就活のマナー

入社承諾書とは?返信する際のマナーと辞退する場合の注意点

入社承諾書を企業に送る際に守るべきマナーとは

内定が決まった面接先企業から最初にもらう書類、それが入社承諾書です。内定承諾書と呼ばれることもありますが、ほとんど同じものと考えてよいでしょう。この書類は、企業に出向いたときにもらったり、郵送などで送られてきたりする場合がほとんどです。いずれにせよ共通しているのは、書類の必要事項を記入して送り返さなければ内定を確定させることができないということです。

返送にあたって、必要事項をもれなく記入することはもちろんですが、その他にも気をつけなければならない点は数多くあります。その注意点はいわゆるビジネスマナーの類で、社会人なら知っておかなければならないものです。この記事では、そんな入社承諾書で気をつけたいマナーを中心に紹介していきます。

内定承諾書の添え状の書き方については、以下の記事を参考にしましょう。

就活のマナーを身につけておこう

就活では、きちんとしたマナーを身に付けていないとマイナスの印象を与えてしまいかねません。言葉遣いの他にも、身だしなみやメール・電話のマナーなど細かいところでも求められます。他の就活生がマナーを守る中、振る舞い方を知らないでいると慌てることになります。

そこでおすすめなのが「就活マナーマニュアル」です。こちらでは、就活で必須のマナーを詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるため、マナーに自信がない就活生は手に入れておきましょう。

入社承諾書を返送する際のマナー

入社承諾書はただ必要事項を埋めて送り返せばいいというものではありません。とはいえ、不備があったからといって内定が取り消されるということは考えにくいです。しかし、最低限のマナーを守ることなくただ書類を送り返したのでは、面接の際にみせた意欲を疑われかねません。高い意欲を示したまま気持ちよく新しい仕事に向かいたいのであれば、入社前こそ必要最低限のマナーには気をつけたいものです。

内定通知への返信の仕方については、以下の記事を参考にしましょう。

返送はなるべく早めに

入社承諾書の返送に明確な期限があるかどうかは企業によります。はっきりといついつまでに返送してくださいと記されていれば、その期限を守るのは当然です。しかし期限が明示されていなくても早めの返送を心がけるのが一般的なマナーと言えます。だいたい一週間前後が目安と考えてよいでしょう。企業にとって人材の採用とは大きなコストと多用な事務処理がともなうものです。

もし内定者が就職希望を取り消すようなことがあれば、急いでその穴を埋めるための人材募集をしなければなりません。また、入社までの事務手続きを始めるには内定者の入社意志の確認が必要です。こうした相手先企業の事情を考慮することはビジネスでは必須のマナーといえるものですので、返送期限は確実に守りましょう。

内定承諾書を返信する期限については、以下の記事が参考になります。提出が遅れないように気を付けましょう。

添え状を同封する

入社承諾書を返送する際、特に気をつけたいことは添え状を同封することです。添え状とは書類がどういったもので何通あるかを記載したもので、送り主と受け取り主の双方が内容物の相互確認のために使用します。具体的な内容は、日付、受け取り主の会社名および担当部署と担当者名、送り主の住所氏名、そして本文です。本文の内容は、あいさつ、お礼、そして同封の書類について書きます。

入社承諾書の添え状はお礼状を兼ねることが一般的ですので、内定をいただいた感謝の気持ちや今後の意欲を本文の中におさめましょう。同封の書類についての記載は「下記の書類を同封いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願いします」などと記し、欄外に書類の詳細一覧を分けるのが一般的です。

添え状については、以下の記事でも詳しく解説しています。参考にしましょう。

返信用の封筒で返送する

添え状を書き終えたら、入社承諾書とともに返送します。このとき、添え状や入社承諾書に記載漏れや不備がないか十分にチェックすることを怠らないでください。返信に使う封筒は、入社承諾書を受け取った際に返信用の封筒が用意されていればそれを使用します。返信用封筒が同封されていなかったときには、なるべく白くしっかりした紙質の封筒を使うようにしましょう。薄い紙質の茶封筒を使うことはあまり一般的ではありません。

受取人払いの返信用封筒でなければ、切手を貼る必要があるため注意しましょう。返送の期限が迫っているのであれば、速達郵便で発送する方法もあります。

入社承諾書を提出する意味については、以下の記事で解説しています。

保証人欄は3親等以内の親族から選ぶ

内定承諾書の保証人欄は、3親等以内の親族から選ぶようにしましょう。父、母、祖父、祖母、叔父、叔母など、社会人の親族のなかから選ぶのが基本です。記入する際には、きちんと本人に保証人になってもらえるかどうか確認しましょう。

入社承諾書の保証人欄は、独立生計者の名前を書くのが望ましいとされているため、一般的には父の名前を書くことが多いでしょう。母が働いているならば問題はありませんが、専業主婦だった場合は保証人欄には書かないのが一般的です。また、兄弟も3親等以内の親族であるため、兄や姉に相談して保証人になってもらうこともできます。

保証人欄は、保証人になった本人に直筆で名前を書いてもらうようにしましょう。直筆かどうかを確認する企業はほぼありませんが、ルールにのっとって記載することが求められるといえます。

保証人については、以下の記事が詳しく解説しているため参考にしましょう。

入社承諾書を送る封筒の書き方

返信用封筒は、宛名の部分が「○○行」となっているはずです。その場合は「行」を線で消して、会社に送るなら「御中」、個人に贈るなら「様」に書き換えるようにしましょう。返信用封筒がなかったときは、自分で用意した封筒にそのまま宛先を書けば問題ありません。

封筒の裏面には、自分の住所と氏名を書きましょう。入社承諾書を入れて封をしたら、その上から「〆」と書きます。これは、封筒が開けられていないことを証明するための印であり、大事な書類が入っているときに使うものです。

封筒の表には、左下に赤字で「入社承諾書在中」と書くようにしましょう。こうしておくと封筒を開けなくても何が入っているかが分かるので、受け取った人に対して親切です。

以下の記事では、お礼状を送る際の封筒の書き方について解説しています。入社承諾書と共通する部分も多いため、目を通しておくと理解が深まります。

入社承諾書の添え状で好印象を与えるポイント3つ

相手に失礼がないように気をつけるために、マナーという共通認識が存在しています。マナーを重んじるのであれば、入社承諾書には添え状を添付することが望ましいでしょう。

しかし、せっかくマナー通りに添え状を送っても、その内容が不適切なものであれば台無しになってしまいます。かえって悪い印象を与えかねません。正しいマナーに沿った添え状を送り、相手に好印象を与えましょう。ここではその3つのポイントを紹介します。

以下の記事では、内定への返事を電話やメールでおこなう方法を解説しているため、参考にしましょう。

添え状に使う用紙の大きさ

入社承諾書とともに添え状用の用紙が送られてくることはほぼありません。よって、添え状の用紙選びは自分でおこなう必要があります。添え状用の用紙に具体的な決まりはありませんが、できるだけ入社承諾書と同じサイズか少し小さめのサイズを選ぶのが無難です。

手書きするのであれば、罫線の入った用紙を使うことをおすすめします。罫線に沿って文字を書くことで文章の曲がりなどをおさえることができますので、見栄えのよい仕上がりが期待できるでしょう。

手書きではなく、パソコンで作成しても問題ありません。添え状のマナーとして手書きかパソコンで作成するかを問われることはまずありません。パソコンからプリントアウトする際も、用紙の大きさに注意しましょう。

入社承諾書には、印鑑を押すことも多いです。印鑑を押す時に気を付けるポイントは以下の記事を参考にしてください。

誤字脱字や敬語が間違っていないか確認する

手書きにせよワープロにせよ、気をつけたいのは誤字脱字です。手書きであれば漢字の書き間違いには特に注意しましょう。ワープロの作成であっても、誤変換や思い違いなど気をつけるポイントはたくさんあります。また添え状の本文の始めには、「拝啓」や「謹啓」などのあいさつ語を用いることが一般的です。

さらに添え状を送る季節に応じて時節のあいさつを使い分けることも必要です。正しい用法を知った上で使用しましょう。同様に、敬語の使い方などにも気をつける必要があります。こうした間違いは自分が恥ずかしい思いをするという面だけではなく、社会的な常識が欠けていると悪い印象を与えることにもつながりますので、十分に注意したいものです。

以下の記事では、書き言葉と話し言葉の違いを解説しています。参考にしましょう。

できるだけ1枚に収める

内容物の確認を取るための添え状と感謝の意を表すためのお礼状は、本来それぞれ別の機能を持つものですが、これらをひとつに合わせているのは理由があります。添え状とは別に、何通にも渡る熱い思いを述べたお礼状を送ることは好印象につながりそうにも思えますが、一概にはそう言えません。それは受け取る側の都合を考えていない行為だからです。

受け取る側にとってみれば、書類の枚数が増えれば増えるほど管理の手間も増えます。つまり添え状を1枚におさめることは、相手の手間を省くことにつながるのです。ビジネスのやり取りは、こうした一見小さなところでも評価が変わってきますので、見逃さないようにしましょう。

添え状の書き方については、以下の記事も参考にしてみてください。

入社承諾書を提出した後に内定辞退はできるのか

第一希望の企業の内定通知を待っているあいだに、それ以外の企業で内定が決まったというケースも少なくないでしょう。こうしたタイムラグの中で、優先度の低い企業に入社承諾書を提出することにためらいを感じる方もあるかもしれません。

しかし、入社承諾書は取り消すことが可能です。とはいえ入社承諾書とはいわば企業と内定者との約束を取り決めた書類ですので、いい加減に取り扱うことはマナー違反につながります。企業の都合も十分考慮した上で、それでも取り消さなければならない場合のみ実行しましょう。

内定辞退について以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

入社承諾書に法的拘束力はない

入社承諾書は、法的には単なる文書として扱われるのが一般的です。内定者、つまり労働者は職業選択の自由を認められているので、入社承諾書によって法的に拘束されることはありません。入社承諾書を反故にしたとしても、企業側から損害賠償などの責を負う法的根拠はないといえるでしょう。

入社承諾書を企業が求めるのは、内定者を法的に縛るためではありません。入社承諾書という約束事を取りかわすことにより、内定者が安易に入社の意志を取り消さないようにすることが狙いのひとつといえます。入社承諾書を破棄しても法的な問題ないとはいえ、約束を反故にすることはビジネスマナー以前の問題です。慎重な態度で臨みましょう。

内定承諾書を提出した後の辞退方法については、以下の記事を参考にしてください。

企業に迷惑がかかることを覚えておく

入社承諾書は法的拘束力を持つものではありません。しかしこれを安易に取り消すことは企業に少なくない迷惑をかけることを意味します。そもそもなぜ企業が入社承諾書の提出を求めるのかを考えれば、どういった迷惑をかけることになるのかも分かるでしょう。多大な時間と大きなコストがかかるのが人事の採用です。このコストの回収は内定者の入社を前提としています。

つまり内定者の入社取り消しは、こうしたコストの回収を含めた採用計画を少なからず狂わせるものであり、企業にとっては避けたいことなのです。こうした相手先の企業の迷惑を考慮することは、違う会社に就職したとしても必須のビジネスマインドといえます。

内定辞退について話をしたいと企業に呼び出されることもあります。詳しくは以下の記事を参考にしましょう。

提出後の内定辞退は丁重に

やむない理由で内定辞退を選択することになっても、最低限気をつけたいことを押さえておきましょう。ここでも相手をおもんばかるマナーを大切にすることが重要です。内定辞退の意志があるのなら、早めの連絡を入れることを心がけましょう。入社承諾書の提出に期限があるのであれば遅くともそれまでに、ない場合でも入社承諾書の受領から一週間前後の連絡が目安です。

電話連絡や直接会社に出向くなど連絡の方法は特に決まっていませんが、いずれにせよ相手の都合を考慮して、早めに辞退を申し出ましょう。もし内定を辞退するかどうかはっきりと決まっていない状態であっても、とりあえずその現状を報告しておくべきです。そうすることで、企業側も対応策を早い段階ですすめることができます。

内定承諾書を提出した後に辞退する際のマナーについて、以下の記事で紹介しています。内定辞退を考えているのであれば、参考にしましょう。

入社承諾書の添え状で好印象を与えよう

入社承諾書は入社の約束を交わす文書で、企業にとっても入社希望者にとっても大変重要なものです。とはいえ法的拘束力は持たないので、その約束を反故にしても労働者が罪に問われることはありません。しかし内定を辞退するにしても慎重に熟慮した上で実行しなければ、社会的資質を問われます。

これからビジネスの世界に飛び込もうとする人にとって、入社承諾書は最初のビジネスマナーを学ぶアイテムだといえるでしょう。添え状やその書き方、返信の仕方、辞退するかどうかも、すべてビジネスマナーにのっとった形でおこなうことが大切です。その意味で入社承諾書について知ることは、それにまつわるさまざまな重要なマナーを学ぶことにもつながるといえます。

内定をもらった後の流れについては、以下の記事も参考にしましょう。

監修者プロフィール

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吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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