員を目指しているのではないか」と疑念を抱かれることがあります。
そのため、例文のように公教育ではなく教育業界を目指す理由を明確に述べることがおすすめですよ。
向上心をアピールする方法についてはこちらの記事で紹介しています。
教育業界だからこそ注意! NG例文も確認しよう
魅力的な志望動機を作成するためには、企業がマイナスな印象を抱く可能性があるNG例文を確認しておくことも大切です。教育業界を目指す学生によくあるNG例文を2つ紹介するので、良い例文と何が違うのかを比較しながら読んでみてください。
NG例文①公教育でも言える内容
私は塾講師のアルバイト経験から、子どもたちに勉強の楽しさを伝えたいと考え、貴社を志望しました。
大学在学中、中高生向けの個人指導塾で講師のアルバイトをしていました。もともと人に何かを教えるのが好きで始めたのですが、さまざま生徒と接するなかで感じたのは、勉強は楽しむことが最も大切だということです。一方的に教えるだけの指導では、目の前の問題を解決できても、その後の学習につながりません。何より、生徒が苦痛に感じてしまいます。
そのため私は、知識を教え込むのではなく楽しく学べる工夫を盛り込んだ指導で、生徒の成長を支えたいと思います。どのような習熟度の生徒であっても、しっかりと向き合えるよう尽力します。
最低限の教育を平等に提供する公教育とは違い、教育業界の企業では市場のニーズに応えて利益を追求しなければなりません。しかしこちらの例文では、公教育ではなく学習塾を選んだ理由が述べられおらず、子どもの教育にかかわるどの仕事でも言えるような内容になっています。
なぜ公教育ではなくその企業を選んだのかという理由を改めて洗い出し、志望動機に盛り込みましょう。
NG例文②教育業界の適性とズレている
私が貴社を志望するのは、確実に生徒の成長をサポートできる塾講師として活躍したいからです。
私は負けず嫌いで、子どもの頃から勉強も運動も一生懸命に取り組んできました。テストの点数が上がったりスポーツで勝ったりと良い結果が出ると、モチベーションがあがりさらに努力を続けることができます。この性格を活かして、子どもの成績アップや志望校合格をサポートしたいと考えました。
入社後は、結果にとことんこだわりながら指導方法を工夫することで、貴社の発展に貢献いたします。
負けず嫌いで結果にこだわる性格をアピールしている例文です。一見うまくアピールできているようにも見えますが、教育業界では長期的に忍耐強く指導する姿勢が求められるため、強みとして受け取ってもらえない可能性が考えられます。
教育の主体はあくまでも生徒なので、「自分の手柄」にこだわった内容は避けましょう。
教育業界の志望動機はやりがいだけでなく企業側のメリットもアピールしよう
教育業界の志望動機は、やりがいや熱意といった自分のメリットだけでなく、自分を採用することで得られる企業側のメリットをアピールすることが大切です。公教育との違いを踏まえ、企業の一員として教育を通してどのように利益を生み出していきたいのかを考える必要がありますよ。
また、同じ教育業界でも企業によって運営方針や指導方法は異なります。この記事で紹介した書き方のポイントはもちろんのこと、企業ごとの強みをしっかりと調べ、志望動機に盛り込みましょう。
【業界研究・志望動機に関する調査】