面接対策

【自分を物に例えるとという質問】企業側の狙いと解答例文

「自分を物に例えると?」という変わった質問がある

面接の質問にはいろいろと悩まされることが多いですが、ある程度の質問ならば前もって予測することができます。例えば「御社を選んだ理由はなんですか?」や「学生時代に最も打ち込んだことは?」といった王道とも呼ばれる質問は、あらかじめ答えを用意しておくことが可能です。しかし、「自分を物に例えると?」という質問に対する答えを用意している就活生は少ないでしょう。

こうした急な質問は、すぐに答えられるようなものでもありません。実際に、この質問をされて答えに詰まったという就活生もいます。失敗してから後悔しても仕方がありません。今のうちになぜこのような質問をするのか、どういった答えがベストなのかを考えておいた方がよいでしょう。

「自分を物に例えると」は面接でよくある質問

「自分を物に例えると」という質問は、面接ではよく聞かれる質問のひとつとなっています。普段生活をしていくなかで、自分を物に例えることはあまり無いために、とっさに答えが出てこないこともあります。この質問は、自己分析力やイメージ力の豊かさを見るためにおこなわれます。

質問に対して、ただ答えをいうだけでなく、自分の長所や特徴と合わせて考える必要があります。近年の選考試験では、このような自分の考えを述べて、自身をアピールするような質問が多い傾向にあります。突然の質問に困ってしまわないように、事前に答えを考えておきましょう。

臨機応変に答える必要がある

「自分をものに例えると」という質問は、就職面接で聞かれることも多くなっていますが、ほかにも、「自分を食べ物に例えると」「自分を電化製品に例えると」「自分を人間以外の動物に例えると」など様々なバリエーションがあり、どんな質問をされるのか、その時になってみないと分かりません。用意していた答えと違う質問をされると、答えに詰まって言葉が出てこないこともあります。

どのような質問にも、自分自身の意見をいえるように、臨機応変に答える必要があります。面接の対策を練るときにも、色々な質問をされることを予想して、柔軟な発想で考えられるようにしておきましょう。また、その答えと自分の長所を絡めて、アピールできるようにしておくことも大切です。

客観的に自分を見ることが大切

就職活動では自己分析をおこない、自分がどのような人間であるかを考える必要がありますが、客観的に自分を見ることも大切となります。自分自身のことは、自分が一番よく分かっていると思いがちですが、気付いていないこともたくさんあるものです。長所や短所、得意なことや苦手なことなど、自己分析をおこなって改めて実感することも多いでしょう。

その時にも、普段では気付かない自分自身のことを、他の人から見たらどのように見えているのか、客観的に考えてみるのをおすすめします。そこから分かった長所や特徴に合わせて、例えるものを探してみるとよいでしょう。「自分を物に例えると」という質問では、自分を客観的に捉えることができるか、ということも評価されています。

根拠のある回答ができると高評価

「あなたを動物に例えると何だと思いますか?」と聞かれた時に、ただ単に「猫です。」と答えるだけでは、評価にはつながりません。当然のことですが、答えにはなぜそう思うのか理由が必要となります。その時も、「猫が好きだから。」という理由ではなく、なぜ自分は猫だと思うのか、きちんとした根拠のある回答ができると好印象を与えられます。自分自身の長所や特徴と合わせて、アピールできるような回答をしましょう。

自分のことをどう思うのかを伝えることが重要となりますが、自分の勝手な思い込みではなく、他の人が聞いても納得できるような客観的な理由を述べることもポイントです。家族や友人などに意見を聞いてみるのもよいでしょう。

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自分を物に例えると面接で質問してくる企業側の狙い

さまざまな就活生を見てきた企業側の面接官ですが、なぜこのような質問をするのでしょうか。そこには確かな理由が存在しています。面接官がこの質問をする理由がわかれば答え方も自然を浮かんでくるでしょう。不必要な質問はありません。答えられなくてもいい質問などないのです。一見突拍子もないこの質問にも企業側の狙いがあり、採用か不採用の天秤に掛けるための重要な質問となっていることは間違いありません。

就活生の本来の姿を見たい

最初に例を挙げた王道とも呼ばれる質問には、正解となる模範解答が用意されています。そのため、同じような回答に偏るといったことが起きてしまい、採用のための差別化ができない無意味な質問となることもあるでしょう。そこで、突飛な質問をすることによって、就活生の本質を見ようとしているのです。予想外の質問の答えを前もって予習しておくことはできません。つまり、一般的に正解とされている答えで偏るということはなくなります。

王道的な質問はもちろん必要なことですが、面接官にとってはこのような質問も就活生を見極めるうえで重要な質問です。前もって予想できなかった以上、自分が考えられる最高の答えを見つけるしかありません。

瞬発力と発想力を見たい

人は思わぬ事態が起きると少なからず思考を止めてしまいます。特に自分をものに例えるとという質問は、面接という非日常的な場面で、緊張しているところに追い打ちをかけられるようなものです。想像もしていなかった質問に頭が真っ白になってしまう人もいるでしょう。しかし、面接官が見たいところはその就活生の能力です。社会に出れば予測のできない事態は何度も訪れるでしょう。

その状況に直面した時、状況を正確に判断し、行動できる人材かどうかを見極める必要があります。不測の事態にどの程度の時間で切り返しができるのか、またどのような回答をひねり出すのかを見ているのです。素早い判断力とそれを実行する瞬発力、答えのないところから答えを生み出す発想力を見せることができればベストです。

メンタルの強さを確かめたい

仕事をするにあたってストレスは切っても切れない存在です。人によってその大きさは異なりますが、少しもストレスを感じていないという人は極僅かな人達でしょう。メンタルの強さを見る必要性はここにあります。いかに優秀でもメンタルが弱ければ意味がありません。ちょっとしたことですぐに辞められるのは企業側にとって非常に困ります。

不測の事態とは大きくストレスが掛かる行為であり、それを乗り越えられる人材でなければなりません。多少のことでは揺るがないメンタルの強さを持っているということを通し、会社側にとってストレスに負けることなく長期間にわたって活躍してくれそうな人材だと思わせることがポイントになってきます。

自分を物に例えるときの3つのポイント

「自分を物に例えると?」という質問の重要性を理解しても、答え方がわからなければ意味がありません。そして、この質問にも他の質問と同様にタブーとされている回答がいくつかあります。

何もわからずに答えると手痛いしっぺ返しをもらうこともあります。面接に臨むためには不安要素を少しでも取り除く必要があり、その為にも押さえておきたい3つのポイントをしっかりと覚えておきましょう。

①「スポンジ」「潤滑油」以外の回答が好ましい

この質問をされた就活生が最も使用すると思われる「スポンジ」、「潤滑油」などの回答は一見正解のように思われますが、この質問に限ってはタブーです。面接官が聞きたい答えは誰でも答えそうなありきたりな答えではありません。使い古されたこの答えでは就活生の本来の姿を見ることはできません。面接官が知りたいのは就活生の持つ能力です。「自分の意見を言うことも出来ない」とマイナスな評価を受けることにも繋がります。

スポンジや潤滑油のようなありふれた回答ではなく、質問の意図を読み取り、自分なりに考えた回答をすることが重要です。もしもこの回答をするのであれば、少しひねった答え方をするなどの工夫をしましょう。

②誰でも知っている身近な物に例えるのが理想

自分なりに考えたオリジナルの回答がベストという結論を出しましたが、奇をてらってマニアックすぎる物を言うこともタブーです。面接官に伝わらなければどれだけうまい例えだとしても意味がありません。自分がユーモアに溢れた人物であるという長所はほかの質問でアピールしましょう。面接における答え方は、面接官がどのような情報を知りたいのか、そのためにはどのような回答が適切なのかを理解することが大切です。

ここではだれでも知っているような物、できれば身近にある物で例えられると面接官が想像することも容易になります。例えばその企業にとって欠かせないもので例えることができれば印象はグッとよくなるでしょう。

③自己分析の結果を上手く言い換えてアピールする

どれだけいい例えを見つけたとしても、自分と上手く結びつけられなければマイナスとなってしまいます。この質問の回答には自己分析能力が必要であり、いかに自分の長所を相手に伝えられるかがポイントとなります。物に例えようと考えると難しいので、自己分析を言い換えるために物を利用すると考えた方がいいでしょう。

あくまでも伝えるべきことは、例えた物の紹介ではなく自分の長所、アピールポイントです。この質問は一見ピンチにもみえる不測の事態ですが、他の就活生との違いを見せるチャンスでもあります。自己分析で、自己理解を深めて、この質問にバッチリ答えられるようにしましょう。

自己分析のやり方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

④他己分析もおすすめ

「自分を物に例えると」の質問では、自分自身を客観的に見ることができるか、ということも評価されています。自分で自分を客観的に見て、長所や特徴を分析することも重要ですが、友人や家族からの他己分析もおすすめです。自分では気付いていない、意外な長所や特徴が分かるかもしれません。人によって、考え方や、受け止め方は大きく異なります。

自分が短所だと思っていたことでも、他の人から見たら長所と思われていることもあります。なるべく、仲の良い友人や家族に他己分析をしてもらい、正直に意見をいってもらうようにしましょう。他己分析として、他の人の意見を聞くことは大切ですが、あくまで参考程度として取り入れることがポイントです。

自己分析と他己分析では、答えが全く異なることもありますし、自分の意見と他人の意見を混同してしまい、答えに一貫性が無くなってしまう可能性もあります。人の意見を聞いて、自分の考えとしてまとめるように注意しましょう。

他己分析の方法について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

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面接官を納得させられる解答例

この質問の重要性を理解し、ポイントも押さえたけれども「しっくりくる解答が思いつかない」という人もいるでしょう。しかし、コツを掴んでしまばそれほど難しいことではありません。どのような物に例えるのがベストなのか、またどのように話を構築していくとうまく成り立つのかなど、いくつかのコツや要点を把握し、理解することが大切です。それさえできれば自分なりの答えを導き出すことが出来ます。ここでは解答例と解説を交えてコツと要点を説明していきます。

回答例①もの

私はコツコツと地道に物事を進めるタイプの人間です。昔から基本をしっかりと押さえ、1から地道に進めていくことが大切だと思い行動しています。なので物に例えるとすれば一秒一秒確実に時を刻む時計だと思います。

この場合は例えるものを後ろへもってくることで、最終的にどんなものに例えてくるのかを想像させることができます。結論から話してしまうのではなく、最後に話すことによって自分の話に興味をもってもらうことがポイントです。

自分の自己分析を交えながら自分の行動理由を入れることによって、しっかりと自分なりの考えをもって行動しているという自己アピールができています。コツとしてはあまり説明が長くならないようにすることです。

回答例②家電

私は物に例えると掃除機ロボットルンバだと思います。その理由は自ら進んで行動を起こすことが最も大切なことだと思っているからです。そして自分が納得するまで粘り強く動きます。しかし、人間なのでルンバのように要領よくはいきませんが、そこは人間なりの長所でカバーします。

今度は最初に物に例えています。掃除機ロボットルンバと言われてもその理由はあまり想像できません。なので面接官はどうやってそこに結び付けるのかと考えます。そこで理屈の通った答えを持ってこれればベストです。さらに最後にユーモアを付け加えることによって、型にはまった人間じゃないんだという印象を与えることができます。正確な自己分析とユーモアを上手く使い分けることがポイントとなります。

回答例③家電

物に例えるとしたら私はエアコンみたいだなと思いました。エアコンは夏は涼しく、冬は暖かく、臨機応変に対応します。私の長所は周りをよく見ていることだと言われます。状況をいち早く理解できれば臨機応変に対応することができるので、これからは高性能なエアコンのように自分で判断できるようになりたいです。

このタイプの回答を使うためには注意点があります。それはこの回答自体を瞬時に応える必要があるということです。間が空き、悩んだあげくに「臨機応変に対応できます」と言っても納得してもらうことは難しいでしょう。

リスクは大きいですが、もし上手くいけば他の答えよりもいい印象を与えることができます。瞬発的に自分と例える物との結びつきを理解しないといけないうえに、面接官との相性もあるので、状況をしっかりと見極めたうえで使うといいでしょう。

回答例④動物

私を動物に例えるなら、海で泳ぐ「イルカ」がぴったりだと思います。イルカは、周りとコミュニケーションを取りながら、お互いに協力したり、自分より強い敵から身を守ったりしています。私も、周囲と協力しながらグループの一員として物事に取り組むのが好きで、その方が力を発揮しやすいからです。自分一人では困難なことでも、仲間と協力していくことで乗り越えらると信じています。

自分をイルカに例えて、イルカの特徴である協調性や社交性をアピールしています。社会人として仕事をしていく上で、ほかの人と協力することは欠かすことのできない能力です。難しいと感じることでも積極的に取り組んで、課題を乗り越える前向きな姿勢も伝えることができます。

回答例⑤食べ物

私を食べ物に例えると「じゃがいも」です。じゃがいもは、様々な国で使われている食材で、調理の仕方でも大きく変化します。炒めても、焼いても、揚げても美味しく仕上がります。私自身も、環境が変わってもすぐに適応できることができ、周囲に合わせて自分のやるべきことをやり遂げる性格です。どんなところでも、臨機応変に対応できる自信があります。

幅広い調理方法がある「じゃがいも」に例えて、どんな環境にも合わせられる臨機応変さをアピールしています。身近な食材に例えることで、分かりやすく伝えることができます。どのような環境に置かれても、一生懸命に頑張る姿を表現できるでしょう。社会では、自分の希望通りにいかないこともありますが、そんな時でもすぐに投げ出さずに、前向きに取り組む様子が伝わるでしょう

面接で頻発する質問の対策について、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

自分を物に例える質問をされたら長所をアピールする

面接官が知りたいことは就活生の本質、瞬発力や発想力といった個々の能力です。一般的なよくある回答をしたところでいい印象を与えることはできません。「自分を物に例えると?」という一見意味のないような質問にも意味があります。企業によっては物ではなく「自分を生き物に例えると?」という質問もあるそうです。

さまざまなバリエーションにも対応できるように、必要なポイントやコツを押さえておく必要があります。限られた面接という時間のなかで大切なことは、どのように自分の長所をアピールできるのかということです。訪れたチャンスは逃さず、希望の会社への内定をしっかりと掴みましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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